小関としゆき議員の議案質疑に対する答弁(要旨)

2009.7.3

【熊谷市長】

○ 特別職の給与・旅費・費用弁償の一部改正について

 減額措置を市長と副市長の2名にしたのは、本市では財政再建が喫緊の課題であり、市政運営を担うトップの市長と副市長がまず率先して市政を示すことが必要と考えたから。退職手当の減額対象を市長のみにしたのは、財政再建への姿勢を示しつつ市政運営を考慮したもの。
 一般職員は、市の施策決定の重要な職責の職員には協力を願いたいが、現在課題の整理等を行っているところだ。
 市長と副市長の減額措置は、他の事業の見直しとあわせ市財政の健全化に資するものと考える。
 減額した財源の使い道は、他事業の見直しを含めた財源とし、財政健全化の推進と市民福祉向上に努める。
 幹部職員以外の一般職員を下げるとは一言も言っていない。今回の市長・副市長の減額で民間に影響することはない。

【保健福祉局長】

○ 専決処分・国保特別会計について

 国庫支出金は、H16年度197億6100万円、H17年度185億3900万円、H18年度178億8300万円、H19年度175億6300万円、H20年度171億4600万円で、県支出金は、H16年度2億8100万円、H17年度22億8300万円、H18年度30億3600万円、H19年度31億8100万円、H20年度30億5800万円となっている。H20年度は、予算見込に対し国庫負担金は15億2700万円、県支出金は3億3200万円減少した。
 千葉市は、資格証明書と短期保険証の運用をH13年度から開始し、滞納分保険料の徴収率は15%台から20%に上がっている。納付相談や分納制約が効果的だった。収支不足の解決には適正な保険料と一般会計からの繰り入れを併せて検討の必要がある。
 H20年度決算で、繰入金が予算額に比べ減額したのは、保険料の軽減額が減少したためだ。繰入額の引き上げは、適正な保険料の確保と併せて検討していく。
 大都市主管局長会議などで、国民健康保険制度全般を様々な角度から、国費など公費拡大について、今後も要望していく。
 自主財源確保が基本であり、繰入金は適正な保険料と組み合わせて検討する必要がある。保険料は、高齢者の増加で医療費増加が見込まれ、単年度収支の均衡を保つため、低所得の方々の軽減や生活苦の方々への減免制度見直しに取り組み、保険料改定を検討する。
 保険料の滞納者には、文書や電話で納付相談案内を行い、特別徴収嘱託員を活用した納付相談など、被保険者の生活実態を調査し対応していく。

【財政局長】

○ 補正予算について

 国の第2次補正に伴い千葉県が設置した「ふるさと雇用再生特別基金」は、H21年から23年度の3年間で総額3億3千万円交付される。今回の補正予算では2120万円計上したので、残りは3億880万円だ。「緊急雇用創出事業臨時特例基金」は、3年間で総額2億8千万円交付され、21年当初予算と今回の補正で、1億2481万円計上したので、残は1億5519万円となる。
 「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」は、市への交付額は13億3900万円で、今年6月に内閣府へ第1次実施計画書を提出した。今回の補正で9億4933万円計上し、残は3億8967万円となる。「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」は、公共事業等の地方負担額や財政力に応じて配分額が算定されるので、現段階では詳細は未定だ。「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」の20年度の交付額は2億2210万円で、2月の補正で全額を屋内運動場耐震補強や校舎改築実施設計などに充当したので、基金の設置は行なっていない。「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」は、国が示した事業例として地球温暖化対策、少子高齢化対策、安全・安心の実現、その他地域活性化に資する事業の4つの柱に沿い、低公害車等の導入や小中学校の地上デジタル化などが示されている。
 千葉市では、各所管局で事例集や交付金の要綱等を参考に検討し、早期に実施できる事業を補正に計上したものだ。雇用対策に係る予算は、放置自転車追放・誘導指導員や精神障害者生活支援員配置などの5事業で、4679万9千円、68人の雇用を見込んでいる。雇用条件、雇用形態、給与額などは委託先が決まるまでは未定だ。
 補正予算の内訳は、地上デジタル放送対応テレビや電子黒板の整備、新学習指導要領の実施に必要な教材の購入、女性特有のがん検診の委託など、物品購入や委託料などの予算額は17億9015万円となっている。そのうちWTO政府調達協定の対象案件は、地上デジタル放送対応テレビと電子黒板の整備で11億9160万円、割合は66.6%だ。

○ 千葉市地区計画内の建築物制限の一部改正について

 C-1ゾーンとC-2ゾーンでの固定資産税納入状況は、守秘義務があるので公表できない。

【市民局長】

○ 補正予算・DV被害者支援給付金事業について

 市内のDV被害者は、生活保護や国保証の交付状況から大人150人、子ども170人と推定している。DV被害者には、市政だより等で周知し、申請は直接被害者本人から電話連絡をもらい、給付要件確認後申請書を郵送する。被害者はそれぞれ状況が異なり、被害者支援の観点から個々のケースに対応していく。
 路上生活者やネットカフェ難民への定額給付金の給付は、国の住民基本台帳の情報に基づき、市町村が行なうことになる。住民登録している所で受け取ることができる。どこにも登録していない場合は、遡って給付基準日に住所を設定すれば受給することができる。
 中小企業勤労者からの相談件数は、H20年度の就職相談は2634件で、労働相談は443件あった。現在の厳しい雇用情勢の下で、事業主や勤労者に雇用や福利厚生、労働や金融など多岐にわたる相談に的確に対応した情報提供ができるのは大きな支援になる。就職支援キャリアカウンセラーは、若者・一人親家庭・高齢者などの就職困難者に、専門的なアドバイスを行い、スキルアップや就労に結びつける効果がある。相談員数は今後の相談件数に応じて必要な数を確保していく。中小企業勤労者支援相談員と就職支援キャリアカウンセラーの連携は実施状況を見ながら検討していく。ハローワークとの連携は、今も職業紹介や各種協議会等で連携を図っており、引き続き連携を図っていく。
 路上生活者には、市政だより・市ホームページ・公共施設へのポスター掲示など各種広報媒体での周知を図っている。

【経済農政局長】

○ 補正予算・中小企業金融対策について

 融資の条件は、市内の事業所が市内で営業し、市民税を申告・納付していて滞納がないこと。千葉県信用保証協会の保証対象業種であることなどが資格要件だ。融資の申し込みは、第三者の連帯保証人は不要で、担保は必要に応じて設定する。融資枠は、現在の経済状況から今回の補正で適正な融資枠を確保した。万一、融資枠の超過があっても融資が滞らないよう対応していく。
 資金融資制度のすべてのメニューで、低利融資や利子補給を実施しており、今後も中小企業者の資金繰り安定化に努めていく。
 税金滞納の中小企業者への融資はできないが、徴収猶予等で分割納付の場合は申し込み資格があるものとして取り扱う。
 H21年度創設の借換え制度を利用し、返済期間は最長7年まで可能となったことから、月々の返済額が軽減され、健全な返済計画が立てられので、猶予期間延長は考えていない。

【都市局長】

○ 千葉市地区計画内の建築物制限の一部改正について

 当該地区は副都心の位置づけで土地の有効活用と高度利用を行なう方針があるため、高さ制限はしていない。人口規模は、蘇我臨海部の居住人口予想は「蘇我地区整備計画」で、約11000人とされている。環境面では、JFEと市は定期的に降下ばいじん、ベンゼン等の環境調査を実施しているが、市の環境目標値を下回っている。
 土壌汚染は、市の指導要綱でJFEが事前に調査し、市も結果の確認のための調査を行ない対応している。C-2ゾーンの見通しは、現在ジェフ市原・千葉の練習場を建設中であり、それ以外は土地所有者が検討中だ。六価クロムの処理は、JFEとの「基本協定書」によって、今年度中にJFEが撤去する予定だ。
 計画決定にあたっては、原案の縦覧・都市計画説明会・案の縦覧を実施し、市民の意見提出機会を設けながら定めている。この土地利用計画には、市政モニター・地元町会長・女性団体・障害者福祉団体の代表等で構成した「懇談会」の意見・要望を踏まえて策定したものだ。
 当該地区は、一企業のための整備ではない。計画の時点から市民代表等が参加し計画策定しており、周辺住民にも説明会や回覧等で情報提供してきた。

【教育次長】

○ 補正予算・スクールニューディール構想について

 スクールニューディール構想は、学校の耐震化、学校のICT化、学校のエコ化を一体的に推進するもの。子どもの教育環境整備に必要であり、緊急課題である。この構想の趣旨から、国庫補助に加え地域活性化・経済危機対策臨時交付金等を活用し、一般財源を計上せず事業規模を最大限確保できるよう、学校の耐震化と地上デジタル対応テレビ整備や電子黒板整備などの学校のICT化予算を計上した。
 テレビは教育上重要な視聴覚機器であり、H23年7月のアナログ放送終了で、児童生徒が地上デジタル放送を視聴できる環境整備が求められ、国の補正が今年度限りであることから補助金と交付金を活用して整備するものだ。テレビはスタンドや設置費含めて1台40万円だ。普通教室のアナログテレビで最新なのは昨年度購入したものだ。使用可能なテレビは他の活用を検討しており、廃棄処分の費用は921万円予定している。
 電子黒板は、新学習指導要領で情報機器の活用を示されており、導入した学校の研究成果では学習内容がわかり易くなり、復習等が容易になったとの報告がある。確かな学力を育成する上で大きな教育効果が期待できるものだ。県内の小学840校、中学383校、特別支援37校での導入状況は把握していないが、H17年度に国の研究指定を受けた船橋市は小学校全校に導入している。柏市・成田市・浦安市・市川市でも一部の学校で導入している。
 地上デジタル放送対応テレビと電子黒板は3500万円を超えるため、政令市はWTO協定の適用対象となり、一般競争入札で行なわれる。50インチ以上のデジタルテレビを納入できる業者なら参加は可能だ。電子黒板も同様となるが、国内の電子黒板機能付デジタルテレビの製造業者は4社だ。
 H21年度の工事予定を除いたIs値0.3未満の屋内運動場・校舎・空中渡り廊下は、今年度中に補強計画策定や実施設計を済ませ、次年度中に補強工事を完了の予定だ。高校生の授業料減免等の支援は、交付先が都道府県のため今回は予算要望していない。
 郷土博物館企画展でのポスター印刷や展示ケース購入、搬送委託等は市内登録業者へ発注予定で予算額は300万円だ。中央図書館の団体貸出図書購入も市内登録業者へ発注の予定で405万円だ。
 WTO協定の適用案件は、地上デジタルテレビ整備の10億5千万円と電子黒板整備の1億4千万円だ。
 資格要件を満たした業者なら入札への参加は可能だ。
 今回、全普通教室に導入するのは、教育効果があるとともに、H23年7月にアナログ゙放送が終了するので地上デジタル放送が視聴できる環境整備が必要だった。
 電子黒板は、すでに12の政令市で導入されている。1校1台でも効果的な活用方法で全体が有効に活用できるようにする。