日本共産党が提出した意見書

平成21年第4回定例会
Y1

 (提出年月日)平成21年11月17日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

後期高齢者医療制度の即時撤廃を求める意見書(案)

 平成20年4月に実施された後期高齢者医療制度は、「年齢による差別」を持ち込んだ世界に例のない最悪の医療制度である。
 この制度の目的が、これまでの老人保健法で守られてきた「国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保」から「医療費の適正化」を中心にし、健康より医療費抑制を優先したもので、政府は2015年までに2兆円、2025年までに5兆円の医療費を削減できると試算していたのである。
 このような高齢者の「人間としての尊厳を否定する」同制度は、高齢者を初め国民の強い怒りを呼び起こし、差別的な医療制度の廃止を願う世論によって国政が大きく変わる一因になったのである。
 このまま後期高齢者医療制度が続けば、高齢者の「差別に対する怒り」と保険料の引き上げで「痛み」が一層強まるだけである。昨年の国会で、当時の野党4党が提案した「後期高齢者医療制度の廃止法案」では、「いったんもとの老人保健制度に戻す」とされていたものであり、直ちに実施可能なものである。
 よって、本市議会は国に対し、高齢者が安心して医療を受けられるよう、後期高齢者医療制度の即時撤廃を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日        

千 葉 市 議 会


平成21年第4回定例会
Y2

 (提出年月日)平成21年11月17日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

八ッ場ダム建設中止と住民合意による
生活再建・地域振興の促進を求める意見書(案)

 政権交代による新しい状況下で、八ッ場ダム建設が無駄な公共事業として見直されることになり、大きな転換が図られようとしている。
 そもそも八ッ場ダム建設は、歴代自民党政府によって「首都圏の利水と治水に不可欠である」として推進されてきたものである。しかし、今でさえ水余りが起きているのに過大な水の需要予測が行われ、また、治水効果どころかダム予定地の地盤のもろさから、ダム本体が崩壊する危険性さえ指摘されるなど、ダム建設の根拠が根本から覆されている。このままダム建設を続ければ、自然豊かな吾妻渓谷の多くが水没することになり、美しい環境が破壊されるばかりか、東京電力への補償費やダム本体工事のための地盤対策など、今後の事業費はさらに膨大な増額が必至となる。ダム建設は中止し、自然環境を守るのは今や時代の趨勢である。
 同時に、半世紀近くにわたり、ダム建設問題に翻弄されてきた地元住民の苦悩ははかり知れないものがある。強引に建設計画を住民に押しつけ、多大な犠牲と痛苦をもたらした国の責任は重大である。今度もまた、住民の理解や合意のないまま国の方針を押しつけるようなことは、決してあってはならない。住民の声を真摯に受けとめながら、ダム建設を中止してこそ住民が希望の持てる生活再建策・地域振興策が実現できるということが地域全体の合意となるまで、国は全力を尽くすべきである。
 よって、本市議会は国に対し、下記の事項について早急に実施するよう求めるものである。

  1. 情報公開を徹底し、ダム建設の中止理由や住民の生活再建策・地域振興策について、住民の意見を聞きながら十分に説明し、住民合意・国民的理解を得ることに全力を尽くすこと。

  2. 地元住民が納得できる謝罪と補償を行い、必要な法整備や予算確保・体制の確立を図ること。

  3. 「流域住民が主人公」に河川行政を転換し、当面、削減されてきた河川や堤防整備予算を増額するなど、住民参加による洪水対策を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日       

千 葉 市 議 会


平成21年第4回定例会
Y3

 (提出年月日)平成21年11月17日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

日米FTA(自由貿易協定)交渉に反対し、
日本の農業を守るよう求める意見書(案)

 日本の食料自給率が先進国最低水準にまで低下したのは、工業製品の輸出拡大と引きかえに、農産物市場を次々に外国へ開放し、輸入農産物が大量に流れ込んだためである。そのために、日本の農業は産業として成り立たないところまで追い込まれ、農業者が将来に展望を持てずに後継者不足や耕作放棄地の拡大、農村の疲弊が進んでいる。一方、消費者は「食の安全」に懸念を抱きながらも輸入品に頼らざるを得ない状況となっている。
 このような中、日本の農業と食糧を守る上で求められているのは、日本の農業を基幹産業として位置づけ、輸入規制を初め必要な施策を講ずることである。
 食料自給率を50%台に引き上げるために、生産コストが確保できる価格保障を行い、農業者が安心して増産できるようにするとともに、所得補償の拡充などの支援が急がれているのである。
 しかし、日米間のFTAが締結されるようなことになれば、今でさえ困難な日本の農業、とりわけ米生産は壊滅的打撃を受けることは明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、日本の農業を守るために、日米FTA交渉は行わないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日       

千 葉 市 議 会


平成21年第4回定例会
Y4

 (提出年月日)平成21年11月17日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

非核三原則の早期法制化を求める意見書(案)

 広島・長崎の原爆被爆から64年がたった。「再び被爆者をつくるな」という原爆被害者の悲痛の願いを初めとして、我が国の「非核三原則」を国是とする核兵器反対の政策は、世界中の国々、国民を動かして、幾度となく訪れた核兵器使用の危機を防いできた。今、核兵器廃絶を目指す潮流は、さらにその流れを強めている。
 核兵器を使用した唯一の国であるアメリカのオバマ大統領が、「核兵器のない世界」を追求していくことを明言した。今こそ日本は、核戦争唯一の被害国として、核兵器廃絶に向けた主導的役割を果たすべきときである。
 そのためにも、「非核三原則」を国是として掲げるだけでなく、その法制化を早期に図ることによって、国際的な世論のリーダー役としての明確な意見を示すことができるものと信じる。
 よって、本市議会は国に対し、被爆国日本として世界の諸外国、諸国民からかけられている期待の大きさを踏まえて、「非核三原則」の法制化を早期に決断するよう強く求めるものである。 
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会


平成21年第4回定例会
Y5

 (提出年月日)平成21年11月17日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

保育所最低基準改悪はやめ、
国の整備計画作成を急ぐよう求める意見書(案)

 厚生労働省は「待機児童解消」を口実に、都市部での保育所最低基準の緩和方針を決定した。「待機児童が一定程度解消される間の暫定措置」だとされている。しかし、今でさえ諸外国と比べても日本は面積でも職員数でも最低の水準なのに、国は待機児童対策として「定員の弾力化」による「詰め込み」保育を進めてきたのである。
 その結果、今では「詰め込み保育が一番の待機児童解消策だ」とさえ言われており、「最低基準を緩和することは、暫定的だった詰め込み保育を永続化するものだ」と保育関係者から怒りの声が上がっている。
 最低基準は、国が地方自治体に支出する補助金の水準の根拠とされており、最低基準が緩和されれば保育所整備や職員配置などが、地方自治体の財政力任せとなる危険がある。
 児童福祉施設最低基準では、厚生労働大臣に「最低基準を常に向上させるように努めるものとする」という義務を課しており、国はこの義務を果たすために、国の責任で整備計画を立てることこそが求められているのである。
 よって、本市議会は国に対し、下記の事項について速やかに実行するよう強く求めるものである。

  1. 国の責任で待機児童を解消するため、認可保育所の増設など緊急保育所整備計画を立て、財源措置を行うこと。

  2. 保育所の最低基準緩和はやめ、抜本的な改善を図ること。

  3. 保育制度「改革」は即時中止すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年  月  日

千 葉 市 議 会