もりた真弓議員の一般質問に対する答弁(要旨)

2009.12.10

【保健福祉局長】

○ 子どもの貧困について

 千葉市独自には、子どもの貧困についての調査は実施していない。

 児童相談所では、児童の心身に重篤な障害となる「乳児揺さぶられ症候群」と診断される身体的虐待事例を昨年度2件、今年度5件受理している。虐待で増えている内容は、H18年度以降身体的虐待やネグレクトの増加に比べ、心的虐待の増加が著しく、昨年度は161件と倍増していて、今年度も同様の傾向にある。児童相談所の体制を強化するため、児童福祉司、心理判定員等の増員要望をして、過去5年間で児童福祉司3人、心理判定員2人増員した。国に対し、全国児童相談所長会を通じて毎年、虐待等対応力強化へ児童福祉司の配置基準と財政的措置の充実を要望している。虐待への適切な対応には区役所と児童相談所との機能分担が重要だ。今後、区役所での安全確認等の初期対応を図り、児童相談所では重篤なケースに対応できるよう職員の配置を含め体制整備を協議していく。
 児童養護施設は、近年虐待を受けたり発達障害があるなどの入所児童が増えており、細やかで個別的・専門的な支援ができる体制強化と、施設退所児童の社会適応支援体制充実が課題だ。施設職員の平均勤続年数は、本年4月1日現在、市内2施設で働く直接子どもの生活に関わる保育士や児童指導員は39人で、勤続年数は平均5年9か月となっている。長く勤務できない理由は、虐待を受けたり発達障害があるなどの児童が増え、個々の児童への支援で負担が増大し、夜勤などの変則勤務体制が理由だと考えている。
 1人親世帯支援については、国では、母子家庭と父子家庭は育児と生計の担い手を1人で担う点では同じであり、経済的に困窮する父子家庭に対し児童扶養手当を支給して経済負担を軽減する必要があると考えている。本市では、父子家庭にも母子家庭同様、医療費助成等の負担軽減策や保育所の優先入所、家庭支援員の派遣など各種支援策を実施いている。新たな支援策や子育て・生活支援策、相談体制の充実は策定中の「次世代育成支援計画」で検討していく。
 シングルマザー支援は、保育料・子どもルーム利用料の寡婦控除みなし適用をH22年4月から実施する。今後対象者に申請するよう各区の保健福祉センターなどの窓口で案内し、市政だよりなどで知らせていく。

【環境局長】

○ ごみの収集体制について

 市民からの問い合せは800件程度あり、排出日間違いなどでの再収集が100件程度あった。10月中旬から徐々に落ち着き、下旬には平常通りになり混乱なく変更できた。
 今回の変更で市民からは、「周知期間が短い、不法投棄が危惧される、夏場のゴミ対策は」などの意見や収集日・時間に関する問い合せが多くあった。だが、市民の協力で滞りなく収集がされており、ごみ減量と古紙回収量の向上に結びついている。可燃ごみ集収量が少なくなったことで、1回のステーションへのごみ排出量は増えている。ステーション回収、集団回収ともに古紙等の再資源化推進の重要な施策だ。集団回収団体には支援を引き続き行い、今年10月からは、町内自治会等が再資源化へ集団回収に取り組む地域をリサイクル特別地区と位置づけ、ステーション回収を停止することができるようにした。10月には市職員延べ1,661名が参加し、自治会と協力して早朝啓発を実施した。また、市役所コールセンターや収集日案内センターの臨時開設などの対応を行った。最近、古紙の持ち去りが増加し、回収業者等との連携でパトロール強化に努めている。通報があれば随時調査をしている。
 雑紙は、温水と薬品で撹拌し、最終的に古紙パルプに再生される。資源物となる雑紙は、包装紙・紙袋・お菓子やティッシュの紙箱・トイレットペーパーの芯などが対象だが、特殊な薬品が塗られたカーボン紙や水に溶けない圧着ハガキ、防水加工のヨーグルトのコップ、臭いの付いた洗剤の箱、食品で汚れた紙などは資源物の対象にはならない。大規模事業所から出された減量計画書では、オフィスペーパーやダンボールなど紙類の資源化率実績は、H19年度75.6%、20年度79.2%で着実に資源化が推進されている。
 布類のリサイクル方法は、工場用ウエスやカーペット・モップなどに加工され再利用されているが、衣類として使用できるものは国内外で再使用されている。分別では、リサイクル可能なものはズボン・Tシャツ・スーツ・毛糸衣類・タオル・毛布・シーツなどで、リサイクルできないものはフリース・羽毛や綿が入ったものなどがある。衣類はそのまま使用するので選択し清潔なものを雨天時以外に出すようにお願いしている。
 北谷津清掃工場の廃止で、北谷津温水プールや若葉いきいきプラザへの熱供給ができなくなり、不測の事態への対応と収集効率への影響がある。

【建設局長】

○ 危険な道路改良について

 花見川区宮野木台の変則交差点の改良は、車両や歩行者の通行の安全確保のため、改良を行う当初計画に変更はない。H16年度に着手し、H17年度に交差点の暫定改良を行い、その後計画に沿って用地買収を進めている。県道穴川天戸線に接触する道路整備を実施し、H23年度完成を目途に進めていく。 

【都市局長】

○ 市営住宅の整備・改修について

 宮野木町第2団地は建て替えを予定しており、入居者や地元周辺自治会の要望を踏まえ検討していく。建て替えまでの間は、入居者の要望で、必要な修繕は随時行っている。木造住宅は、入居者が退去後、政策空家として管理している。

【教育次長】

○ 子どもの貧困について

 学校では、子どもの困難事例には日頃、学級担任を中心に全教職員が児童生徒の顔色や身体面、生活態度の変化など日常の様子を観察し、問題の存在をうかがわせる場合は積極的に保護者と面接し、民生委員に相談するよう進めるなどの対応や必要に応じて就学援助の説明を行っている。
 就学援助制度の受給率は、H20年度の他政令市で最高は36.7%、最低で4.2%と様々だが、受給率の違いは地域性や社会性、経済状況などが異なると推測される。就学援助の申請は、児童生徒や家庭の状況を把握している学校の意見を聞き、就学支援を行うことで教育効果を高めると考え、学校を申請窓口にしてきたが、今後は他都市の状況も参考に調査研究していく。本制度は、自らの意思での申請に基づき対象者を審議するもので、全世帯の個人所得・財産の把握はできない。援助を受けられる所得基準世帯数の把握は教育委員会では困難だ。
 H19年度から学校長や教頭の代表、給食センター所長等で構成する「給食費未納対策検討委員会」を設置し、未納状況や原因・課題等を把握分析して、総合的な給食費の未納対策に取り組んでいる。学校では、学級担任や教頭等が連携し、保護者に電話や文書、必要に応じ面談や家庭訪問を実施し納入を依頼したり、就学援助制度の説明を行っている。しかし、教育委員会が多重債務に関する相談や消費生活相談窓口に誘導した事例はない。