もりた真弓議員の障害者への支援条例案説明

― 2009.2.23 ―

写真 発議1号・千葉市身体障害児童福祉手当支給条例の一部を改正する条例および、発議2号・千葉市心身障害者福祉手当支給条例の一部を改正する条例についてと、発議3号・心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の提案理由の説明を行ないます。
 まず始めに、発議1号と2号の条例は、福祉手当の支給対象者に精神障害者を加えるとともに、20歳未満の児童に対する条例の統合を図るため、千葉市知的障害児童福祉手当条例の廃止及び千葉市障害児童福祉手当支給条例の一部を改正しようとするものです。また、発議3号は医療費の助成対象者に精神障害者を加えるため、条例の一部を改正しようとするものです。
 今回提案している条例は、身体障害や知的障害と同じように、法律で定められた精神障害にも、差別無く福祉サービスや手当を行なうための条例です。
 これまで、障害者の公的な施策は戦前にはほとんど無く、戦後、日本国憲法の下で社会福祉の理念が重視されるようになり、障害者を「援助」する施策が制定されるようになりました。1949年に戦争によって障害を負った元日本軍兵士への対策なども目的として身体障害者福祉法が、1950年に精神衛生法が、1960年に知的障害者福祉法が、相次いで制定されました。さらに、1970年に心身障害者対策基本法が改正をされ、1993年に障害者基本法が制定されました。
 この間、長い間の精神障害者への対策としては、取り締まりや入院中心のシステムでした。いわれなき差別や不当な扱いに対して運動をしてきた経過もあって、1960年代に、脱施設化が世界の精神医療の流れとなりました。
 1993年12月に成立した障害者基本法で「『障害者』とは、身体障害、知的障害又は精神障害があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受けるもの」と「障害者」の定義にようやく精神障害が加えられました。
 この法律では、「国及び地方公共団体は、障害者の権利の擁護及び障害者に対する差別の防止を図りつつ、障害者の自立及び社会参加を支援すること等により、障害者の福祉を増進する責務を有する」と定めています。
 千葉市のここ数年の障害者数でみると、精神障害者保健福祉手帳所持者の推移が、2000年度の887人から、2004年度には1,761人と、4年間で約2倍となり、2008年12月末で2,992人となっています。また、精神障害者通院医療費公費負担患者数の推移は、総数で、2000年度の4,981人から、2004年度には7,524人に増え、2008年12月末で8,263人となっています。
 最近の複雑な社会状況を反映してか、人数は増加しており、ストレスから精神疾患を患い、長期にわたって悩み続けるなど、精神障害に対する適切なアドバイスと、自立のための支援が必要とされています。
 ところが精神障害者は、法律で身体障害、知的障害と同様に位置づけられていながら、制度のうえでも差別的な扱いがされています。例えば、障害者福祉サービスの公共料金のうち、JR・私鉄・タクシーなどの運賃割引がなく、モノレールや航空運賃の割引も、有料道路通行料金の割引もありません。また、NHK受信料の減免もないなど、いまだに差別され不利益を受け続けています。
 こうした状況の改善のために、千葉市が独自に福祉手当や医療助成を行い、精神障害者の自立を支援しようとするものです。
 以前に比べれば、精神障害にたいする理解が進んできた面はありますが、まだまだ障害者本人や家族への偏見、誤解も多く残っています。また、家族の中でも障害を受けとめきれないなど複雑で、ことさら十分な配慮が必要といえます。
 今回提案した条例により、身体および知的と同等に、精神障害者が医療・福祉サービスや手当を受けられるようになることから、十分ご理解いただけるものと思います。
みなさんのご賛同をお願いし、提案理由の説明とさせていただきます。