佐々木ゆうき議員の議案質疑

2009.9.10

佐々木ゆうき議員 日本共産党千葉市議団の佐々木ゆうきです。議案質疑を行います。
 はじめに、議案第78号・平成21年度千葉市一般会計補正予算中所管について、議案第84号・千葉市入札制度検証委員会設置条例の制定についてです。
 入札制度検証委員会設置条例の制定は、市が発注した工事に係る収賄容疑で前市長が逮捕・起訴されたことを受けて、入札制度の運用状況の調査、改善に関することを検討する委員会を設置するというものです。
 補正予算では、この委員会の委員の報酬7人分が計上されています。そこで伺います。
 1つに、検証委員会委員報酬7人分とありますが、どのような職種の方を委員として選考していくのか。
 2つに、検証委員会は、公開されるのでしょうか。
 3つに、検証委員会で調査、検討された結果については報告がされるのか。
 4つに、報告された後、その報告をもとに、どのような具体化がされるのか。
 5つに、市長の収賄容疑問題について、過去にさかのぼって、どの程度調査がされるのか。お答え下さい。

 次に、次期基本計画策定にかかわる経費、1,230万円についてです。現基本計画が策定から9年経過をしてこの間千葉市を取り巻く状況も大きく変わりました。
 今回は計画への市民参加が提案されているところですが市民が主役の基本計画にする必要があります。そこで伺います。
 1つに、この基本計画を策定する上で、千葉市を取り巻く重要な課題では、人口、環境、財政、道州制などの基本的なあり方が問われますが、この点はどのように考えているのか。併せて、基本計画の策定で一番重視する課題は何であると考えるのか。
 2つに、子どもや高齢者、障害者など社会的弱者の声をどのように活かしていくのですか。
 3つに、都市間競争に勝ち抜くことではなく、市民の生活・福祉を最優先する計画にすることが求められるのではないですか。
 4つに、市民参加で、市民が主人公の計画にするべきではないのか。
 お答え下さい。

 次に、緊急雇用創出事業についてです。今回、県からの緊急雇用創出事業臨時特例基金の活用で、路上喫煙等防止啓発などの雇用対策が組まれています。県からの基金によって、今回の補正予算によって雇用されるのは何人ですか。また、これまで国の補正予算・県の基金活用によって雇用される方は何人になりますか。
 次に、保健福祉局の補正予算についてです。「地域自殺対策緊急強化事業」については、今回、国の経済危機対策で組まれ補正で提案されましたが、わが会派は以前からこの問題では、条例も準備して根本的な取り組みを求めてきました。
 1つに、自殺対策の強化のための人材養成とありますが、2009年から2011年にかけて、保健師や相談員、企業の管理職に向けての研修会は、対象者は何人で何回の研修を予定しているのか。
 2つに、普及啓発事業については、市民向け講演会をどのぐらいの規模や頻度で考えているのでしょうか。
 3つに、自殺対策に取り組んでいる民間団体への支援は考えないのか。
 4つに、残された家族へのフォローはどうするのか。
 お答え下さい。

 次に、「要保護世帯緊急援護資金貸付金」です。この事業は、生活保護の申請者が、受理されてから保護費が支給されるまでの当座の生活を支えるものとして、大変助かる制度です。
 1つに、生活保護が適用になるまでの20日前後、必要となる最低の生活費をいくらと考えているのでしょうか。
 2つに、緊急の貸付は必要であることを、私ども市議団が求めてきました。この緊急貸付については制度化をすべきではないですか。
 お答え下さい。

 次に、環境局の補正予算のうち、不法投棄残存事案調査事業についてです。
 この事業は、不法投棄残存の調査委託費として補正予算として計上していますが、08年度で残存量が、10トンから5万トンのところが22か所、総量9万7,980トンにもなっています。地域グリーンニューディール基金を活用し、実態把握をおこなうよう環境省より依頼があり、土壌の分析等を行い、支障状況調査をおこなうということです。しかし、環境局は、これまでの不法投棄の実態はわかっていたはずです。
 この間、環境局は、指導も含めてどのような対応をしてきたのかが問われます。これは、不法投棄した者が責任をとるのが当然です。
 1つに、土壌等を調査して、仮に水質汚染や土壌汚染があった場合でも、投棄した事業者に責任を持たせるべきではないですか。
 2つに、不法投棄した者が責任を取らなかった場合、環境汚染の拡大を防ぐためにも今後も公共が予算を組んで対応していくのか見解を伺います。
 3つに、農業委員会、土木事務所などの連携し、未然防止と対策を強化すべきではないですか。
 お答え下さい。

 次に教育委員会の補正予算についてです。
 国の公共投資臨時交付金等によって、交付金関連事業の予算と、新たに電子黒板を活用した教育に関する調査研究の事業委託を受けるとのことで、校舎大規模改造や校内LAN整備、公民館の地デジ放送整備が補正予算として計上されています。
 6月議会では、私ども日本共産党市議団は、なぜ子どもたちの安心・安全を守るための危険な学校施設の耐震工事よりも、地上デジタル対応テレビと電子黒板整備を優先しなければならないのか。子どもの貧困解決は緊急の課題であり、就学援助の充実を急ぐべきだという指摘をしました。
 伺いますが、6月議会での議員の質問や指摘に対して、今回の補正予算の計上に向けて、就学援助の充実など、子どもの貧困解決については検討されなかったのでしょうか。
 また、校内LAN整備にむけて、各普通教室と図書室に1台ずつ、合計1,900台のパソコンが、総額3億3千万円で整備されます。WTO政府調達協定の適用対象となり、地元の業者では入札参加は難しいのではないでしょうか。今回も一括発注となるのですか。地元の業者への発注機会を増やすために、分割で行わないのか伺います。

 次に、議案第85号・千葉市職員退職手当支給条例等の一部改正についてです。これは、国家公務員退職手当法が改正されたことに伴って、退職後に、在職期間中の懲戒免職処分に相当する行為が発覚した場合に、退職した者に対し、退職手当の支給の制限や返納の制度を設けるとされています。そこで伺います。
 1つに、鶴岡前市長についての退職手当については、条例改正に伴い、どのような扱いになるのか。
 2つに、自治体職員や警察官等による飲酒運転が問題となっていますが、こうしたケースが在職中、あるいは退職後に発覚した場合、処分や退職手当の取り扱いはどのようになるのか。
 お答え下さい。

 次に議案第95号・工事請負契約の千葉市若葉消防署新築工事についてです。千葉市若葉消防署がようやく新築工事の運びとなりました。そこで伺います。
 1つに、今回の入札では、9事業者のJVが参加していますが、6社の失格がきわめて不自然ではないのか。なぜ失格となったのか併せて伺います。
 2つに、失格の6社のうち1社を除いて、落札業者よりも価格が低いのも不自然ではないのか。
 3つに、落札率が低いことで品質確保ができるのかどうか。
 4つに、この工事は特殊な工事なのか。
 5つに、耐震性、地域への防災機能と環境対策はどうなっているのか。
 6つに、地震災害のときの備蓄機能などはどうなっているのか。
 お答え下さい。

 最後に、議案第97号・和解についてです。
 この議案は談合により本市に生じた損害について、当時の落札業者旧市原組から営業を譲渡された新市原組並びに旧市原組の清算人に損害賠償を求め、平成20年3月24日に訴えを提起して争ってきた事案です。
 そこで伺います。
 1つに、かなりわかりにくい和解の議案です。なぜ訴訟が和解に至ったのかの経過について、わかりやすく説明をいただきたいと思います。併せて、和解する上で何が課題であったのか明らかにしてください。
 2つに、これまで、本議会や常任委員会で問題になった議案です。千葉市の対応に問題はなかったのか伺います、併せて当初は推移を見守りながら、なぜ途中で市原組を訴えのかについても伺います。
 3つに、議会での説明も充分にされたとは言えないものです。わかりやすく論点整理をして説明に矛盾はなかったのか伺うものです。
 4つに、市原組に対する指名保留処分取り消し請求訴訟で、千葉市が勝訴したことについてもその経過についてわかりやすく説明してください。
 以上で、1回目の議案質疑といたします。

(2回目)

 議案第78号・平成21年度千葉市一般会計補正予算中所管について、議案第84号・千葉市入札制度検証委員会設置条例の制定についてです。
 検証委員会については、外部委員として、弁護士、公認会計士、大学の教員にお願いし、職員も委員として任命することとなるようです。委員会の公開については非公開で、その後に議事の要旨やホームページでの公表を行い、委員会の最終報告を待たずとも、早急に対応すべきものについては対応していくことになります。
 しかし、入札に関して問題となった前市長の収賄容疑については、司法において行われるということから、委員会では調査は行わないということです。
 熊谷市長が市長選挙で掲げたマニフェストの「事件は何が問題だったのか。他にないのか。徹底的に調査する」ということからトーンダウンしているのではないでしょうか。入札制度の改善を行おうとするならば、この間、問題となっている入札についても調査をおこなうべきではないですか。
 お答え下さい。

 議案第95号・工事請負契約の千葉市若葉消防署新築工事についてです。
 先ほどの答弁では、「経済情勢の下で、工事量が減少していることから、受注意欲の高い業者同士の競争が激しくなり、低価格の入札になったと推測」「9社の共同企業体が積算に基づいて入札した」という答弁でした。しかし、技術力の高い業者が参加しながら、失格となったことは不自然だと言わざるをえません。消防署というのは防災の拠点であり、市民の生命を守る重要な場所でありますが、予定価格よりも1億円近くも低い契約金額で、十分な品質が確保できるのか再度伺います。

 議案第97号・和解についてです。平成15年10月8日に、公正取引委員会から、談合行為に対し課徴金納付命令が出されていました。この課徴金の支払いをしたかについてはわかりませんが、損害賠償については、今回の和解で良しとすることは、市民の理解は得られるものではありません。
 1つに、今回の旧市原組・新市原組の和解に至るなかで、政治家などの有力者の介入はなかったのか。
 2つに、千葉市は、今回の問題で反省すべき点は全くなかったのでしょうか。
 お答え下さい。

 以上で2回目の質疑とします。


(3回目)

 議案第78号および議案第84号については、「事件の真相究明は司直で。委員会では、内部調査の結果も参考にしながら、入札制度の運用面で、不正が入らないかどうかを点検し、不備がある場合は改善策を検討する」ということでした。
 この間、入札をめぐる問題や疑惑がありますから、これらを前面にして、市民の前に真相を明らかにすることは必要ではないでしょうか。
 また、議案第97号については、「債権管理に怠る事実が指摘されている監査委員勧告の趣旨を踏まえ、同様の事案が生じた場合は、適切な対応を図る」との答弁でした。再びこうしたことが起きないようにする対応策を考えなければならないと思います。
 この他の議案についても、また不明な点についても次の常任委員会で審議していきたいと思います。以上で、議案質疑を終わります。