日本共産党が提出した意見書

平成22年第1回定例
Y1

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

障害者自立支援法を一刻も早く廃止するよう求める意見書(案)

 障害者自立支援法の廃止と新たな法制度の制定は、障害者、家族、関係者の切実な願いである。障害者が生きるために必要な支援を「益」とみなして、原則1割の自己負担を課し、障害の重い人ほど大きな負担となる障害者自立支援法は、「自立支援」どころか「自立破壊」法であり、憲法第25条の「生存権の保障」を侵害するものである。
政府は、2006年の同法施行後、余りにも過酷な負担から障害者の批判が高まり、2007年、2008年の2度にわたって負担軽減の改善策を実施したが、矛盾の根源である「応益負担」の廃止は拒み続けてきた。
 昨年9月に誕生した新政権は、「3党連立政権合意」に「障害者自立支援法は廃止」、利用料は「応能負担を基本とする」ことを明記した。また、本年1月7日には厚生労働省が、障害者自立支援法の違憲訴訟を闘う原告・弁護団に、「障害者の尊厳を深く傷つけたことを心から反省」するとともに、応益負担制度の廃止と2013年8月までに障害者自立支援法を廃止し、新たな総合的福祉法制を実施すると約束した。こうしたことは、障害者、家族、関係者の運動の大きな成果である。
 しかし、「障害者自立支援法の廃止」までの暫定的な負担軽減策として、約300億円の予算計上を約束しながら、新年度の予算案で出されたのはその約3分の1程度に過ぎず、医療支援の軽減策は対象外とされ、強い要望だった食費・光熱水費等の実費負担廃止や事業所報酬の「月払い制」などは手つかずの状態である。
 新政権が原告・弁護団に対する「障害のある当事者が社会の対等な一員として安心して暮らすことのできるものとするために最善を尽くす」との約束を果たすためにも、予算措置も含めた対応を図るべきである。
 よって、本市議会は国に対し、障害者自立支援法を一刻も早く廃止し、障害者が真に人間らしく暮らせる法制度をつくるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y2

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

改正貸金業法の完全施行を求める意見書(案)

 2006年12月に成立した改正貸金業法は、本年6月までに完全施行されることになっている。ところが、施行直前になって、一部から法律の見直しや規制緩和を求める動きがあり、関係者からは完全施行を危ぶむ声が出されている。
 ヤミ金などの貸金業者が異常な高金利で貸し付け、執拗に返済を迫って利用者を苦しめ、自己破産や家族崩壊、自殺などの悲劇を引き起こす深刻な事態が、各地で続いていることから、このような異常事態を正すことを目的に改正貸金業法は、国会において全会一致で成立したものである。
 にもかかわらず、業界側からの「完全施行すれば利用者が困る」、「融資を受けられず中小零細業者は破綻する」などの主張を受け、規制緩和や完全施行引き延ばしの声が出ているのは重大な問題である。
 そもそも改正貸金業法は、利息制限法の上限金利年15〜20%を上回っているが、出資法の上限金利年29.2%を超えないため刑事罰が科せられない「グレーゾーン金利」を利用した高金利貸し付けの横行や、返済能力を無視した過剰な融資が深刻な事態を引き起こす原因であることから、「グレーゾーン金利」の廃止や「総量規制」で年収の3分の1以上の貸し付けを原則禁止するものであり、これが施行されなければ、高金利での貸し付けはなくならず、多重債務被害がさらに拡大するのは明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、貸金業者による異常な事態が繰り返されないよう、改正貸金業法を予定どおり完全施行するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y3

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

千葉市への県支出金を他自治体と同じ補助率にするよう求める意見書(案)

 千葉県の単独補助事業にかかわる千葉市への補助率は、県内の他自治体への補助率より低く抑えられたままであり、同じ県民として極めて不平等な状態が長い間続いてきている。
 平成21年度予算では、千葉市の37ある県単独補助事業に対する補助額を、県内の他自治体への補助率で計算すると、約17億5,200万円少ないことになる。
これは、全国の政令指定都市と比較しても、補助率や1人当たりの補助額で最低であり、市民の福祉や暮らしに大変な悪影響を与えている。
 その原因は、千葉市が政令指定都市への移行の際に、当時の知事と市長の間でなされた協議によるものとされているが、その後20年にもわたり県単独補助金は切り下げられたままなのである。
 ところが一方で、幕張メッセ負担金など県事業に対する千葉市の負担金は、支払い義務が希薄にもかかわらず、千葉県の要求どおり払い続けてきている。これでは千葉県と千葉市は不公平・不平等な関係にあると言わざるを得ない。
 今、千葉市は「脱・財政危機宣言」を発し、苦しい財政状況のもとでも市民の福祉と暮らし向上のために、歳入・歳出の見直しに取り組んでいるところであり、県単独補助事業の補助率が、県内の他自治体と比べて不公平なままというのでは、市民の理解が得られず大きな問題である。
 よって、本市議会は千葉県に対し、千葉市への県支出金を他自治体と同じ補助率に改善するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y4

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

後期高齢者医療制度を速やかに廃止することを求める意見書(案)

 後期高齢者医療制度は2年ごとの見直しが行われ、本年4月には保険料の引き上げが予定されている。
 そもそもこの制度は、年齢で区別し、年金から保険料を天引きするなど、世界でも例のない人権無視の制度であり、2年ごとの見直しで保険料が値上げされ、今年度からは資格証明書まで発行されるものである。
 高齢者の「後期高齢者医療制度は廃止して」という願いを一身に受けて民主党政権は発足したが、「新たな地域単位での医療制度ができるまで廃止は見送る」として、新たな制度を検討することにしているが、先の国政選挙での公約どおり、すべての人が必要な医療が受けられるように、後期高齢者医療制度は一刻も早く廃止すべきである。長年にわたり社会に貢献してきた高齢者が、高すぎる保険料が払えず保険証を取り上げられ、診察がおくれて亡くなるといった事件が発生しないよう、だれもが、いつでも、どこでも、安心して医療を受けられるよう、後期高齢者医療制度は撤廃すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、後期高齢者医療制度を速やかに廃止することを強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y5

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

安心して医療が受けられるよう国民健康保険制度の改善を求める意見書(案)

 国民健康保険制度は、憲法第25条に基づく国の制度であり、国民健康保険法第1条には「社会保障及び国民保健の向上に寄与する」と明記されている。
 しかし、「自己責任」、「受益者負担」を追求する「構造改革」の中で形骸化が加速し、経済的理由で医療の保障から排除される人が多数生まれ、命さえ失う事態が広がっていることは重大な問題である。滞納世帯が増加する背景には、高過ぎる国民健康保険料、非正規雇用者の増大などの新たな貧困層の拡大があり、資格証明書発行世帯も急速に広がることとなった。
 国庫負担の大幅な削減が保険料の引き上げにつながり、払いたくても払えない状況を生み出した最大の要因となっている。さらに、国民健康保険法改定で市町村に対し、滞納者への資格証明書の発行を義務づけたことが、資格証明書の増大につながったのである。
 千葉市社会保障推進協議会が行ったアンケート調査でも、医療費が窓口で10割負担となる資格証明書発行世帯のおよそ7割が、年収200万円以下の世帯であることが明らかになった。
 高過ぎる保険料、取り上げられる保険証、そして手おくれ死亡事件の発生、これらは国民すべてが安心して医療を受けられるようにとの国民健康保険の目的に逆行するものである。保険料が市民の暮らしを圧迫し、地方自治体の国民健康保険会計を危機的状況にしているもとで、国は、国民健康保険制度に対する責任をしっかりと果たすべきである。

よって、本市議会は国に対し、国民健康保険制度の改善のため、下記の事項を実施するよう強く求めるものである。

  1. 資格証明書発行の義務づけをやめること。
  2. 国民健康保険への国庫負担率を総医療費の45%に戻すこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y6

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

労働者派遣法の抜本改正を求める意見書(案)

 鳩山首相は施政方針演説で「派遣労働を抜本的に見直し、登録型派遣や製造業への派遣を原則禁止」すると表明した。
 しかし労働者派遣法改正案は、登録型派遣と製造業派遣を「原則禁止」とし、派遣先に直接雇用させる「みなし規定」を導入するなど、派遣事業法から派遣労働者保護法へと転換する措置が盛り込まれてはいるが、その実効性に大きな問題があり、「人の使い捨て」をなくす抜本改正が必要である。
 この法案では、「常用型は安定して解雇されにくい」からと製造業への常用型派遣は例外として認めているが、昨年5月に発表した厚生労働省の調査では、登録型派遣の解雇率が75.8%だったのに対し、「常用型」でも派遣先が派遣元との契約を中途解除した場合は、76.7%も解雇されていることが判明した。これは、「派遣切り」に「登録型」も「常用型」もないことを証明したものである。
 このような例外を認めたら、「常用型」の形でなら派遣は自由となり、いつでも「調整弁」としての対象にされる危険がある。また、「専門26業務」が登録型派遣禁止の例外とされたり、登録型と製造業派遣の禁止については施行を3年以内とし、登録型派遣の一部の業務についてはさらに2年後まで適用を猶予するとされているが、これでは「派遣切り」による深刻な実態が3年後、あるいは5年後まで続くことになるのである。
 よって、本市議会は国に対し、一刻も早く「人間らしい労働」を確立するため、下記の事項を実現するよう労働者派遣法の抜本改正を強く求めるものである。

  1. 製造業派遣を全面的に禁止すること。
  2. 登録型派遣の禁止例外は、通訳など限定的な業務に厳しく絞り込むこと。
  3. 違法行為があった場合の「みなし雇用」規定は、派遣先が正社員として直接雇用する義務を明確にすること。
  4. 均等待遇のルールを確立すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y7

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

最低賃金法の抜本改正と安定雇用の創出、中小企業支援策の強化を求める意見書(案)

 中小零細業者をめぐる経営環境は一向に好転せず、急激な円高と物価の下落により、景気の「二番底」が懸念されている。景気の急速な悪化を受け、企業経営も労働者の暮らしも事態は深刻な中で、輸出産業大手の業績は回復傾向にあるものの、その波及効果は低く、国内の景気回復には内需主導型経済への転換が決定的に重要となっている。
 新政権は予算を大幅に組み替え、緊急雇用対策や中小企業対策を打ち出したが、施策の早急な実施が求められている。
 我が国では、ワーキング・プアと呼ばれる年収200万円未満の労働者が全体の3分の1を占めており、懸命に働いても低賃金ゆえに十分な貯蓄もできず、生活困窮に陥っているのである。日本の最低賃金は、最も高い東京で時給791円、低い地方では時給629円と賃金抑制の役割を果たしているのが実態で、これでは内需が冷え込むのも当然である。最低賃金の引き上げは貧困対策のみならず、景気刺激策としても重要である。低所得層ほど身の回りの衣食関連材など、中小零細業者の商品を地域で購入する傾向が強く、消費財やサービスへの需要がふえれば、生産と雇用拡大につながることになる。また、低賃金の改善は、転職の減少と技術の向上、採用・新人研修コストの削減、生活保護受給の抑制と社会保険料の支払い手の増加などの効果をもたらすものである。こうしたメリットを踏まえ、中小零細業者への支援策とあわせて促進すべきである。
 下請け企業の実情は、不当な単価引き下げ圧力のもとで、経営そのものが危ぶまれる事態となっており、適正単価の確立も重要な課題である。従業員の最低賃金の引き上げとあわせて、公正取引でのルール確立も求められている。
 最低賃金を生活保護基準に引き上げ、企業間取引の力関係や競争入札の競合の中で貧困が作り出されないように、適正利潤を含んだ単価設定が可能となる経済社会を実現すべきである。
 労働基準法の第1条は「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」とし、最低賃金法は生活保護との整合性をうたっており、最低賃金を大幅に引き上げ、働く貧困層をなくして、早急に日本経済を景気回復への道へと導くことが必要である。
 よって、本市議会は国に対し、下記の事項を早期に実行するよう求めるものである。


  1. ワーキング・プアの根絶と地域格差の是正のため、時給1,000円の最低賃金と全国最低賃金制度を実現すること。
  2. 中小零細企業支援策の拡充と下請取引適正化のための制度を整備し、適正利潤を含んだ単価設定が可能となる環境をつくること。
  3. 大企業に対し、労働者の雇用維持と安定雇用の創出を求めること。
  4. 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y8

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

生活保護制度の改善を求める意見書(案)

 昨今の厳しい社会・経済状況により雇用情勢は一層困難になっている。昨年平均の失業率は5.1%で、有効求人倍率も0.47倍と史上最悪となった。また、中小企業の年間倒産件数は13,000件を超え、倒産により毎月1万人を超える失業者が生まれ続けている。その上、企業の「派遣切り」も加わり、我が国の勤労者の多くが「将来不安」を抱えながら暮らしているのが実態である。
 「職と同時に住まいを失う」事態は特別の事例ではなく、ネットカフェで寝泊まりしながら職を求めたり、路上生活者となるケースもふえている。
 こうしたもとで、千葉市でも生活保護受給者は増加の一途をたどっており、最後のセーフティーネットとしての生活保護行政は、ますます重要となっているのである。
 憲法第25条の「生存権」、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために必要な生活保護の財源は、国の責任で負担すべきである。
 加えて、高齢者世帯の生活実態を無視し、ナショナルミニマム(最低生活保障)を引き下げる目的で廃止された老齢加算など、前政権によって削減され続けた社会保障給付を元に戻すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、生活保護制度の改善を図るため、下記の措置を講ずるよう強く求めるものである。


  1. 生活保護にかかわる保護費の国の負担割合を引き上げること。
  2. 生活保護の事務処理に伴う人件費や事務費は国の負担とすること。
  3. 老齢加算を復活させること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第1回定例会
Y9

 (提出年月日)平成22年2月9日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

小沢一郎民主党幹事長の政治資金疑惑徹底究明を求める決議(案)

 民主党の小沢一郎幹事長が代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、東京地検特捜部は現職議員である元秘書などの政治資金規正法違反での起訴を決め、小沢氏自身については不起訴とした。
 しかし、これで事件の全貌が明らかになったわけでも、政治的道義的責任が追及されたわけでもない。
 小沢氏が不起訴処分となり刑事責任は免れたとしても、疑惑を持たれた政治家は、「みずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」と国会の「政治倫理綱領」では明記されている。
 小沢氏の公設第1秘書は、準大手ゼネコン「西松建設」からの献金を個人献金に偽装した疑いでも起訴されているのであり、当の小沢氏の責任は重大である。
 「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑は、収支報告書に記載しなかったことだけではない。4億円近い巨額の購入資金の出所をめぐる疑惑がある。ゼネコンからの裏献金だとすれば収賄の疑いであり、家族名義の預金など「自己資金」だったとしても所得税などの脱税の疑いがある。また、政党助成金などが原資になっている可能性もあり、小沢氏の資金疑惑は未解明だらけである。
 よって、本市議会は、国会の場で小沢一郎民主党幹事長の政治資金疑惑の徹底究明を行うよう強く求めるものである。
 以上、決議する。

平成22年  月  日

千 葉 市 議 会