野本信正議員の議案質疑に対する答弁(要旨)

2010.8.30

【保健福祉局長】

○ 補正予算・小規模福祉施設スプリンクラー設置補助について

 延床面積275平方メートル以上1000平方メートル未満の定員29人以下の小規模特養ホーム、小規模介護老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、要介護度3以上が常時宿泊する小規模多機能型居宅介護事業所が対象施設だ。市内に補助対象施設が62事業所あり、うち13事業所で設置が完了し、今回の3か所と併せて今年度中に44事業所で設置の予定だ。これで、合計57事業所で設置が完了し、残りは5事業所となる。残り5事業所のうち、補助事業活用予定の3事業所は資金計画の関係でH23年度に設置を予定している。2事業所は、補助制度を活用せずに設置する予定だ。設置による自己負担額は、H21年度実績で1事業所当り補助対象経費の平均が約628万円で、うち自己負担は約95万だ。補助対象にならない小規模施設は、認知症高齢者グループホームが9事業所、小規模多機能型居宅介護事業所6事業所の合計15事業所ある。

○ 補正予算・緊急雇用創出事業臨時特例基金について

 事業内容は、就労支援のノウハウがある企業と委託契約結び、稼働年齢層にある被保護者対象に、雇用先の開拓、就職・継続した就労への支援、求職活動への意欲喚起へセミナーなどを行うものだ。効果は、求職活動が長期の被保護者に、求職活動や就労意欲の喚起に繋がり、生活保護世帯の自立促進になる。市民の森と緑地内草地管理は、市民の森ごとにその植生に合わせ、生き物に配慮しながら一部草を残すなどしながら全面的に草刈りを行う。今回対象の市民の森は、中央区4か所、花見川区3か所、稲毛区2か所、若葉区3か所の計12か所、約31haだ。それ以外の緑地は、故石橋氏より寄付を受けた緑地はじめ、過去に寄付等で取得した緑地32か所、約15haだ。

○ 第152号・市税条例の一部改正について

 たばこによる健康被害は、心筋梗塞やがんなど多くの疾患リスクが高く、厚労省によれば、2005年には全国で年間約10万人から20万人が喫煙と関連する疾患で死亡したと推計されている。医療費の節減効果は、具体的な数字は困難だが、医療経済研究機構の研究では、喫煙が関連する医療費増加分は、1999年度の推計で約1兆3,000億円、当時の国民医療費の約4.2%を占めている。

○ 第153号・ハーモニープラザ設置管理条例の一部改正について

 本施設は、公の施設、行政機関、その他福祉関係団体の事務局が置かれる総合施設で、施設相互の連絡調整を密にした一体的管理が必要であり、横断的で適正な管理運営を行うための有機的連携が必要とされたので、管理運営や専門性を勘案して前回は非公募としたものだ。募集要項や管理運営基準に基づき、事業者からの提案書等を保健福祉局指定管理者選定評価委員会が厳正に審査し、最も相応しい事業者を選定するので支障はない。今後の手続き等を考えて、今議会で条例改正を行うものだ。

【総合政策局長】

○ 第153号・ハーモニープラザ設置管理条例の一部改正について

 外郭団体見直し指針では、見直しの基本的考え方として「公共性」「効率性」「自主自立」の3つの観点で、在るべき方向性を検討する。その対象は、現在のハーモニープラザの指定管理者、社会福祉事業団、社会福祉協議会、文化振興財団含め17団体だ。公の施設の管理など市からの委託事業が縮小したり、公益法人の認定が受けられない場合は、その団体の在り方を再検討する。

 外郭団体の業務が縮小した場合の団体職員の雇用は、基本的には各団体が対応することになるが、市は設置者・指導監督者として団体職員が他の外郭団体に転籍する場合、外郭団体間の総合調整など必要な支援を行う。団体職員のモチベーションは、次期指定管理者として指定されるよう各団体で鋭意取り組んでいると思う。指定管理者を非公募にする場合は、施設の設置目的や業務の特性から、相応しい指定管理者が限定され、施設の在り方の再検討が必要な場合など特別な事情があるときとされており、外郭団体が管理しているとの理由だけで非公募にするのは困難だ。

【経済農政局長】

○ 補正予算・新規就農の推進について

 農業経営振興事業費の補助対象者3人のうち、1人は40歳ですでに今年4月に若葉区賀曽利町で就農している。他の2人は、ともに24歳で現在は市内農家で農業研修中だ。9月からは緑区高田町で就農予定だ。40歳の方はイチゴの水耕栽培でパイプハウスと栽培用施設を整備する。24歳の2人は小松菜やミニトマトの土耕栽培でパイプハウスを整備する。3人とも昨年から市内農家で研修し技術の習得に努め、就農計画も適切で成功の見通しは高いと思われる。県やJA千葉等の関係機関と連携し、就農後も様々な支援を行っていく。40歳の方の自己資金は融資で800万。他の2人は各500万でJA千葉の就農支援資金の無利子融資を受ける予定だ。償還期間は12年以内で、当初の5年間は据え置きになる。昨年から就農相談を受けており、農業の困難さは十分説明しており、今回の3人はその上で就農を決意したものだ。

○ 補正予算・緊急雇用創出事業臨時特例基金について

 雇用創出事業に係る雇用人数は390人で、事業費は4億9,976万2千円だ。厳しい雇用環境の中、H22年度予算で企業立地促進や企業家育成など、雇用の受け皿づくりを行ってきた。県の2つの基金も活用し、さらに事業の掘り起こしで新たな雇用創出が図れるようH23年度予算に反映していく。

【都市局長】

○ 補正予算・縄文の森整備について

 今回取得する土地9,019平方メートルは、H19年6月に開発許可申請が出た土地の一部だが、その開発計画に「賀曽利貝塚と坂月川一帯の森と水辺を守る請願」が提出され、H20年第1回定例会で全会一致で採択されたことを受け、事業者が今回買収する土地の湿地部分を開発区域から除外したものだ。H22年2月に、この土地を含む約22haを都市緑地法に基づき特別緑地保全地区と指定した。事業者からはH22年4月に、都市緑地法第14条に基づく行為許可申請があり、緑地保全上支障があるため、市が不許可にしたところ、同法17条に基づく買入申出書が出されたので、市が買い取ることにした。民間所有土地は地区全体約22haのうち177筆、約18.2haで全体の約83%だ。

 特別緑地保全地区は、良好な樹林地など現状凍結的に保全する制度で、用地買収を計画的に進めるものではない。相続の発生などに起因した場合は買い取りに応じる。

○ 第158号・住宅政策審議会設置条例の一部改正について

 H20年3月制定の「市民参加及び協働に関する条例」の趣旨から、市民生活に密着した住宅政策に関する重要事項を調査審議する会議に答申を受けており、住生活を支える豊かな社会の実現、良質な住宅ストックの形成、良好な居住環境の形成、住宅市場を通じた良質で多様な住宅の供給、住宅セーフティネットの構築、地域特性に応じた施策の展開の6つの基本方針が示された。答申の趣旨を反映させ、千葉市住生活基本計画を策定した。

【財政局長】

○ 第152号・市税条例の一部改正について

 たばこ税率改正の趣旨は、H22年度税制改正大綱で、健康の観点から、たばこの消費抑制のため、税率引き上げの必要があるが、農家・小売店・製造者への影響を見極めつつ行うとされている。H21年度決算では、売り本数は18億4,900万本で、決算額は60億7,100万円だ。改定後の税率で試算すると、約85億円で24億円の増収になる。たばこ消費は近年、全国的に約5%程度減少し、今回の改定でH22年度は約13%の減少が見込まれている。売上本数見込は約16億本で、これで計算すると税収は約60億円となり、前年度比で約7千万円の減収見込みとなる。H23年度は、値上げの影響で消費本数は約25%程度減少し、税率引き上げを勘案して算定すると本数は約12億本で、税収は約56億円程度で、その後は毎年5%づつ減少すると見込まれる。

【環境局長】

○ 第154号・土砂等の埋め立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例の一部改定について

 条例改正の背景は、H15年の改正から6年余り経過し問題なく施行されてきたが、若葉区旦谷町で500平方メートル未満の埋め立てと称し、規制規模以上の埋め立てが行われた疑いがある。また、都市部に近接した空き地等で小規模の埋め立て事業が行われ、中央区川戸町では周辺住民から搬入路の破損など苦情が出ている事案もある。このことから、不適切な事業を防止し、近隣自治体の規制状況も勘案し、許可対象面積を300平方メートル以上にするなど規制を強化するものだ。事業区域内の半分480平方メートルをあらかじめ掘削し、その発生土を残り半分の区域に盛り土し、その後、事業区域外からの搬入土を掘削した半分の480平方メートルに埋め立てる場合、許可対象となる地域は、事業区域外からの搬入土で埋め立てた480平方メートルの区域に限られことから、許可の対象外となる。このような疑いがある事例は、若葉区旦谷町の1件だ。合算して300平方メートル以上の場合は許可対象事業となる。

 安全基準に適合しない土砂等が使用されている恐れがある場合は、新たに事業者か土地所有者に、土砂が基準に適合している証明書類の提出させることができるようにするものだ。これで、すみやかに土砂の安全が確認できる。埋め立て事業に対する同意や車両の通行などの同意書の内容は、搬入路の土地所有者の同意もある。無断で通行するなどのトラブルを未然に防止できると期待している。許可の対象か否かにかかわらず、土地所有者は災害発生や土壌汚染の恐れがないことを確認して土地の提供責務がある。事業者が倒産したり所在不明の場合などは、災害発生や土壌汚染防止の責務を土地所有者が負うことになる。効果は、安易な土地提供を抑止すると期待している。公表制度を設けている自治体は県内で7団体あるが、現在まで公表された悪質な事例はない。命令違反、無許可、許可条件違反、名義貸し禁止違反に限定し公表するが、いずれも悪質なものなで、違反抑止効果が期待できる。

○ 第155号・廃棄物の適正処理及び再利用等に関する条例の改定について

 罰則を適用することが目的ではないが、この制度はごみの分別・排出ルールの遵守を繰り返し指導しても改善されない場合を想定して罰則条項の規定が必要と考えたものだ。焼却ごみ3分の1削減に向け、H19年4月から草朝啓発や町内自治会への説明会など様々な事業を実施してきた。昨年5月からは、取り残し強化や廃棄物適正化推進員と町内自治会役員との連携でゴミステーションの監視指導の実施で、排出状況が改善したところがある一方、改善されないところもあり過料を盛り込んだ指導改善を図るものだ。条例では、市民・事業者の責務として廃棄物の分別や減量に努めることとし、市の責務は各施策を通じて廃棄物の減量を推進すると規定されており、今回の罰則規定は条例の理念と整合したものだ。横浜市では罰則制定後の過料の実績は2件ある。千葉市は焼却ごみ3分の1削減の高い目標を達成するため、「ごみ排出ルールの遵守・指導徹底」を計画事業の1つに位置づけて啓発・指導を行ってきたが、改善が見られず今回の条例改正を行うものだ。条例改正で、個人情報の収集目的が明確化され、必要な範囲で個人情報を取り扱うことから個人情報保護法には抵触しない。