中村きみえ議員の一般質問に対する答弁(要旨)

2008.9.26

【保健福祉局長】

○ 公立病院のあり方について
 両市立病院は、救急医療や周産期医療など民間病院では採算性から提供しにくい医療を行うことや心臓血管、血液疾患医療など高度医療を提供し、地域の中核的病院としての役割とされ、成果を上げている。
 医師不足で、市民への協力呼びかけは、ホームページで医師の募集や医師不足での診療制限を掲載し、協力を仰いでいる。両市立病院では、救急医療等への対応のため週60時間超の勤務や36時間連続勤務の実態は把握している。そのため、医療クラークの導入や助産師外来の開設で医師が診療に専念できる環境づくりに努めている。現在、欠員補充に努めているが、業務量などを勘案し必要に応じて関係各課と調整していく。
 医師の給与などは、経験年数で異なるためホームページへの掲載はしていない。医師の採用は、地域の中核病院として必要な診察実績が求められ、専門性の高い、積極的な医師を募集したいので現在の募集方法で行く。
 看護師の産休取得による欠員は非常勤職員を採用し、育休取得での欠員は過去の実績等を考慮し、予算定数を確保できるよう常勤職員を配置している。生理休暇は特別休暇として定めており、周知に努めていく。
 院内保育所の24時間保育は、利用者の意見や近隣病院、他政令市の設置状況や運営状況等を調査し検討する。
 「公立病院改革ガイドライン」の基本的姿勢は、公立病院と民間病院の適切な役割分担で、地域の必要な医療提供体制確保を目的にしており、千葉市では持続可能な経営を目指した「公立病院改革プラン」を21年3月までに策定する。病院事業は常に企業としての経済性を発揮し、適切な医療提供を経営の基本としているので、経営の効率化は今後の病院運営には欠くことができない重要部分だ。「公立病院改革プラン」には、救急や周産期医療のほか高度医療の提供など公立病院の地域医療に果たすべき役割を明らかにし、必要な本来一般会計が負担すべき経費も明記するので、今後も地域の中核病院として地域医療の充実強化に努め持続可能な経営を行う。業務量などを勘案して常勤医師を確保している。非常勤医師は免許取得5年程度のため、多くの臨床経験を希望しており常勤化は困難だ。
 海浜病院の周産期医療は、H20年度産婦人科医師の定員増で医療体制を強化する予定だ。医師が高度で専門性の高い医療に専念できるよう環境を整備し、H21年5月には海浜病院に病院情報システムを導入してインフォームドコンセントなど患者への説明を分かりやすくするなど、労働環境の改善を見込んでいる。青葉病院の在宅支援病床は、効率的活用で病状が急変した患者を受け入れ、在宅療養の維持継続を目的に整備しており、「在宅医療支援管理運営規程」で適切に運用している。

○ 保育所民営化について
 「公立保育所のあり方」案については、これまでも市民に様々な方法で情報提供に努めてきており、保育所ごとの説明は予定していない。
 審議会を8月14日に開催したのは、各委員の日程や諸事情を勘案し設定したもの。開催の周知は、付属機関等の会議開催に関する要綱に基づいてホームページに掲載した。日程設定は今後余裕を持った調整に心がけ、開催日が決まったら速やかにホームページに掲載し、市民に知らせる。審議会では、委員や臨時委員から多様な意見を聞き、必要に応じて反映するよう努めている。
 国は、保護者と保育サービス提供者の直接契約方式など規制緩和策を検討しており、今年度中に結論を得ることから、その動向を注視する。
 認可保育所では、運営主体に関わらず保育内容・施設整備等を基本的に公立保育所と同一の基準に基づいており、保育の質の低下はない。近隣の公園を利用する場合は、公園内や移動の安全が確保されることが必要であり、具体的な計画の提出を義務付け、選考対象として対応していく。川崎市は児童福祉施設最低基準に基づいている。千葉市も同様の基準にするが、調理員の配置状況を選定項目のひとつとして選考対象にする。現在、認可保育所と同様に、集団保育が可能で、日々通所できる児童は障害の程度を限定せず保育していく。選考委員会は、応募した法人のノウハウ等が損なうため非公開だが、選考結果は公表していく。選考に必要な専門分野の学識経験者を外部委員に入れることで、準備をしている。
 第2時5か年計画で、中央区の千葉みなと周辺地区に整備を検討している。花見川区は今年度中に整備地域の選定作業を進めている。定員は90人規模の予定だが、地域の待機児童の状況を見極めて決定する。この計画で、多様な運営主体の参入を促進し、短期間に重点的な整備を進める。保育需要は過去5年間の4月1日の就学前児童数や要保育児童数の伸び率等からH23年4月時点を推定したもので、待機児童は解消されると考える。今回の緊急3か年整備計画の実施とともに、保育ルームの拡充や定員の弾力化で知己児童は解消される。

【保健福祉局次長】

○ 子どもルームについて
 設置計画は、全焼学校区への整備を基本に、現在120小学校区中の104校区に整備した。今後も利用児童数状況等を見極めて計画的な整備に努める。
 今回、受け入れ枠見直しを行った29ルームでは、休養室を含めた全体の施設面積をもとに、1人当たり1.65平方メートルを確保した。国のガイドラインの基準では、35か所のルームが基準を満たしているが、77か所のルームは下回っている。施設への入所児童数は、千葉市は国のガイドラインで示す、1クラブ当たり70人を上限に整備を進めている。
 第2ルームは、マンション建設などで児童数が急増する小学校区の子どもルームで、待機児童が多数発生した場合に開設している。第2ルームの多くは、立地場所の確保が困難で、空き店舗等を活用しており、通常ルームに準じた設備等の保育環境の確保に努めている。
 子どもルームは市の整備を基本にしているが、NPO施設への支援については、子どもルームの整備・運営事業を見直す際に、必要性について検討する。
 第2次5か年計画期間内に10小学校区に整備を予定しているが、他は状況を見極めながら整備に努める。星久喜第2ルームは、施設の移転を検討していく。

【総務局長】

○ 自治体の労働条件について
 H20年4月1日現在の職員数は7,587人で、H10年4月1日時の職員数は8,048人なので、この10年間に461人減少している。臨時・非常勤職員数は、H19年度末で2,649人、H9年度末では1,018人なので、この10年間で731人増加している。
 非常勤職員採用の代表的な職場は保育士で、短時間勤務者を含め931人いる。このうち勤務時間の長い補充保育士の時給は1,070円、週当たり概ね36時間勤務だ。他に学校の調理員が440人おり時給860円、週29時間か20時間勤務。図書館の非常勤職員は170人いて時給は830円、大半が週21時間勤務だ。
 学校図書館指導員は、週4日勤務で報酬月額は14万3,900円、資格要件は幼・小・中の教諭か司書教諭、司書、司書補の有資格者としている。
 子どもルームの指導員の月給は、週30時間勤務の非常勤嘱託職員で基本給14万6,000円、交通費等を含め平均月額は21万円だ。報酬等の勤務条件は、同様な勤務形態の他自治体と比較しても遜色はない。離職率は、H19年度で7.1%だ。現時点で5人欠員だがローテーション等で運営に支障がないよう職員配置を行っている。離職の主な理由は、結婚・育児・転職・介護など家庭の事情によるもの。
 指導員の確保は、国のガイドラインでは指導員の経験蓄積に特に定められていない。待遇改善では、指導員が1年以内の雇用と定めている非常勤嘱託職員のため、その経験で待遇に差を設けることは難しい。仕事内容は、基本的に常勤職員と同じ保育業務であり、月収はそれぞれの勤務形態で異なるが、最も常勤職員に近い働き方の場合は、交通費含め18万3千円程度だ。保育に支障がないよう必要な人数は確保している。
 24歳の独身指導員で算定すると、社保・所得税控除後の手取額は約18万5,000円となる。雇用の際、報酬や勤務時間、勤務条件を十分説明している。

【教育次長】

○ 公民館について
 公民館職員は、社会教育主事有資格者の配置に努めている。質向上へ積極的に研修に参加させ、資格のない職員には資格取得のための講習会に参加させるよう努めている。嘱託館長は、社会教育等に関する豊富な知識と経験を有し、地域の各種団体等のコーディネート能力や利用者のニーズに適切に対応できる人を配置するよう務める。
 5年間の運営費は、H16年度1億4,800万円、17年度1億4,500万円、18年度1億3,400万円、19年度1億2,800万円、20年度1億300万円となっている。施設維持管理費は、H16年度4億3,800万円、17年度4億3,400万円、18年度4億3,000万円、19年度3億9,500万円、20年度3億4,700万円となっている。厳しい財政状況の中で利用者の要望や緊急性等を判断しながら、予算の増額については検討していく。
 花見川区内の公民館にはエレベーターの設置はないが、利用者に優しい施設めざして第2次5か年計画で1館に整備を予定している。車椅子対応のトイレは、すでに5館設置しているが未設置館については地域の要望等を踏まえ、今後の改築にあわせて検討する。
 区内の図書館分館設置については、第2次5か年計画の見直しで先送りとしており、今後の整備は次期5か年計画検討時に考える。