日本共産党提出の意見書

平成21年第1回定例会
Y1

 (提出年月日)平成21年2月12日  
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

深刻な雇用問題への緊急対策を求める意見書(案)

 世界的な金融・経済危機による景気悪化のもとで、大企業は派遣社員や期間社員など非正規労働者の解雇計画を次々と発表している。今年1月に報告された厚生労働省の調査では、3月までの解雇・雇い止めにより、非正規労働者の約12万5千人が職を失うとされ、また、派遣・請負の業界団体の調査では、製造業で40万人に達すると言われており、「いつでも首切りできる」非正規労働者の働かせ方が、今、大きな社会問題となっている。
 不況を理由に進められている大量解雇は、決して避けられないものではない。わずか1年前までは、「いざなぎ景気」を超える戦後最長の「景気拡大」だと言われ、大企業は軒並みバブル期を超える空前の利益を確保し、過去最高の内部留保をふやしてきたのである。その利益をもたらしたのは、本来正社員が担うべき仕事を派遣社員や期間社員に置きかえ、人員削減で人件費を大幅に減らし続けた結果である。
 景気が後退したからと内部留保や株主配当はそのままに、まず非正規労働者の解雇・雇い止めに手をつけることは、人道上からも許されるものではない。内部留保のわずか0.2%を取り崩せば雇用は維持できるのである。
 このような「首切り自由」を許したのは、1999年の派遣労働の原則自由化と、2004年の製造業まで拡大した労働法制の規制緩和にあったことは明らかであり、政治の責任で引き起こされた「政治災害」なのである。
 よって、本市議会は国に対し、現在の深刻な雇用問題の打開のため下記の緊急対策を行うよう強く求めるものである。


  1. 職を失ったすべての人々に住居と生活、再就職支援を行うこと。
  2. 景気回復に逆行する大量解雇・雇い止めを食いとめるため、大企業への監督・指導を強めること。
  3. 「政治災害」を生んだ労働者派遣法を1999年の原則自由化前に戻し、不安定雇用である登録型派遣は原則禁止すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千葉市議会


平成21年第1回定例会
Y2

 (提出年月日)平成21年2月12日  
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税増税を行わないよう求める意見書(案)

 麻生内閣は、2011年度までに消費税増税を含む「税制抜本改革」法の成立を「附則」に盛り込んだ、来年度の税制法案を今国会に提出した。
 麻生首相は昨年来、「経済状況を見た上で3年後に消費税の引き上げをお願いしたい」と繰り返し言明してきている。
 今、世界的な景気悪化のもとで日本経済は低迷し、国民全体の所得が下がり続けているばかりか、物価高騰や増税が庶民の暮らしを圧迫し、職も住まいも失う不安にさらされている。このようなときに、低所得者にはより重く、逆進性を持つ不公平な税制である消費税を引き上げれば、貧困と格差はさらに広がり、日本経済を一層危機に陥れるのは必至である。
 政府は、消費税導入のときも、税率引き上げのときも、「社会保障のため」、「高齢化社会に備える」を口実にしたが、実際には社会保障は充実どころか年々後退している現実がある。消費税導入以来20年間の消費税での税収と、この間の法人3税の減収分がほぼ同じ額であり、国民が納めた消費税が企業の減税に回されたことになる。
 今また、大企業優遇の法人実効税率引き下げとセットで消費税を増税する「税制改革」は許されるものではない。
 大企業・大資産家への行き過ぎた減税、不要不急の大規模公共事業、軍事予算などの税金の使い方を徹底的に見直し無駄をなくせば、社会保障の財源は十分に生み出すことができるのである。
 よって、本市議会は国に対し、国民の暮らしを守るために、不公平税制である消費税の増税を行わないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第1回定例会
Y3

 (提出年月日)平成21年2月12日  
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

国民健康保険への国庫負担率引き上げを求める意見書(案)

 アメリカの金融崩壊に端を発した世界的な経済危機が、外需依存の日本にあっては、未曾有の大量失業者を作り出している。そして、そのほとんどが派遣社員や期間社員として働く年収200万円以下の非正規労働者なのである。解雇・雇い止めをされたら即生活が困難になる人々であり、その多くは国民健康保険の加入者である。
 千葉市では今年1月末現在、36,642世帯、約24%が保険料の支払いが困難であり、その約7割が年収200万円以下の世帯となっている。保険料が滞納となるのは、相次ぐ所得の減少と異常ともいえる保険料の高さにあるが、根本的には国の国民健康保険に対する責任の放棄、国庫負担率の大幅な削減にある。
 1984年の国民健康保険法の改定で、国庫負担率が45%から38.5%に削減されたのを初め、その後も国の財政支出が廃止・削減されてきた結果、市町村の国保財政は悪化し、保険料が払いきれないほどの引き上げにつながったのである。
 国民の命と健康を守るべき公的医療保険の保険料が高すぎて、日々の暮らしのおもしになったり、医療が受けられないようなことがあってはならない。現状の国保財政を再建するには、国庫負担の増額が必要不可欠となっている。
 よって、本市議会は国に対し、国庫負担を1984年以前の水準にまで戻し、大幅に増額するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第1回定例会
Y4

 (提出年月日)平成21年2月12日  
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

自主共済制度を保険業法の適用除外とするよう求める意見書(案)

 平成18年4月1日施行の「保険業法等の一部を改正する法律」により、障害者、医師、PTAなどを初めとする各団体が運営し、一般の保険会社に代替を求めることが困難な「自主共済」が廃止の危機に追い込まれ、その加入者たちは将来に向かっての保障を断念させられるなど、生活不安を招く事態が生じている。
 そもそも新しい保険業法の目的は、「共済」を名乗り、不特定多数の消費者を相手に保険商品を販売して消費者被害をもたらした、いわゆる「ニセ共済」を規制し、消費者を保護することにあったはずである。しかし、新保険業法では、団体がその構成員を対象に自主的かつ健全に運営している「自主共済」までもが新たに規制対象とされ、営利の保険商品を扱う保険会社に準じた規制を押しつけられることになってしまったのである。
 「自主共済」は、団体の目的の一つとして構成員の相互扶助のために創設され、日本社会に深く根をおろしてきたものである。利潤追求が目的ではなく、仲間同士の助け合いである「自主共済」の存続を否定することは、「ニセ共済」から消費者を保護するという保険業法本来の目的にも反するものである。
 よって、本市議会は国に対し、自主共済制度を保険業法の適用除外とするよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第1回定例会
Y5

 (提出年月日)平成21年2月12日  
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

現行保育制度を堅持・拡充し、保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める意見書(案)

 急激な少子化の進行のもとで、次世代育成支援に対する国と自治体の責任はこれまでにも増して大きくなっており、なかでも保育・学童保育・子育て支援施策の拡充に対する国民の期待は高まっている。2006年以来、第165回臨時国会、第166回通常国会、第169回通常国会、第170回臨時国会では「現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額を求める請願書」等が衆参両院において相次いで採択されていることは、こうした国民の声の反映にほかならない。
 ところが、この間、経済財政諮問会議、地方分権改革推進委員会や規制改革会議、社会保障審議会少子化対策特別部会などで行われている保育制度改革論議は、直接契約・直接補助方式の導入や最低基準の廃止・引き下げなど、保育の公的責任を後退させる市場原理に基づく改革論であり、国会で採択された請願内容とは逆行するものである。厚生労働省が提案した制度改革案は、保育行政推進のために果たしてきた自治体の役割を不当に評価しており、こうした改革が進めば、子供の福祉よりも経済効率が優先され、過度の競争が強まらざるを得ず、保育の地域格差が広がるだけでなく、家庭の経済状況により子供が受ける保育のレベルにも格差が生じることになる。
 すべての子供たちの健やかな育ちを保障するためには、請願の趣旨及び請願項目を早急に具体化し、国と自治体の責任で保育・学童保育・子育て支援施策を大幅に拡充することが必要である。
 よって、本市議会は国に対し、保育制度改革の議論を進めるに当たり、子供の権利を最優先に、地方の実情を踏まえた上で、国と自治体の責任のもとに実施する充実した制度とするよう、下記の事項について強く要望するものである。


  1. 児童福祉法第24条に基づく現行保育制度を堅持・拡充し、直接契約・直接補助方式は導入しないこと。
  2. 子供の福祉の後退を招く保育所最低基準の見直しは行わず、抜本的に改善すること。
  3. 待機児童解消のための特別な予算措置を行うこと。
  4. 保育所、幼稚園、学童保育、子育て支援施策関連予算を大幅に増額すること。
  5. 子育てに関わる保護者負担を軽減し、雇用の安定や労働時間の短縮など、仕事と子育ての両立が図られるよう、社会的環境整備を進めること。
  6. 保育制度改革に当たっては、保育所利用者や保育事業者等関係者が納得できるような仕組みや基準を確保すること。
  7. 民間保育所運営費の一般財源化は行わないこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会