中村きみえ議員の一般質問に対する答弁(要旨)

2010.3.12

【保健福祉局長】

○ 国民健康保険について

 本市の国保事業は厳しい状況にあり、保険給付費など歳出が増大する中、保険料改定は適正な自主財源を確保し、単年度収支の均衡を図るためやむを得ない。今回の改定での1人当たりの保険料は、H21年度の政令市平均を下回っている。所得の低い世帯への保険料軽減割合を6割・4割の2区分から、7割・5割・2割の3区分に拡大し、軽減適用所得103万円以下の2人世帯の場合、H21年度の保険料は下回る。さらに、市独自の軽減措置で所得200万円未満の世帯は、均等割りと平等割を1割減免し、負担が少なくなるよう配慮した。被保険者の高齢化や医療技術高度化で、医療費が増加する中で、国民皆保険制度の堅持には保険料負担は必要なことだ。国庫支出金の増額など制度面の抜本的改善は、引き続き国に求めていく。
 実態把握は、昨年8月の保険証更新時に、資格証明書交付の該当世帯のうち5,241世帯に短期保険証を交付し、順次実態調査を進めており、今年2月末で3,150世帯の調査が終了した。その内容は、分納世帯が1,373世帯、一部納付世帯が1234世帯、国保加入資格喪失世帯が391世帯、特別の事情世帯が17世帯だった。昨年8月から本年末までの間に、各区の職員及び特別徴収嘱託員が該当世帯の2,608世帯を訪問し面談している。国保事業は、国庫支出金などの公費と保険料が財源である。被保険者の相互扶助で運営する制度だから、負担の公平性からも保険料は貴重な財源であり、保険証の無条件交付は考えていない。
 一部負担金を減免したら、その分の医療費が他の被保険者の保険料に転嫁されることになり、給付と負担の公平の観点から、慎重な運用が必要なので基準緩和は考えていない。広島市で減免数が多い分、一般会計からの繰り入れで賄っているものだ。医療機関に特段の周知はしていないが、被保険者に配布している「国保のしおり」で知らせており、区役所窓口への問い合わせにも適切に対応している。

○ 保育について

 国の最低基準を上回る設備基準や職員配置で保育に取り組んでいる。今後も保育の質の向上に努める。国には、保育の質の確保・向上へ必要な財政措置等の支援策を要望している。
 国の「子ども子育てビジョン」は、潜在的な保育ニーズに対応した保育所待機児童解消を掲げている。本市でも、待機児童解消を最重要課題と捉え、潜在的保育需要から「待機児童解消に向けたアクションプラン2010」を策定し、認可保育所新設や既存施設の有効活用策を図る。保育は、運営主体にかかわらず、法令等に基づく基準や保育指針で実施しており、質の低下はなく、今後も必要に応じて多様な運営主体を検討していく。また、本市は国を上回る基準で施設面積から入所児童数を算出しており、保育の質や子どもの安全は確保されている。環境面や保育士と子どもの状態から保育状況を把握し、保育の質に関する監査・指導を実施している。新設の民間保育園の保護者対象にアンケート調査した結果、9割の保護者が「満足」との結果だった。今後も監査やアンケート等で保育の質の確保に努める。
 老朽化施設の維持管理上必要な改修・修繕は、緊急度に応じて順次実施している。公立保育所の改築は、今後「公立保育所のあり方案」の見直しの中で、改築方法も含め検討していく。

○ 子どもルームについて

 待機児童解消策は、利用者の的確な把握に努め、近隣の子どもルームの利用や受け入れ枠の弾力化、マンション建設などでの人口急増地域では、第2ルームを整備するなど対応を図っている。
 真砂・高洲の子どもルームは関係部局と協議し、今後の対応を検討していく。宮崎子どもルームは児近隣への移転を検討している。合わせて設備面の改善も図る。西の谷子どもルームは引き続き、学校内への移転へ努力していく。障害児のために、入所時の保護者面談で保健師等の意見を参考に、障害児への適切な対応へ補助指導員等を加配することにしている。児童福祉専門分科会は、「子どもルームの整備・運営に関する方針」策定のため、学識経験者・児童福祉の専門家の他、臨時委員に父母会・指導員等の団体代表や公募の保護者と指導員も加わり、活発な審議が行われた。静養室は、子どもの怪我や病気などの時に利用するスペースであり、今後施設整備や改善の際に検討する。

○ 親の居場所について

 ファミリーサポートセンターのPRは、市政だより・ホームページ・母子健康手帳にセンターの紹介を掲載し配布している。地域子育てセンターや子育てリラックス館など子育て支援施設に、ファミリーサポートセンターのアドバイザーを派遣し、制度説明や周知に努めている。また、ファミリーサポートセンター会員と地域の方々との交流を図る催し物を定期的に開き、事業の普及啓発を行っている。低所得者の利用料軽減については、他都市の状況を調査研究する。本市は、子育てに関する相談等に対応するため子育て支援センター7か所、子育てリラックス館10か所設置しており、利用者の意見・要望で保護者同士の座談会や講演会を実施し、参加した母親たちの情報交換の場になっている。また、社会福祉協議会が子育て中の親子と地域住民、ボランティアが一緒に集い遊んだり情報交換しながら仲間づくりを推進する「子育てサロン」を開催している。子育てサポート事業の新年度予算は、前年度と同額の21万6千円だ。本事業は、中核公民館を中心に「子育て相談活動」や情報交換、仲間づくりのコーディネートを行うもので、参加の母親同士が子育てサークルを結成し、相互学習を自主的に行うなど、子育て環境づくりに効果を上げている。今後各区で行われる「おしゃべりタイム」のチラシを区役所や保険福祉センターにも配布するなど、事業の周知に努めたい。子育てサポートには学習機会を設け、スキルアップを支援したい。

【建設局長】

○ 花見川の橋について

 新花見川橋は、建設後45年経過しており、橋梁点検では当面の安全性に問題はないが、長寿命化修繕計画案で、架け替え費用と計画的な修繕での延命化費用を比較検討したら、長中期の維持管理費が最も経済的な10年後に架け替えを行う計画とした。歩行者と車両の通行区分の明確へ、両側に外側線を設置し、歩行者に配慮した路面表示を行い、車道幅を運転者に知らせる警戒標識を設置し、安全を図りたい。人道橋の設置には多額の費用がかかり、用地買収や河川管理者の県との協議などに長期間必要で、建て替え時期を10年後としている下で人道協設置は困難だ。架け替え時には歩道のあるものに整備する。