中村公江議員の条例案主旨説明

千葉市食の安全・安心推進委員会設置条例の提案理由の説明

中村きみえ

 発議第9号「千葉市食の安全・安心推進委員会設置条例」の提案理由の説明をいたします。
 昨年、食の偽装事件が相次ぎ、千葉市では中国産冷凍ギョウザ事件など食にまつわる重大な問題が起こった後、依然として真相解明が十分にされないままです。最近では4月に市内中央区のホテルで食事をした男女14人が下痢や腹痛などの症状を訴え、食中毒が原因でホテルの厨房の営業停止処分が下された報道もされています。このように、いつ何時食中毒の被害にあうか心配なことが日常的に身近で起こっているのです。
 食中毒をはじめ、食品中の残留農薬や食品の表示の偽装など様々な問題が発生したことによって市民の食の安全に対する信頼は大きく揺らいでいます。
 食の安全・安心を確保するためには生産から消費までの食に携わるすべての人が食の安全について「市民の基本的な権利であること」を尊重し、食品の安全性に関する情報の共有化をはかり、食品による健康への被害を防止するために協力して取り組まなければなりません。
 国も食の安全の問題について強化する方向で来年度消費者庁を立ち上げようとしています。
 食の安全・安心の確保を図るためには市・事業者・消費者が相互に情報交換や意見交換をするいわゆるリスクコミュニケーションを十分に図って関係者が相互理解を深めて協力する体制が欠かせません。
 食中毒などを未然に防ごうとする場合、食品衛生法があり適正に対応することが求められます。さらに、市独自で条例として設置することで食の安全対策や情報発信を迅速に行い、事故の未然防止などにつながり、より実効性を高めることにつながっていくと思われます。
 今回の条例は名古屋市と中核市の宇都宮市でも今年の4月から食の安全・安心条例を制定しスタートさせていることを踏まえて提案するものです。
 千葉県にも「千葉県食品等の安全安心の確保に関する条例」が制定されていますが、生産分野での問題を主に取り上げたものであるとされています。
 千葉市でも市民が食の安全に対して不安を抱えていたために、市民に信頼される安全で安心な食品の確保のため、推進委員会の設置を提案するものです。
 委員会では食の安全・安心の確保のための施策に関することや関係者間の相互理解など必要なことを調査審議するように定めております。
 今後もさらなる食の安全策を強化していくためにも推進委員会設置をしていきたいと思います。
 皆様のご賛同をお願いし提案理由といたします。