ふくなが洋議員の一般質問

― 2008.12.11 ―

1 薬物依存症問題について伺います

写真 今日大麻汚染が深刻な状況となっています。摘発件数は増加傾向で、昨年の検挙件数は3,282件で過去最多とのことです。今年は、昨年を上回るペースと言われています。
 大麻汚染は相撲界・芸能界・大学生そして高校生など若者に急速に拡大しています。こうした状況の下、文部科学省、厚生労働省なども対策を打ち出しています。
 これまでも覚せい剤・シンナー・コカインなどの薬物依存症が社会問題になってきました。
 大麻の蔓延はインターネットで種子が販売され購入できることで容易に手に入れることができる時代になり、シンナーより大麻が薬物依存症の入口になりつつあるとの指摘が関係者からされています。その分シンナーの使用者が減ったのではといわれています。
 時代の変化は大麻を地域に浸透させて多くの若者を、ファッション感覚、疎外感、寂しさなどで薬物依存症に走らせています。
 データは古いのですが、2000年5月の文部省の統計推理研究所の調査では、全国の覚せい剤の乱用者数は100〜260万人、年間使用総量は15〜21トン、末端の売り上げは年間9,000億円〜1兆2,500億円になると推計をしています。驚くべき数字といえます。
 薬物依存症は以前からある深刻な病気です。インターネットが普及する以前は、大麻などは購入するのにリスクや罪悪感があり、簡単ではなかったとされています。
 現在は「合法ドラッグ」として多様な薬物が売買され、罪の意識が薄らいでいることも薬物汚染が広がる要因になっています。
 大麻は、健康に被害を与えないとする間違った認識の若者も多いとされます。大麻は免疫力の低下や異常行動、思考力低下など社会生活ができなくなるとも言われ、深刻な健康被害をもたらします。大麻の違法性・危険性のPRは急がなくてはならない問題です。
 一方、薬物依存症の「病気」から回復をしたいという仲間が集まり、目的は薬物をやめたい仲間の手助けをする、ダルクという民間のリハビリ施設が1985年から活動を展開しています。ダルクは、英語の「ドラッグ」「アデクション」「リハビリテーション」「センター」の頭文字をとり、DARC(ダルク)と呼ばれています。
 薬物依存を防止するためにも、また回復することができることを広く紹介して、被害を未然防止することが必要になっています。
 そこで、深刻になっている薬物依存症について伺います。
 1に、千葉市における薬物依存症の実態、千葉市の対応について。
 2に、千葉市の薬物依存症の認識そして市民の薬物依存症の理解についてと課題について。
 3に、薬物依存の低年齢化が問題になっています。市内の子どもの薬物依存の実態について。
 4に、学校教育での薬物依存症予防の取り組みについて。
 5に、ダルクへの評価そして行政の支援について。

2 住基ネットについて伺います

 住民基本台帳ネットワークシステムについては、全国の市町村の住民基本台帳を電子化して、全国の自治体が専用回線で結び、氏名・生年月日・性別・住所の4つの情報を管理します。
 2003年8月から本格的な稼働がスタートしました。これに対してプライバシー権の侵害として違憲であるとの裁判が全国でおこりました。
 大阪高裁では、2006年11月の判決で「住基ネットは個人情報の保護の点で欠陥がある」とし、個人のプライバシー権を侵害するとして違憲判断を下しています。
 しかし、今年3月最高裁は「住基ネットを合憲」とする判断を下しました。現在では福島県の矢祭町と国立市が接続をせず不参加の状態です。
 国や総務省は、大阪高裁の判決が邪魔でしょうがなかったといわれ、最高裁判決は当たり前の裁判手続きも無視して拙速に出されたとの批判があります。
 問題は、自治体ごとの紙の情報が電子化されて、大量に漏えいする危険性があるとうことです。1,500億円もの税金を使い「国民の利便性」「行政の効率化」が目的でした。国は、国民の6割が住基カードを持つと予想しましたが、今年3月現在で、普及率はわずか1.84%で、約234万枚とされています。そこで伺います。
 1に、千葉市の住基カードの発行状況について、なぜ全国で1.84%しか普及しないのか。その原因をどう考えるのか。
 2に、情報の漏えいはないとのことですがその保障は。
 3に、住基ネットの情報からDV問題がおきることへの対応は、高齢者世帯の抽出が可能であることへの対応について、他市へ情報をすべて送付することの問題はないのか。

3 市内大型開発事業について伺います

 現在、蘇我特定地区、「きぼーる」、千葉駅西口、千葉中央港土地区画整理事業などの開発事業が進められ、また展開されています。
 この中には事業が既に終了している所もあります。千葉市にとって影響の大きい開発事業の現状と事業の展開、見通しについて改めてそれぞれ伺います。
 第1に、蘇我特定地区の事業は、平成8年に「蘇我臨海開発整備基本計画」が公表されて、平成17年4月に商業施設「ハーバーシティ蘇我」がオープンしました。
 平成17年10月にサッカー場「フクダ電子アリーナ」がオープンしました。オープンして3年以上になります。そこで改めて伺います。
 1に、来場者数は 売上額についての経年変化について。
 2に、具体的な税収効果・地元との共生について、および雇用の実態について。
 3に、サッカー場側にスポーツ店、コンビニなどの施設がオープンしており大型電気店も近く開店します。この場所の事業展開と課題について、併せてサッカー場の入場者数について。

 第2に、「きぼーる」は、全館オープンして10月で1年を迎えました。科学館、子ども交流館など5つの公共施設で、9月までの11ヶ月で合計入場者数は約82万7千人となり、当初予定の67万5千人を大きく上回ったと報道されています。
 そこで伺います。
 1に、大きな目的であった中心市街地の活性化はどのようになったのか。
 2に、アトリウムの利用についてと今後の事業計画について
 3に、「きぼーる」の施設の課題について。

 第3は、千葉駅西口地区第2種市街地再開発事業について伺います。2011年度をめどに西口に3棟のビルが建設される計画とされています。伺いますが、
 1に、再開発事業は「身の丈に合った街づくり」「歴史と地理を生かした施設づくり」が基本になければなりません。西口再開発事業はこの点でどのようになっているのか、キーテナントについて。
 2に、市はこれまで「雇用は新たに約1000人発生する」との見解を示してきました。その根拠や経済効果について具体的な答弁を求めます。
 3に、西口再開発事業は公共主導の事業です。この再開発で市民の求める施設や必要とする事業の展開はどう保障されるのか、事業の公開・市民への説明などの情報公開や事業の見直しはどのようになっているのか。
 4に、再開発事業と併せて千葉駅ビルの建て替え問題についてこれまで質問してきました。この間具体化の方向が明らかになってきました。市民の声をどう生かしていくのか。建て替えの具体的なスケジュールについて。

 第4は、千葉中央港土地区画整理事業について伺います。
 施行者は独立行政法人都市再生機構です。事業費約532億円。事業期間は平成5年度から23年度までです。
 「セントラルポートちば」として、「海と共存する新しい都市」「よみがえる千葉ウォーターフロント」として事業展開がされています。そこで伺います。
 1に、中央港地区事業について従業員人口約12,200人、居住人口約6,000人と示されていますが実態について。
 2に、開発ずみの土地は6割で残り4割は見通しもたっていないとのことです。今後の事業展開について。
 3に、区画整理事業で市民の願いはどこに生かされているのか、市民参加はどう保障されているのか。

4 千葉市の森林事業について伺います

 千葉市森林整備計画は、平成20年4月1日から平成30年3月31日までの計画期間で進められています。
 これによりますと、千葉市の森林面積は5,100ha(国有林1haを含む)で、市域の約18.7%と少ない森林率ではあるがライフスタイルや住環境、自然環境の変化にともない、市民にとって貴重な緑資産となっているとされています。
 森林の多面的機能を生かすために、森林所有者に対して各種施策を導入するとともに、一般市民の参加を促した総合的な森林整備を促進するとしています。
 今日、森林の持つ役割は、地球温暖化対策の有効な手段として高い評価が行われています。しかし、森業に従事する市民は減少し、後継者不足どころか展望が全く持てない状況には心が痛みます。
 これは千葉市だけでなく、他の政令市における林業も同様の状況です。中国、カナダなどから輸入材が安く輸入されて、日本では秋田、京都などの地域特産の木材しか市場には流通しない実態です。切り出せばそれだけ赤字になる林業の状況は、ある意味農業よりも大変深刻な状況にあるともいえます。
 しかし、市域の18%が森林であるというのは、仙台市の57.9%には遠く及ばないものの、それなりの森林が存在をしていることであり、貴重な森林といわなければなりません。そこで伺います。
 1は、千葉市の林業の実態についてです。
 林業の従事者は、経営問題、さらに国有林、公有林、私有林の背景・面積・割合について。
 2は、千葉市の森林の特徴、課題について、また千葉市の予算と用途について、職員の体制、職務について。
 3は、千葉市の森林が果たす役割についてです。
 公益的役割についてです。現在の洪水調節機能・水資源のかん養機能・土壌侵食防止機能・大気浄化機能・観光保健休養機能・生態系保全機能にどれだけの評価があり合計でいくらの効果を果たしているのか。
 4は、千葉市の林業の今後の活性化の方向について、事業展開では千葉県との連携が欠かせませんがその取り組みについて。
 5は、市民に千葉市の林業の理解を深めるためにハンドブックなどを作成しては。
 6は、千葉市森林組合への支援が求められますが森林組合の現状と課題について。
 7は、学校教育の中で林業に対する理解をどのように進めているのか。

5 産廃・残土問題について伺います

 産廃・残土問題は引き続き自治体では深刻な問題になっています。
 無許可で産廃処理をしていて逮捕をされる事件は後を絶ちません。産廃や残土を処分するとして請負ながら、そのまま放置をする。その産廃が山奥の自然環境を脅かし、水資源を脅かして重大な環境問題になっています。その環境改善には、最終的に多額の税金を投入することにもなります。
 先の農業委員会の農地部会でも、市内若葉区富田町の残土処分場の農地転用について激論が交わされました。あまりにも広大であり、歴史的な複雑な経過も指摘をされました。また、花見川区長作町での産廃捨て場の処理に関して、農地部会では現地視察を行いました。業者に対する行政処分をどうするのか、現地に経過の看板を立てたらどうか、現地の安全対策はどうなるのかなど、これも大変な議論が行われたところです。そこで伺います。
 1に、千葉市は平成18年10月、緑区小山町の産業廃棄物処分場計画予定地について住民の反対により、施設の許可申請の取り下げとなった教訓を生かして、産廃・残土問題に全庁一体となって取り組むことが当時議会でも指摘をされましたが、このことはその後どの様に生かされているのか。
 2に、産廃・残土埋立処分場の許可については、農業委員会・産廃指導課、下水道、土木事務所などが連携して、それぞれの責任を果たし、市民の立場で行政指導を行うべきではないのか。
 3に、若葉区富田町の残土埋立計画予定地については、関係する課の連携はどうなっているのか。地下水の汚染が心配されていますが問題はないのか。
 4は、花見川区の長作町の産廃堆積についてです。早期に他のしかるべきところに輸送しなければなりませんが、どのように改善を図るのか。
 5は、若葉区富田町や花見川区長作町のような地域から、問題と指摘をされている産廃・残土処分場は市内にいくつあるのか。
 6に、先進市、東京都八王子市では、土砂等による土地の埋め立て等の規制に関する条例(残土条例)を制定して、業者に1立方メートル当たり200円の保証金を預託させて、生活環境の保全・災害の防止を図っていますが、こうした条例の制定は考えないのか。

<2回目>

薬物依存症問題について伺います

 薬物依存症はこれまでにもあった病気です。今日大学生・高校生の大麻問題などはクローズアップされて大きな社会問題となっています。
 過去3年間、シンナーの補導事例がないのは、関係者によればシンナー、大麻、覚せい剤の流れが、ゲートウェイドラッグが大麻になり、インターネットで合法ドラッグへと流れているからシンナーの使用が減っているのだそうです。
 インターネットで簡単に大麻などが手に入る時代です。これは重大な問題であり、これまでは大麻などは変な話ですが手に入れるためには「リスク」があり慎重にならざるを得なかったものが簡単に手に入ることにより、大麻汚染が広がったそうです。
 また「合法ドラッグ」「やせる薬」として大麻・覚せい剤が堂々と使われている現状もあります。
 学校でも社会でも予防に力を入れて、薬物依存状態になったとしても社会復帰、回復に手だてを尽くさねばなりません。そこで伺います。
 1に、薬物依存症のメカニズムの解明を行い、知見を市民に知らせ市民や学校でも薬物依存症防止対策に深刻な現状から再度取り組むことを求めます。
 2に、医療、司法、体験者の三者が薬物依存症対策に取り組むことが必要といわれます。これへの行政の支援につて。
 3に、薬物依存症のなかでは自殺率が極めて高いとされています。この背景について。回復するなかでは仲間の存在が重要な存在です。仲間が果たす役割をどう考えるのか伺います。

住基ネットについて伺います

 住民基本台帳事務は、自治体自らの判断と責任で行われるものです。
 1に、千葉市は住民基本台帳法第3条第1項に「住民に関する記録の管理が適正に行われるように必要な措置を講ずるよう努めなければならない」とされています。
 第36条の2には「住民票の・・・漏えい、減失およびき損の防止その他住民票に記載されている事項の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない」との義務規定を、千葉市は行政の対応を超えたものであり、その責任を負えると考えるのか伺います。
 2に、「DVに関する問題は起きない」との答弁でした。そこで伺いますが、杉並区が東京都や国を相手に参加希望区民だけの選択参加を求めた訴訟で、最高裁は杉並区の控訴を棄却しました。それから考えても、DV被害者の住民票の削除がどのように行われるのかについては不安があります。千葉市は、当該市民の記録を削除しているのか伺います。住基ネット上から削除されることが保障されているのか伺います。
 3に、コンピュターネットワークの世界では、情報の漏えいはある意味宿命といわれます。これまでも漏えいが起きており「絶対安心」はあり得ません。住基ネットからは漏えいは起きてはいませんが、将来起きない保証はないと考えます。この制度は市民が望んだ制度と考えるのか伺います。

市内の大型開発事業について

 「きぼーる」の入場者は、12月1日で100万人を超えたと報道されています。それはめでたいことかもしれません。
 ただ、ビジネス支援センター、中央保健福祉センターの入場者併せて23万人は「きぼーる」に行かなければならない、すなわち地域の活性化とは無関係に利用をしているのではありませんか。また、科学館・プラネタリウムの利用者は約54万人ですが、団体客が81,414人で15.2%です。これら団体利用の人も周辺に流れるとは思えません。そこで伺います。
 1に、100万人の利用者の分析をすれば、今後の「きぼーる」の進むべき道がはっきりするのではないか。
 2に、アトリウムの利用の稼働率は57.8%です。これまで朝鮮人問題など、なかなか取り上げられないテーマを取り上げたことなどは高く評価されます。
 市内で地道な運動を続ける市民団体に広く開放を求めます。

西口地区第2種再開発事業について

 市民の多額の税金をつぎ込む事業です。これらの施設には、市民の要望が生かされる施設にならねばなりません。そこで伺いますが、
 1に、その顔にふさわしい景観、機能性を考慮した施設との答弁でしたが、具体的には市民の要望はどのように生かされるのか。
 2に、A棟の中には、なぜ公共施設の計画はないのか伺います。市民要望の強い公共施設の設置と西口再開発の情報公開、見直しを引き続き求めます。

森林事業について伺います

 現在の森林事業は、農業以上に重い課題を背負っています。今の答弁でもそのことははっきりしています。
 森林のもつ機能・役割が、今日改めて評価をされています。千葉市の森林が果たす役割の、洪水調節機能・大気浄化機能などの合計評価額が、約10年前の調査しかないので91億2,500万円との答弁でした。
 実際はその数倍はあると考えられます。千葉市の森林が、産廃・残土の埋め立て場にならなかったのは、森林所有者の方の見識によるものです。
 現在の千葉市の森林問題の改善は、市民生活にとって大きな意義があります。
 そこで伺います。
 1に、森林散策ガイドを作成して、森林所有者の協力を得るなどして、森林浴などが楽しめる事業を提案します。
 2に、しいたけ栽培など、森林の恵みを生かす事業を求めます。
 3に、木のぬくもりを感じる木材の利用促進を求めます。
 4に、市民参加で、千葉市の森林のあり方について検討をおこない、評価と方向性について分かりやすく打ち出すべきではないか。
 5に、市内の森林面積がこの間減少しています。市有林を増やすなど、森林面積の拡大を求めます。

産廃の処分問題は複雑かつ深刻な問題です

 先だっても、産廃と汚泥を混ぜて処理をして、無許可業者が埼玉県で逮捕されました。この背景には、産廃なのか残土なのかあいまいにして処理をすることで利益を上げていることです。見解の相違が堂々とまかり通る世界とも言われます。
 先日のNHKテレビで放送されていました。国や県の法令通りに埋め立てをして、問題はないとされた場所で、地域住民は異様な排水などで苦しんでいる実態が報道されています。自治体は、法的には問題がないと放置をしています。
 こうしたことは許されません。早期に具体的な対応を図らないと解決が困難になり、結局重大な環境問題にもなります。
 問題とされている産廃の残土埋立現場は、併せて24件あるとのことです。
 そこで伺います。
 1に、これら問題の現場周辺での環境破壊や安全など、どのようになっているのか。また、実態を地域に公表をすべきではないのか。
 2に、これまで問題とされている所の改善をどう解決するのか伺います。
 3に、新たな問題を引き起こさないためにも、千葉市独自の条例づくりと併せて、千葉県全体にも広げて産廃、残土問題の未然防止を図るべきではないのか。
 4に、栃木県の市町村では、千葉市とほぼ同じ条例で残土の違法な処理場の設置を防いでいます。全庁あげて、不法な産廃・残土の埋め立てを認めない姿勢を打ち出すべきではないのか伺います。