野本信正議員の一般質問

2009.3.17

1、町場の業者への公共事業発注について

写真 小規模修繕工事の発注方式を新しく作り、不況の中で町場の業者に仕事が回るように提案します。

 町場の業者とは、入札参加資格審査申請名簿に登録をされていない、小規模な業者や一人でも頑張っている大工、建具、電気、畳、塗装、造園、土木などであり、市内に数万人おられます。

 すでに実施している先進都市に学び、利用しやすい制度にすることと、小規模修繕の発注件数および予算を大幅に増やすことであります。

 第1に、千葉市内の建設業者で、入札参加資格審査申請名簿に登録している業者数は1,311社です。

 07年度、千葉市が発注した総額約299億円の建設工事を受注した業者数は379社です。この他、市営住宅の修繕など随意契約で約8億円の修繕料が、毎年同じ業者に発注されています。

 一方、小規模修繕の発注に関する千葉市の現行制度、物品登録業者のうちインテリア、施設の軽微な修繕で登録した業者数は、07年度の登録33社、市内27社の実績は317件で、発注総額は約4,800万円、受注業者は25社であります。

 金額で比べると、工事299億円プラス修繕料8億円に対し、4,800万円しか小規模修繕の発注はされていません。

 公共工事の請負は、品質管理などから一定の要件を満たした業者に発注することは必要なことはありますが、現在、未曾有の大不況の中で町場の業者にも、市民の税金で実施する公共工事が発注されて元気になるように、幅広く受注機会を設けることが必要ですがどうですか。

 第2は、制度を抜本的に改善して新しく作ることについてです。

 その1は、千葉市現行制度の問題点について

 千葉市の現行制度、物品登録業者のうちインテリア、施設の軽微な修繕で登録の問題点は、(1)登録するのに沢山の書類が必要なため、07年度登録実績33社、市内27社しかありません。(2)登録しても仕事がこない問題ですが、多い年でも03年当時36社で、現在は35社と魅力のない制度になっています。(3)仕事の発注金額が極めて少なく、07年度実績は約4,800万円、受注業者は25社です。

 質問しますが、以上の実態を認識していますか。そして、制度として利用しにくい、魅力の少ないものだと認めますか。

 その2は、先進都市の事例を参考にして利用しやすい制度にすることです。

 政令市では広島市、新潟市、さいたま市が実施し、県内都市では柏市、鎌ヶ谷市、君津市、佐倉市、四街道市などが実施しています。

 制度の特徴は、趣旨として、市が発注する小規模工事および修繕を市内の小規模事業者に受注機会の拡大を図る。定義では、小規模工事とは内容が軽易で履行の確保が容易であり、一件の契約金額が50万円以下。登録の資格は、市内に住所を有し、市内で営業している個人事業者、法人又は本店を置いている法人。市の競争入札参加資格者として認定されていないもの。建設業許可の有無、経営組織、従業員数は問わない。などであります。千葉市の制度と違って事業者の登録が簡単で、参加しやすくなっています。

 質問の1は、以上千葉市と他都市の違いについての見解と、登録方法を簡易にして、町場の業者が参加しやすくするために改善し、新しい制度をつくることを提案するがどうか。

 質問の2は、千葉市の制度で良いところは、1件あたり50万円未満に決めていないことで、07年度の実績では1件当たり340万円とか249万円の修繕もありました。この点は今後も維持して、必要な修繕は50万円以上でも発注することを求めるがどうか。

 質問の3は、小規模修繕の発注数を増やすことについてです。各局における発注状況、件数と金額を直近のデータを示してください。

 質問の4は、建設工事全体が約3,000億円に対して、小規模修繕が4,800万円しかないのでは、町場の業社に仕事はまわらない事です。ちなみに新潟市は、約2億円で千葉市の5倍です。各局と委員会の小規模修繕を大幅に増やす事を求めますがお答えください。

 質問の5は、修繕の範囲を広げることによって、参加する業種が増えて行くことについてです。他都市の制度を見ると、建築、土木、造園、電気など広い業種が参加できるようになっています。千葉市も範囲を広げ、小規模修繕および小規模工事を発注できるようにすべきではないですか。

 質問の6は、小規模工事を発注できる制度にした場合は、仕事量が大きく増えることについてです。例えば水道工事についてですが、千葉市水道局は、鉛管の撤去工事700か所の予算1億1,140万円を計上していますが、これを15工区とか20工区に分割して小規模工事の発注ができないですか。

 質問の7は、H15年〜16年度に実施した、若葉区多部田町ローズタウンの水道管移設替えは管理者に依頼したと聞くが、なぜ分割できなかったのか。依頼した事業者名はどこですか。

 質問の8は、ローズタウンの水道管移設を下水道局が依頼した理由はなにか。移設替えの距離、費用額、だれが負担し、負担の根拠はなにか。

2、市営住宅について

 第1は、住宅困窮者の入居促進についてです。

 申し込み倍率が高くて、5回・10回と申し込んでも入れない状態が続いているが、加えて経済状況の悪化で、市営住宅の申し込み希望者が増えている下で、新たな対策が必要になっています。

 1つは、建替計画を前倒しして、建設戸数を増やすことを提案しますが、建替計画全体の現状と見通し、前倒しする場合どんな計画が考えられるか。お答えください。

 2つは、桜木市営住宅についてです。建設が昭和35年のため築年数は48年で、建物の痛みは激しく、トイレはまだくみ取り式のままで使用に耐えない状況です。建替計画は何度も持ち上がりましたが、何時も頓挫してきました。質問しますが、使用に耐えない状況であると認識していますか。建替計画はいつになりますか。

 3つは、空家住宅の募集を増やすことです。最近の募集の特徴は、簡易耐火2階建ての古い住宅でも3倍・5倍の競争率になっています。2〜3年前は、募集しても応募者ゼロが続いていました。ところが単身者応募を可能にしたことと、情勢の反映もあり、今では引っ張りだこです。しかも、簡易耐火住宅はストックがたくさんあり、修繕さえすれば募集できます。 

 1に、簡易耐火住宅のストックは幾つありますか。何年間ぐらい空き家状態になっていますか。

 2に、空家率の高い団地別にその実態を示してください。

 3に、この際、修繕費を増やして募集戸数を大幅に増やすことを提案しますが、どうですか。

 第2は、住宅使用料徴収率の向上と制度の徹底についてです。

 日本共産党市議団は、住宅使用料徴収率の向上を図る努力を求めるとともに、入居者の収入実態を把握して、所得の低い人には家賃減免制度の徹底を長い間求めてきました。

 質問の1は、家賃減免制度の法的根拠と条例および規則で、その仕組みを説明してください。

 この間、私は徴収率と家賃減免率の関係を政令市別に調査して見ました。千葉市の住宅使用料徴収率は74.06%で、政令都市中17位と最下位で、家賃減免制度を利用している入居者は、管理戸数7,178戸に対して264戸で、減免率3.7%であります。

 これに対して、徴収率96.81%で政令市第1位の札幌市は、減免率も44.1%で第1位です。徴収率96.76%で政令市第2位の名古屋市は、減免率も43.7%で第2位です。徴収率94.65%で政令市第4位の神戸市は、減免率も39.0%で第3位です。

 質問の2は、減免率が44.1%、43.7%、39.0%の都市があるのに対して、千葉市が3.7%しか減免をしていない理由はなにか。

 質問の3は、札幌、名古屋、神戸などが徴収対策をしっかり行うとともに、支払い困難な人には減免制度を徹底していることが、徴収率の向上につながっていることをどう思いますか。

 次に、住宅入居者の収入実態についてですが、公営住宅の政令に定めた家賃算定基礎額は、入居者の収入別に段階をつけて、収入分位を明らかにしています。千葉市の入居者は、収入分位1の政令月収0円から12万3,000円までの人が4,575世帯、70.0%です。市営住宅入居者の70%は1か月0円から12万3,000円の収入しかないのであります。さらに、政令月収20万円未満の収入分位4以下でみると83.1%です。だから家賃減免の対象者が多くいるわけです。

 そこで質問の4は、収入分位1の4,575世帯のうち、家賃減免の必要がない生活保護世帯が何世帯で、それを除いた世帯数はいくらか。そのほとんどが家賃減免対象になるのか。

 質問の5は、家賃を滞納している中で、収入分位1の入居者はどのくらいいるのか。同じく収入分位2、3、4、の中にはどのくらいいるのか。

 質問の6は、先日視察調査した減免率32.2%の広島市では、入居者一人一人に対して減免のお知らせと、裏面には必要書類一覧をつけて徹底しています。このような取り組みが、千葉市の10倍の減免率になっていると思いますがどうですか。

 質問の7は、減免制度の周知について、私どもが10数年も前から徹底を求めてきました。しかし千葉市は、これまで入居者全体に対して特段の手立てをしてきませんでした。なぜ周知が不十分だったのか。

 質問の8は、このたび千葉市は減免制度を紹介する文書を2枚つくり、入居者に配布することになったことは前進です。この文書の活用方法を問とともに、何世帯ぐらいを減免する目標なのでしょうか。

3、都市交通について

 第1は、バス交通の充実についてです。

 その1は、平和公園の中か、入り口までのバス路線の実現を、これまで機会あるごとに要望してきましたが、改めて求めて質問します。

 平和公園は現在の区画数約3万区画で、お盆や彼岸以外にも祥月命日に定期的にお参りするなど来園者の数は多く、年配者もかなりいてバス利用者が多いのも特徴です。東金街道のバス停からお参りする墓地までの距離は2キロから3キロあり、年配者や足の弱い人にとってはかなりの負担になっています。

 フラワーバス中野停車場行きの路線を一部変更して活用することをバス会社に依頼することや多部田町まできているコミュニティバスの活用を提案します。

 定期的に平和公園中か入り口まで入るバス路線ができれば来園者が助かり、バス会社もお客が増えることになります。平日の路線を平和公園中か入り口まで入るとともに、墓参者が多い土曜・日曜・祭日の本数を増やすことも求めます。

 千葉市が造成した平和公園墓地利用者が、来園しやすくするのは千葉市の仕事だと思います。明快な答弁を求めます。

 その2は、青葉病院を経由する大宮台団地からのバス路線についてです。

 大宮大団地住民約5,000人の中で、65歳以上の人口が41.15%と千葉市内でも高齢化率の最も高い住宅地であります。交通手段はバスであり、高齢化に伴い車を運転していた人もそれをやめてバス利用になっている人も少なくありません。医療機関への通院として、青葉病院を経由する大宮台団地からのバス路線の新設は、住民の中で強く望まれています。そして、青葉病院を経由して蘇我駅へ行く路線も検討してほしいとの声もあります。

 06年12月議会での私の質問に対して、当局は「市民の足として、また利便性の向上の視点からも、関係バス事業者と協議していく」と答えています。その後の協議の進展具合と、改めて早期実現を求めますが答弁を求めます。

(2回目)

1、町場の業者に公共事業発注について

 1に、千葉市の公共工事300億円余りが360社で受注。何万人もいる町場の業者が公共事業には無縁の状況におかれている。現行制度の中では、わずか25社4,800万円程度の小規模修繕をしているにすぎません。町場の業者への公共事業発注が僅かしかない原因について改めて問う。

 2に、最近制度を作った四街道市では昨年10月に募集したところ、11月に27件応募がありました。人口規模で比較すると千葉市で270件申し込みと同じです。制度を作る時、町場の業者や団体や組合と協議して、利用しやすい制度にしたと聞いていますが、教訓を学ぶべきではないですか。

 3に、申請書類の簡素化についてですが

 申し込み基準を簡易にすると品質の保証が心配といいますが、新潟市では納税証明と許認可証の写しだけといいます。新潟市の経験を聞いたらトラブルはないそうです。

 千葉市内には、一人親方の大工さんは、民間の仕事で2〜3千万円もする新築の家を建築した経験など、技術も持っている業者が町場にはたくさんいます。信頼して発注するのが必要だがどうか。

 4に、申請書類を簡素化している新潟市ではその結果、千葉市の5倍2億円の工事が発注されています。簡素化と発注率の増加は相乗効果があるのではないですか。

 千葉市も同様な制度にすれば、小規模修繕や工事が増えるのではないかですか。

 5に、公共工事は税金を源資に発注しているが、入札に参加していない何万人もの町場の業者も、それぞれたくさんの税金を納めている納税者だということを認識しているのですか。

 経済危機の中で、納税者市民が厳しい実態にある時、もっと制度を改善して町場の業者が参加しやすくし、小規模修繕や小規模工事が発注されて経済活性化につなげるよう急いで行うことを重ねて求めます。

2、市営住宅について

 その1は、住宅困窮者の入居促進についてです。

 簡易耐火住宅は答弁によれば、235戸が空家で、空家期間は最長16年とのことです。

 1に、235戸もの住宅を最長16年間も募集せず、1円の家賃も徴収せずに放置してきた理由について。

 2に、修繕をして募集し入居が始まれば、住宅困窮者を救い、家賃収入を増やし、住宅のスラム化も防げると思うがどうか。

 3に、最近の募集で簡易耐火住宅も競争倍率が高くなり、希望者が多い今こそ、簡易耐火住宅の募集を増やすように求めるがどうか。

 その2は、住宅使用料の徴収率向上と制度の徹底についてです。

 公営住宅法は、住宅困窮者の住まいを確保することで、福祉住宅とも言われています。ただ今の答弁で明らかなように、千葉市の市営住宅入居者は、収入が1円から123,000円の収入分位1が70%、4,575戸あるのに、減免は264戸しかありません。

 4,575戸中264戸しか減免してないのは行政の責任です。僅かな年金や収入で生活保護も受けずに必死で頑張っている入居者のうち、減免基準をクリアしている人を救済することが必要と思うが改めて答弁を求めます。

 3は、入居基準の引き下げにより、すべての入居者の家賃が値上げされ、所得の少ない入居者は、今まで以上に家賃の支払いが困難になり、その結果家賃滞納者を増やすことにならないですか。

 4は、100円から最高1,8000円の家賃値上げを、激変緩和措置により5か年で行うわけですが、値上げ額のもっとも高い例の金額と、上げ幅を10件示してください。これら家賃値上で負担増となる入居者を考慮して、減免申請の周知を改善したのですか。

 5は、ともあれ入居者への減免申請周知改善は前進ですが、今後いかに徹底していくのかが問われます。先進市の視察で学んだことは、各区役所で入居者への説明を行っていましたが、千葉市も各区役所で入居者への説明と相談を行ってはどうですか。

 6は、先にグラフで示した通り、徴収率の向上を図る時、支払い困難者への適切な対応が行われ、減免率と徴収率向上が相乗効果となって現れていると思います。千葉市も効果をあげることが出来ると思うがどうか。

 以上、お答えください。