千葉市議会議員の政治倫理に関する条例
への賛成討論(中村きみえ議員)

2010.3.19

 ただいま上程されています発議第5号、千葉市議会議員の政治倫理に関する条例の制定について、共産党市議団として賛成討論を行います。
 千葉市では昨年市長・議長が相次いで逮捕をされました。その時、議会では、議会改革検討協議会の改革案を審議中でした。そこで、議会の信頼回復のために平成21年の第3回定例会での「議会と市政への信頼回復に関する決議」を踏まえ、政治倫理条例の制定と議長選挙の改革が求められ、議長・副議長等会議が設置されました。
 昨年10月5日以来、市民傍聴も含む全面公開のもとで、各会派の代表により、これまで11回審議されてきました。これまで、時間が限られた中、条例の取りまとめをされた議長・副議長・関係者のご努力には敬意を払うものです。
 わが会派はこれまで、政治倫理条例の条例制定を福岡市や周辺自治体の調査を行い、平成18年に条例の準備をしてきました。しかし、政治倫理条例の持つ重要性から、市議会や市政全体で協議を進めるなかで、市民と一緒に制定していく方向を選び、関係者と協議をすすめていました。こうした中、昨年の市長・議長の逮捕で、一気に政治倫理条例の制定が大きな流れになりました。
 議長・副議長等会議では、福岡市・堺市、京都市、浦安市の4つの市から政治倫理審査会の設置や調査請求権を、議員及び議会の措置などの視点から福岡市を参考例に審議を進めました。全国的に政治倫理条例の制定で進んでいる政令市、福岡市の政治倫理条例は、一つの指針となると考えており、福岡市より厳しい内容にすべきと関係者から指摘をされてきました。さらに、政治倫理条例の制定は市民からの強い要望であると思います。こうした経緯から、政治倫理条例の制定協議のなかで指摘をしてきたようにいくつかの問題点が残されています。
 1つは、政治倫理基準の政治活動に関して「企業・団体献金の禁止」が求められます。これは、昨年8月の衆議院選をめぐり、民主党小林議員の陣営に企業・団体献金の違反で、北海道教職員組合の幹部が4人逮捕されました。さらに、国政でも企業・団体献金の禁止をさらに明確化するための協議が行われています。
 現在の政治資金規正法は、企業や団体による献金を政党と政治資金団体にしか認めていません。こうした政治状況のもと、法律の範囲内で「企業・団体献金の禁止」は時代の流れではないでしょうか。
 2つは、資産等報告書及び資産等補充報告書の提出について、「あわせて配偶者及び扶養または同居の家族の資産報告書を提出する」ことを加えるようにと市民は願っています。このことは、政治資金問題が国政でも大きな問題となっています。そこでは、家族の関与が指摘されており、政治倫理上の問題として重要な課題です。
 3つは、市民の調査請求権についてです。このことは、議長・副議長等会議で相当な議論を行いました。条例では、有権者の200分の1以上の者の連署、人数で言えば3,800人ほどをもって、審査会が調査を行うように議長に請求することができるとなっています。これは、千葉市議会での3,800人ほどでなく福岡市や市長の政治倫理条例と同様の50人以上に向かうべきです。政治倫理条例は、市民の「知る権利」を保障すると同時に、地方政治に対する民主的な規制が必要です。市民が行政の違法・不当をただすものであり、本来は1人から認められるとの考えが基本と言われます。これでは市民のチェック機能が働かない重大な問題があると、市民から強い指摘を受けてきたところです。
 4つは、指定管理者についてです。総務省も指定管理の指定については、「首長・議員の親族企業まで含めてこれを禁止することは自治体の立法裁量に属する」との見解を示しています。今後、指定管理者制度の再契約が行われる予定ですが、そこに何らかの規制が行われることも時代の流れです。
 また、附則で「議会はこの条例の施行後社会情勢の変化等により必要があると認めるときはこの条例の規定について検討を加え必要な措置を講ずるものとする」とあります。今後、この附則を十分活かすことで、問題や課題を解決して市民からの期待にさらに答えるように求めるものです。
 以上で討論を終わります。