発議第1号・千葉市外国人市民協議会設置条例の
提案理由の説明

写真 日本共産党千葉市議団の佐々木ゆうきです。会派を代表して、発議第1号・千葉市外国人市民協議会設置条例の提案理由の説明を行ないます。
 この条例は、地域社会の構成員である外国人市民に自らに係る諸問題を調査審議する機会を保障し、外国人市民の市政への参加を推進し、相互に理解しあい、ともに生きる地域社会に寄与するために、協議会を設置するというものです。
 千葉市において、外国人登録されている外国人は、2月1日現在で約2万2,500人となっており、千葉市の人口比で約2%となっています。千葉市でも国際化が進んでいます。様々な国々の人々とそれに伴う多様な文化の交流により、地域社会がより豊かになっていきますが、反面、生活習慣や文化の違いから、偏見や差別意識がいまもなお残っています。
 千葉市国際交流協会に寄せられる相談として、ごみの出し方や、日本語の習得に向けた支援など、生活に密着した相談が多く寄せられていることです。生活習慣に関して言えば、トラブルや苦情の原因ともなっていますが、国際化が進むなかで、市民との融和、市民と外国人市民がお互いにわかり合いながら、これらの問題を改善させていくことが求められています。また、市内にある外国人団体との意見交換、協議会で意見を出し合い、外国人市民の地位向上に向けた話し合いも必要です。
 千葉市では1986年からおこなわれている外国人市民懇談会では、特定のテーマに基づいて意見・要望を聴取し、今後の施策の参考として実施をしていますが、本条例は、第2条に「外国人市民協議会は、外国人市民に係る施策等に関して外国人市民の市政への参加を推進するために必要と認められる事項について調査審議」とあり、特定のテーマについてではなく、例えば、国際交流プラザ以外に、区役所や身近な公共施設に多言語相談窓口を設置することや、市の各種審議会・協議会に参加できるようにすること、現在ある千葉市の制度や外国人施策の不十分な点など、外国人市民の抱える課題について議論し、市長に提言を提出し、外国人市民の声が市政に反映できるシステムを構築させます。
 政令市で、外国人市民の協議会を条例で制定しているのは、川崎市と浜松市の2市となっています。
 川崎市では、1996年に「川崎市外国人市民代表者会議条例」を制定しています。外国人代表者会議を開き、会議でまとめられたいくつかの項目を市長に提言し、出された提言を各担当局に振り分け、さらに代表者会議に提言の取り組み状況を年度毎に進捗状況を報告していくという方式をとっています。川崎市での成果は、代表者会議で市営住宅への入居に関して外国人が理解できる募集案内にしたり、民間住宅で、日本人の保証人が求められ、外国人の入居差別があるとの指摘がされ、これにもとづき、外国人・高齢者・障がい者の入居支援制度を制定しています。川崎市が保証会社と契約することで問題の解決を図ったものです。
 また浜松市では、2000年度から浜松市外国人市民会議を開催し、09年度「浜松市外国人市民共生審議会」条例を制定しています。審議の内容は、外国人市民への情報提供・浜松市多文化共生センターの充実・日本語を学ぶシステムづくり・外国人市民の自立と地域社会への参画・災害等への対応など様々です。提言では、「具体的な取り組み案」が示され、情報の提供については、多言語による市の刊行物を自治会・学校を通じて配布、民間施設への配架拡大。災害への対応については、実際の災害を想定し、メールやインターネットの掲示板など、いくつかの情報伝達ネットワークを確保して、訓練を実施するなど、外国人市民との地域共生を位置づけ、審議会として提言を出しています。
 千葉市でも、川崎市や浜松市と同様に、市内の外国人市民の代表による市政に関わる事項について協議し、外国人市民との共生に向けた取り組みを進めることを提案します。
 提案する条例の千葉市外国人市民協議会の委員は、外国人市民については、公募によりますが、外国人登録法の規定で1年以上登録している18歳以上の者。大学教授など学識経験者を委員とします。協議会が特定の事項について専門的な審議事項があれば、専門部会を置き、調査します。
 千葉市で、税金や国保料を納めていながら、千葉市政に外国人市民の声を反映できないことがあってはなりません。千葉市が外国人市民との共生を進め、千葉市の市民が、さらに外国人市民への理解を進めていくことが求められます。外国人市民のみなさんが、個人として本来もっている豊かな能力を発揮して、市民として様々な活動に主体的に参加していただくことで視野が広がり、地域の活性化にもつながります。外国人市民の声が市政に反映できるよう、外国人市民協議会を条例で設置するよう提案するものです。
 同僚・先輩議員の賛同をお願いして、条例の提案理由の説明を終わります。