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2010.3.2
【熊谷市長】 ○ 国政と市政との関係について 首相と党幹事長が政治と金の問題で疑惑をもたれることは、大変遺憾だと思う。この問題で、国政が停滞しないよう願っている。鳩山首相が企業・団体献金禁止を主張している具体的内容は明らかではないが、私自身は企業・団体・個人のどんな献金であっても、国民・市民の利益に反しないよう透明性が担保できる制度が必要だと思う。 ○ 無駄な大型開発や国の負担金について 鶴岡前市政では、右肩上がり時代の延長線上で、継続・拡充を主に施策が展開され、歳出規模の拡大とその財源に、市債や債務負担行為、基金の借り入れに依存した結果、借金償還が増え、今日の危機的な財政状況がもたされたものだ。経済情勢の悪化で市税収入が大幅に減少し、生活保護など扶助費が増大したことで、過去最大の収支不足状態となったものだ。 ○ 国民健康保険料の値上げについて 所得110万円の2人世帯でも保険料が上がるのは、保険給付費が増大する中で、皆保険制度維持のため、自主財源の確保が必要だ。改定では、低所得世帯への軽減割合を広げ、市独自の軽減措置で、所得200万円未満の世帯の負担を極力少なくする配慮を行った。国保は、国庫支出金などの公費と保険料を財源に運営するものだ。負担の公平の観点から保険料は重要な財源であり、滞納者に無条件で保険証の交付はできない。一般会計からの繰り入れは、予算編成で検討したが当初予算では見送った。市の財政状況を見ながら決算で対応していく。国へは制度の抜本的改善を強く要望していく。国で後期高齢者医療制度に代わる制度で検討されており、動向を注視している。高齢者の医療費無料化は、他の年齢層の負担になるので要望の考えはない。子どもの医療費は中学卒業までの入院費助成を行う。 ○ 下水道料金の引き上げについて 下水道料金の値上げは、今後11年間の下水道運営の在り方や収支見通しを策定したが、資金収支不足の解消のために使用料の改定を行うもので、経営の責任放棄ではない。市民生活への影響などを考慮し平均1.90%の改定を行う。今後は、算定期間ごとに全市的判断で決定していく。 ○ 保育料の値上げについて 年齢移行での保育料軽減は、年度途中に3歳になった児童は、翌月から3歳児以上の保育料を適用しながら保育内容を変えずにきたが、国が新年度から年度途中入所も含め、4月時点の年齢を年度間の適用とするため国の制度に合わせることにした。待機児童解消策で、小規模保育所等の整備に取り組み、12か所514人の受け入れを拡大した。新年度から新たな計画を策定し、解消に努める。施設基準緩和は、国の最低基準を上回る基準にし、保育の質確保に配慮した整備を進める。本市では、保育所内で調理し提供しており、アレルギーや体調不良などの児童にきめ細かな対応を図っている。食育の観点から子どもたちが調理の様子を見たり、保育所で栽培した野菜を調理するなど、調理室の活用は必要であり、給食の外部搬入は考えていない。国の最低基準を上回る設備基準や職員配置で保育に取り組んでおり、今後も質の向上に努めていく。 ○ 地域経済活性化について 地元中小企業への発注は、入札参加資格要件で市内中小企業者を優先し、発注にあたっては、分離・分割発注等で可能な限り受注機会の確保に努めているが、事業量や内容は年度で変動するため、目標値の設定は難しい。分割発注は、価格面、数量面、工程面等から分離・分割発注が適切かどうか検討の上、受注機会の確保で育成に努める。小規模修繕発注制度の導入は、対象業務の種類や金額、登録申請書類の簡略化など課題の整理を行っている。次回の業者登録時に制度導入ができるよう検討していく。 ○ 市長のマニフェストと予算の関係について 少子高齢化や人口減少の時代の中、予算編成では未来の希望・活力確保に取り組んだ。必要なサービスを将来も確保するための財政再建が重要課題だ。そのため、等しく手厚いサービスを行うのではなく、真に必要な人へピンポイントで予算化することが大切だ。今回の事務事業見直しでは、影響が少なく事業効果が薄い事業や他で代替え出来る事業を見直した。そして、周産期医療センター整備、介護スタッフ確保事業、子ども医療費助成の拡充、保育所待機児童484人分の解消、教材教具の充実、中小企業金融対策の拡充など、予算を優先的に配分した。公共料金は、低所得世帯に配慮し、受益者負担の適正化や事業の安定維持へ見直したものだ。マニフェストでの財政再建と市民の命と幸せを大事にする約束は守れた。 ○ 総務・企画・市民行政について 永住外国人の参政権問題は微妙な問題だ。日本としての海外戦略があって初めて参政権付与が検討できるもので現時点では時期尚早だ。 ○ 公立病院のあり方について 両市立病院は二次病院として地域の診療所からの紹介患者を受け入れる必要があり、多くの診療科と高度な検査や入院治療を行い、専門性の高い良質な医療提供が求められる。また、少子高齢化に伴う医療課題への対応、高度・専門・特殊医療の取組、地域医療機関と連携した救急医療の提供、災害時の医療拠点機能を担う役割を果たしていく。 【藤代副市長】 ○ 多重債務問題について 庁内では、関係課での「多重債務者支援庁内連絡会議」で、多重債務者掘り起こしや情報の共有に努め、啓発街頭キャンペーン実施など連携協力を図っている。弁護士による多重債務特別相談を月2回実施し、問題を抱える市民への支援を行っていく。改正貸金業法は、ヤミ金融への罰則強化、貸金業の取立規制の強化、貸金業参入条件の厳格化を順次行い、最終段階で返済能力を超えた貸付の禁止や上限金利引き下げを図るものだ。市民には市政だより、暮らしの情報誌やホームページを活用して周知を図っていく。市としては、多重債務解決を最優先し、相談窓口での丁寧な事情聴取、具体的解決方法の検討や助言ができる相談体制の充実、弁護士・司法書士など専門機関の紹介に取り組む。「多重債務者支援庁内連絡会議」は、国が策定した「改善プログラム」を踏まえ、連携して取り組むことが目的であり、各課の役割や消費生活センターの役割を明確にして支援策を推進している。 ○ 保育所待機児童解消について 公立保育所の改築は、「公立保育所のあり方」の見直しの中で、改築手法を含め検討する。待機児童対策では、保育需要の推計を保育所利用意向調査の結果に基づき、潜在的な保育需要も反映させて、新たに「アクションプラン2010」を策定した。これまでの民間保育園新設や、定員増・分園設置、幼稚園の活用や保育ルーム拡充など、既存施設の有効活用で取り組むことにしている。 ○ 高齢者福祉施設について 宅老所は、在宅で生活する認知症高齢者等を支え、地域で一定の役割を果たしているものだ。しかし、宅老所は施設設備や運営に関する法的位置付けがなく、本市では、通所中心に訪問介護や必要に応じて宿泊を同一事業所で行う「小規模多機能型居宅介護事業所」の整備を促進したい。 ○ 旧市立病院の跡地利用について H15年に青葉病院へ移転した後、土地の一部を駐車場に利用。建物は各課の資材保管場所に利用する他、一時的に障害児施設の仮施設に活用した。今後の活用は、建物の老朽化が著しく解体経費も莫大であり検討課題となっている。今後、地域の特性などを踏まえ全庁的な検討を行う。 ○ 生活保護行政での貧困ビジネスについて 貧困ビジネスに対する提訴は、社会福祉事業に関し不当な営利を図ることを禁じている社会福祉法の理念に照らし、被保護者への保護費から不当な利益を得ることは、制度への国民の信頼を揺るがすものであり、推移を注視したい。無料低額宿泊所に対しガイドラインを制定、施設への立入調査での指導、新たな施設の開設届けは受理しない方針などで対応してきた。昨今、実態が無料低額宿泊所と同様な無届施設も現れ、ケースワーカーの訪問調査で実態把握に努め、不適切な処遇があれば事業者へ個別に改善を申し入れている。現行の社会福祉法や生活保護法では、施設や事業者への指導に限界があり、国では「検討チーム」を設置して、許可制にする法改正の検討を今年度内に結論を出すと聞いている。その結論を見極めて対応したい。 【福永副市長】 ○ PM2.5について H12〜H16年度の間、山王地区と市役所前で試験的に調査した結果、1週間ごとの平均値は概ね15から37マイクログラムパー立方メートルだった。この結果は、公式な測定法や期間が定められていない中で、独自に実施したもので、環境基準に当てはめられるものではない。今後は、H22年度に自動測定機を設置し、常時監視を実施する予定だ。千葉市は、ディーゼル車対策で自動車NOx・PM法や県の条例に基き、低公害車導入費補助など広域的な視点に立った対策に取り組んでいる。その結果、浮遊粒子状物質は、この数年環境基準を達成している。今後、PM2.5の常時監視結果から、国に必要な対策を働きかけ、9都県市の共同で低公害車使用の促進へ流入車対策に取り組むなど推進していく。子どもの喘息患者数は、H10年度で3,356人、H21年度は6,384人だ。対応は、日本小児アレルギー学会策定の「治療・管理ガイドライン」を活用し、児童生徒の重症度やコントロール状態を把握して、宿泊行事や運動会等に適切に対応している。専門医での保護者対象の講演会や養護教諭対象の研修会を開催し、子ども達が安心して学校生活が送れるよう努めている。公害健康被害予防事業で「喘息小児水泳教室」「喘息児キャンプ」を実施している。入院や継続的な治療が必要な子どもには、医療費を助成し、アレルギー相談や小児喘息教室を実施し、予防にも取り組んでいる。 ○ 地球温暖化対策について 25%削減の具体化は、国の方針を踏まえ策定中の「温暖化対策実行計画」の中で検討する。自然エネルギーは、技術開発の進展状況や地域特性などを勘案し、利用拡大に向け計画に盛り込んでいく。「対策実行計画」の策定のため先進的な事例を参考に、中期・長期の目標設定や効果的な対策を検討していく。県・市・事業者の三者で締結した「公害防止協定」は、地球環境保全を追加した新たな「環境の保全に関する協定」として締結し、地球温暖化対策に努めることにしている。昨年12月には「対策実行計画」策定に向け、JFEスチールや東京電力と意見交換会を実施した。実効ある取り組みを検討していく。 ○ 市内中小企業への支援について 工場・機械などの設備投資は、現行の中小企業資金融資精度で、低利融資や利子補給を実施しており、固定費補助はできない。 ○ 千葉駅改良・駅ビル建て替えについて JRは、建て替え実施計画の段階であり、費用の算出はしていないとのことだ。駅・駅ビルはS38年に建築され老朽化が進んで、耐震補強が必要なため建て替えるものだ。内容は、地上7階、地下1階、延べ床面積約7万平方メートルの建築物だ。現在1階のコンコースを3階に上げ、東口から西口まで同じフロアになる。この階から弁天・新町方面やモノレール駅へ直接連絡でき、利用者の利便性が向上することになる。環境対策とバリアフリーは、LED照明導入や屋上緑化など環境に配慮し、エレベーターやエスカレーターでのバリアフリー化で体の不自由な方も容易に移動可能となる。JRとしては、保育園設置は検討の段階で、内容は今後調整するとしている。多くの市民が利用する施設であり、市民・利用者の意見要望を聞き利便性の高い施設への要請を行っていく。 【保健福祉局長】 ○ 高齢者・障害者の犯罪について 県警が把握している数値では、H20年の市内検挙人数は2,947人で、うち高齢者は411人、全体の13.9%だ。窃盗犯220人53.5%で最も多く、うち198人が万引きである。高齢者犯罪の背景は、単身で経済的に不安定な高齢者が増え、高齢者特有の心身上の問題や疾病があり、生活指導が困難などが挙げられる。犯罪の予防には、高齢者の生活の安定と地域での孤立を防ぐことが重要だ。つながりの薄い一人暮らしの高齢者を見守る支援や就労支援、生活困窮者への生活保護適用など福祉施策が犯罪抑止にも繋がる。 ○ 高齢者虐待について 千葉市は、H18年度に「高齢者虐待」防止連絡会」を設置し、19年度には「虐待防止マニュアル」を作成して、予防・早期発見・再発防止に努めている。虐待の実態は、20年度に虐待の相談通報が139件あり、調査の結果、虐待と判断したのは90件、うち最も多かったのは身体的虐待で69件だ。虐待の背景は、希薄な家族関係や近隣関係、介護に関する知識不足や介護の長期化などが考えられる。高齢者虐待の予防には、家族を含む市民の理解や意識を高め、相談窓口の周知が重要であり、啓発用パンフを作成し配布している。虐待が発生した場合、虐待者と被虐待者の分離が有効であり、緊急の受入先に和陽園の養護老人ホームのベッドを1床確保している。 【都市局長】 ○ 市営住宅について 宮野木町第1団地第2期建て替えを推進し、空家住宅の修繕方法を工夫して供給戸数を増やしていく。 【消防局長】 ○ 消防行政について 共同指令センターは、最新の情報通信技術を導入した指令センターを共同で設置し、119番通報の受付から出動指令等、一連の業務を共同で行うもの。整備費用の節減や人員の有効配置が可能となるが、消防隊・救急隊の出動体制は従来と変わりはない。加入電話と携帯電話での通報時に、通報場所の住所・地図が表示されるシステムを導入し、目標物や電柱番号などの情報から住所を特定する技術も導入する。指令システムは通報者と指令センターや管轄消防本部の三者が同時に通話できる機能もあり、発生場所の特定に支障はない。 【教育長】 ○ 学校適正配置について 学校適正配置は、少人数学習など小規模のメリットを生かしながら、子どものより良い教育環境整備と教育の質の充実のため推進している。進めるに当たり、地元説明会だけでなく個別に説明会や意見交換会等を行ない、保護者や地域住民の質問や意見・要望に応え、地元代表者会議では様々な課題を審議し、その内容を各委員を通じて、所属団体の意見を吸い上げ協議するなど、「実施方針」に基き慎重に対応している。市長発言との相違はない。 ○ 児童生徒の暴力行為について 暴力行為の実態は、H19年度で412件、20年度429件発生し17件増加している。増加の背景は、自分をコントロールする力の不十分さやコミュニケーション能力不足、規範意識の低下、特別に支援が必要な児童生徒の増加、家庭の教育力低下など様々な要因が複雑に絡み合ったものと考える。学校生活での問題行動を防止するには、小学校入学段階から基本的な生活習慣や学習習慣を身に付けさせることが重要だ。小学1年から3年生に、本市独自の少人数指導教員を配置し、きめ細かな指導に当たり、特別に支援が必要な児童生徒には特別支援教育指導員の配置や学校訪問相談員の派遣で、状況に応じた対応や校内支援体制の整備を図ってきた。子ども同士、教師と子どもの好ましい関係作りが大切であり、学校では規範意識やコミュニケーション能力の向上を図り、独自の「指導の課題と方策」で、教職員の指導力向上と生徒指導体制の充実に努めている。暴力行為には、教職員一体で問題行動を早期に発見し、関係機関との連携で毅然と対処するよう指導している。 ○ 子どもの権利条約について 本市では人間尊重の教育を基調に、子どもたちの個性を生かした学校づくりを推進しており、生き生きとした学校生活を送っているが、中には友人関係やいじめ等に悩み、不登校に陥るケースもあり、中学校へのスクールカウンセラー配置など教育相談体制の充実に努めてきた。近年は、家庭の教育力低下で虐待や非行など、学校だけでは解決できない問題も増え、地域関係者や児童相談所など福祉関係機関等との連携で問題に対応している。 |