小関としゆき議員の一般質問

2009.9.29

1.災害対策について

写真 7月21日に山口県を襲った集中豪雨により、特別養護老人ホームの裏山が崩れ土石流が施設を直撃、入居者7人が犠牲になりました。また、7月24日と25日には、九州北部で1時間に100ミリを超す集中豪雨により、福岡県では死者10人の犠牲者がでました。8月9日から10日にかけての台風9号の影響で、大分県や兵庫県・佐用町などで死者25人を含む大きな被害がもたらされました。千葉市内でもゲリラ豪雨により床上・床下浸水の被害がありました。
 8月11日には、東海地方の駿河湾を震源とする震度6弱の地震で、死者1名、319人の負傷者と東名高速道路の路肩が崩れ、一時不通となる被害がでました。
 このように、自然災害が日本列島を襲っています。これらに対する対策が急務です。

(1)地震対策について

 政府の地震調査研究推進本部は、7月21日に「2009年版・全国地震動予測地図」を発表しました。それによると、昨年に比べ評価区分を1キロ四方から250メートル四方に細かくしたほか、最大級の揺れが予測される地域の震度を6強と7に分けて明示、地盤評価や震度予測計算も改善し、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を都道府県庁所在市の役所では、甲府市以外の全地点で上昇しています。横浜市は32.9%から66.7%に、大阪市は23%から59%に、千葉市では27.2%から64%になど大幅な上昇が目立ちます。
 「これらの切迫性の高まりに加え、近年の経験から被害をもたらす地震は全国どこでも起こり得る」と警告しています。
 中央防災会議は、2005年に「建築物の耐震化緊急対策方針」で、耐震化を2015年までに90%まで引き上げる全国目標を掲げていますが、先に述べたように、全国のほとんどで30年以内の地震発生率が上昇していることから、地震対策を急がなければなりません。そこでうかがいます。
 その1は、千葉市の住宅の耐震診断と改修についてです。
 千葉市の計画では2015年度までに、約371,000戸ある住宅の90%を耐震化するとしています。そのためには約4,600戸の改修が必要であり、毎年500戸以上の改修が行われなければなりません。8月11日に発生した静岡県の震度6弱の地震規模から見て比較的被害が軽微だったのは、東海地震への備えがあったからだと言われています。うかがいますが、
 1つは、千葉市の現在の進行状況はどうか、計画通り進んでいるのか。
 2つは、千葉市では住宅耐震化の補助制度の利用状況はどうか。制度を知らせるための改善は図られたのか。
 3つは、共同住宅の耐震化率は2007年度で91.8%と進んでいますが、戸建て住宅は69.9%と遅れています。地震の発生率予測が高まっている中、耐震改修促進計画の見直しが必要ではないか。
 その2は、市有建築物の耐震改修についてうかがいます。
 学校を除く市有建築物は546棟ありますが、耐震化率は89.4%です。その多くは災害時の避難場所や応急活動の拠点となります。これらの改修計画はどうなっているのか。
 その3は、学校施設の耐震改修についてです。
 特に学校施設は、災害時に市民を救済する施設として万全な整備が求められています。IS値0.3未満の学校施設の改修は前倒しして一定進みましたが、0.6未満の学校施設は102校162棟残っていて、改修計画は2015年までで後6年かかります。学校体育館の改修も「建て替えで対応する」としていたのを、国の耐震化の考えに基づいて耐震補強に方針で変更しました。しかし、この改修も80棟残っていて、2015年度までかかります。この計画を早めるよう見直すべきです。
 その4は、千葉市内の緊急輸送道路が指定されていますが、いかなる事態に対しても救援の物資等を迅速かつ適切に輸送されなければなりません。その道路は何路線にあり、橋梁は何か所あるのか。その耐震診断と改修はどこまで進んでいるのか。
 また、緊急輸送道路の沿道にある既存建築物の倒壊で、円滑な救援活動等に支障が出ないよう、2015年度までに沿道の建築物の耐震化を図るとしていますが、指定されている路線はどこか。沿道の建築物の耐震化はどこまで進んでいるのか。
 その5は、液状化対策についてです。
 美浜区は、100%埋立地です。阪神淡路大震災の教訓から、この液状化対策については促進計画にはありません。その対策についてうかがいます。
 その6は、地震発生時の注意。喚起のための啓発活動についてです。
 地震ハザードマップが作成され、公表されました。何パーセントの家庭に配布されたのか。全世帯に配布するようになっているのか。また、普段から災害に備えての訓練が欠かせません。それに対する助言、情報提供を行うとしていますが、どのように行われているのでしょうか。

(2)豪雨対策について

 8月9日の台風9号の影響で、千葉市内でも1時間に79.5ミリを超える豪雨があり、床上浸水16戸、床下浸水58戸、道路の冠水76か所と、これまで雨による被害のなかった地域で床上や床下浸水、道路や地下駐車場の冠水、若葉区では民家の1階に水が流れ込み、ひざの高さまで浸りました。佐倉市や市原市では1時間に65ミリという観測史上最高の雨量が記録され、被害をもたらしました。そこでうかがいます。
 1に、今回の豪雨でこれだけの被害をもたらした原因はどこにあると考えるのか。排水整備に問題はなかったのか。
 2に、山口県の防府市で起きた特養ホームへの土石流被害のように、危険な場所にある福祉施設はないか。どんな対策が取られているのか。
 3に、千葉市では、5年に1度50ミリの雨量を想定し、これに対応する排水施設を備えるようですが、今回の台風9号では1時間に70ミリを超える豪雨に見舞われた所もあります。千葉市での対応は十分と考えているのか。
 4に、市内には危険な急傾斜地が、私有地で105か所あります。その内、所有者自ら整備したのが10か所、残り95か所のうち、急傾斜地事業で完成した18か所、施工中6か所と聞いています。残り71か所の整備は、どのようにすすめるのか。

2.新型インフルエンザ対策について

 これから冬に向かって、新型インフルエンザの流行が「本格的に始まったと考えていい」と舛添厚労相が発表し、新学期が始まった直後に休校や学級閉鎖となる学校が相次いでおり、春までに3,600万人が感染すると予測する専門家もいます。
 感染の拡大に伴い、重症患者が増えることも予想され、医療機関の受け入れが困難になると懸念されています。そこでうかがいます。
 1に、千葉市の感染の状況についてうかがいます。
 まず、国が全国的流行を宣言した際に、基となった8月10日の週からの千葉市での感染状況はどうか。夏休み明けの市立校の学級閉鎖の状況はどうか。また、市内における感染者と重症化すると思われる患者予測数、その対策についてうかがいます。
 2に、ワクチン接種は10月下旬から始まる見通しです。厚労省の方針は、妊婦、乳幼児や重症化しやすい人を優先接種するとしていますが、千葉市もその方向なのか。
 また、対象者全員がワクチンを受けられるのか。
 3に、ワクチン接種は、国が委託した「かかりつけ医」が基本ですが、主治医が発行した優先接種対象者証明書があれば、他の医療機関でも接種可能としていますが、市民への周知徹底はされるのか。
 4に、ワクチンの費用負担は、2回で6,000円から8,000円になるようです。生活保護世帯や低所得者など生活困窮者が、お金がなくて接種できないようなことがあってはなりません。低所得者への無料化など助成制度の創設を国に求めるとともに、千葉市独自でも実施するよう求めます。
 5に、4月に新型インフルエンザの感染が広がった時には、薬局やコンビニ・スーパーなどからマスクがなくなりました。最近、マスクをする人が増えてきましたが、必要な薬品やマスクが不足することがないよう対応するとのことですが、その配布体制について。
 以上お答えください。

3.市営住宅について

 いま、貧困と格差が広がり、安価な住宅を求める人が増えています。しかし、現状は市民の「市営住宅に入居したい」との願いには応えられていません。
 このことは、野本議員も代表質疑で指摘しましたが、2009年度の申し込み戸数は募集戸数に対し、1期が27.9倍、2期が28.3倍、3期が21.3倍となっていて、平均すれば約26世帯が申し込んでも1世帯しか入居できない狭き門となっています。うかがいます。
 1に、住宅マスタープランでは、市営住宅の管理戸数を2015年までに9,000戸との計画でしたが、現在の管理戸数が約7,000戸で、この間増えていません。住生活基本計画では数値目標は示されておらず、需要が増えている状況のもとで、計画の見直しを行うべきですがどうか。
 2に、当面の建替え計画は、宮野木町第1団地の第2期132戸と桜木町団地の92戸を2012年度末の完了目標としていますが、この事業も遅れています。
 現在の入居者からは、「いつ入居できるようになるのか」との苦情が寄せられています。具体的に、いつまでに完了するのかうかがいます。
 3に、轟町第3、第4団地は、建替えを予定しているようですが、いつまでに建て替えるのか。早期の建替えを求めるがどうか。
 4に、空家となっている225戸の修繕については、予算が前年比で5,200万円も減額しています。これでは募集戸数を増やすことはできません。予算を増やして、修繕を急ぐべきです。また、2010年度以降の老朽化した住宅の修繕計画がありません。計画を持ち早期に実施すべきです。
 5に、高齢者からの申し込みも36.8%あります。バリアフリーの整った高齢者向け住宅を増やすよう求めます。
 6に、今日の経済情勢の悪化のもとで、職を失ったり収入減によって家賃が払えない居住者もいると思います。滞納者に対する相談は、どのように行われているのか。家賃減免制度を対象者には説明されているのか。
 7に、ペット飼育可能な市営住宅について、2007年の第3回定例会で神戸市で行っている例を示し、千葉市でも取り入れるよう求めました。他都市の状況を注視するとのことでしたが、2年以上経過しています。前向きの検討はされたのか。

4.地域の諸問題について

(1)小中台保健センター跡の利用

 2010年4月には新しく保健福祉センターが開設され、これまでの保健センター跡がどのように活用されるのか、地域住民も関心を寄せています。うかがいますが
 1に、保健センター跡の利用について、住民の皆さんからの意見や要望を聞く説明会は行われたのか。どんな意見や要望が出されたのか。
 2に、この跡施設利用についての検討委員会を市職員だけの構成で設置し、検討され現在に至ったようですが、なぜ市民を入れた検討委員会にしなかったのか。
 3に、跡施設利用での住民の要望では、保育所の設置も多かったと聞いています。当初の計画では、多額の改修費用が必要なのでできないとのことでした。最近になって保育園を建設するとのことですが、その経緯についてうかがいます。
 4に、今後の運営はどのように行われていくのか。地域の代表などが参加できるようになっているのか。
 以上お答えください。

(2)コミュニティバスの運行

 稲毛区では、京成バス会社がJR西千葉駅から幕張・弁天町線を経由し、轟町を巡回するバスがワンコインの運賃で運行されていて、高校生や市民の皆さんに利用されています。稲毛区は、モノレールの運行によって、JR千葉駅から国道126号を経由しJR稲毛駅へのバスが大幅に削減されて、現在では1往復しか運行されていません。千草台をはじめとする地域の皆さんからは、「稲毛区役所やJR稲毛駅へ出かけるのに大変不便」との声が寄せられています。
 千草台団地から国道126号を通って稲毛区役所経由のJR稲毛駅行きコミュニティバスを運行するよう求めます。

(3)交差点の信号機設置と道路拡幅について

 長沼町252−5、ピュアステーション前交差点の改良についてうかがいます。
 1に、この交差点は宮野木町方面からワンスモール(ダイエー)前を通って、国道16号への抜け道となっており、変則5差路のうえ交通量も多い交差点です。以前にも信号機の設置を求めましたが、その後、交差点の改良は行われたものの信号機の設置はされていません。信号機が設置できない理由は何か。再度信号機の設置を求めます。
 2に、この交差点から国道16号に抜ける、園生町110号線の道路拡幅についても要望してきましたが、この道路の拡幅は計画されていたはずですが、どのようになっているのか。

(4)稲毛カルチャーセンターの存続について

 ここの施設の存続問題は、今回で3回目の質問になります。現在管理しているのはRFO年金マルポス健康保険福祉施設整理機構で、JTB(株)ジェイコムが委託を受けて運営しています。利用者は若干減りましたが9万人以上が利用し、利用者からは「この施設を残してほしい」との願いが寄せられています。整理機構では、2010年までには処分する計画ですが、今年度中に譲渡する予定だと所長からうかがいました。9万人以上の利用者の願いに応えて、存続の手立てをとることを求めます。

<2回目>

1、災害対策について

(1)地震対策についてです。

 今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確立が、千葉市内でも27.2%から64%に大幅に引きあがっている事を示しました。2008年に作成した千葉市の耐震改修促進計画では、想定される被害を震度6強から6弱の直下型地震で、木造建築物が全壊6,200棟、半壊18,800棟、非木造建築物では全壊900棟、半壊2,000棟、ライフライン施設の被害は上水道管6,300か所、ガス管3,100か所、電柱1,300本、道路の被害は50か所、火災は消失棟数26,400件、死者2,600人、負傷者31,900人、罹災者数217,400人と見て被害を最小限にくい止め、地震災害から市民の生命・財産を守る目的で耐震改修促進計画は策定されたものです。うかがいますが
 1に、千葉市で耐震性に欠ける住宅は2007年度で約62,000戸あるものの、2015年度には建替えなどの自然更新で約42,000戸へと減少し、耐震化率は目標の90%に対し88.8%になると見込んでいます。しかし、社会経済の悪化で自然更新は進んでいないのではないですか。進んでいないとすれば耐震改修促進計画通りには進まないと思います。その場合はどうするのか。見解を求めます。
 2に、住宅の耐震化では、年間約580戸改修しなければなりません。市の助成制度に対する申請は、木造住宅で年間、診断が50戸、改修が20戸、分譲マンションは診断のみで1棟だけです。これで年間の改修目標が達成できるのでしょうか。助成制度の戸数を増やすべきです。
 3に、学校施設についてですが、IS値0.6未満の学校施設は102校・162棟、学校体育館も80棟残っており、その計画を早めるよう求めましたが「国の補助制度を利用して」との答弁でした。災害時の避難場所でもあり急ぐことが求められています。「早期完了に努める」というのですから、計画を見直して進めるよう重ねて求めます。
 4に、指定されている緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化は、「現在調査中」として、耐震化がどこまで進んでいるのかの答弁はありませんでした。具体的な計画を持って進める事を求めます。

(2)豪雨対策についてうかがいます。

 8月9日の豪雨は、千葉市内でも1時間に約80ミリの豪雨でした。10年に1度の大雨に対する整備率は2.2%と低く、「満足できるレベルではない」との答弁でした。今回のように予想以上の豪雨は今後もありうることです。この間、豪雨で被害の出た場所を調査し、豪雨に耐えられる施設整備が必要です。計画を持って整備するよう求めます。

2、新型インフルエンザについて

 9月7日から9月13日までの1週間で、患者数は全国平均3.21人、千葉市で3.46人増加しており、現在も増加傾向にあります。千葉市の流行予測では、19万人発症し、重症者は280人とのことです。すでに全国で死者は 人に上っています。これから冬に向かい、患者の発生を食い止め、重症者・死亡者を出さないためにも「医療を受けたくても受けられない人」への対策が重要です。うかがいますが
 1に、わが党の野本議員が代表質疑で、資格証明書交付世帯への被保険者証交付を求めましたが、市長の答弁は「申し出によって短期証を交付することになっている」というものでした。新型インフルエンザは緊急を要します。区役所へ出かけ、手続きをし、交付を受ける時間的余裕があると考えているのでしょうか。東京・町田市や北海道苫小牧市などは、その対策として全ての資格証明書発行世帯に短期保険証を送付しています。千葉市でも、早期治療で重症化を防ぐために実施すべきではないですか。
 2に、低所得者など生活困窮者の費用軽減を求めましたが、「国の動向を見る」とのことでした。国の施策を待つのではなく、千葉市独自の助成制度を緊急につくるべきではないですか。
 3に、新型インフルエンザの合併症の中でも恐いものの1つに細菌性肺炎があり、その球菌の割合が高くなっています。高齢者の肺炎併発による重症化を防ぐための肺炎球菌ワクチン接種への助成を求めます。

3、市営住宅について

 市営住宅の入居希望者が、今年1期は1,282件あり、申し込んでも46戸しか入居できません。これでは、市民の願いに背を向けているといわざるを得ません。うかがいます。
 1に、225戸の改修をいつまでに実施する計画なのでしょうか。まず、これを早急に実施するよう求めます。
 2に、住宅困窮度の高い方が優先的に入居できる選考方法や期限付き入居制度の導入を検討し、「住宅困窮者に公平かつ的確に供給できるように努める」との答弁ですが、これは問題です。
 市営住宅への入居を希望している市民は、住宅に困窮している方々であって、困窮の程度で差別すべきではありません。市は本来、入居希望者全員を受け入れる責任があります。
 その立場から、居住権を脅かす「期限付き入居制度」の導入はやめるとともに、計画を市営住宅の増設に転換することを求めます。
 3に、轟第3、第4団地の建替えについてですが、解体して  年になります。それ以後ずっと「検討する」との答弁を続けていますが、地域のみなさんは「いつまで空地のままにしておくのか」「防犯上からも問題だ」などの声が上がっています。用地があるのですから、早急な建替えを求めます。

4、地域の諸問題

 小中台保健センター跡の施設利用について、今後の運営は自治会や老人会のみなさんをはじめ、多くの方々の要望が反映できるよう運営委員会を設置すべきです。
 千草台団地から稲毛区役所経由JR稲毛駅までのバス運行について、わが党は毎年、市民のみなさんから市政に対するアンケートへのご協力をお願いしていますが、毎年千草台団地や轟町の高齢者の方々から強く要望されているものです。住民のみなさんの願いに応えて運行できるよう求めます。
 長沼町252−5、元ピュアステーション前交差点への信号機設置については、答弁では、「公安委員会は滞留場所と信号機の設置場所がないため、設置できない」との答弁でした。私は9月14日の月曜日、夕方5時半から6時半までの1時間、交通量調査を行ないました。狭い交差点を1時間に905台もの車両が通り抜けていきます。近所の方に伺っても「よく事故のある交差点です」と教えてくれました。ごみステーションが近くにあり、「ごみを出すのにも恐い思いをする」との声もありました。このような危険な交差点であり、地域のみなさんの意見・要望を聞いて対応するよう求めます。
 稲毛カルチャーセンターの存続について、わが党の小池晃参議院議員から「今、国会でも超党派で国に求めている」と聞いています。千葉市も存続を求め積極的に働きかけるよう求めます。