野本信正議員の議案質疑への答弁(要旨)

2008.6.11

【保健福祉局長】

○ 国保事業特別会計補正予算について
 H19年度予算と決算見込みを比較すると、一般被保険者数4,699人、徴収率5.6ポイント減少し、保険料約17億3千7百万円減収となった。過去の繰上げ充用は、S39年度決算で行った。保険料徴収率が低下し、収支不足となったが、「新行革」推進計画で特別会計の健全化を掲げ、厳しい一般会計状況を踏まえて繰上げ充用で対応するものだ。H19年度決算で繰上げ充用を行ったのは、札幌・横浜・浜松・京都・大阪・堺・福岡の7市で、横浜・浜松は今回新たに実施したもの。
 H20年度で一般被保険者の滞納繰越分保険料額が、当初予算に比べ約10億5,700万円増額となっているので、充用の財源とした。しかし、保険料納付困難な方には納付相談などを行っている。
 一般被保険者数の減少で、保険料の減収に滞納繰越分保険料を充てるのは、H20年度の滞納分保険料が予算額を上回って徴収できる見込があり、H19年度の収支不足に充てるものだ。
 千葉市新行革推進計画では特別会計の健全化を掲げており、一般会計の厳しい財政状況もあって繰上げ充用とした。

○ 老人保健医療事業特別会計補正予算について
 繰上げ充用の財源は、医療費給付費への国・県の医療費負担金がH19年度に概算交付され、交付額の精算は翌年度のため、追加交付額を繰上げ充用の財源とした。

【保健福祉局次長】

○ いきいきセンター設置管理条例一部改正について
 さつきが丘・真砂いきいきセンターの利用者予測は、両センターの運営が軌道に乗れば、平日1日当たり30人程度と考えている。年間でも、立地条件等から高い利用率が見込まれ、講座数も他と同様実施されると考えている。他のセンターでは、高齢者福祉講座は年間80回、生きがい活動支援通所事業は毎週5日程度予定している。センター数は、今回2センター加えて8か所になる。各センターの利用状況では、今年5月で見ると1日平均利用者と各部屋の利用状況は、大宮で27人、集会室はほぼ100%、研修室は94%、花見川では69人、集会室83%、教養娯楽室50%、研修室73%、あやめ台は26人、集会室68%、教養娯楽室74%、都賀は39人、集会室79%、教養護楽室63%だ。蘇我は、5月中旬から高齢者福祉講座を開始したところで、利用促進のPRを行う。センター設置目的は、「高齢者の生きがいづくりと健康増進を図り、もって高齢者の福祉の増進に資する」とされている。今後、ますます増加する高齢者のための健康づくりや生きがい活動の拠点として、気軽に立ち寄れる施設運営に努めていく。
 各センターでは、これまでも子どもたちとの交流を年間事業計画に組み込み実施しており、今後も充実を図っていく。高齢者の方々が有効に活用できるよう、利用促進に努めるが、高齢者以外の世代の利用については、センター設置の趣旨に反しない限りで判断していく。

【財政局長】

○ 新港横戸町線関連・工事請負契約について
 本工事は、大規模な擁壁等を築造する工事で、万全な安全管理体制と高度な技術水準・豊富な施工実績が必要であり、施工管理と安全管理体制の整った大手土木業者を代表構成員とし、その他は技術習得の観点から市内業者を対象にした。これまで、同工事は大手土木事業者へ発注している。また、この工事は年度当初の大規模工事のため業者の意欲が高かったものと考える。
 入札の結果、13社が調査基準価格を下回り、低入札価格調査の対象になり、その内2社は直接工事費等が一割を下回ったので、特別重要調査の対象になったもの。失格した6社中、5社は低入札価格調査に必要な書類を提出しなかったもので、落札の可能性が低いと判断したためと推測される。他の1社は誓約書を提出しなかったことで失格となった。他の1社は辞退の申し出によるもので理由は定かではない。落札業者よりも低価格入札した1社は、特別重点調査に必要な書類を提出しなかったので失格となった。特別重点調査は、7日以内に29項目の調査書類の提出が必要で、本市では過去に提出された事例はない。
 H18年度と同じく高度な技術が求められ、大手土木事業者を対象にしたが、全国的に発注件数が減少する中、本工事は年度当初の大規模工事だったため、大手土木事業者(26JV)が受注を希望したと考える。 

【建設局長】

○ 新港横戸町線関連・工事請負契約について
 本工事は、輻輳する重要な地下埋設物の切り回ししながら、軟弱地盤に幅31.1m、高さ3.4から10.3mの大規模な構造物を築造するものだ。近接工事と競合しており、工程調整が必要で工程管理・安全な管理・施工管理で高度の技術レベルが求められている。「低入札価格調査マニュアル」で、その価格で契約内容に適合した工事が履行されない恐れがあるか否かを調査した。その結果、材料の単価は取引業者から集中的に購入し、本社経費の削減で経費縮減を図ったもの。自社努力により適正な安全管理・施工管理の徹底を確認したので、設計内容に合致した目的物の管制は可能だと判断した。低入札工事専属の監督員を配置すると共に、工事施工中の確認すべき検査数を通常の2倍に増やし、施工管理を徹底して手抜き工事等の品質低下がないよう、厳正に指導する。
 業者から提出される施工管理台帳や下請業者選定通知書の内容を法に基づき確認し、必要に応じて立ち入り検査を増やすなど、「しわよせ」防止に努める。各請負業者の定期的な安全教育の強化や低入札工事専属の監督員の配置で、安全管理の徹底を図る。関連請負業者が実施する安全パトロールも強化する。工事で使用する鉄筋など総量は、350トンでトン当たりの単価は8万円、総額2千8百万円だ。総額の直近単価は、6月の建設物価で清算すると3千6百万円で、2年前のH18年4月の総額は約2千万円だった。
 低入札調査委員会の調査結果では、材料経費削減で経費縮減ができたもので特徴はない。「下請負の適正化に関する指導指針」で、当該工事の体制が台帳記載に合致しているかどうかを点検し、必要に応じて適切な措置を行なう。工事契約約款の「賃金又は物価の変動に基づく請負代金の変更」の条文に該当し、請負業者から請求があれば設計変更を検討する。今、国で建設資材の上昇分を請負代金に反映する「単品スライド条項」基準を検討中であり、国や県の動向を見て対応したい。

○ 新港横戸町線京成線交差部工事請負契約について
 市の予定額は5億4百万円で、契約額との比率は96%だ。千葉市と京成電鉄との協議で、土木工事の年間工事量を決定し、京成電鉄が工事金額の見積書を市に提出する。提出された見積りの内容を市の積算基準と照査し、工事の予定額を決定する。この予定額で、京成電鉄が入札を実施し、工事の契約額が決定するもの。過去の工事で予定額と契約額の比率が高いのは、1番は、H15年度で予定額17億7百30万円に対し、契約額は同額の100%、2番はH14年度で予定額1億8,217万5千円に対し、契約額は1億8,007万5千で98.8%、3番は、H16年度の予定額14億3,850万円に対し、契約額14億1,696万6千円の98.5%だ。京成電鉄との協定書で、工事の設計変更や物価・労賃の変動等で工事費に著しい変更が生じたら、協議し処理するとされており、今後の協議になると考える。
 入札行為は京成電鉄が行なったものだが、予定額と契約額の比率が高いのは、請負業者が緻密な積算を行ない入札したからと推測する。本工事は、京成電鉄に委託したもので、入札行為は京成電鉄が適正に執行したと推測する。

【都市局長】

○ 市営住宅・宮野木団地の六価クロムの土壌汚染について
 これまでの調査の結果、基準値を超える六価クロムが検出されたことは、地盤改良工事に起因したものと推測されるが、特定できていないので、原因究明に向け作業をすすめている。入居が遅れることについては、今年2月にお知らせしており、今のところ「生活に支障が出ている」との話は聞いていない。当初計画どおり、建築主体工事は12月に着工し、完成はH21年2月を予定している。「第2次5か年計画」では、宮野木町第1団地第二期の基本設計、実施設計と桜木町団地の基本設計を予定している。

【総務局長】

○ ゴルフ場の指定管理者の指定について
 本市では「指定管理者制度導入に係る指針」で、施設の効用の発揮で市民サービスの向上と管理経費の節減が見込まれる施設には、導入を前提に検討することにしており、今後も同指針で対応していく。

【環境局長】

○ ゴルフ場の指定管理者の指定について
 ゴルフ場の整備費は、コース整備やクラブハウス新築等で約16億9千万円、用地取得費は約17億2千万円で、合計約34億1千万円になる。土地借上料は、廃棄物処理法による最終処分場の維持管理に必要な経費として、H21年度から年間4,200万円、10年間で4億2千万円だ。整備費・用地取得費・10年間の土地借上料の合計は、38億3千万円となる。業界専門誌によると民間ゴルフ場を新たに作る費用は、コース整備工事費だけで1ホール2億円程度が目安とされるが、立地条件、ホール数、施設のグレード等で異なるので、費用の比較は困難だ。

【教育次長】

○ ゴルフ場の指定管理者の指定について
 第1位になった共同企業体が、応募に際し提出した提案書で協力団体としていたPGAから、協力に関する部分の訂正を求められていることが確認されたので、「提案書の取扱い」「提案内容の実行性」「選定結果の妥当性」等を、再度慎重に調査・審議すべきとの結論に至ったもの。
 今回議案の再提案までに、提案書が「募集要項上の虚偽」に当たるかどうか、3月28日の選定委員会で直接ヒアリングを実施し、慎重に審議を行なった。反省点は、提案書に添付された関心表明書の取扱い等が不十分だったことだ。PGAの課長は、10月17日の説明会に単独で出席し、11月16日の現地見学には「京葉カントリークラブ」と「内山緑地」と共に参加し、11月28日の共同企業体の応募書類提出にも同行している。1月8日の選定委員会でのヒアリングにも出席し、質問に答えている。
 共同企業体との関わりは、11月中に3回にわたり「PGA主体での指定管理者への応募に対する協力の要請を受けたこと」「11月19日のPGA理事会後に、PGA主体での応募は却下され、共同企業体にPGAが協力することになる旨の説明を受けたこと」「PGA課長から関心表明書の提出を受けたこと」などが、共同企業体から報告された。したがって、PGA課長が応募に関わっているものは、市と関わりが4回、共同企業体と関わったのが5回だ。共同企業体と直接協議していた職員は、PGAの資格認証部の課長であり、関心表明書の名義人とは別の人物だ。
 関心表明書の印鑑は、作成名義人の会社印で、本人の意思に基づいたものと考える。共同企業体の提案書では、PGAが協力団体とされ、提案書等の記述内容の理解・把握の補完、履行の確実性を確認するため、ヒアリングへの出席は拒間内と判断した。
 発信者は「PGA会長」で宛先は「京葉カントリークラブ代表取締役」となっている。3月28日のヒアリングでは、直接口頭で謝罪を受けているが文書は届いていない。
 選定委員会で慎重に協議した結果、PGAとの関わりの事実経緯や謝罪の確認を行ったので、共同企業体の提案書は故意に記載したとは認められず、無効になる虚偽には該当しないとの結論となった。教育委員会からは、ヒアリングへの出席を含めて求めたことはない。
 関心表明書の写しは、製本された提案書に閉じ込んであるため、返還はしなかったが、選定委員会での審査の評価対象にはしていない。前議会での指定議案の撤回は、共同企業体の提案書内容に起因するものだが、市としても長期間、公の施設を管理する指定管理者の選定であり、慎重な審査が必要だと判断したもの。現時点では、共同企業体にペナルティを課すことは考えていない。
 「共同企業体が応募に際してPGAの協力がないことを知っていたかどうか」等の確認のため3月28日に選定委員会でヒアリングを行なった。その結果、PGAの協力は可能との認識で応募したもので、無効となる虚偽の応募ではないと判断した。3月28日のヒアリングで、PGAから内山緑地に参画の呼びかけがあり、11月7日にフロント業務を担当する京葉カントリークラブに要請があったとのことだった。ゴルフの普及啓発業務などのPGAが関係する部分に当該職員が作成にかかわったとのことだ。
 今回、PGAが関わる発端は、PGAから内山緑地と京葉カントリークラブへの要請からだった。PGA課長は、PGAが資金を出し、主体となって応募することは承認を得られなかったことから、協力団体になるので京葉カントリークラブか内山緑地が代表企業として応募してほしいと説明した。関心表明書を書面で示したのは、PGA課長の発案で、11月21日に受け取ったと言っている。
 PGAの全面的な協力と表記したのは、応募の経緯やPGA課長が提案書作成に関与したことから判断したとのことだ。この件で、謝礼などは全くないとのことだ。
 PGAでは当初、独立採算のリスクから、資金を出してまで参加する考えはなかったが、申請書作成の過程で、ゴルフ界全体のために必要だとの認識を持ったとのことだった。PGA内の反対意見は一部であり、会長は賛成していると聞いていた。関心表明書の名義が部長名なのは、部長名の契約もあるものと思っていた。部長の協力が得られると思った根拠は、PGAにとって、ティーチングプロの仕事を確保するメリットがある話だと考えたといっている。副会長からの電話は、PGAが求めた協力関係の訂正を撤回するものだと考えたといっている。
 市民ゴルフ場のコンセプトの「人に優しいゴルフ場、生涯にわたり豊で健康的なスポーツライフの実現」が理解され、9ホールでも全長3,055ヤードあり、十分な距離が確保されている。また、千葉市内でアクセス面で好条件が評価されたもの。
 関心表明書は市が求めたものではなく、提案書に閉じ込まれたもので、選定委員会では審査や評価の対象外のものだ。1月8日のヒアリングにPGA課長が出席し、質問に答えていることから、協力関係に疑念を持つことは困難であり、選定委員会の構成に問題があったわけではない。
 教育委員会は、教育委員会・指定管理予定候補者・選定委員会設置要項で施設の専門性、特殊性を考慮し、必要な臨時委員3人を選んでおり、公正な委員会だと考える。審査の公平性の確保や企業の内部管理に属する情報等法人情報保護の観点から、選定委員会の会議は公開できない。
 市民ゴルフ場はスポーツ振興と市民の健康増進が目的の公の施設であり、管理者は利用料金を収入とし、市は委託費を払わない独立採算制で行なうもの。PGAは、プロゴルファーの育成、ゴルフの研究・指導普及・国民の心身向上などが目的の公益法人であり、市民ゴルフ場の設置目的と同じなので応募したものと推測する。PGAがティーチングプロの仕事場確保が目的かどうかは把握していない。
 3/28の選定委員会でのヒアリングでは、京葉CCと内山緑地はPGAのダミーだとは考えられない。募集期間中の説明会や現地見学会には誰でも参加できるものであり、PGA職員がヒアリングに出るのは問題はない。第1回定例会で、指定議案を撤回したあと、選定委員会は内容を慎重に審議し、再評価した。その上で効率的な管理ができる団体だと判断、決定したもの。
 刑法第159条第1条が、本件に該当するかどうかは、対象外の問題であり偽造かどうかはわからない。選定委員により適切公平な審査が行われたものだ。不手際があった共同企業体だが、審査項目の採点を見直した結果、順位に変動がなく最もふさわしい団体を選んだものだ。
 選定委員会のあり方などは、今後の研究課題として関係部局と協議していく。会議録の開示は情報公開条例に基づき公文書の開示義務があり適切に対応していく。