日本共産党提出の意見書

平成20年第2回定例会
Y1

 (提出年月日)平成20年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

正規雇用の推進と派遣労働者の処遇改善を求める意見書(案)

 大企業の史上空前の利益が続いているもとで、派遣やパート・アルバイトなどの非正規雇用は全国で1,730万人と増加し、全労働者の3分の1を占めるに至っている。また、年収200万円に満たないワーキングプア(働く貧困層)と呼ばれる人々は1,000万人を超える深刻な事態になっている。
 とりわけ「日雇い派遣」が急増しており、不安定な雇用形態と低賃金・無権利状態の非人間的な働かせ方で、企業収益を増大させてきたことに対し、社会の批判が高まっている。
 今日の貧困の根底にあるのは、不安定雇用を促進した労働者派遣法の相次ぐ規制緩和にあったことは明白である。派遣労働者を守る新しいルールの確立こそが、政府に求められる重要な課題となっている。
 国会では、福田首相が「日雇い派遣は好ましくない」、「労働者の派遣制度の見直しに政府として取り組む」と答え、厚生労働省も「労働者の派遣制度のあり方」について検討を開始している。
 若者の雇用を改善させ、派遣労働者が将来に希望を持ち、だれもが意欲を持って人間らしく働き、生活できる社会の実現を目指すべきである。そのためにも、働く者の視点に立った雇用や生活の安定に資する見直しが行われるよう、適切で慎重な対応が求められている。
 よって、本市議会は国に対し、正規雇用の推進と派遣労働者の処遇改善を図るよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会


平成20年第2回定例会
Y2

 (提出年月日)平成20年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

宇宙の軍事利用に反対し、平和利用に徹するよう求める意見書(案)

 これまで日本は、宇宙開発のあり方として、1969年の国会決議や宇宙航空研究開発機構法で「平和の目的に限り」と明記し、「非軍事」を原則としてきた。この立場は、国際的に高く評価されている。
 しかし、今国会で成立した宇宙基本法には、新たに「我が国の安全保障に資する」との文言を加え、公然と軍事利用としての宇宙開発に道を開いたことは重大な問題である。
 また、自民党国防族、防衛省幹部、軍需企業でつくる「日本の安全保障に関する宇宙利用を考える会」の報告書では、米国の先制攻撃戦略の一環である「ミサイル防衛システムのための宇宙利用」や「自衛隊の海外派兵のための防衛専用通信衛星の保有」などの必要性を強調しているが、提案した自民党議員も、国会審議において「専守防衛の範囲内で防衛目的の利用は可能となる」として、軍事衛星の導入は法的に可能であると答弁している。
 さらに問題なのは、宇宙基本法では「情報の適切な管理のために必要な施策を講ずる」として、情報の秘匿を法的に定めていることである。これまで「自主・民主・公開」を原則としてきた宇宙開発を、軍事のために情報を管理しようとするものなのである。
 日本の宇宙開発は、あくまで「平和目的に限る」、「自主・民主・公開」を原則として、憲法の定める平和主義に徹するべきである。
 よって、本市議会は国に対し、宇宙の軍事利用に反対し、平和利用に徹するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会


平成20年第2回定例会
Y3

 (提出年月日)平成20年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

地球温暖化対策の強化を求める意見書(案)

 二酸化炭素など温室効果ガスの排出抑制を約束した京都議定書で、我が国は2008年から2012年までの第1約束期間に、温室効果ガスを1990年比で6%削減すると公約している。しかし、現状は削減どころか2005年度で7.7%、2006年度でも6.4%上回っていると言われており、目標の達成は地球全体に対する責任として打開が求められている。
 本市においても、千葉市地球温暖化対策地域推進計画を実施するなど取り組みの強化を図っているところである。
 我が国は、京都議定書が合意された国際会議の開催国である。また今年7月、北海道洞爺湖で開催される主要国首脳会議では議長国として、京都議定書の目標達成と京都議定書の第1約束期間後の国際的な温暖化対策を主導することが期待されているのである。
 よって、本市議会は国に対し、日本が負っている国際的な責任を果たす上でも、京都議定書で約束した6%削減目標が達成できるよう、国の計画を抜本的に見直し、地球温暖化対策を強化するよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会


平成20年第2回定例会
Y4

 (提出年月日)平成20年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

国の責任による介護・福祉労働者の労働条件の改善を求める意見書(案)

 今、介護・福祉労働者は、利用者の命と安全を守る大切な仕事でありながら、正当な評価がされずに、極めて低い賃金で働いているのが現状である。そのため、高齢者介護や障害者福祉の職場では、生活不安や健康破壊による離職者が絶えず、人員不足から超過重労働を余儀なくされることになり、募集しても必要な人員が確保できないという悪循環に陥っている。
 その主な原因は、国による介護保険法の改悪や障害者自立支援法の実施に伴い、利用者への大幅な負担増やサービスの制限とともに、事業所への報酬の引き下げが行われたためである。その結果、経営危機に陥った事業所は、職員の労働条件の切り下げを余儀なくされ、閉鎖に追い込まれるところもあるなど、利用者も介護・福祉労働者も深刻な影響を受けることとなったのである。
 このままでは、特別養護老人ホームや訪問介護を初め、地域の高齢者介護・障害者支援体制が「根底から崩れ去る」のではないかと危ぶまれている。
 高齢者介護や障害者福祉はマンパワーに頼るところが大きく、必要な人材確保こそが利用者の命と安全を守る保障となる。そのためにも、介護・福祉労働者が誇りを持って働き続けられる労働条件に改めることは喫緊の課題である。
 憲法第25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と定めており、国は国民に対して、良質な医療・介護・社会保障を提供し、だれもが安心してサービスを受ける権利を保障しなければならないのである。利用者の生活と人権を守るためにも、介護・福祉労働者の待遇改善は待ったなしであることから、国は、直ちに事業所への報酬の大幅な引き上げや人員配置基準の抜本的な見直しが求められているのである。
 よって、本市議会は国に対し、国民と利用者の負担をふやすことなく、国の責任による介護・福祉労働者の労働条件の改善に取り組むよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会


平成20年第2回定例会
Y5

 (提出年月日)平成20年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書(案)

 政府は本年4月より、75歳以上の高齢者等を対象に「後期高齢者医療制度」をスタートさせた。これに対し、高齢者のみならず多くの国民から「まるでうば捨て山のようだ」との厳しい批判の声が上がっている。
 同制度は、「これまで保険料負担のなかった扶養家族も含めて、75歳以上のすべての高齢者から保険料を徴収する」、「月額15,000円以上の年金受給者からは、原則として保険料を年金から天引きする」、「保険料滞納者からは保険証を取り上げ、窓口で医療費全額を負担させる」、「75歳以上を対象に別建ての診療報酬を設定し、高齢者の医療を差別する」といった内容である。
 この制度のねらいは、高齢者の医療費を削減することを第一に考えられたものであり、ふえた医療費は自動的に国民が負担する仕組みとなっている。
 既に全国の自治体の3割を超える議会が、制度の見直しや「中止・撤回」を求める意見書を採択し、国会では、野党4党の「廃止」法案に賛意を示す与党議員も出るほど、ひどい医療制度なのである。
 さすがに、政府・与党も「見直し」を言い出さざるを得なくなっているが、高齢者差別の基本姿勢を変えない限り、一部「見直し」では解決できるものではない。
 政府には、憲法第25条の「生存権」、憲法第14条の「法の下の平等」を達成するために、長い間社会に貢献してきた高齢者に敬意を払い「安心して医療が受けられる制度」をつくり上げる責任がある。
 よって、本市議会は国に対し、高齢者が安心して医療が受けられるよう、後期高齢者医療制度の廃止を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会


平成20年第2回定例会
Y6

 (提出年月日)平成20年5月27日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税の増税を行わないよう求める意見書(案)

 政府は、2009年度に基礎年金への国庫負担を2分の1に引き上げることを理由に、「消費税は社会保障の財源にふさわしい」などと、消費税増税議論を始めようとしている。
 現在、国民全体の所得は下がり続けているばかりか、物価高騰や増税が庶民に重くのしかかっているのである。その上さらに、低所得者にはより重く逆進性を持つ不公平な税制である消費税を引き上げれば、貧困と経済格差はさらに広がり、日本経済を一層危機に陥れることは必至である。
 政府は、消費税導入時も税率引き上げのときにも「社会保障」を口実にしたものの、実際には社会保障は相次ぐ改悪が行われたのである。しかも消費税導入以来、国民が納めた税額は、法人3税の減税による大企業の減税額に匹敵しており、消費税増税分が大企業減税分の穴埋めのために使われたことは明らかである。
 今必要なことは、大企業・大資産家への行き過ぎた減税、不要不急の大型開発や5兆円にのぼる軍事費、米軍のための基地再編費用や思いやり予算などを徹底的に見直し、無駄遣いをなくすことである。そうすれば、社会保障の財源は十分生み出すことができ、財政再建を進めることも可能である。
 よって、本市議会は国に対し、国民の暮らしを守るためにも不公平税制である消費税の増税を行わないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成20年  月  日

千 葉 市 議 会