佐々木ゆうき議員の一般質問に対する答弁(要旨)

2010.3.16

【熊谷市長】

○ 平和問題について

 平和市長会議未加盟都市には、姉妹友好都市に加盟を働きかけたり、様々な会議等の場で働きかけている。県内の加盟都市数は、千葉市が加盟した昨年8月時点で9市町だった。現在は27市町村へと着実に増えている。引き続き未加盟都市に働きかけていく。
 千葉市は、平和市長会議が「核不拡散条約再検討会議」に向けて「ヒロシマ・ナガサキ議定書」の採択を求める市長署名に署名している。平和に関しては様々な考えや意見・立場があり、市としては行政の中立、公平性の観点から市民団体等の掲げる宣言文等への署名はしない。

【教育次長】

○ 子どもの貧困について

 千葉市は入学準備として他政令市同様、国の補助金額を参考に「新入学児童生徒学用品費」等を支給しており、拡充は難しい。教材は、学校で管理し共通で使用する教材・教具は公費負担が原則だが、児童生徒が個人で管理・使用し消耗する教材や、遠足、社会科見学、宿泊学習等校外活動の経費は、保護者の負担を願っている。今後も保護者の負担を抑制するよう努める。就学援助制度は、入学後の申請受付なので例年7月支給となるが、保護者は一時負担となるので、早期の支給に努めていく。学習支援は、他都市の状況を調査し退職教員の活用も含め実施方法や場所等を研究していく。
 奨学金制度は、本年4月から予定している公立高校無償化や、大学生への奨学金・授業料減免の拡充などの実施状況・効果を注視し、今後の進め方を再検討したい。大学生には「日本学生支援機構」が「緊急採用奨学金」「応急採用奨学金」制度を実施しており、市独自の制度は考えていない。

○ 教職員の多忙化について

 教職員の精神疾患の原因・背景の特定は困難だが、学級経営や生徒指導の悩み、人事異動等で職場環境の変化、保護者や地域要望の多様化など様々なストレスも要因の1つだと考える。精神疾患で定年前に退職した教職員は、H19年度3人、H20年度3人、H21年度2人である。新規採用で1年以内に退職した教員は、H19年度2人、H20年度3人、H21年度6人となっている。新規採用教員には、初任者研修として教育センターで「教員のモラル」「学級経営の基本」「コミュニケーション能力の育成」等の研修を行い、勤務する学校では、4人に1人の指導教員を配置し、授業の進め方や子どもたちへの接し方、保護者への対応などの具体的指導を行い、実践に即した指導力向上に努めている。経験5年・10年の節目にも経験や課題に応じた研修を行っている。多くの学校では、経験年数の少ない若手教員対象の校内研修を独自に実施し、先輩教員が指導に当たるなど学校全体で育成に努めている。H19年度にパワハラや校内での不安や心配事を直接相談できる窓口として、「スクールレスキュー」を設置した。相談件数は、H19年度7件、H20年度4件、H21年度2件と減少傾向にある。相談があれば、各ケースに迅速に対応し解決にあたっているが、今後も1人で悩まず互いに相談できる人間関係作りに努めていく。市独自に「教職員ヘルシーシステム」を創設し、学校医、産業医などで学校への巡回訪問や年代別の研修会を実施したことで、教職員のメンタルヘルスへの意識が向上している。今後、学校で教職員自らが定期的にセルフチェックなどの取り組みを行うことが課題だ。
 教職員の時間外勤務の実態把握へ、労働安全衛生法の改正を受けて、「教職員への医師による面接指導に関する取扱要領」を制定し、勤務時間を超えた場合「在校時間報告書」に時間を記入し毎月報告することで、校長が実態把握できるようにしている。縮減対策は、勤務実態を独自に調査し、学校現場の代表を含めて検討会を設置して、負担軽減の具体策を検討している。教育委員会は、管理職研修や3年に1度、学校運営や職員の勤務実態へ指導助言する管理訪問で、校長が所属職員の勤務実態の把握と時間外の多い教職員には本人との面談で、過重な勤務解消へ配慮するよう指導している。職員会議以外の会議は、対象教職員が異なったり学校で名称の違いはあるが、学校運営全般を協議する企画委員会、学年会や教科ごとの部会、進路指導や生徒指導部会などの会議があり、年間計画に位置づけて行っている。
 警備会社のアラームは、通常特定の職員ではなく最初に出勤した者、最後に退勤した者が操作し管理簿に記入するが、実態は調査していない。
 千葉市は、正規の勤務時間を除いた勤務時間が1か月100時間を超える教職員は、医師の面接指導を受けるよう指導している。各学校に義務付けている安全衛生管理組織の衛生推進者に、管理職員の教頭を選任し、職場内の職員の健康・安全管理に努めている。
 教職員の定数は、年度当初の始業式・入学式当日の児童生徒数を基準とした学級数で確定するので、学級数に影響のある児童生徒数の変動が見込まれる学校には、正規職員の配置は困難であり、結果的に講師を配置ケースもあるが、欠員が生じないよう新規採用者確保に努めている。欠員講師は、その年の臨時的任用で配置するもので、複数年にわたり臨時的任用を続けるのは学校運営上好ましくない。欠員補充講師が配置された学校では、翌年度に正規職員の配置に努めている。基本的には同一校での再雇用はしていない。学級編成は、国の標準法と県の基準で実施しており、現状では市独自の少人数学級の実施は困難だ。市独自の教員配置は、一人ひとりの子どもに目が届くよう「少人数学習指導教員」や「特別支援教育指導員」等の配置に努めており、今後も事業の継続・拡充を検討し学校を支援していく。

○ 平和行政について

 本市の小・中学校では、社会科や総合的な学習時間の中で、過去の戦争での空襲や被爆の様子など、実際の体験談を聞いたり、市独自に作成した社会科副読本で戦争の悲惨さや平和の大切さを理解できるよう指導している。千葉空襲写真パネルはじめビデオ・DVDの貸し出しは、教科等主任研修会で紹介して活用に努める。広島・長崎市の平和記念式典への児童生徒の参加は考えていない。 

【財政局長】

○ 公契約について

 千葉市発注の工事は、下請の状況等を記載した施行計画書の提出を求め、請負金額2,500万円以上の工事では、施行体制台帳と施工体系図を添付した下請業者選定通知書を提出させ、状況を把握している。業務委託の下請等の状況は、今は把握していない。
 業務委託の執行は、仕様に基づき業務品質の確保とともに、適正な労働条件や賃金の確保について労働関係法令等を遵守するよう指導している。
 公契約条例は、野田市の条例制定を受け、川崎市など数市が条例制定の検討を開始しているようだが、制定にあたっては、労働条件等に関する法律があり、官民の発注業務では賃金格差が生じるなどの課題があるので慎重な対応が必要だ。昨年12月の参議院で「公共事業における公正な賃金・労働条件の確保に関する請願」が採択されており、国の法整備動向を見極めたい。 

【市民局長】

○ 平和行政について

 平和啓発事業は、多くの市民に戦争の悲惨さと平和の大切さを考えてもらう事業にするため、市民の意見や他都市の取り組み事例を参考に、毎年度見直しているが、今後もより効果的な啓発事業に努める。
 平和都市宣言は、市ホームページや「千葉空襲写真誌」に掲載の他、パネル展での掲示や市政だよりへの掲載、小6年生に宣言入りクリアファイルの配布など周知に努めている。今後も効果的な周知方法を検討していく。

【下水道局長】

○ 黒砂水路の悪臭対策について

 稲毛黒砂貯留管の完成時期はH22年8月末を予定している。その効果は、改善率でH20年度末の4.1%からH22年度末には47%になる見込だ。黒砂水路周辺住民には、工事完成と合流式下水道の改善について周知するとともに、市ホームページでも紹介していく。