日本共産党千葉市議団のH22年度予算組替動議

2010.3.19

 「議案第1号平成21年度千葉市一般会計補正予算(第4号)」、「議案第7号平成22年度千葉市一般会計予算」、「議案第8号平成22年度千葉市国民健康保険事業特別会計予算」、「議案第10号平成22年度千葉市介護保険事業特別会計予算」、「議案第14号平成22度千葉市農業集落排水事業特別会計予算」、「議案第18号平成22度千葉市市街地再開発事業特別会計予算」、「議案第20号平成22年度千葉市公共用地取得事業特別会計予算」、「議案第24号平成22年度千葉市下水道事業会計予算」、「議案第25号平成22年度千葉市水道事業会計予算」について、市長は、下記により速やかに組み替えを行い、再提出することを要求する。

1 組み替えを求める理由

 金融危機と過剰生産恐慌が結合した経済危機と構造改革により、この10年間の雇用者報酬が大幅に落ち込み、社会的貧困と格差が広がっている。雇用者報酬の減収で市民の収入も甚大な影響を受け、納税者総数に占める年間所得200万円以下の市民は57.3%、300万円以下は74%に及んでいる。構造改革による雇用破壊・失業者の拡大と社会保障費の削減で、介護・保育・医療・年金などの社会保障が大きく後退し、不安が広がっている。中小企業の倒産や商店街の衰退など、地域経済の活力が低下している。このような時に、行政は、市民生活を応援し、安心できる暮らしと活力ある市政にするための予算を編成することが求められている。
 しかし、熊谷市長の提案した予算は、財政危機の克服、財政健全化を最重点にして、事務事業の見直しによる市民生活予算を大幅に削る予算であり、これでは市民生活はますます苦しくなるばかりである。
 よって、日本共産党千葉市議会議員団は、深刻な財政危機の下でも市民の暮らし・福祉を優先する予算に転換することを求め、次の組み替えの基本方針及び内容により予算の再提出を要求する。

2 組み替えの基本方針
(1) 「住民の福祉の増進を図る」を基本とする地方自治法の本旨に沿って、市民生活を向上させる。財政危機の下でも、福祉サービスは維持し引き下げないこと。
(2) 財政健全化のためとして早期健全化団体にならないことを絶対としているが、市民生活を守るためには、短期間は実質公債費比率25%を超すこともやむを得ない財政運営を行う。
(3) 国直割事業負担金及び県事業負担金の早期解消を図る。本市が不公平な扱いを受けている県単独補助金が公平に支出されるまでの間、県事業負担金の支払いを中止する。
(4) 大型開発公共事業見直し委員会を設置し、当面10億円以上の事業について見直しを行う。その中で不要不急のものは中止、凍結、規模の見直しを図る。
(5) 予算の重点を、市民生活の安定のため次の項目に重点を置く。
ア 暮らし、雇用、地域経済への応援
イ 安心して受けられる医療、高齢者・障害者福祉の充実
ウ 子育て・教育への支援
エ 環境・安全安心のまちづくりの推進
(6) 市政運営に当たっては、情報公開・説明責任・市民参加を徹底し、結論を押しつける姿勢を改める。

3 組み替えの内容
(1) 急がなくてよい事業などへの歳出を削減するとともに、自主財源の確保を図る。
 ア  大型開発公共事業及び10億円以上の公共事業を見直して財源を確保する。
(ア) 千葉駅西口地区市街地再開発 ( 9億  965万円)
(イ) 千葉港黒砂台線整備 (12億8,030万円)
(ウ) 蘇我スポーツ公園整備 ( 6億1,150万円)
(エ) 新港横戸町線整備 (13億3,500万円)
 イ  国や県からの事業負担を見直し、財源を確保する。
(ア) 国直割事業負担金 (29億円7,868万円)
(イ) 県事業負担金 (28億円4,780万円)
(ウ) 水道事業
 霞ヶ浦開発事業負担金 (5億6,300万円)
 房総導水路建設事業負担金 (5億6,500万円)
(エ) 本市が不公平な扱いを受けている県単独補助金を速やかに支給させる。
(14億4,320万円)
 ウ  中止か凍結する事業
(ア) 国民保護計画修正 ( 29万円)
(イ) 住民基本台帳ネットワークシステム維持管理 ( 8,215万円)
 エ  自主財源を確保する。
(ア) 資本金10億円以上の法人に、市民税均等割制限税率を適用する。
(2億7,300万円)
(イ) 東日本高速道路株式会社、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対する固定資産税または都市計画税の応分の負担を求める。
(ウ) 電柱などの道路占用料を適正化する。
 オ  基金からの繰入を25億円増やす。厳しい市民生活を守るため、主な事務事業見直し32件約10億円及び国民健康保険料・保育料・下水道使用料改定約15億円を中止する。ただし、アからエまでの財源確保がされた場合は、繰入額を減額する。
 以上、総額約129億円中、補助金等を差し引いた約65億円を以下の施策に組み替える。
(2) 市民の暮らし・福祉サービスの水準を維持し充実を図るとともに、雇用機会を増やす。
 ア  H22年度 見直した施策の復活 32件 (総額10億1,600万円)
(ア) 難病見舞い金支給
(イ) シルバー健康入浴券
(ウ) はり・きゅうマッサージ施設利用助成
(エ) がん健診後の精密検査費用の一部負担
(オ) 看護師等就学資金貸与
(カ) 脳ドック費用助成
(キ) ひとり親家庭等高等学校就学扶助
(ク) 母子家庭等児童入学及び就職祝い金支給
(ケ) 敬老会等経費の一部助成
(コ) ことぶき大学校運営
(サ) 老人つどいの家運営
(シ) 行政事務委託料
(ス) 市民相談員見直し
(セ) 青色防犯パトロール
(ソ) 住居表示整備事業
(タ) 畑・幕張・蘇我コミュニティセンター浴室の管理運営
(チ) みやこ児童交通公園管理運営
(ツ) 納税貯蓄組合連合会補助金
(テ) 文化情報誌「あでるは」刊行補助金
(ト) 東京フィル提携事業
(ナ) 舞台芸術干渉事業補助金
(ニ) 屋外型生ごみ減量処理機設置管理事業
(ヌ) 古紙・布類の資源化改修促進奨励補助金
(ネ) 千葉市産業まつり
(ノ) 中心市街地活性化イベント補助金
(ハ) イルミネーション開催負担金
(ヒ) 都市景観市民フェスタ
(フ) ノンステップバス導入補助
(へ) フラワーフェスティバル
(ホ) 私立幼稚園就園奨励費補助
(マ) 私立高等学校等教育施設整備補助
(ミ) 青少年バス借り上げ
 イ  公共料金改定中以下の3件の中止 (総額14億8,775万円)
(ア) 国民健康保険料、介護保険料含め一世帯平均11,005円の値上げ
(イ) 2歳児の保育料年齢移行軽減の廃止
(ウ) 下水道使用料の値上げ
 ウ  1,000人の雇用の創出
 エ  老朽化した保育所の建て替え・子どもルームの増設
 オ  敬老乗車券の復活
 カ  農産物の価格保障充実、後継者対策の重視
 キ  生活道路の維持管理の充実
 ク  少人数学級の推進
 ケ  学校校舎、屋内運動場耐震工事の前倒し
 コ  小規模工事発注制度の創設
 サ  就学援助制度を改善して利用の拡大
 シ  多重債務者対策検討協議会設置条例制定
 ス  職員給与・退職金カットの縮減
(ア) 職員給与カット20%縮減
(イ) 退職金カット50%縮減
(3) 不急不要の大型公共事業で、当初予算に計上した以下の事業に係る市債・債務負担行為を抑制する。
 ア  千葉駅西口地区市街地再開発事業
 イ  蘇我特定地区整備事業
 ウ  新港横戸町線事業
 エ  水道事業
 オ  下水道事業

以 上