佐々木ゆうき議員の一般質問に対する答弁(要旨)

2010.6.22

【熊谷市長】

○ 平和問題について

 NPT再検討会議の結果は、長崎市長も強調したように「被爆者の高齢化が進む中で核兵器のない世界の実現が急がれている。都市・NGO・市民が連携し国際世論をつくることが大切」だ。今回の会議はその一歩になったと捉えている。在日米軍基地は、日米両国の問題であり、見解を述べる立場にない。

○ 若い世代の雇用と労働条件について

 「青年の仕事と生活実態黒書」の感想は、資格職を目指すための「奨学金」創設や低賃金労働、長時間勤務などの労働実態について、若者を取り巻く環境がいかに厳しいのか認識を深めた。私のマニフェストの「奨学金」検討委員会立ち上げについての制度設計等は、今後研究したい。雇用支援では、全市民の雇用状況が改善するよう、今年度は稲毛区役所に国と共同で千葉市ふるさとハローワークを開設し、求人情報の提供や就職相談を行い、就労拡大に努めていく。

【市民局長】

○ 平和問題について

 千葉空襲写真パネル展や平和について語る会などの事業と新たに折り鶴を広島・長崎の「平和祈念式典」へ送呈する事業を行う。今後も多くの市民に参加してもらい、戦争の悲惨さと平和の大切さを考える事業にするため、アンケートや他都市の取り組み事例を参考に啓発事業に努める。ホームページ上の資料をわかりやすく作成し、充実するよう取り組む。広島・長崎市へ児童生徒の派遣事業は現在考えていない。

【こども未来局長】

○ 子どもの権利条約について

 国は児童相談所の虐待対応を48時間以内の安全確認が望ましいとしているが、千葉市は通告を受けた際、即日対応を図っており虐待の迅速な把握に努めている。昨年7月設置した警察などの関係機関や関係団体、市民で構成する「要保護児童対策及びDV防止地域協議会」で、情報を共有し児童虐待等の実態把握やケースの進行管理に努め、要保護児童を支援している。
 子どもの権利条約は、子どもが人格を持った一人の人間として尊重され、調和のとれた発達ができるよう、その保護と援助を促進することを目指している。本市は、この条約の趣旨を尊重し、子どもの人権に配慮しながら健やかに育つ環境づくりに努めている。子どもの権利侵害の救済には、迅速・適切な対応が必要であり、児童相談所や青少年サポートセンター、学校・警察・医療機関等を含めた関係機関との連携で、虐待などから子どもの人権を守る体制の充実・強化に努める。今年度から、子ども家庭支援室や各区にこども家庭課を新設し、組織の強化と救済の充実に努めている。子どもの権利が尊重されることは重要であり、「子育てハンドブック」に子どもの権利条約の趣旨・内容を掲載し子育て家庭に周知している。学校教育でも市独自に人権尊重学習資料等で、子どもの権利に関する学習を指導している。子どもはただ守るべき対象ではなく、社会の一員に位置づけ、子どもの自覚と自立を促し、その意見を市の施策に反映するべく「こどもの力フォーラム」の開催など、子どもの参画する街づくりを進めている。今後、これらを活用し「子ども参画条例」の制定を検討したい。

【経済農政局長】

○ 雇用と労働条件について

 「働く市民のガイドブック」は3年に1度改訂し、今年4月にも改訂版を作製した。6月末にふるさとハローワークの広報紙と併せ大学等の教育機関に配布する予定だ。

【保健福祉局長】

○ 国民健康保険制度について

 今年2月時点での資格証明書交付世帯4,522世帯のうち216世帯が納付相談し、減免適用は16件だった。転居先不明などで資格証明書が返送された数は955件で、519件調査し所在不明が488件、継続調査中が31件で、残り436件は今後調査していく。
 資格証明書の交付までには、催告書・被保険者証返還警告書・被保険者証返還請求書を送付している。その都度、納付困難な場合は相談するよう案内を同封している。
 非自発的失業者の対象は、ハローワークからの雇用保険受給者証で確認できる場合とされている。千葉市の国保料減免取扱要綱では、減免については相談に応じており、今年4月からは要綱を一部改正し、所得が前年比30%から20%の減少へと緩和した。
 国保の広域化の方針は、都道府県が市町村国保の運営広域化で財政の安定化を進めるものであり、策定の場合は各市町村の意見を聞くとしており、その機会には意見を述べていく。

【都市局長】

○ 若い世代への生活支援について

 市営住宅の単身者向け住宅は、設置管理条例で民間住宅への入居が困難な高齢者や障害者などを対象にしているが、H22年の国の制度見直しで市営住宅の入居要件を検討しているところだ。青年単身者の入居については、国の動向を見て調査研究していく。青年の家賃補助については、市営住宅で対応するので考えていない。人口減少・少子高齢化の進展の中で、地域社会の活力低下が懸念され、若い世代が千葉市に定着し地域コミュニティが形成され、世代間交流が促進されて活性化につながると考える。

【環境局長】

○ ごみの分別・排出について

 指導制度は、違反者を取り締まるのが目的ではなく、分別・排出ルールを守らせることに主眼がある。実施には、状況の悪いごみステーション中心に、市が計画的に調査し、繰り返し指導しても改善しない者に、個人指導を行うものであり、地域コミュニティには悪影響はない。指導制度の導入には、今年4月にパブリックコメントで意見募集した。今後、市民・事業者の理解と相互協力は必須であり、自治会への説明や市政だよりでの趣旨説明を周知していく。
 環境省の「一半廃棄物有料化の手引き」では、有料化で費用負担を軽減しようとする意識が生まれ、ごみの排出抑制が期待できるとされている。家庭ごみの有料化は、ごみ処理基本計画の29の個別事業に位置付けられ、排出量に応じた費用負担で負担の公平化が図られて、排出抑制や減量への意識向上に有効である。ごみの減量・再資源化には市民・事業者・市が一体の連携が必要だ。そこで今年9月には町内自治会連絡協議会による「ごみ問題検討委員会」や「焼却ごみ3分の1削減市民会議」など幅広い人々の意見を聞く場を設け、今年度末には意見集約し提言をもらう考えだ。また、7月からは47の公民館で活動するサークルに出向き、雑紙分別資源化の説明会を実施する。
 プラスチック製容器包装分別はH22年度の実施を予定していたが、多額の費用がかかり延期したが、分別収集は焼却処理量10万トン削減や温室効果ガス排出抑制に寄与し、市民からの分別収集の要望が多いことから実施に向け再検討している。
 大規模事業所には、ごみ減量と適正処理を推進するため減量計画書の提出を義務付け、立ち入り調査を行っている。焼却ごみ3分の1削減には大規模事業所の取り組みは重要であり、その状況をホームページ等で公表していく。大規模事業所では、古紙類の再資源化は進んできているが、厨芥類の再資源化が他と比べ低く、食品廃棄物の発生抑制やリサイクルの取り組み強化が課題だ。

【教育次長】

○ 子どもの権利条約について

 本市は「人間尊重の教育」を基調に学校教育を進めており、各学校でいじめ解消を生徒指導の最重要課題としている。いじめの対応は、早期発見・早期対応が大切であり、兆候を見逃さないよう教師が児童生徒の言動を注意深く観察し、教育相談習慣を設け、いじめの実態把握に努めている。各中学校にはスクールカウンセラーを配置し、児童生徒や保護者からの相談に対応して、いじめに関する状況把握している。

○ 雇用と労働条件について

 中学では、職業の意義と役割・雇用と労働条件の改善について社会科で指導している。また、市独自に作成した「わたしの夢」「ハロー・マイ・フューチャー」等を市内全中学での進路学習や職場体験学習に活用し、働く苦労や喜び、職業観、勤労観の基本を体験的に学習している。高校では、公民科で雇用と労働者問題等を学習し、職場訪問や進路総合学習も行っている。現在、雇用をめぐる厳しい社会状況もあるが、生徒一人ひとりに望ましい職業観・労働観が身につくよう指導の充実を図る。