野本信正議員の代表質疑

2009.9.16

野本信正議員1.市長の基本姿勢について

 最初の質問は、市民の健康と安全に緊急の課題となっている、新型インフルエンザ対策についてであります。
 日本共産党市議団は5月にひき続き、改めて9月1日に熊谷市長に対して、以下の「対策強化の申し入れ」を行いました。
 1、保健所の体制を強化し、保健師・健康危機管理担当医師を増やすこと。
 2、全区に感染病床を確保・整備して、対応出来る体制を確立すること。
 3、重症化リスクが高い慢性疾患患者、妊婦、乳幼児などの感染防止予防と重傷化防止対策を強化する。
 4、民間病院、社会福祉施設での新型インフルエンザ対策を支援すること。
 5、国に対し、財政支援と安全なワクチン製造・確保を急ぐよう要請すること。
 以上の対策をどのようにすすめていくのか、おたずねします。

 第2は、衆議院選挙後の情勢への認識についてです。
 8月30日に投開票が行われた衆議院選挙で、国民の暮しや平和を壊してきた自民党・公明党政権が、国民の厳しい批判を受け、歴史的大敗北を喫し、自公政権は退場することになりました。どんな問題でも自公政権と正面から対決し、今度の選挙で「自公政権を退場させよう」と訴えてきた日本共産党は、有権者国民が下したこの審判を、日本政治にとっての大きな前向きの一歩として歓迎しています。
 今度の選挙でわき起こった風は、「今の政治を変えたい」「自公政権ノー」の風であり、根本的には日本の政治を前に動かす流れであります。同時にこの流れが、「2大政党」の「政権選択」というマスコミを使った大キャンペーンのもとで、民主党への大きな流れとなって、民主党の議席激増となったものです。
 1つに、選挙結果の認識についてですが、熊谷市長は自分の選挙結果について「自分が選ばれたというおごりをもってはいけない」「『市政を立て直してほしい』『市政を変えてほしい』の期待感があった」とのべていました。今回の衆議院選挙の結果も「国の政治を変えたい」と願う国民の投票の結果であったと認識していますか。
 2つに、新政権に何を望み、何が問題だと思っているのかについてです。
 自公政権退場を国民が選んだことは、小泉内閣の新自由主義、構造改革路線、市場万能主義・規制緩和などによって、雇用の破壊、医療の崩壊はじめ社会保障の大幅後退や中小企業・農業の衰退など、国民生活をズタズタにしてきたことへの厳しい批判であったと思います。また、地方分権と称して地方交付税縮小など、地方財源の切り下げなどを行ったことへの反発が強かったと思います。
 新政権に望むことについての質問の1は、新しい政権は国民生活立て直しの責任がありますが、千葉市民の福祉・生活向上に責任を持つ市長は、新しい政権に何を望むのか。何が問題だと思っているのか伺います。
 次に、幾つかの点で具体的に質問しますが、社会保障費を毎年2,200億円削ってきたことの中止を求めること。後期高齢者医療制度の廃止や日米FTAに反対し、日本と千葉市の農業を守ることなど、千葉市民を代表して要求すべきではないか。提案します。

 第3は、地方自治と分権改革についてです。
 地方自治体は軒並み財政危機にさらされていますが、その原因は分権改革、三位一体改革による国庫補助負担金削減、地方交付税縮減、市町村合併の押し付けでした。
 千葉市財政は、国庫補助負担金削減と地方交付税縮減で大きな打撃を受けています。地方交付税と臨時財政対策債および特別交付税の合計で、03年度264億5,239万円が08年度94億4,600万円になり、差し引き170億円の収入減となっています。市長は新しい政府に対して、地方自治と地方財政確立に向けた、真の分権改革を求めること。国庫補助負担金の廃止・縮減に反対して改善充実を求めること。地方交付税の復元・増額で、財源保障・調整機能の回復強化を求めること。国直轄事業負担金は、必要な事業は国の負担と責任で行うよう求めること。道州制に反対すること。以上について答弁を求めます。

 第4は、公正な市政についてうかがいます。
 まず、9月3日、千葉市議会小梛輝信議長が恐喝未遂容疑で千葉県警に逮捕された事件は、鶴岡前市長の逮捕起訴に続いて、市政と議会のトップによる相次ぐ不祥事として市民に衝撃を与えた問題についてです。
 小梛容疑者には、従来より公共工事を巡る黒い噂がたえず、06年度市立千葉高校改築工事を一括発注するよう市職員を脅した問題など、小梛容疑者は親族の経営する小梛組と泰伸建設に公共工事を受注させるため議員バッチを光らせて受注をさせてきました。
 また、稲毛周辺は自分の縄張りのように錯覚して、公共工事、民間工事に首を突っ込み、今回の恐喝未遂事件のように脅したり、自分や親族で立ち上げた会社から、工事の時に必要な建設資材の購入、警備員の派遣などを押しつけて、多面的な利権をあさってきたことは良く知られています。
 なお、花見川・稲毛土木事務所などに議長公用車で乗りつけたり、自分の事務所に職員を呼び付けて、大きな声で脅してきたことは逮捕されるまで続いていました。
 06年度市立千葉高校改築工事を一括発注するよう市職員を脅した事件で、当時の助役が異例の申し入れを行い、本人が陳謝した後、市は、「不当要求行為等対応マニアル」を活かして、議員との面会は複数の職員で行う。脅し・圧力と感じる言動には屈することなく、直ちにマニュアルに沿って対応する方針を徹底したはずです。
 しかし、小梛容疑者が逮捕されるまで、職員に対する脅し・圧力が続いていました。
 1に、小梛容疑者が公共工事の入札を巡って、花見川・稲毛土木事務所はじめ建設局・下水道局などの部課に出かけたり、自分の事務所に職員を呼び付け、大きな声で圧力をかけてきた実態を明らかにすること。
 2に、「不当要求行為等対応マニュアル」の概要を説明してください。
 3に、06年度以後もなぜ脅しが続いたのか。「不当要求行為等対応マニュアル」に沿って対応がなされたのか。「対応状況報告書」の作成報告は何回されたのか。「不当要求行為対策委員会」への付議は何回されて、どんな協議がされたのか。
 4に、最低制限価格を1円でも下回れば失格になる入札で、小梛組と泰伸建設は最低制限価格より1円とか61円高い価格で落札していたが、事前に価格が漏れていなければなし得ない入札など、小梛議員に対して、知らせてはならない情報を漏らした職員がいるといわれている。その実態を調査して明らかにすべきではないか。
 5に、公共工事を受注している業者や稲毛周辺でビルなどを建設した関係者などから、「小梛容疑者から脅された」「資材購入や警備員派遣を要求された」などの訴えを把握しているか。工事の時に必要な建設資材の購入、警備員の派遣などをしている小梛容疑者の親族会社はどんな会社か。
 6に、このさい小梛容疑者はじめ、市議会議員がらみの公共工事に係る談合疑惑と、鶴岡前市長の公共工事を巡る贈収賄事件を合わせて、真相の究明と再発防止対策の強化を求めるが。答弁を求めます。

 次に、千葉県庁の30億円もの裏金問題に対する市長の見解と千葉市の実態及び調査はどう進めていくのか、うかがいます。

 第5は、決算の特徴についてです。
 実質収支が3億6,626万円と僅かな金額で黒字を保ちましたが、市債管理基金借入償還金の20億円を全額先送りにしたためであり、その結果、実質公債費比率が上昇する原因となっています。まさに自転車操業ともいうべき事態と思いますが見解をうかがいます。
 この結果、健全化判断比率の将来負担比率は309.6%、実質公債費比率は20.1%と19年度に続き、それぞれ政令市ワースト1とワースト2になっています。
 千葉市の財政危機の原因は、政令市移行以後の基盤整備、大型開発が優先され、とりわけ鶴岡市長8年間で蘇我臨海開発、中央港地区区画整理、「きぼーる」、千葉駅西口再開発、新港横戸町線の5事業に1,300億円も投資した結果であります。
 1に、日本共産党市議団は鶴岡前市政に、大型開発優先の転換を一貫して求めてきました。熊谷市長も議員時代は批判をしてきましたが、市長として前市政の決算をどのように捕らえて、財政を立て直し、市民生活を向上させるのか。
 2に、政令市ワースト1の財政危機という「負の遺産」を引きついで、市民生活優先の市政を目指すことには大きな困難があります。
 借金と財政危機の原因は、分権改革による政府の地方財政切り下げと、大型開発優先の市政という二つの原因があります。政府には、分権改革の質問で明らかにしたように、厳しく立ち向かうことが必要です。大型開発優先については、大胆な見直しと転換をしなければ、市民福祉のための財源を確保できません。このさい、日本共産党市議団が提案した、市民や有識者が参加する「大規模公共事業見直し委員会」の設置を求めます。
 3に、財政健全化は必要であっても、財政健全化法による方向性は、国が新たな指標で起債の制限を強め、一律に地方財政の自由度を縛ることにより、歳出削減と住民サービスの切り下げをしていくことが基本になっています。この本質を明らかにして、住民サービスを維持向上させていく財政健全化を求めますが、お答えください。

2.市政運営の基本方針について

(1)まず、千葉市基本構想と大型開発についてです。
 千葉市が大型開発優先の街づくりを進めてきた背景と根拠は、「千葉市基本構想」に基づく基本計画や実施計画でありますが、その大元には、政府の方針、業務核都市制度や都市再生の推進などがあります。これらには、千葉都心・幕張新都心・蘇我副都心が位置付けられており、政府の方針に沿って3都心づくりが進められてきました。
 千葉市を大型開発優先から市民生活優先に切り換えるためには、「千葉市基本構想」などの見直しを行い、業務核都市整備などの政府の上位方針から手を切り、真に千葉市民の利益にかなう、千葉市独自の街づくり方針を確立することが必要ですが、見解をうかがいます。

 次は、決算とマニフェストに関する取組事業工程表との関係についてです。
 1に、財政危機が一層深刻になっている08年度決算を踏まえた場合、市長のマニフェストと取り組み事業工程表を、計画通り進めていくことが妥当かどうか伺います。
 2に、84項目の中で特に賛成できる項目は、政治倫理条例制定、モノレール事業延伸見直し、医師の確保定着・環境整備、特養ホームの整備、障害者雇用の促進、子どもルームの拡充、奨学金制度の検討、障害者施設への支援強化、雇用対策等であります。これらの事業はぜひ推進するよう求ますが見解をうかがいます。
 3に、問題のある項目は、蘇我スポーツ公園については、縮小ではなく蘇我臨海開発全体の見直しが必要です。国民健康保険滞納対策は、高すぎる保険料引き下げの視点が必要です。保育所の充実は、認可保育所増設の視点が求められます。食品検査体制の強化は、検査員の増員が不可欠です。少人数学級は、30人学級を目指すことが求められています。こうした内容を取り入れていくべきではないですか。
 4に、不足している内容は、農業、中小企業対策、防災対策、平和行政等が入っていません。その理由と今後の考え方についてうかがいます。
 5に、千葉市の進むべき大きな展望が示されているのか見えてきません。その説明を求めます。
 6に、財源確保の展望はどうかうかがいます。
 7に、市長は実施スケジュールを84項目中ですぐに実施するもの22など3分類していますが、決算に見る深刻な財政危機や議会が疑問に思っている項目もかなりあるところから、市長及び執行部だけで進めることなく、議会と相談し市民理解の上で工程を決めるべきではないですか。お答えください。

3.緊急経済対策について

 小規模修繕工事発注制度新設についてうかがいます。
 長引く不況で、建設業界は仕事がなく危機的状況にあります。千葉市公共事業の契約に参加できない市内3万人を超える町場の業者は、簡素な契約で受注できる小規模修繕工事発注を強く期待しています。政令市では、新潟市などが簡素な契約で年間2,969件の工事を発注していて、品質保証も良くクレームもないそうです。熊谷市長にお尋ねしますが
 1に、町場の大工、建具、左官、造園業はじめ建設業者の技術は、千葉市の発展に貢献してきたし、今後も継承されなければならないものと思うがどうか。
 2に、市内3万人を超える町場の業者に仕事を発注し、救済すること。それに伴い地域経済の活性化につなげ技術を継承するために、簡素な契約で小規模な公共工事を受注できる小規模修繕工事発注制度の新設を提案しますが答弁を求めます。

4.保健福祉行政について

(1)はじめに保育行政についてうかがいます。
 1に、千葉市は公立保育所の保有率が63%で、政令市第1位であります。先人が「太陽の子を育てる」として保育所の方針を示し、当時の私たち議員も住民も職員も力を合わせて千葉市保育の発展のため努力してきた結果です。保育は質を落として量を求めるのでなく、質も量も求めるべきです。
 財政指標などで、ワースト1位など厳しい評価の多い千葉市において、数少ない全国第1位の公立の保育行政に誇りをもっているのか。持続させることが必要ではないですか、お答えください。
 2に、老朽保育所建て替えについてです。S40年代に建設され、木造未改修の保育所が長沼原・小深・小倉・寒川・大森・緑町・大宮台・千城台西の8保育所あり、耐震診断の結果、Is値は1.0を超えていますが、築40年前後ですから建物の痛みや構造上保育環境の更新が必要になっていて、このなかには新5か年計画、第2次5か年計画に予定されながら外され、都合10年間先送りされている保育所もあります。早急に改修が必要ですが、財政危機と国からの補助金もつかなくなって、1か所3〜4億円の建て替えは困難となっています。
 そこで提案ですが、千葉市が地震対策の遅れから緊急に改修が迫られ実施した、花見川第一保育所や幕張第二保育所などのように、リース方式での改修をすることです。
 10年間のリース後の所有権は、市と業者で協議することになっています。建築専門家の話では「20年間ぐらいは充分使用できる」との話です。リース代金は120人定員の花見川第一保育所で2億250万円、130人定員の幕張第二保育所で1億3,587万円、支払い方法は10年間の割賦返済のため、一か所の改修に1,300万円から2,000万円あれば良いわけです。S40年代に建設され木造未改修の8保育所を、リース方式で改修することを提案します。全部を1年で改修できなくても2年ぐらいで出来ないか。答弁を求めます。

(2)次は、家具転倒防止金具の取り付け・災害避難時困難者対策についてです。
 8月10日、静岡市で発生した地震は、多数の怪我人や高速道路の一部崩落などの被害が発生しました。しかし、静岡県は地震対策の先進自治体でその効果があがり、被害の拡大を押さえていることが報告されています。なかでも家具転倒防止金具取り付けが広がっていることと、各自治体で災害弱者には補助制度があり、積極的に取り付けがされています。このたびの地震で怪我をした半分は家具直撃といわれている中で、家具転倒金具を取り付けた家庭は、怪我などの被害を相当食い止めたことが判明しました。千葉市でも地震対策の強化が求められていますが、災害時に自力で避難することが困難な障害者や高齢者など、災害弱者への対策が急がれています。
 1に、地震災害の時、家具転倒防止金具の取り付けが、怪我や死亡などの被害を大幅に減らす効果が大きいことを認識しているのか。市民全体に取り付けの普及を図るべきではないですか。
 2に、障害者や高齢者など、災害弱者への取り付けを補助する制度をつくることを改めて求めます。この問題を私は、08年第3回定例会で三重県亀山市の例を紹介し、金具を3〜5点支給することなどの実施を求めました。取り付け工事は、専門家が行うことで安全が確保出来るため取り付け作業員を公募するとか、市が業界や組合と協力して静岡県内自治体で実施しているような「家具転倒防止金具取付作業員」制度をつくり、対応することが必要と思うがどうですか。

5.環境行政について

 焼却ゴミ3分の1削減キャンペーンは、ゴミ削減と地球温暖化防止などの視点から取り組んでいることは時代の要請と言えます。その一環としての家庭系可燃ゴミの週3回収集を2回に減らすことは理解できますが、市民の理解と協力がなければ成功しません。10月よりの実施について、市は7月30日に町内自治会連絡協議会役員への説明を皮きりに、ホームページや市政だよりで「市民への周知を図っている」といいまますが、それがどれだけ浸透しているのか疑問です。8月22日には千葉市廃棄物適正化推進員説明会が開かれました。そこで質問します。
 1に、廃棄物適正化推進員の仕事は何か。可燃ゴミ週3回収集を2回に減らすためにどんな役割があるのか。
 2に、10月より可燃ゴミ週3回収集を2回に減らすのに、切羽詰まった8月22日に開催した理由はなにか。
 3に、参加者との質疑応答の中で出された幾つかの意見を紹介します。「自分は推進員の委嘱状を8月にもらい、なにも話がなくて今日10月1日に実施するというのはあんまりだ。6か月ぐらいの期間が必要だ」「可燃ゴミ収集を一回減らしたらステーションが満配になり不法投棄が増える」「今回提案は一方的だ、いきなり決定で10月からはおかしい。古紙・布類を増やすというが市民から意見があったのか。月2回で十分」「市の対応はおかしい、下から意見を聞いて実行するという姿勢がみえず、お上が決めたのだから従えとなっている」「今回の問題は小さいブロックで説明し、意見をすい上げて再度議論して検討することが必要」など厳しい意見が出ていますが、それぞれの意見に対する見解を求めます。
 4に、環境局のゴミ収集回数見直しスケジュールによれば「説明依頼のあった自治会等での説明開始」とありますが、初めから全部の自治会に説明するつもりがないことなのか。市民全体に親切に知らせることが当然ではないのか。
 5に、8月26日に公団住宅自治会協会から熊谷市長に対して、「唐突で一方的なゴミ収集回数削減を延期して、市民と十分な話し合いを行ってください」の要望書が出ています。議会にも女性団体から請願が出ています。今回の予定が「唐突で一方的なゴミ収集回数削減」であると指摘されるほどの市民に不親切な計画ではなのか。
 6に、千葉市廃棄物適正化推進員説明会で市長は「10月1日の実施には、混乱もあると思うが十分説明していきたい」と挨拶しています。どのような混乱を想定しているのか。十分説明するには時間がないがどうするのか。
 7に、以上の実態を踏まえて10月実施を延期し、市民が納得いくまで説明をすべきではないか。お答えください。

6.経済農政について

(1)商工振興について
 経済危機と量販店などに押され、地元商店街の衰退は目を覆うばかりであり、行政の後押しは極めて重大となっています。しかし、制度融資を除くと有効な支援がなく、商店街支援ガイドも街路灯の電気代補助を除くと、94商店会中僅かしか利用していません。商店街支援ガイドには空き店舗対策など9事業があり、利用状況は最高で地域連携活動の11件で、少ない方は0件で、結局9事業中の3事業は全く利用されていません。そのために08年度の決算総額3,153万円が、09年度予算では2,888万円に減額されています。
 しかも一店逸品創出事業など、継続して利用する意欲をもっている商店会がある事業なのに一回利用すると2回目は使えないため、事業自体が利用状況ゼロになっていることもあります。
 1に、街路灯電気代補助を除く事業の過去5年間の利用状況と決算額についてうかがいます。
 2に、もっと魅力があり、利用する効果の上がる事業の調査研究と創設をするべきではないか。
 3に、「稲毛夜灯」のイベントで活性化に取り組んでいる稲毛商店振興組合は、一店逸品創出事業補助金が終り、今年から補助金なしで事業をしなければなりません。千葉市は一回利用すると2回目は駄目といって使えない。意欲のある商店街には2回でも3回でも使えるようにすべきです。重ねて提案しますがお答えください。

(2)農業振興について
 千葉市農業を支える農業従事者の平均年齢は59.1歳で、そのうち16歳から35歳までの農業後継者は57人で、農業従事者全体の1.1%に過ぎません。
 今後、千葉市農業を支えていく後継者育成に力をいれないと、千葉市農業の振興は保障されません。そのためには、日本農業全体を採算の取れる農業に転換することであり、価格保障、所得補償を政府が行うことなどの抜本的改革が必要です。そのなかで、新規農業参加者に対して生活保障することも従事者を増やす大切な施策です。
 このさい、新規農業参加者に対して1月15万円の生活保障を3年間支給する制度の創設を提案しますがどうですか。

7.都市行政市営住宅について

 平成20年度の市営住宅の募集戸数は282戸に対して、応募者は6,717人でありました。市営住宅の応募倍率は平成10年度2.7倍、平成15年度15.9倍に対して平成20年度は23.8倍と、申し込んでもなかなか入居出来ずに困っている住民が多数います。落選回数のトップは50回です。
 新築戸数は平成9年度から21年度の12年間に、西下田126戸および貝塚第二団地100戸と、その他は建て替えの時、既存戸数を上回った数144戸。この新築数を年間べースにすると31戸。すなわち千葉市が1年間に新築する市営住宅は31戸しかないことになります。
 応募倍率が平成10年度2.7倍から毎年増え続け、現在23.8倍なのに年間新築数が31戸では、深刻な住宅困窮者はいつまでたっても入居できません。
 一方、古いが簡易耐火住宅の空き家が現在222戸もあるのに、平成20年度は35戸しか募集をしていません。
 1に、新築住宅は一戸当たり1,350万円ぐらいの費用がかかると聞きますが、実態はどうか。
 2に、簡易耐火住宅を募集するために必要なリフォーム費用は、一戸当たり100万円と聞きますが実態はどうか。
 3に、簡易耐火住宅の平成20年度募集戸数35戸に対して、応募者数は186人です。この際、募集戸数を増やすことを求めます。
 4に、簡易耐火住宅の募集のための一戸当たりのリフォーム代金が100万円だと、新築10戸分の予算で130戸の募集が出来ます。222戸も空き家のまま放置しておくのはやめて、2〜3年でリフォームし、募集出来る条件整備をおこなうべきです。以上、答弁を求めます。

8.建設行政・土木事務所の仕事量に見合った予算措置について

 土木事務所は市内道路や橋梁の維持管理を行い、市民の安全を守る極めて重要な仕事をしています。しかるに08年度の予算額は56億7,063万円で、04年度予算91億279万円の62%に落ち込んでいます。09年度予算は、さらに5億円余り削られていて、現場では道路改修などが思うように進まない事態となっています。
 1に、市民の安全を維持出来る市内道路や橋梁の維持管理費用は、最低どのくらい必要なのか。現在の予算配分は最低必要金額を下回っているのではないのか。
 2に、土木事務所の予算を増やし市民の安全を守るよう提案します。

 次に、4か所の土木事務所には道路修繕など、市民から直接要望される作業が多く08年度決算では7,807件ありました。このほとんどの作業は、直営の技能労務職員によって速やかに処理されています。いいかえれば技能労務職員がいないと迅速に処理することが困難になるのが実態です。しかし、技能労務職員は04年度46人から09年度38人に減っていて、平均年齢も53歳です。しかも新規採用は03年度の1名を最後に採用していないため、このままでは減るばかりです。
 市長に伺いますが
 1に、市民から直接要望される作業のほとんどは、技能労務職員によって速やかに処理されていることをご存じですか。
 2に、もし細かい仕事をひとつひとつ外部発注したら仕事は遅れるし、費用も割高になると思いますがどうですか。
 3に、千葉市が土木事務所技能労務職の新規採用を中止しているのは、前市長の方針でしょうか。熊谷市長は必要性を認めて採用をするよう提案しますがどうか。

9.教育行政について

(1)「学校適正配置」計画
 いま、関係地域で代表協議会が開かれるなど説明や協議が進められています。日本共産党市議団は教育委員会に対して、「地元住民や関係者の意見を尊重して、十分な市民の意見を聞くこと。そして地元代表協議会で合意を得られなかった時は、計画を実施しないこと」を求めました。
 1に、当時の飯森教育長は「合意形成を基本に、市民意見を聞きながら十分な議論をしていただき、ご理解を得て参りたいと考えております」と答えています。すなわち「意見は聞くけど方針は変えない」との立場ですが、志村教育長は前教育長と同じ考えなのか。それとも合意を得られなかった時は計画を変更しますか。
 2に、新任の熊谷市長の「学校適正配置」に関する見解を、市長選挙の時の公開質問状の回答を拝見しますと前市長、前教育長の考えと違っています。
 志村教育長は熊谷市長の見解を尊重して計画を進めるのか、それとも前市長、前教育長の方針で進めるのか質問します。
 具体的に示しますと、熊谷市長の回答は、「学校適正配置の方針は、賛成。反対どちらでもない。学校統廃合にはメリット・デメリットがあるので適正配置対象地区の意向意見を聞いて慎重に対応する」と述べています、教育長も同じですか。
 この方針でいじめや不登校、学力低下などが解決でき、よりよい教育になるのかとの質問に、「いじめや不登校、学力低下の問題と適正配置は無関係で、学校の統廃合では解決できる課題でない。これらの問題解決には先生が子どもたち一人一人に向き合う時間が必要であり、報告義務の軽減や少人数学級の推進など環境整備をしていきたい」と述べています。教育長の見解はどうですか。
 子どもたちの教育を行政改革の対象にする必要がありますかとの質問には、「教育は未来への投資であり、コストカットを主目的とする行政改革の対象とすべきではない。むしろこれまで削減され続けてきた教育教材費は増額すべきである」と答えています。教育長も同じ考えですか。
 少人数学級、小規模校への考えについての質問に、「少人数指導、少人数学級を推進し、先生が子ども一人ひとりに目を向けられる教育体制を確立していきたい。小規模校は子どもたちの個性や特性に応じた教育活動ができる」と述べています。教育長の見解はどうですか。
 学校適正配置計画の凍結や見直しについての質問に、「どちらでもない。適正配置の対象となっている住民への説明や、地元協議を通じて明らかになった課題や提案について計画への柔軟な反映を行っていきたい。」と述べています。教育長の見解はどうか。お答えください。

<2回目>

1.新型インフルエンザ対策
 厚生労働省の新型インフルエンザの推定罹患率20%から推計すると、千葉市の患者数は19万人、そのうち入院患者は2,800人が予想されます。患者が速やかに医療を受けられる対策が必要です。
 現在、国民健康保険の資格証明書発行数は5,473世帯で、私の調査では約8,000人です。新型インフルエンザで保険証のない人が、医療機関にかかれなくなるなどによる重症化や感染拡大を防ぐため、国民健康保険の資格証明書を発行している全世帯に対して、1年間有効の短期保険証を発行することを提案します。

2.決算の特徴、基本構想・基本計画
 健全化指標で全国政令市ワースト1、ワースト2という財政危機に陥った原因は先に述べた通り、1つは国の分権改革、三位一体改革で地方財政が大幅に削られたこと。2つは大型開発優先の市政が続き、とりわけ鶴岡前市長の8年間に蘇我臨海開発など5事業に1,300億円も注ぎ込んできたことが最大の原因であることを指摘しました。ところで、熊谷市長が当選したことは、市長自身も認めている通り「今の千葉市を変えてほしい」という市民が、政治を動かしたわけです。08年度決算は鶴岡前市政の実態そのものであり、これを変えることを市民は望んでいると思います。
 1に、その決算の中から、最も変える必要があるのは大型開発を全面的に見直すことです。市長は、モノレール延伸の見直しなど6事業の見直しをするとの答弁は一歩前進ですが、蘇我臨海開発はスポーツ公園整備の縮小ではなく、蘇我臨海開発全体の見直しが求められているはずです。なぜここにメスを入れることができないのか。伺います。
 2に、また市長は、千葉市基本構想の理念を引継ぎ、新たな基本計画の策定を明らかにしました。千葉市財政を危機的状況にしてきた千葉駅西口再開発など千葉都心開発は、千葉市基本構想と基本計画に明記されている国の上位計画・業務核都市制度に基づいて実施されているものです。蘇我臨海開発は、都市再生推進事業制度要綱に基づいて進められてきました。
 したがって、大型開発の全面的な見直しのためには、業務核都市構想や都市再生推進計画と手を切って、千葉市独自の街づくりへ転換することを求めますがどうか。
 3に、新しい基本計画策定は、業務核都市構想や都市再生推進計画が元になっている基本構想も新しく作り変えることと同時進行するよう提案しますが見解をうかがいます。

3.公正な市政
 1に、小梛前議長が逮捕された後に、本人が行ってきた脅しや、疑惑の情報が関係者から次々と寄せられています。職員への脅し・圧力は半端ではなく、怒鳴つけるはもちろん、むなぐらをつかまれた職員は何人もいたそうです。
 しかし答弁では、「不当要求行為等対応マニュアルについて周知徹底して、職員はマニュアルに沿って対応してきた」「小梛前議長に関しての対応状況報告は1件もありません」というものでした。こんなに圧力をかけられて、なぜ「不当要求行為等対応マニュアル」で報告しなかったのか。実態と答弁が著しく乖離しているのはなぜなのか。それ程、小梛容疑者の仕返しが怖かったのか。それとも役所の中に報告できない風通しの悪さがあるのか。お答えください。
 2に、小梛容疑者が自分の事務所に職員を呼び付けて、公共事業予算について根掘・葉堀聞き出しているその隣の部屋に、公共事業を受注する業者がいて、事業や予算の詳細など、本来知ることができない情報をこっそり聞いている。こんなことが頻繁にあったとの証言がありますが、当局はなぜ許してきてしまったのか。
 3に、小梛容疑者が親族の経営する会社から、資材の購入や警備員の派遣を押しつけ、従わないと妨害や脅したりするから結局受け入れてきたとの証言もあります。
 資材を売りつけてきた会社は、瑞穂トレーディング 役員は
 警備員を派遣してきた会社は、メッセセキュリティ 役員は
当局はこの事実を知っていたのではないか。
 4に、公共事業は脅したり談合で受注し、回りの建設現場には資材からガードマンまで押しつけて利益を上げる。そのために議員の立場を利用して、職員を脅し情報を手に入れる。まさに小梛容疑者の利権あさりに役所が利用され、公正な行政が著しく歪められてきたことをどう思うのか。お答えください。

4.保育について
 1に、歯切れの悪い答弁をしているのは、「公立保育所あり方(案)」の民営化方針によって、木造8か所のうち民間に譲渡する計画があるからだと思うがどうか。
 2に、熊谷市長は、選挙の時の公開質問状に対して、「公立保育所あり方(案)」は白紙撤回すると答えているので、前市長時代の方針、民間に譲渡する計画は撤回されているのではないのか。
 3に、安全性も心配される木造の古い保育所を建て替えて、より良い保育環境での保育を望むのは当然だと思います。私は、リース方式の保育所を視察してきたが、素晴らしい環境で子どもたちがのびのびと保育されていました。建物は20年より、もっと使用できるのではないのか。リース方式は、少ない財政支出で可能なのだから、速やかに実施するよう重ねて求めますが、お答えください。

5.家具転倒防止金具の取り付け
 市長は、神戸の震災の被災者として、その教訓から事前の対策についての強い思いがあると考えますがどうですか。また、家具転倒防止金具の取り付けの効果と必要性を誰よりも知っているはずと思うが。お答えください。

6.環境行政について
 家庭系可燃ゴミの週3回収集を2回に減らして、ゴミ減量と地球温暖化防止の推進を図ることは、ほとんどの市民が理解していると思います。
 問題は、廃棄物適正化推進員の「委嘱状を8月にもらい、何も話なくて10月実施はあんまりだ。6か月ぐらい必要だ」との発言に象徴されるように、市民の理解を十分に得てから実施しましょうといっているのです。
 1に、千葉市が5分別収集を行った時は、どれくらいの努力をして市民理解を得ましたか。
 2に、ダストボックス収集をやめた時は、経過措置の期間がどのくらいかかりましたか。
 3に、今回の収集変更は千葉市環境行政の大事業であって、市民の協力なしには進みません。短時間に、上から押しつけるようなやり方は是正して、もっと親切なやり方で理解を得て、市民と一緒に進めていくべきではないのか。
 4に、廃棄物適正化推進員への説明会で挨拶した熊谷市長は、「10月1日の実施には混乱もあると思うが、十分説明していきたい」と述べています。短い時間しかないのに「十分説明していきたい」との発言には矛盾があると思うがどうですか。
 「10月1日の実施には、混乱もある」と認めているのだから、延期することが当然ではないですか。

7.都市行政について
 老朽化した市営住宅の建て替えは必要です。今後も続けてください。一方、空き家修繕も急がれます。市長は知っていましたか。簡易耐火住宅の空き家が222戸もあるが、これは市民共有の財産です。しかし、10年も20年も募集しないため、この間、1円の家賃も入っていないのです。
 修繕して募集すると5倍10倍の倍率で応募がされています。修繕費は1戸あたり90万円台で、新築15戸分の費用で222戸の修繕ができるのです。市長、これを早めて住宅困窮者を救うよう求めておきます。

9.建設行政について
 1に、土木事務所の予算が毎年減額されて、千葉市の道路・橋梁の維持管理を適切に行い、市民の安全を確保するのが困難になっている。このことへの認識を持って、来年度予算編成に取り組むことを求めておきます。
 2に、市民要望の8割は、土木事務所技能労務職員が処理して、道路の安全を確保しています。市民の安全確保のため、緊急に行う必要のある作業は、技能労務職員は現在38人。退職者不補充だと道路の安全が確保できない。
 市長が新しくなったのだから、前市長の方針は変更して必要な補充を行うことを求めておきます。

10.教育行政 学校適正化について
 合意を得られなかった時は計画を変更するのかとの質問に、「方針を尊重して推進して参りたい」との答弁でした。
 保護者や住民との協議の中で、計画の変更を求める声が多数になっても方針は変えないとは、随分頑固な考えだと思います。
 1に、教育長は現職の時「真理は絶対」と教えてきたのか。「真理は相対的」と教えてきたのですか。
 2に、一度決めた方針は、合意が得られなくても進めなさいと教えてきたのか。合意が得られなかった時は、変更も有り得ると教えてきたのですか。

 熊谷市長の見解を尊重して計画を進めるのか。前市長、前教育長の方針で進めるのかとの質問に、「学校適正化配置の方向性については、基本的に変わらないので、実施方針を尊重して推進していく」との答弁でした。
 1に、熊谷市長のアンケートへの回答は、「学校適正化方針について、どのようにお考えですか」との質問に対して、賛成・反対のどちらとも言えない。と回答しています。ここで明確なことは、熊谷市長は「学校適正化方針」に賛成とは答えていないのです。新しい市長が、賛成と答えていないのに教育長は、「方向性については、基本的に変わらないので、実施方針を推進していく」といっています。すなわち「熊谷市長が賛成でなくても、教育委員会は方針通りすすめていく」ということですね。
 熊谷市長のアンケートへの回答で、「賛成・反対のどちらでもない」といっている理由として、「学校統廃合にはメリット、デメリット両面がある。地区住民の意見を良く聞いて慎重に対応する」と述べていて、学校適正化方針の矛盾点を的確に指摘しています。教育委員会は、学校を統廃合して生徒数を増やせば、教育環境も教育の質もすべて良くなるような説明です。メリットばかりを強調していて、統廃合に伴うデメリットは説明していません。また、現状の小規模学校でのメリットも説明していません。問題点を整理して、メリット、デメリット両面を正確に説明する「学校適正化方針」に作り替えることを求めます。その上で、改めて説明会をし直すことを提案しますが、答弁を求めます。