日本共産党が提出した意見書

平成22年第3回定例
No.1

 (提出年月日)平成22年8月6日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

後期高齢者医療制度の速やかな撤廃を求める意見書(案)

 厚生労働省が取りまとめた後期高齢者医療制度「改革」の骨格案では、加入者約1,400万人のうち、サラリーマンや被扶養者の約200万人は、企業の組合健保や協会けんぽなどの被用者保険に加入し、それ以外の約1,200万人に上る高齢者は国民健康保険に加入することになる。国保では、高齢者を現役世代とは切り離し、別勘定での財政運営として、医療給付費の「1割相当」を高齢者自身の保険料で賄う方向とされている。
 これでは、後期高齢者医療制度を廃止するどころか、形を変えて「うばすて山」を存続させるものであり、そればかりか、75歳以上だった年齢を65歳以上に引き下げる検討も行うとされており、「うばすて山」の拡大さえ計画されているのである。
 「後期高齢者医療制度を廃止して老人保健制度に戻す」と公約し、政権についた民主党の責任は重いものがある。高齢者の尊厳を守り長寿を喜べるようにするために、欺瞞的な「新制度」ではなく、元の老人保健制度に戻した上で、国庫負担を抜本的に増額した高齢者医療制度に転換するべきである。
 よって、本市議会は国に対し、後期高齢者医療制度の速やかな撤廃を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第3回定例会
No.2

 (提出年月日)平成22年8月6日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団、市民ネットワーク

国会議員の比例定数削減はやめるよう求める意見書(案)

 菅直人首相は臨時国会冒頭の記者会見で、衆議院の比例定数を80、参議院の定数を40削減する方針について、「8月中に党内の意見を取りまとめ」、「12月までには与野党で合意を図ってもらいたい」と具体的に指示したことを明らかにした。
 菅首相は、民主党の議席が大幅に減少した参議院議員選挙の総括で「みずからの消費税増税発言」が選挙結果に大きく影響したと認めたが、今度はこうした国民の意思がまず「無駄の削減」にあるのだとして、国会議員定数の削減を持ち出したのである。しかし、国会の基本的な任務遂行に必要な予算は、民主主義の必要なコストとして負担すべきである。
 民主党の参院選マニフェストでは「衆院は比例定数を80削減」としていたが、民主党が掲げた「定数削減」を国民が支持していないのは選挙結果を見れば明白である。
 そもそも「衆院比例定数80削減」は、少数政党を締め出すことになり、断じて認めることはできない。例えば、2009年の総選挙結果で試算すると、民主党は比例得票率では42.41%だったが、比例定数を削減した場合の議席占有率は68.50%で、議席の3分の2を占めることとなるのである。
 自民党は26.73%の得票率でも議席占有率は23.50%となり、公明党・みんなの党・共産党・社民党などの諸党は、すべて合わせた得票率が30.86%でも、議席占有率は8.00%にとどめられることになる。
 参院選の結果、衆参の議席が与野党の「ねじれ状態」となったが、民主党が衆院で3分の2を占めれば、参院で否決されたどんな法律案も衆院で再議決し、成立させることが可能となるなど、危険な政治に道を開くことにもなる。
 今求められているのは、国民の声が生かされる民主的な選挙制度である。小選挙区制を廃止して、比例代表制などの民意が反映される選挙制度に改革することこそ必要なのである。
 よって、本市議会は国に対し、国会議員の比例定数削減はやめるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第3回定例
No.3

 (提出年月日)平成22年8月6日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

来年度からの30人学級の実施を求める意見書(案)

 中央教育審議会初等中等教育分科会は7月26日、川端達夫文部科学大臣に対し、公立小中学校の1学級当たりの児童・生徒数の上限を定めた学級編成基準を、現行の40人から引き下げるよう求める提言書を提出した。
 社会の宝である子供が豊かに育つ教育環境を整えることは、日本の未来を築くことである。少人数学級に踏み出すことは、長年の保護者・教育関係者を初め多くの国民の強い教育要求なのである。
 現在の40人やそれに近い学級では「落ちこぼし」や「いじめ」などの問題が生まれやすく、一人一人の子供の状況に合った指導を行うには不十分である。学級規模が小さくなれば、子供に丁寧な指導ができ、理解の促進が図られることは明らかである。世界的にも学級規模は30人以下が当たり前の時代となっており、我が国の教育的困難を打開する上でも少人数学級は欠かせない条件となっているのである。今、貧困の広がりや競争原理など激しい社会の変容のもとで、学力面にも深刻な影響を与え、悩みを抱える子供たちがふえており、学級規模の縮小は緊急の課題となっている。
 よって、本市議会は国に対し、来年度からの30人学級の実施を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第3回定例
No.4

 (提出年月日)平成22年8月6日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

公立保育所への特定財源の復活などを求める意見書(案)

 日本の保育制度は、戦後の混乱期に市町村の保育実施義務、最低基準の設定と改善、費用の公的負担を明確に児童福祉として位置づけ、企業の参入にも永続性などを理由に認めなかったものである。この制度の精神と経済発展、国民の意識向上などが相まって、保育を実施している市町村での保育の実施水準は改善されてきたが、一向に改善されない国の最低基準との乖離が大きくなることで、市町村の超過負担は増大し、公立保育所の運営は大きな困難を抱えている。政府は、経済協力開発機構(OECD)から「質の高い就学前教育と保育に対する公的支出を増やすこと」との勧告を受けたが、これは諸外国に比べて際立つ低い保育等への公的支出を理由としたものである。日本で公的支出が低いのは、この60年間、施設面での最低基準を全く変えず、職員配置で一部改善するにとどまっていることが大きな原因なのである。
 また、保育所の多くを占めている公立保育所への修繕などに予算をつけず、公立保育所の民営化を促進していることは、父母・保育関係者・国民の願いに反するものである。深刻な待機児童の解消には、現存する公立保育所の維持や無認可保育所の保育環境改善が大前提であり、利益を優先する民間保育所ではなく、必要なところに公立保育所を整備することこそが待機児童解消の最善策なのである。
 よって、本市議会は国に対し、下記事項の実施を強く求めるものである。


  1. 児童福祉施設最低基準を抜本的に改善し、市町村の過剰負担を軽減すること。
  2. 待機児童解消の前提となる既存保育施設の維持のため、公立保育所の建てかえ、修繕、増改築に対する国庫負担金を早急に復活させること。
  3. 無認可保育所の実態を調査し、保育環境改善に必要な補助制度を実効あるものにすること。
  4. 保育所、学童保育、子育て支援施策関連予算を大幅に増額すること。
  5. 子育てに関わる保護者負担を軽減し、雇用の安定や労働時間の短縮など仕事と子育ての両立のための環境を整備すること。
  6. 国と地方自治体の責任を縮小・後退させる保育所への直接契約・直接補助方式・保育料の応益負担方式の導入を取りやめること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年  月  日

千 葉 市 議 会


平成22年第3回定例
No.5

 (提出年月日)平成22年8月6日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

国民健康保険制度への国庫負担の増額を求める意見書(案)

 国民健康保険制度は、憲法第25条に基づき発足した国の制度であり、国民健康保険法第1条には「社会保障及び国民保健の向上に寄与する」と明記されている。しかし、「自己責任」、「受益者負担」を追求する「構造改革」の中で形骸化が加速している。経済的理由で医療の保障から排除される人が多数生まれ、命さえ失う事態が広がっている。保険料の滞納世帯が増加する背景には、高過ぎる保険料とともに非正規雇用者の増大など、新たな貧困層の拡大がある。国庫負担の大幅な削減こそが保険料の引き上げにつながり、払いたくても払えない状況を生み出した最大の原因である。さらに、国民健康保険法の改定で、市町村に対し資格証明書の発行を義務づけたことが、保険証がなく受診を抑制せざるを得ない人々を増大させたのである。
 千葉県社会保障推進協議会が行った2009年6月の県内各地方自治体へのアンケート調査では、窓口で医療費の10割を負担する資格証明書が発行されている世帯の約8割は、年間所得200万円以下の世帯であることが明らかになった。高過ぎる保険料、短期保険証や資格証明書の運用、手遅れ死亡事件の発生などは、国民すべてが安心して医療を受けられることを目指す国民健康保険制度の目的とは逆行するものである。
 保険料が暮らしを圧迫しているもとで、払える保険料を実現し、だれもが安心して医療を受けられるよう、国民健康保険制度の抜本的な改善は急務である。
 よって、本市議会は国に対し、国民健康保険制度への国庫負担を増額するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成22年  月  日

千 葉 市 議 会