予算組み替え動議に対する質疑への答弁

(無所属・鈴木友音議員の質問)

1.「予算組み替え動議を策定する過程において、様々な市民との対話、会派での協議等を行ってきたと思われますが、今回の動議作成についてその経過をご説明ください。」

2.「削減をする事業の代替案として複数の施策を盛り込んでいるが、中でも特に最優先すべき施策は何と考えているでしょうか」

3.「各動議とも蘇我特定地区整備やモノレール延伸事業など大型開発を抑制する一方で、市民福祉向上の施策を多数盛り込むことを求めることは、逼迫する財政への危機感があまり感じられないようにも見えるが、財政再建の必要性とその道筋をどのように考えているのでしょうか」

4.「下水道事業の見直しを求めているが、共産党として下水道事業のあるべき姿をどのように考えているのか」 

5.「予算の組み替えに国や県からの負担金の見直しを盛り込むことは、法制度の壁や相手方との交渉次第によることが大きいため、財源として期待することは楽観的すぎるようにも思えるが、具体的な方策、展望があればお示しください」

(共産党・中村きみえ議員の答弁)

1.予算組み替え動議を策定するにあたって、09年度予算編成時において市民からアンケートを募り、集計した上で市民要望の高いものを取り入れました。

 また、予算作成時に市民むけの要望を聞き取る機会を設け、千葉市の09年度予算案が出された内容を市議団で分析した上で、市民に報告し、それぞれの立場から来年度予算にむけてのご意見を伺ってきました。

 さらに、日頃から生活相談など市民と密着した活動を行うことで改善すべき点などを会派内でも出し合い、協議して作成してきました。

2.格差と貧困が拡大する中で、市民のくらし・福祉を最優先する施策にすることが大切だと考えています。

 緊急経済対策として雇用確保、中小企業への支援策、保育所・特養ホーム、学校施設の耐震化の促進など身近な公共事業を増やし雇用暮らしを守ること。これらを最優先で行いたいと考えています。

3.地方自治の精神からは「市民のくらしや福祉を守る」立場に立って市民の暮らしを守ることを最優先させることによって、市民が安定した雇用・暮らしを維持することができると考えます。

 ところがこれまでの千葉市政は、蘇我臨海をはじめ無駄な開発などを行い、この8年間で1,300億円もの税金を投入したために財政が厳しくなってしまったのです。私どもは一貫してこの問題を批判し、見直しを求めてきました。この反省の上に立って財政再建を、行うべきです。

 財政再建については無駄な開発は当然見直しをし、地元の業者に仕事が回れば地域経済の活性化につながり、結果として市内の経済へ貢献することにつながります。

 まず、市民福祉の維持・向上を掲げ、市民や職員を巻き込んで市財政の建て直しが行われるように力を尽くしたいと思います。

 財源のあり方は地方自治体が地方分権を、文字通り行えるように国や県からの負担金を見直すことで財源を生み出すこともできると考えます。市内の大企業への超過課税など財源確保をする努力を惜しまず実施すれば、財政再建への道筋はあると考えます。

4.下水道の普及率が一定整ったため、今後の未普及地域についての対応は布設ありきでなく、調整区域内では合併浄化槽・小規模処理方式を取り入れ、建設費を抑えていくこと。工事にあたっては市民参加で情報公開、説明責任を果たしていくようにし建設投資、下水管のリニューアルなど下水道行政そのものを見直していかれるように検討するものです。

5.先日の予算分科会の財政局の審議で道路直轄事業負担金について、日本共産党は廃止を求めて質問しました。指定都市では、「財源拡充についての要望」で、国が行っている事業で地方公共団体に対して個別に財政負担を課す国直轄事業負担金については廃止することを求めています。国が行うべき国直轄事業は国の負担で整備すべきで地方に負担を求めるべき性格のものではないと、地方公共団体に委譲する場合は、費用経費を全額財源措置すべきであると述べているのです。指定都市として国に負担金の廃止を求めているのです。 

 国直轄事業負担金について、国は地方の反発もあり、地方に負担を求めないという方向が出されています。

 これと同様のことが県の負担金においても言えると思います。幕張メッセ負担金などいつまでも市が県の言いなりで負担しなければならない義務は無いと思います。千葉市の財政状況を考えたときに、無駄な支出を抑える英断をするべきだと考えます。

<2回目の質問>

○「2回目は1点だけお尋ねします。二元代表制である地方公共団体においては、議会が一致して執行部に対峙するということが理想であるにもかかわらず、今回は残念ながら3会派が別々に動議を出すと言う事態になってしまった。

 せめて動議を提出する3会派だけでも共同の提案をおこなうべきだったと思うが、3会派が合意するための努力をしてきたのか、また、今後は共同で提出できるように前向きな努力すべきと思うが、お考えをお聞かせください」

(答弁)

○ わが党は以前から予算の組み替え提案を行ってきました。財源のあり方についても財政の根本から切りかえて市民本位の予算とするよう提案してきました。

 今回、市民ネットワーク、民主党市議団が組み替え動議を初めて提案したことは非常に良いことだと思います。それぞれの会派が提案したことは議会制民主主義の発展に貢献するものです。それぞれの会派が提案している内容には個々には違いがありますが、千葉市が財政危機となった蘇我臨海をはじめとした大型開発やモノレールの延伸事業などの見直しを3会派は立場が違っても共通して提案したことは、市民の利益につながるのではないかと思います。市議会の中での3会派におよぶ多くの議員が、提案し、市政を根本から切り換えようとしたことは、市政の大きな流れになっていくと思われます。

 事前に合意のための話し合いは行ってきましたが、それぞれの組み替えの規模、市政にたいしての考え方が方向性は同じであるものの、統一するまでには至りませんでした。しかし、今後は早めに共同で対応したいというのであれば、前向きに努力する用意はあります。

 今後は、他の会派とは市民の利益が守れる方向で一致できれば大いに共闘するものです。