中村きみえ議員の一般質問への答弁(要旨)

2008.6.17

【保健福祉局長】

○ おむつ給付事業について
 今回の見直しは、給付の重点化等を図るため、給付実績を踏まえ、おむつの必要度の高い要介護4・5に給付限度額8千円にしたもの。一方、要介護1〜3には夜間のおむつ使用を想定し、半額の4千円にした。おむつ事業の利用者負担は、介護保険の施設入所者との均衡を図り、事業の継続性・適正化から低所得者にも1割の負担を導入した。
 今回の見直しは、限られた財源の中で、真におむつを必要とする要介護度の高い人への給付を優先したもので、自立度の高い要支援の人は対象外としたもの。

○ 保育のあり方について
 説明会での意見は、「少子高齢化の中で保育にお金をかけるべき」「民営化で保育の質を落とさないで」「民間保育園に問題があると言うのは誤解で、民間保育園の保育士は頑張っている」等、様々な意見・要望があった。
 市民説明会は、社会福祉審議会児童福祉専門分科会の「公立保育所のあり方(案)」の審議に必要だとの考えで開催したもので、聴取した意見は「分科会」に報告する。
 「あり方(案)」は、全ての保育所で閲覧に供し、8月にはパブリックコメントを実施。12月には、市の考え方をホームページで公表するなど、情報公開に努めた。各区で開催した市民説明会では、約150人が参加し、様々な意見が寄せられ、保育所の運営や職員配置・施設基準や「民営化で保育料に差が出ないか」などの質問に丁寧に答え、説明責任を果たしたことで理解は得られたと考える。「あり方(案)」の各区の説明会は実施したので、保育所ごとの説明会は考えていない。
 今回の説明会は、「あり方(案)」を説明するために開催したものであり、この案は市の保育施策の基本方針を定めるもので、公立保育所の位置づけや機能の見直しを図るものだ。民営化に際しては、保護者の理解が得られるよう十分時間をかけていく。
 公立保育所は、地域の子育て支援の充実と保育の質の向上を推進する役割を担うもので、民営化により民間の柔軟性や機動性を活用し、効率的・効果的な運営で、待機児童の解消や多様な保育サービス充実が推進されるものと考える。
 保育所の新設は、第2次5か年計画で5か所整備する予定だが、すでに3か所設置している。今後も中央区・花見川区に各1か所予定通り新設する。待機児童の解消は、千葉市の最重要課題だ。引き続き施設の新設・増改築・定員変更、定員の弾力化で受入児童数を拡大し、保育ルームの拡充を図っていく。
 「あり方(案)」は、公立・民間の役割分担を明確にし、それぞれの役割や機能を十分発揮し、連携を図りながら保育の充実を図るもので、コスト比較で経費削減だけが目的ではない。
 民間保育園に、保育士の勤続年数に応じた加算措置や保育士等職員の加配、児童の処遇や施設の維持管理費など、経営の安定化が図れるよう必要な助成を行なっている。児童の保育には、市が責任を負っており、運営主体にかかわらず法令等に基づく基準や保育指針に則り実施している。
 子育て困難な家庭やひとり親家庭への支援は、公立保育所はもちろん、民間保育園でもセーフティネットの役割を果たしている。
 新設した民間保育園11園のうち、市内の社会福祉法人が8園、富津市が本部の社会福祉法人が1園、市内の学校法人が1園、江戸川区の学校法人が1園となっている。
 保育園の選定は、公立保育所長を含む庁内関係部課長等の選考委員会で、応募した法人の経営理念や保育計画、適切な運営確保の考え方を評価し、「選考基準」に基づき一定の基準が確保しているか審査する。その後、庁内部局長による社会福祉法人設立認可等審査委員会が、「審査項目」「評価基準」で、法人設立認可の事前審査や施設の整備計画の選定審査を行なっている。選考過程での市民の参加は予定していない。これまで選定した法人の運営は、公立保育所と同等の保育が提供されていると考える。保育所を運営する社会福祉法人の代表者等が株式会社等を経営していても法人格は独立しており、問題はない。

【都市局次長】

○ 駅のバリアフリーについて
 策定中の市バリアフリー基本構想では、ホームからの転落防止対策でホームドアか可動式ホーム柵を設置する。現時点では、鉄道・モノレールともに対象になる駅はないが、可能な限り対応するよう要請していく。
 JRには、県JR線複線化促進期成同盟を通じ、市内各駅に「バリアフリー新法の移動等円滑化基準への適合」「プラットホーム転落事故に対する安全対策の実施」を要請していく。
 JR新検見川駅は、H20年度の整備に向け事業が進んでおり、JR幕張駅はH21年度の整備を前提にJRと協議をすすめている。高齢者や障害者など当事者を計画段階から参加する問題は、整備主体のJRへ、関係法令順守を要請して行く。JR駅のエレベーター設置は、JRが整備主体であり、H21年度の整備を要請していく。

○ マンション建設について
 高度地区指定での高さ制限は、私権の制限を伴うので建築物の立地条件など、現状を十分把握する必要があり、都市計画基調結果などをもとに、市内建築物の状況を把握した。その結果や他都市の事例を参考に、千葉市にとって効果的な高度指定を検討していく。
 低層住宅地の高さ制限は、地域の土地利用上の位置づけ、立地条件、指定容積率などを考慮し検討していく。
 高度地区の指定は、既存の建築物の建替えや新たな高さ制限と指定容積率との整合性等を考慮し、様々な観点から検討が必要だ。規制については、他市の事例を参考に絶対高さ制限の導入も含め検討していく。 

【教育次長】

○ ゆたかな教育環境について
 精神疾患での休職者は、H15年度は10人、H16年度9人、H17年度13人、H18年度21人、H19年度23人となっている。休職の原因の特定は困難だが、様々な問題への対応によるストレスなどが一因と考える。
 千葉市は、小学校3年生まで、少人数学習指導教員を配置し、生活指導や学習の基礎・基本の確実な定着を図るための効果をあげており、市独自の少人数学級は考えていない。
 小学校1・2年生で30人学級を実施した場合、110学級の増加となり、教員を採用する費用は県費負担教職員の平均給与を参考にすると約10億円になる。