ふくなが洋議員の一般質問に対する答弁(要旨)

2009.10.2

【熊谷市長】

○ モノレールについて

 高速道路の無料化は、流通の促進、料金所職員の削減、ランプの自由な設置など効果が見込めるが、75歳以上のモノレール無料化とは目的の効果が異なり、単純な比較はできない。
 バスの無料化だけで約8億9千万円必要で、更に高齢者が増えることを考えれば実現は困難だ。高齢者の健康増進・社会参加は別の形で充実すべきだ。 

○ 外郭団体と人事問題について

 外郭団体職員の評価は基本的に各団体の経営責任で独自に行うことだが、職員は設立趣旨を理解した上で目標達成のため、利用者視点で効率的事業の推進、積極的施策の取り組むこと。また、市民に外郭団体の意義を理解され職務遂行能力があることなどが求められる。

○ 入札制度検証委員会について

 マニフェストに関する工程表で示している通り、政治倫理条例を制定することにしている。現在、制定へ具体的な検討を進めている。今後も議会と十分協議し歩調を合わせて早期に制定することが市民の信頼回復に重要だと考えている。職員には、日頃から業者等との接触は疑惑を招く行為は慎み、公共工事の入札や契約手続きの透明性・公平性確保を図るよう注意を促している。

○ 大型公共事業の見直しについて

 市民の代表として、JFEや東電に対し、意見・要望を伝えていく。JFEのCO2排出量削減は、国で国内排出量取引制度や地球温暖化対策税の導入等を検討すると報道されており、動向を注視していく。市の地球温暖化対策の事業計画等のヒアリングを行い、CO2排出量削減への取り組みを求めて行きたい。

【藤代副市長】

○ 入札制度検証委員会について

 市に関することは説明していく。前市長の裁判は現在、公判前整理手続き中であり初公判の日程は不明だ。

【代表監査委員】

○ 大型公共事業の見直しについて

 住民監査請求の対象は地方自治法で4種類の財務会計上の行為と一定の怠る事実とされており、公金の支出・契約の締結などの行為、公金の賦課徴収を怠るなどの事実であり、個別具体的な事柄だ。指摘の西口再開発事業は、高額の土地の大幅下落や事業の目的が長く達成されないことを住民監査請求の対象とするのは難しい。

【総務局長】

○ 前市長の真相究明について

 倫理規定の制定は、市長の関する政治倫理条例の制定と併せ、職員の倫理規定も検討している。小梛前議長との職員の関与は現在調査中だ。

○ 指定管理者制度について

 指定管理者の選定過程の透明化は重要であり、今後選定委員の過半数を外部委員にする。利用者アンケートの結果などを施設運営に反映させ、公平な利用を確保しながら市民に有効に活用されるよう努めていく。

○ 外郭団体と人事問題について

 外郭団体は、市民ニーズに迅速・柔軟に対応するため設立され、行政を補完・代替する組織としての役割を果たしてきた。しかし、公益法人制度改革など外郭団体をめぐる情勢は大きく変化しており、改めて設立趣旨・運営の基本に立ち返り、団体のあり方を見直し、職員の意識向上にも配慮する必要があると考えている。OB役員の天下りは、国のものとは異なるが退職後に外郭団体へ選考なしで再就職する点は同様だ。今後、外郭団体が特性に応じ自主性・自立性が発揮できるよう見直していく。65歳までの雇用は、年金の満額支給開始年齢引き上げに伴い、雇用の場を確保する必要性を認識しており、働く意欲と能力があるものは、これまでの知識と経験を生かし再任用制度を活用していく。

【都市局長】

○ モノレールについて

 モノレールのない区域でバスの乗車券援助は、バス路線への補助やバス会社の協力で運賃の値下げを求めるのは、財政状況や経済状況から困難だ。
 「ときめきフリー切符」は、昨年の実績や市からの要請で、モノレール会社が今年も9月19日から10月18日までの1か月間販売したものだ。また、「お昼のお出かけフリー切符」「ホリデーフリー切符」を販売しているが、この切符を提示すれば沿線の提携施設や商店で割引となるもので、提案の「高齢者割安定期券」は会社と研究していく。

○ 大型公共事業の見直しについて

 蘇我臨海開発の整備は、市財政や経済状況等を勘案しながら、議会や市民の意見を聞き見直すべきは見直していく。
 千葉駅西口再開発では、A棟再開発ビルの特定建築者の公募条件を見直し、年内に募集を開始して年度内の決定を目指す。駅前広場と都市計画道路千葉港黒砂台線は、H23年度末の供用開始に向け事業を進める。西口再開発は、都市計画事業として所要の手続きを経てきたもので、その過程では市民への説明会や縦覧を実施してきた。この事業は土地の高度利用を図るもので、臨海部の玄関口として親しまれるまちを目指したものだ。土地開発公社の土地取得は約48億6千万円で、現在の土地価格は約5億8千万円だ。

○ 空き地・不在家屋について

 建築基準法では、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するよう努めなければならない」とされており、地域の住環境が脅かされる廃屋は、建築基準法から所有者に建築物の適正な維持保全を指導していく。

○ 利用しやすい京成千原線について

 京成電鉄は、バリアフリー新法に基づき、1日の利用者が5千人以上の易者を対象に、H22年までにバリアフリー化を進めている。5千人未満の駅は、H23年以降の対応と聞いている。市としても早期のバリアフリー化は、高齢者・障害者などの駅利用者には重要な問題だと認識しており、引き続き要請していく。輸送力強化と運賃値下げは、沿線自治体と京成電鉄で構成する「整備促進検討会議」で増便や終電の繰り下げ、運賃値下げを議論しているが、その実現には利用客数の増加が課題で、現状では難しいと聞いている。負債の償還は、旧千葉急行電鉄の営業と鉄道施設を引き継いだ京成電鉄の経営上の問題であり、弁済状況は市では把握していない。

【環境局長】

○ ごみ減量化について

 H20年度の焼却ごみ全体量は、29万2300トンで、18年度と比べ3万8300トン削減している。事業系可燃ごみ量は、8万3500トンで焼却ごみ全体の約3割を占めており、18年度と比べ2万6000トン削減している。10万トン削減するには一般家庭だけでなく事業所の協力も不可欠で、大規模事業所への立入調査や今年度からの事業所ごみ適正処理推進事業で、減量の指導・啓発をしていく。
 H4年の5分別収集、H7年度の指定袋制度、H10年の粗大ごみ有料化などを計画的に展開し、ごみの減量を市民・事業者と共有することが重要だと考える。一般廃棄物ごみ処理基本計画で位置づけた29の個別事業を展開し、町内自治会への説明会や市政出前講座などを開催して、焼却ごみ3分の1削減への協力を求めている。市民の理解へ引き続き、町内自治会への説明会開催とごみ収集回数の見直しの周知徹底を続行する他、市政だより・ホームページも活用し、減量状況を広報するなど理解を得るよう努力していく。

【建設局長】

○ 大型公共事業の見直しについて

 国道357号湾岸千葉地区改良工事は、交通混雑の緩和と沿道環境・交通安全性の改善、また千葉都心部の交通の円滑化のため、交差点を地下立体化するもので、千葉市にとって重要な事業だ。総事業費の内訳は、仮設工・地盤改良・掘削・旧護岸撤去に130億円、ボックス・擁壁築造に80億円、舗装・環境対策に10億円、合計約220億円となっている。各年度の事業内容は、H20年度決算から、工事費・測量試験費外、具体的な事業内容も示されており、工事入札内容や結果も公表されている。しかし、厳しい財政状況でもあり、コスト縮減に努めるよう協議調整していく。

○ 機械式駐輪場問題について

 千葉駅前駐輪場の総工事費は、本体工事費約2億8千万円、付帯工事費約6千5百万円、合計3億4500万円だ。設計・工事・入札の経緯は、本駐輪場が無人での入出庫や地下への収納など特殊な構造のため、効率的な運用が必要であり、幅広く技術提案を求めたので設計と施工を一括発注にし、総合評価落札方式を採用、技術提案書・入札価格を総合的に判断して、評価の一番高い業者と契約した。入出庫のトラブルで緊急停止が発生した。対策は、登録時に自転車の検査を厳密に行い、利用方法や注意事項を記載したパンフレットを配布しているが、さらに機械の点検時も収納されている自転車状況を確認し、付属物が適切に付いていない自転車は、修理等をお願いしている。今年9月28日時点で、収容台数408台中、登録は240台だ。対策は、機械式駐輪場の利用を促し、放置を減少させるため、駅周辺の放置自転車や他の駐輪場でも利用者の募集を行っている。
 業務委託の会社は、(株)富士保安警備で本社は東京千代田区、実績は昨年度千葉市の稲毛駅など4駅で自転車駐輪場管理業務を受託しており、官公庁や大学などの警備業務も受託している。会社概要は、警備業務と自転車駐輪場管理業務であり、総職員数は105人、資本金は2千万円だ。
 入札の経過は、希望型指名競争入札で7社が入札を執行し、最低価格を提示した(株)富士保安警備と契約した。この入札に問題はなかった。契約内容の履行は適正に行われ問題はなかった。働く人の雇用条件は、入札時に落札内訳書の提出で、雇用者の時給の確認と受託者から毎月提出される配置実績報告書で、雇用者の勤務時間等の確認を行っている。

○ 利用しやすい京成千原線について

 大森台駅の整備スケジュールは、駅前広場面積4700平方メートルのうち約54%の2520平方メートルを取得し、引き続き用地取得に努め次期実施計画の中で工事に着手したい。解決すべき問題は、取得予定の地権者の買収面積が大きく、多額の予算が必要で、代替地の選定に時間を要することだ。

【財政局長】

○ 業務委託問題について

 工事や委託の発注は、業務の確実な履行に必要な適正賃金等を積算し、設計書や仕様書等に盛り込み、入札時は低入札調査基準価格や最低制限価格等を設定するなど極端な低入札を抑制している。執行に当たり、適正な賃金確保と労働関係法令を遵守するよう指導している。

○ 親しまれる公共施設について

 市役所・区役所のロビー等では、空きスペースを利用し、市内の名産物や姉妹都市の資料、市民から提供された花などを施設に対応し展示している。今後も市民ボランティアの参加する展示会や市民に安らぎを与えるような展示の場を提供していく。

○ 大型公共事業の見直しについて

 H20年度の都市計画事業費のうち一般財源相当額は約300億円なので、都市計画税126億円の充当割合は約42%だ。この割合で試算すると西口再開発には約3億7百万円の都市計画税が充てられている。都市計画税は、概要を「市税のしおり」で周知しているが、目的税であり、今後より具体的な使途をわかり易く公表するよう検討していく。

【保健福祉局長】

○ 社会福祉協議会のヘルパー問題について

 民間事業者の基盤整備状況は、市内の障害者居宅介護サービスを提供する事業所が、今年3月末で83事業所登録されており、7月に介護保険の訪問介護サービスだけを提供する79事業所に対し、障害福祉サービス事業への参入を要請した。その結果10月から新たに2事業所で参入し、その他でも複数の事業所から参入の意向を聞いている。サービスの依頼に、受入可能かの判断は事業所の規模やその時の予約状況で異なるが、基本的には民間事業者でも利用者のニーズには対応できる。
 社会福祉協議会では、本年度で事業の廃止を決定しており、利用者の意向を聞きながら他の事業者への移行作業に取り組んでいるが、仮に利用者全員の移行が確保されない場合は、必要な対応策を検討していく。

【市民局長】

○ 多重債務問題について

 消費生活センターに多重債務に関する相談件数は、H18年度で373件、H19年度が482件、H20年度が435件、H21年度は8月末で177件と僅かだが減少傾向にある。改善への取り組みは、「多重債務者支援庁内連絡会議」で、関係課長が連携して協議し対応するなど、多重債務者の掘り起しに努め、消費生活センターへの相談を促すための広報・啓発を実施している。クレジット会社などの貸金業者の団体と情報交換し、金融機関との連携を図り、今年度から毎月第2・第4土曜日の午前9時から午後4時まで電話相談を行い、弁護士による特別相談を月1回から2回にするなど、相談体制を強めている。

○ 保険商品について

 個人年金保険に関する相談は、H17年度からH21年度までの5年間で19件あった。相談内容から、金融機関が預金や国債より利率が高いなどのセールストークで勧めるが、消費者が希望する商品なのかの確認やリスクの説明不十分さが背景にある。市としては、市民を金融トラブルから守るため、賢い金融商品の選び方などの消費者講座を開催し、契約に際しては契約内容を十分確認し、理解・納得できなければ書面に押印しない、おかしいと思ったら消費者生活センターに相談するなどの啓発を行っている。

【教育次長】

○ 千葉市の社会教育について

 社会教育に関する事務は、社会教育法で教育委員会の事務とされており、教育の中立性や持続性・安定性の確保が必要で、学校教育と社会教育が密接に連携することが不可欠なため、教育委員会の所管が適当だと考える。市の生涯学習事業は時代の変化に応じ必要な地域の教育力向上や様々な地域課題の解決に資する目的で行っている。実施には、地域団体・民間教育機関の代表者などで構成する「生涯学習審議会」の答申や市民の意見を反映し、策定した「生涯学習推進計画」等を基本に、社会の要請と市民の自主的・自立的学習ニーズに対応しているものだ。
 子どもの基本的生活習慣や生活能力を身につけるため保護者の家庭教育を支援し、子育て相談や家庭教育資料の配布など多様な情報提供や各種事業の推進で各家庭での教育活動を支援している。社会奉仕活動は、個人の理念や価値観で行われており、強制はしていない。
 指定管理者制度の導入は、社会教育委員会・図書館長・公民館長等での「図書館・公民館に係る市民サービス向上検討会議」で、他都市の導入状況・成果・影響党の調査を踏まえ、地域性を加味した管理運営や事業の継続性・安定性確保等を検討する。社会教育関係団体代表者や大学教授などでの「社会教育委員会議」で社会教育全般への助言を頂き、社会教育施設には市民や学識経験者等の諮問機関を設置し、各区の公民館運営審議会や全公民館の運営懇談会・図書館協議会の委員からの意見を聞き管理運営されていて、社会教育活動の中立性は保たれている。社会教育委員は、全国研究大会、「指定市社教委員連絡協議会」、各地区の研修会などで様々な活動や研修・研究を行っている。今後も社会教育委員には重要な職責と役割があるとの認識から研修参加支援や各種情報提供に努めていく。