中村きみえ議員の議案質疑

2008.12.1

写真 日本共産党千葉市議団の中村きみえです。
 会派を代表して、一般会計補正予算議案第137号、138号から141号、143号、145号から147号までの質疑を行います。

議案第137号・一般会計補正予算について
 まず、税務オンラインシステムについてです。
 平成21年10月より、公的年金から個人住民税を天引きするシステムが予算化されています。
 1に、年収がいくら以上の人が対象者となるのか。対象者は何人か。どのように周知するのか伺います。
 2に、すでにわずかな年金から介護保険料、後期高齢者医療制度、そのうえ住民税まで相次いで天引きが行われ、高齢者は生活に苦慮しています。生活よりも天引きが優先されてもよいと思っているのですか。

つぎに、生活保護費についてです。
 1に、生活保護費は、毎年補正予算で増額をしていますが、この間の受給者数の増加率は何%ですか。
 2に、世代ごとの受給率と、その傾向を伺います。
 3に、生活保護受給者の世代ごとの構成比を伺います。
 4に、保護の申請をしてから決定されるまでの間、まったくお金を持たない人は、どのようにして過ごせばよいと考えますか。

議案第138号・暴力団による公の施設の使用を制限するための関係条例の整備に関する条例の制定について
 1に、この条例が出された背景は何か。成田市で暴力団による公共施設の使用が問題となって、今回出されたものですか。国からの指導なのか伺います。
 2に、政令市や県内では、どのくらいの自治体が条例として制定しますか。
 3に、先行して導入した自治体での効果はどうですか。問題点などはあるのか伺います。
 4に、公の施設の使用を希望したときに、暴力団の利益だと何を根拠に、どう判断するのですか。

議案第139号・千葉市長期継続契約を締結することができる契約を定める条例の一部改正について
 日本共産党千葉市議団は、契約の際には委託された仕事が適正に実施され、労働者の人件費が保障されるよう求めてきました。そこで伺いますが、
 1に、継続して契約を受けるメリットは何ですか。
 2に、警備や清掃などの業務で市民に喜ばれる点などはないですか。
 3に、今回対象となる業種は何ですか。その際、何年間の契約を結ぶ想定ですか。
 4に、業種の契約内容がおもに人件費である場合、長期の継続で、労働者の賃金が低く抑えられる懸念はないのか伺います。

議案第140号千葉市議会議員及び千葉市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正について
 今まで、市長選挙では候補者の政策のビラ配布が公費で認められていませんでしたが、今回実施できる改正との事です。
 なぜ7万枚と定めたのですか。市民は39万世帯ありながら、そこに行き届かない配布数で十分だと考えるのか伺います。

議案第141号国民健康保険条例の一部改正について
 1に、今回の改正で、産科医療補償制度が創設されましたが、なぜこうした制度ができたのか伺います。この改正は、出産育児一時金の額を3万円多く支給するよう改定するようです。脳性麻痺児の補償が受けられることは、発症した当事者、家族にとっては経済的な負担の軽減ができますが、一時的に立替をする金額が増えることになるようです。
 2に、出産費用が高額なため一度に立替できない人も少なくないのではないですか。
 3に、事前に申し出て、出産に望む件数はどのくらいあるのか伺います。
 4に、補償の対象となるケースは全国で何人、千葉市の人口ではどのくらい対象者と推定されるのですか。
 5に、市内の医療機関の加入状況はどうなっているのか伺います。

議案第143号千葉市中央卸売市場業務規定の一部改正について
 卸売市場法の改正は04年6月に公布され、生産者が卸売市場に出荷する際、業者に支払う委託手数料が全国一律だったものを、市場開設者である自治体が設定できるとしたものです。
 1に、千葉市の手数料率は改正前とどう変わるのですか。
 2に、卸売業者の届出制とすれば競争原理が働き、産地から求められた場合、卸売業者は値下げせざるを得ないのではないですか。
 3に、卸売業者にとって委託手数料は収入のどれくらいを占めているのですか。
 4に、駐車場使用料の徴収は、物価高などで苦しむ自営業者などに、さらに負担を迫ることにならないか伺います。

議案第145号工事請負契約の千葉市花園中学校改築工事について
 1に、工事の開始時期は当初の予定がいつで、どのくらい予定と変わったのですか。計画どおりにできるのですか。完成時期はいつか伺います。
 2に、現在の学校校舎と比べて教室、体育館や、武道館、プールなどの施設はどのように変わるのか。その特徴について伺います。
 3に、花園中学校は、現在は南側が校庭になっており、南・東側が道路に面しており、北側は小学校と接しています。西側は住宅地と隣接していますが、避難口の設置は何箇所予定しているのですか。
 4に、工事内容については、保護者・学校・地域住民に、誰がどのように説明をしましたか。
 5に、説明会は平日か土日開催か。時間帯は何時から開催したのか。対象者はどの範囲としたのか伺います。
 6に、周辺住民で説明会に参加できなかった人に説明はされたのか伺います。
 7に、契約についてですが、
5JVのうち4JVが低入札調査基準価格を下回っていますが、不自然な契約だと思わないか伺います。
 今回の契約によって、校舎の工事は適正に行なえるのかどうか伺います。

議案第146号・指定管理者の指定の千葉市さつきが丘いきいきセンターについてと議案第147号・指定管理者の指定の千葉市真砂いきいきセンターについて伺います。
 1に、いきいきセンターの指定管理者に社会福祉事業団を指定するようですが、職員の賃金はどうなっているのですか。
 2に、地元からの要望に答えて、世代間交流などを行なえるように運営を工夫するべきではないですか。
 3に、理学療法士が果たしている役割と効果、1つのセンターに来る頻度はどのくらいか伺います。
 4に、今回の指定で職員は増員されるのですか。

<2回目>

1、税務オンラインシステムについて
 今年の4月15日、後期高齢者医療制度の保険料を年金から天引きされたとき、全国で大混乱が起きました。「人の懐に手を突っ込んで抜き取るやり方は許せない」と高齢者が怒ってテレビの前で発言していた報道は、みなさんの記憶に新しいと思います。
 今回年金から住民税を徴収漏れがないよう強制的に天引きすることは、年金の手取りが減ることになり、2ヶ月に一度の年金の振込みを当てにして、生活していた人たちの計画が崩れてしまいます。
 1に、例えば、病気になる人が出たり、冠婚葬祭などで急な出費が必要となるなどアクシデントはつき物です。それを優先させるような事情も出てくるのではないですか。
 2に、それを全く無視して、天引きしてしまうというのは問題であってやめるべきではないですか。伺います。
 しかも市税の納付が困難な方には分割納付の相談に応じるとしています。しかし、千葉市政だより11月1日号は「差し押さえ強化月間」と称して、市税の納付を強調し、分割納付については一切触れていません。
 「悪質な滞納者」と書いてありますが、その定義も説明がありません。経済情勢が悪化している折、「ご相談ください」といった文言は一つも書いていません。
 3に、税金を納めることを強調し、払いたくても払えない人の受け皿があたかもないようなこうした記述でよいのでしょうか。
 4に、相手の事情を良く見て、滞納があったら何かあったのではないかという行政として市民を思いやる視点が欠けているのではないでしょうか。見解を求めます。
 本来行政側が、「差し押さえ強調月間」というものがあったとしても、千葉市が「市政だより」のように表に出して、あからさまにアピールすること事態、税行政に携わる常識では考えられないような内容だとの声も聞かれます。
 5に、生活が厳しくて支払いきれない中で、滞納された背景をおもい、福祉の視点で納税のあり方を支援するのが税務部門の果たす勤めではないのか伺います。

2、生活保護費について
 生活保護を受けている人で60代以上が51.7%と半数以上を占めていることからも高齢者へのきめ細かい対応が求められます。
 ケースワーカーは、1人当たりの受け持つ世帯は95世帯と、国で定めた80世帯を大幅に超えています。以前から私どもはケースワーカーを増やすよう求めてきましたが、3年で19人増員したことは全体の職員を削減された中でも配置されてきたと考えます。しかし、高齢化しケースの内容も複雑多岐に渡り、ケースワーカーが対応する世帯の軽減をするには職員の増員をすることが必要と考えます。
 1に、職員の増員をする考えはあるのか伺います。
 2に、生活保護を申請して決定するには2週間はかかるようですが、その間、全く頼る人がいない場合、路頭に迷ってしまうわけで、習志野市では保護決定が下りるまでの間の生活費を保障してくれる金銭面での支援をしています。これだけ貧困が拡大しているのですから、千葉市もこうした手を差し伸べるべきではないですか。

議案第138号・暴力団の公の施設の使用についての制限する条例について
暴力団の利益にかかわる施設利用を制限するというものですが、日教組などが集会を行なおうとすると、右翼団体が来るからとホテルや公での施設の使用を拒否されたことなど、今回の条例で、善良な団体が規制されるようなことにはならないか、伺います。

議案第139号・千葉市長期継続契約について
 清掃や警備の仕事の契約内容に「案内」などは入っていないようですが、慣れた職員が配置されると行政側の案内のような役割を果たしてくれて大いに助かっているという話も聞きます。
 3年契約で働く労働者が不安定な賃金、不安定な雇用にならないようにしていかなければならないと思います。
 千葉市は、千葉県内でも都心部よりも民間企業の時給が低いようです。雇用された方が最低賃金を下回ることはないのか伺います。

議案第141号の国民健康保険条例の一部改正について
 補償の対象が通常の妊娠・分娩に限定され、保険料や補償金額と多額の保険料が民間の保険会社に委ねられて透明・公正に行えるのか問題があるのではないかと小池晃参議院議員が11月25日、参院厚生労働委員会で指摘しています。
 今回の議会で、日本共産党千葉市議団は、「妊婦救急医療体制の抜本的に強化を求める意見書」(案)を議会運営委員会に提案しています。
 その中で、産科医の過酷な労働の改善や医療事故での患者救済を優先する「無過失補償制度」の創設を求めてきました。
 今回の救済される対象者はかなり限定されています。対象を拡大するとともに、民間企業任せでなく公的な補償制度にする必要があり、5年後の見直しを待たずに抜本的に見直すべきだと小池氏が求めたところ、舛添要一厚労相は「長期的には対象を拡大する。五年後の見直しが基本だが、それ以前にも必要なら検討して良いものにしたい」と述べています。
 1に、千葉市としても国に対してこうした制度の見直しをするよう求めていくべきではないですか、この制度についての見解を求めます。
 2に、次に、出産費用の一時立て替えのために受け取り代理制度は、国保加入者で昨年度出産で支給した1,379人中、309人と全体の22.4%になっているのは、市民にとって大変助かる制度です。
 市のホームページでは市民便利帳の「妊娠・出産」の欄には出産費貸付制度はありますが、「受け取り代理制度」が載っていません。「受け取り代理制度」と入力したり、健康保険課のホームページまでたどりつけばわかりますが、こうした制度ができたらすぐ、市民便利帳には追加するなど工夫してPRすべきではないですか、すぐにでも改善できると思いますので行なって頂きたいですが見解を求めます。
 3に、出産費貸付制度を受ける対象は保険料の滞納している場合は除くとあります。しかし、お産は待ったなしです。命を最優先させて保険料の滞納の有無に関わらず貸付をさせていくべきではないか伺います。
 4に、産科医療補償制度に加入していない医療機関で該当するケースが起こった場合、どう対応するのか伺います。

議案第143号・市場の規定について
 卸売市場法の改正は、小泉内閣時代の構造改革の規制緩和であり、市場の活性化につながると思うのか伺います。

議案第145号・花園中学校について
 花園中学校が新しい校舎になることを生徒や保護者、地域の方も待ち望んでいると思います。今回、電磁波の問題で工事を始める期間が延長され、開設予定が現在2年生は間に合いません。
 本来、学校に通わせている保護者には、きちんと文書だけでなく教育委員会が責任を持って説明をするべきではなかったのか、そうした説明をせずに、文書だけでお知らせするというのは大変残念です。来年度入学予定の保護者への説明会といった場を利用して、教育委員会から説明すれば、保護者も生徒も安心して学校に通えるのではないでしょうか。

議案146号、147号のいきいきセンターについて
 1に、職員の賃金について伺いましたが、市の規定に準じた事業団の規定とはどの程度の時給と月額賃金になるのですか、事務、指導員、看護師、理学療法士などそれぞれお示しください。
 2に、施設利用の世代間交流は既存の施設で行っているようですが、例えばさつきが丘のような保育所、幼稚園に囲まれた施設では、子育て中のお母さんたちに注目される施設になり、立地条件からも日常的にそうした交流をできる環境にあると考えます。サロン風にぶらりと気軽に利用でき、特に行事でなくとも立ち寄れるような、そんな施設として、レイアウトや運営などを考えてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
 3に、理学療法士の方は、リハビリの訓練をする際に、専門家としてのアドバイスをしていただけるスタッフとして最適だと考えますが、月に2回では、より多くの対象者を継続的に見るという点では、物理的に難しいように思います。今後、施設運営の際に、兼務であっても増員をして、もう少し充実するようにしてはいかがでしょうか。