日本共産党が提出した意見書

平成21年第2回定例会
Y1

 (提出年月日)平成21年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

新型インフルエンザ対策の強化を求める意見書(案)

 世界的な広がりを見せている新型インフルエンザについて、世界保健機関(WHO)は、世界的大流行を意味する「フェーズ6」に警戒水準を引き上げた。
日本でも検疫や水際対策をすり抜け、国内各地に感染が広がっている。幸い今回の新型インフルエンザは「弱毒性」で症状も軽く、従来の治療薬でも効果があるとされているが、感染力が強いことや海外での事例では糖尿病・人工透析患者、妊婦などに感染した場合、重篤となる危険があることも明らかになっている。
 これまでの国内での感染対策では、相談窓口や発熱外来などの体制が不十分で、少なからず混乱を生じたことから、秋から冬にかけて本格的な感染の拡大の心配もあり、治療はもちろん日常生活はどうなるのか不安の声が上がっている。
 国の「構造改革」によって保健所の統廃合が全国で進められ、1997年には706カ所の保健所が2008年には517カ所にまで減少している実態がある。加えて、医師や病院不足を放置してきたことも、機敏な対応を困難にした重大な要因となっているのである。
 よって、本市議会は国に対し、今後の感染拡大に備え国民の不安を取り除くためにも、国が必要な財政負担を行い相談・診察・医療体制を整えるとともに、日常生活や経済活動への対応を図るなど、新型インフルエンザ対策の強化を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日
          

千 葉 市 議 会


平成21年第2回定例会
Y2

 (提出年月日)平成21年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

温室効果ガス排出削減目標(中期目標)の抜本的見直しを求める意見書(案)

 麻生首相は本年6月10日、2020年までの日本の温室効果ガス排出削減目標(中期目標)を、2005年比で「15%減」にすることを発表した。これは、1990年比ではわずか「8%減」にしかすぎず、みずから掲げた2050年までの長期目標である「60%から80%の削減」との整合性もなければ、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告の「先進国は1990年比で25%から40%の削減が必要」とする科学的な数値をも無視した目標となっていて、国内外の環境団体や国民から批判の的となっている。
 真剣に地球温暖化を防止しようとするなら、基準年を2005年にして削減幅を「偽装」するようなことではなく、二酸化炭素排出の9割を占めるのはエネルギー利用による排出であり、化石エネルギー大量消費の日本経済のあり方を大きく方向転換することこそが求められているのである。
 ところが「中期目標」は、産業界の生産調整や省エネで実現可能な数値に太陽光発電分を加えただけのものである。国内の総排出量の7割を占める大規模事業所には「経済界の意向を重視」して、大胆な転換も削減も求めることなく、専ら国民の負担だけを強調するのでは、本格的な「低炭素社会」を目指しているとは言えず、「世界の笑い物」となるのは明らかである。
 「1990年比4%増が目標」などと言っている産業界に対し、「野心的」な削減目標の義務づけや排出量に見合った環境税の導入などで、これまでの化石エネルギー依存から自然エネルギーの利用へと転換を促すことが必要なのである。
 よって、本市議会は国に対し、先進国日本としての責任を果たすために、温室効果ガス排出削減目標(中期目標)の抜本的見直しを強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第2回定例会
Y3

 (提出年月日)平成21年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税増税計画を撤回するよう求める意見書(案)

 政府は、経済財政運営の基本方針であるいわゆる「骨太の方針2009」を策定する際、経済財政諮問会議で、消費税を5%から12%まで増税し財政を「健全化」する試算を用いるなど消費税率の引き上げを前提としている。
 これまで「福祉のため」、「社会保障の財源」などと「偽装」しながら、大企業減税の財源にしてきた経緯はあったものの、今回はあからさまに「財政の健全化」、「赤字財政の穴埋め」のために消費税率を引き上げるというものである。
 また、今回の試算には「法人税を引き上げた場合」のケースは初めから示されていないばかりか、「骨太の方針2009」に反映する「中期プログラム」には、「法人実効税率引き下げの検討」まで盛り込まれているのである。
 さらに、政府は経済対策だとして、1回きりの定額給付金をばらまき、「選挙目当て」、「他に使い道がある」と批判されたにもかかわらず、またもや高額な家電やエコカー買いかえへの補助など、「派遣切り」の不安を抱える人たちの暮らしとかけ離れた経済対策を実施しながら、その財源を消費税増税に求めようとすることは断じて許されるものではない。
 「税金は負担能力に応じて」が、近代民主国家の常識である。しかるに、低所得者ほど負担が重い消費税で、大企業・大資産家の減税分やばらまきなどの浪費のツケを庶民に背負わせるのではなく、大企業・大資産家に応分の負担を求めるとともに、消費税減税などで内需を拡大する経済政策と税制に転換すべきなのである。
 よって、本市議会は国に対し、消費税増税計画を撤回するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第2回定例会
Y4

 (提出年月日)平成21年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

憲法第9条の改定をねらう改憲手続法の廃止を求める意見書(案)

 本年6月11日の衆議院で、憲法改定原案の審査権限を持つ憲法審査会の規程案が採決され可決した。この規程は、委員の数や審議のルールを定めるものであり、何が何でも今国会中に規程を制定して審査会を機能させ、改憲論議を公然と開始できるようねらったものである。自民党の改憲策動の中心は、憲法第9条を改定し、自衛軍の保持や集団的自衛権行使を明記させ、海外での武力行使を可能にしようとするものである。
 今、世界は、国連を中心にして国際紛争は武力ではなく平和的に解決しようとする流れとなっており、必要なのは憲法第9条の改定ではなく、憲法第9条の徹底こそ求められているのである。
 しかし、自民・公明の与党は、「憲法に改定規定があるのに手続法がないのはおかしい」として日本国憲法の改正手続に関する法律(改憲手続法)の制定を強行し、今回も「手続法が施行されるのに審査会規程がないのはおかしい」との理由でまたも強行して、憲法改定への強い意志を示した。
 国民は憲法第9条などの改定を望んではいないし、憲法改定の手続きを始めることも望んではいない。今、必要なのは、国民の生存権や基本的人権を定めた現憲法の完全実施である。深刻な貧困と格差の拡大、「派遣切り」など労働者の切り捨てが進む中で、健康で文化的な生活を保障した憲法第25条や、勤労権・団結権を定めた第27条や第28条を生かすことこそ求められているのである。
 こうしたときに、国民の願いにも世界の流れにも逆らうことになる改憲策動は、断じて認めることはできない。
 よって、本市議会は国に対し、憲法第9条の改定をねらう改憲手続法の廃止を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第2回定例会
Y5

 (提出年月日)平成21年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

民主主義を破壊する衆議院の定数削減はやめるよう求める意見書(案)

 総選挙を前に、今、衆議院の定数削減問題が取り上げられている。現在の衆議院の総定数は480議席で、このうち300議席は定数1の小選挙区で選び、残り180議席を全国11に分けた比例ブロックから選ぶ制度となっている。
 選挙制度は、民意を正確に反映すべきであり、有権者1人1人の意思が最も尊重されるのが比例代表制度である。この比例定数が削減されることは、議会制民主主義を根底から覆すものであり、断じて認めることはできない。
 1994年の小選挙区比例代表並立制導入の際に、小選挙区制だけでは「大政党が得票以上に議席を取る場合がある」として、「民意を反映する」比例代表との組み合わせで補うと細川元首相が説明したほどの非民主的な制度であり、「政治改革」をスローガンにしながら「二大政党づくり」をもくろんだ選挙制度だったのである。
 小選挙区制の比重を高めることは、国会での第一党が少ない得票でも議席の圧倒的多数を占めることになる。それは、少数政党を国会から締め出し、少数意見を排除する最悪の選挙制度となるのである。
 よって、本市議会は国に対し、民主主義を破壊する衆議院の定数削減はやめるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日
        

千 葉 市 議 会


平成21年第2回定例会
Y6

 (提出年月日)平成21年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

原爆症認定の全面解決を求める意見書(案)

 広島・長崎への原子爆弾投下から64年、その間、多くの被爆者は原爆症に苦しみながら国の支援を訴え続けてきたが、2003年4月、年老いた被爆者はやむにやまれず、国に原爆症認定制度の抜本的改善を求めて集団訴訟に立ち上がったのである。
 本年5月28日、東京高等裁判所は、未認定だった被爆者のうち9名を認定すべきとの判決を言い渡した。判決の中では、被爆者援護法の前文を踏まえ、「単なる社会保障的観点に基づくものではなく、戦争遂行主体であった国の国家補償的措置として行われるものである」ことを認定審査の基本にするよう指摘しているのである。
 この結果、集団訴訟では国は18連敗となり、国の原爆症認定審査方針が被爆者の願いといかにかけ離れているかを示すこととなった。
 6年にわたる集団訴訟の中で、原告306人のうち4割の方が既に亡くなっており、被爆者救済は一刻の猶予もないのである。
 アメリカのオバマ大統領は、核兵器を使用した国としての道義的責任に立ち、「核兵器のない世界」を目指すと発言した。日本政府が認定問題を全面的に解決し、実態を世界に伝えることは、唯一の被爆国政府としての道義的責任である。
 よって、本市議会は国に対し、原爆症認定の全面解決のため、下記の項目について直ちに実施するよう強く求めるものである。

1  第一審で勝訴しながら未認定となっている原告を直ちに原爆症と認定すること。
2  未判決や敗訴となっている原告も被爆者救済の立場で全員を救済し、全面解決を図ること。
3  被爆者のがんは幅広く原爆症と認定すること。
4  総合判断する疾病の認定も「疑わしきは被爆者の利益に」の立場で判断すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第2回定例会
Y7

 (提出年月日)平成21年6月18日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

細菌性髄膜炎ワクチンの公費による定期予防接種化を求める意見書(案)

 細菌性髄膜炎は、初期症状として発熱以外の特別な症状が見られない場合が多く、重篤な状態になって初めてわかるといった早期診断が難しい病気である。
 我が国では、毎年、約1,000人近くの子供たちが感染しており、抗生物質による治療を行っても約5%が死亡し、約15%から20%は重い後遺症が残ると言われている。
 日本外来小児科学会によると、患者の約6割はインフルエンザ菌b型(Hib)によるもので、約3割は肺炎球菌によるとされている。
 細菌性髄膜炎の治療は、発症後では限界があることから、罹患前のワクチン接種の重要性が指摘されているのである。
 1998年には、世界保健機関(WHO)もHibワクチンの定期予防接種を推奨しており、ワクチンを定期予防接種化した国々では、発症率が大幅に減少したとの報告がされている。
 しかし、日本では、Hibワクチンが承認されたものの任意接種のため、親の費用負担が大きく、気軽に接種できるものではない。また、肺炎球菌ワクチンについては、乳幼児に使用できる7価結合型肺炎球菌ワクチンは未承認のままであり、日本小児科学会なども早期の承認を求めている。
 多くの親の切実な願いであるHibワクチンと7価結合型肺炎球菌ワクチンの公費による定期予防接種化が実現すれば、子供たちを細菌性髄膜炎から守ることができるのである。
 よって、本市議会は国に対し、細菌性髄膜炎から子供たちを守るため、下記の事項について早期に実現するよう強く要望するものである。

1  Hibワクチンの公費による定期予防接種化を図ること。
2  乳幼児も接種できる肺炎球菌ワクチンである7価結合型肺炎球菌ワクチンを承認し公費による定期予防接種化を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会