野本信正議員の代表質問

2010.12.8

1.市長の基本姿勢

 はじめは、国政の動向と地方自治についてです。

 その1、地方財政の拡充について

 尖閣諸島問題、TPP、柳田法相更迭など迷走を続ける民主党菅内閣の支持率は20%台へ急降下し、不況を打開する方向は見えず、国民生活は深刻な危機にさらされています。来年度予算編成で地方財政は、政府の財政運営戦略と中期財政フレームで、11年度から3年間、一般歳出と地方交付税併せて71兆円以下に押さえる大枠による締め付けを打ち出しています。また、地方財政不足を埋める臨時財政対策債の国庫負担分まで交付税でまかなう試算が示されました。

 千葉市は全国の自治体とともに、菅内閣に対して、自公政権の「三位一体改革」で傷めつけられた地方財政の拡充と、大枠による締め付け撤廃などを強く要求すべきでありますが、見解を求めます。

 なお、過日可決された補正予算のなかで、千葉市民が活用できる、子宮頸癌等ワクチン接種緊急促進臨時特別交付金(仮称)に係る事業は、速やかな実施を求めますが、見通しについて伺います。

 その2、地域主権改革について

 市長は9月議会で「地域主権改革は、地域住民が自ら判断と責任で地域の諸問題に取り組み、自主的・自立的に行財政運営を行えるよう改革するもので、憲法の『地方自治の本旨』を具体化するものだ」と答えました。

 1に、本当にそうでしょうか。憲法に基づく生存権を保障するのが国の責務です。国は、福祉や保育、教育などの人員配置、施設などについて基準を決めて、地域間格差や財政力の不均衡に対して、交付税や補助金などで自治体を支援しています。「地域主権改革」で最低基準を廃止して自治体の自由に任せれば、国の財政負担、いわゆる義務付けに伴う予算措置が無くなり、財政の厳しい自治体は基準を下回るサービスしか提供できなくなるが、どうか。

 この事は、市長の言う憲法の「地方自治の本旨」「住民の福祉の増進」に反するものと思うがどうか。

 2に、「地方行財政検討会議」が検討している二元代表制についてですが、総務省は、議会のもつ首長の不信任決議を廃止し、契約の締結、人事の同意などを議決の対象から外してしまい、議員を執行機関に組み込むとしています。

 これらは、議会、首長が緊張と均衡関係をもって自治体を運営することで、互いに独断や暴走を防ぐ事を目的としている憲法に定められた、二元代表制を事実上否定し、地方議会の権限を弱め形骸化させ、住民自治の縮小につながるものではないのか。

 この考えを先取りし、自分の提案を否決した議会をリコールしようとする名古屋市長について、市長の見解を伺います。

 3に、市長は、自治体の機能と役割を弱め、地方自治を壊す地域主権改革を批判すべきではないのか。千葉市行政改革プランに「地域主権改革の進展」を取り入れてなど5点の記述は削除することを求めます。

 基本姿勢のその2、熊谷市長の1年6か月について

 全国最年少市長として颯爽と登場した熊谷市長は、マスコミにも頻繁に登場し、来訪者にも積極的に会い、公約のモノレール事業延伸凍結や周産期医療センターの実現、平和市長会議加盟、団体との防災協定締結など市政に新風を吹き込みました。

 一方で、ごみ収集回数の削減、ごみの不適正排出者への罰則など、市民意見を聞かずに強引に進め、新年度予算では国民健康保険料・下水道使用料・保育料を値上げし、難病見舞金・鍼灸マッサージ券・敬老会補助金など市民福祉を切り下げて、あわせて52億円もの福祉サービスの切り下げを行いました。引き続く補正予算でも、公共施設の利用料値上げ、CCセンター諸室の利用料・いきいきプラザ入浴料の新設など、市民サービスをカットし続けています。

 1に、以上申し上げた熊谷市長の市政執行について、どんな反省をしているのか。

 2に、「財政危機だからカットや負担増は当然」との手法は、市長のマニフェストにある「財政危機を理由にコストカットはしない」との約束に反するものであり、公約違反であることを認めるか。

 3に、そしてサービスを受ける側の関係者市民の声は一切聞かずに、その制度ができた経緯や役割を検証もしないままにカットしたことは、市長のマニフェストにある「市民はパートナー」「説明責任を果たす」にも違反していることを認めるか。

 次に、市民の間からは市政に対する批判は多々ありますが、一つだけ紹介すると、敬老会に出席した時のことでした。案内の人が来賓に対して「参加者が少ないので驚かないでくださいね」というんです。どんちょうが開いたら本当にパラパラで140〜50人です。昨年までは400人から参加していたようです。主催者が挨拶で「集まりが悪くてすみません。市が敬老会の助成金を減らしたので」と謝っているんです。昨年までは、対象が70歳以上で一人当たりの助成金は830円だったのが、75歳以上650円に減額されたため、今年は招待する対象が75歳以上になり、お土産も大幅にダウンしたとのことです。こうした事態は各地域で起こり、「市長が180円を削ったために、高齢者をがっかりさせている」と厳しい批判が出ています。

 1に、この現実に対する感想を伺います。

 2に、一人当たり180円の削減が、70歳以上12万6,828人の高齢者の年に一回の楽しみを奪い、悲しませていることを反省して元に戻すべきではないか。

 3に、いきいきプラザ入浴料金を市民税非課税の人は、無料か減免を求めるがどうか。

基本姿勢のその3、平成23年度予算編成について

 (1)基本的事項とアクションプランに関連した幾つかの問題点についてです。

 1は、依命通達2・予算編成基本方針の1「財政健全化行政改革」の中で、「既存の事務事業については聖域無く、既成概念にとらわれない大胆な事業の整理合理化、徹底した見直しをする」とあります。

 千葉市全体の方針中、蘇我臨海開発、千葉駅西口再開発も聖域なく、徹底した見直しをすべきではないか。

 2は、主な事業の見直しについてです。

 1に、事業の見直し37事業、補助金の適正化26事業が列記されています。東京フィル提携事業縮小・休止と舞台芸術観賞事業補助金縮小・廃止は、市民が文化・芸術を観賞し心を豊かにする機会を減らすことにつながります。政府が文化芸術予算を減らしていることに対し、ピアニストの中村紘子さんは「文化芸術は人間を造る基本につながる。その予算を削る超近視眼的見方は駄目。夢を育てる文化力が国を支えていく。政治家は50年、100年後の未来を考えて献身的に努力してほしい」と語っています。中村さんの発言への市長の感想を求めます。また、千葉市の文化事業はカットしないで継続すべきではないか。

 2に、障害者住宅改造費助成への所得制限導入は、ノーマライゼーションに逆行しないか。

 3に、高齢者福祉事業の見直しは10事業と群を抜いています。若い熊谷市長は高齢者を大事にする気持ちが薄いのではないですか。

 対象事業の中で、老人集いの家運営事業を廃止する理由として公的施設の整備を上げているが、そこまで行ける人はいいが、自宅から300メートル歩行が限度という高齢者はたくさんいます。補助金の見直しはしたとしても、老人集いの家制度は存続すべきでは。

 (2)子ども医療費を千葉県並に

 アクションプランには子ども医療費の改善が見当たりません。

 千葉県は、12月から小学校3年生までの医療費無料化を実施し、また森田知事は来年度から小学校卒業まで拡大することを明らかにしました。

 12月1日現在県内の54自治体中、中学校卒業まで実施が9自治体。小学校6年生までが12自治体。小学校3年生までが32自治体。千葉市だけが小学校就学前のままであります。

 そして来年度からは、千葉市を除く32自治体は小学校卒業まで延長する予定です。

 こうなると千葉市だけが取り残され、同じ千葉県民でありながら著しい福祉格差が生じることになります。市内在住の子どもを持つ父母ががっかりするし、若い人達が結婚してどんな町に住みたいか選択する時、ITで子育ての環境を見て決めるようですが、こども医療費助成小学校就学前の千葉市に移り住みたいなんて思うでしょうか。このままでは子育ての環境が一番遅れた千葉市になってしまいます。

 1に、速やかに小学校3年生までの医療費無料化の実現をすべきではないか。

 2に、続いて小学校卒業までの無料の見通しを示すべきではないか。

 3に、市長は、千葉県の子ども医療費単独補助金を他自治体同様、2分の1にすることを森田知事と精力的に交渉して実現することを求めるがどうか。

 (3)収支不足への対応と財政健全化について

 依命通達は、新年度約135億円の収支不足を明らかにしています。

 財源確保の提案は、財政危機の原因である、大型開発の抜本的見直しであります。

 1は、千葉駅西口再開発事業を先延ばしすることです。西口再開発の21年度末残事業費は172億38百万円で、B棟分を除いても60億円です。今日まで歴代市長が手を付けられなかったビル建設を、なぜ最も財政が厳しい4年間に、わざわざ莫大な事業費を注ぎ込むのか。事業開始以来20年以上空き地が広がってきた西口でビル建設がおくれても、広場整備が遅れても多くの市民は理解するでしょう。この事業を財政が安定するまで先延ばしして172億円余の財源を市民生活に回すことを求めます。

 2は、蘇我特定地区開発の抜本的見直しです。蘇我スポーツ公園整備事業の残事業費は、「広場」の見直し等で23億円減額して140億円になる予定ですが、さらに事業縮減などすべきです。また、蘇我駅周辺の整備は151億円ありますが、緊急に必要な予算だけに縮小すること。大型開発を見直した財源で収支不足を補い、市民生活に振り向けることを求めます。

 3は、不公平な扱いを受けている千葉県単独事業は、21年度決算で38事業16億5,685万円に上ります。共産党市議団は11月22日森田県知事を訪ねて、千葉市への適正な補助金交付をするように文書をもって要求してきました。不公平な扱いの原因は、政令市移行の時の知事と市長の約束、しがらみにあります。しがらみの無いことを売り物にしている熊谷市長がなぜ大胆に改善を求められないのか。

 4は、健全化判断指標に影響のない借金の活用です。臨時財政対策債およびリース方式の有効な活用によって財源の確保、事業の推進を求めます。

 5は、市民サービスを削っての財政再建はだれでもできます。厳しい市民生活の中で、市民福祉・サービスの維持をしながら財政健全化を進めることを提起します。以上の財源対策や様々な創意工夫を行い地方自治法の本旨「住民福祉の増進」を図ることを求めます。

 (4)循環型公共事業・循環型経済対策について

 財政危機で、市民生活が厳しい時、市の行う事業が循環して市民が元気になり地域経済が活性化して行くことが大事だと思います。私どもは「千葉市元気サイクル」と銘打っています。

 1は、例えば現在2,083人の待機者がいる特別養護老人ホームの建設を急ぐことです。調査したところ市内のホーム80人定員の施設は、施設長・事務員・介護職員などと、併設のディサービスも合わせた職員数は、常勤39人非常勤46人に加えて派遣の調理員8人の合計93人です。すなわち特別養護老人ホーム1か所建設すると、仕事が地元業者に回り雇用が生まれる。80人の待機者が入所できる。特養ホームで働く人が93人増える。介護用品や食材納入が増える。その結果市税収入も増えて、投資した税金は循環するわけです。以上の経済効果に対する見解を求めるとともに、特別養護老人ホームの建設を急ぐよう提案し、答弁を求めます。

 2は、住宅リフォーム条例を制定して事業を進めることであります。

 H17年6月に創設された「地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備に関する法律」は、地方公共団体が地域住宅計画に基づく事業に、「地域住宅交付金」の交付を決めました。H22年度より他の交付金と統合されて「社会資本整備総合交付金」と改められています。

 いすみ市は、この交付金の提案事業として県を経由し、45%交付を受けています。全国でこの制度を活用して、住宅リフォーム補助制度を実施している自治体は、札幌市、東京足立区、町田市等です。いすみ市の事業は、10年4月〜5月の実績は申請件数77件、助成金交付額9,571,000円、見積金額1億2,001万円、投入資金に対する倍率は12.5倍です。

 工事内容は、増築・改築・トイレ改修・門設置・コンクリート舗装・塗装・畳替えなど多方面にわたり多くの業種が参加しています。そして、いすみ市が支出した9,57万円のうち45%、430万円は「国から交付金が交付される」といすみ市も千葉県も言明しています。なお、いすみ市はその後、市民からの高まる要望に応えて6月と9月に2回の補正予算を組み、11月22日現在、予算3,230万円。受託件数210件に到達し、見積額は3億6,900万円に達しています。質問しますが、

 1に、住宅リフォーム補助制度の効果についてどう認識するか。早期実現を求めます。

 2に、冷え込んだ建設土木造園業などに仕事が回り地域経済を活性化する有効な事業であると思うがどうか。

 3に、仕事を受注できる業者は市内業者の大工、土木、造園など市内業者に限定し、資材の購入も市内商店などに限定するため市内の経済を暖めると思うがどうか。

 4に、支出した予算の12倍から15倍の経済効果があると思うがどうか。他自治体の調査をしたことがあるのか。

 5に、「社会資本整備総合交付金」のうち、地域住宅交付金から45%交付されるので有効活用すべきと思うがどうか。

 6に、社会資本である市民の住宅が整備され、市内業者に仕事が増えて、市内商店の売り上げも増えて、その結果、市税収入も増える循環型の経済対策として極めて有効な制度だと思うが。

 基本方針のその4、千葉市の外郭団体経営見直し指針と指定管理者の更新について

 1に、私が6月議会で行った、外郭団体経営見直し指針にかかわる質問は反響をよび、多くの外郭団体職員から感謝されました。また、わが党が行ったプロパー職員へのアンケートには、たくさんの回答が寄せられています。「自分の意見を聞いてもらう場所が無なかったのでアンケートに書くことができた。感謝しています」「市職員と同じ思いで市民の仕事に一所懸命頑張ってきたのに、先行き不安に追い込まれるのは納得が行かない」「子育てと家のローンを抱えています。定年まで雇用が続くように」など、切実で率直な多くの意見に、私も心が痛みました。

 以上のようなアンケートへの声について、市長の感想をお聞きします。そして、職員の思いを最大限受け止めて温かい対応を求めますがどうか。

 2に、私は先の質問で外郭団体が指定管理者になっている施設で、更新が予定されている72施設157人のプロパー職員の雇用を守るため、非公募にすることを提案しましたが、市長は拒否しました。

 和陽園の公募は無いようですが公募は、70施設129人となったようです。もし全部更新ができなかった場合は、約40億円の委託料収入が外郭団体から減額となり、その中には、プロパー職員129人の給与総額8億7,631万円の収入減が含まれます。市長は給与総額8億7,631万円を一般会計から新たに繰り入れるのですか。

 財政危機をさらに深刻にして、プロパー職員をさらに不安に追い込むことをなぜするのですか。

 3に、重ねて、外郭団体が指定管理者になっている72施設を非公募にして、今後5年間で体制などを整えていくこと。157人のプロパー職員の雇用を守ることを提案しますが答弁を求めます。

財政局

 (1)公契約条例制定について

 庁舎等管理契約が、そこで働く労働者に適正な賃金を支払うことができる契約額になっているのか。市役所本庁・各区役所・消防署・競輪場など庁舎の管理・保守には委託業務が多数あります。その中で、労働者の賃金を調査したところ、一か月の給料が16万円とか、年間にすると200万円以下でまさにワーキングプアー状態です。

 1に、当局は実態を調査、掌握しているのか。

 2に、市役所の業務委託料が安すぎて会社が適正な賃金を支払うことができないのではないか。その改善を求めるがどうか。

 3に、庁舎管理で働く労働者や、公共事業の工事現場で働く人達に適正な労務賃金が支払われるために、公契約条例の制定を急ぐべきではないか。

 (2)小規模修繕登録制度について

 長い間地域経済を支えてきた中小零細建設業者は、どん底の不況で明日が見えない状況にあり、その打開のために行政の効果的な事業が待たれています。その一つとして、全国的に実績を上げている、小規模修繕登録制度があります。千葉市も検討をしていますが、早期実現を望見ます。

 1に、現在検討している制度の概要について伺います。

 2に、名簿の登録は、通常の入札参加資格者名簿との重複をやめて、公共事業受注機会のなかった事業者に仕事が回るようにすること。

 3に、対象案件は新潟市並みの100万円以上、もしくは150万円ぐらいまで引き上げること。

 4に、登録に必要な書類は新潟市や四街道市のように2種類ぐらいにしてはどうか。

 5に、登録予定時期は新年度4月からスタートできないか。

 以上、求めます。

保健福祉局

 (1)国民健康保険

 1に、政府は国保の広域化を進めようとしている。これは、社会保障である国保に対する国の責任を放棄し地方に押しつけ、被保険者の国保料を大幅に引き上げようとするものです。国に中止を求めること。

 2に、千葉市の一般会計からの法定外繰入金は、08年度40億2,502万円あったのに、10年度は3億2,954万円に激減している。新年度は、政府に補助金の増額を求めるとともに、一般会計からの法定外繰入金を08年度水準に戻すよう求めます。

 (2)家具転倒防止金具取り付け制度創設

 地震災害時被災者の怪我や死亡の大きな原因である家具の転倒を予防するために、家具転倒防止金具取り付けの実施を何回も求めてきました。

 1に、保健福祉局は今年度予算要求したけど見送られたようですが、その概要は、一世帯に取り付ける予定金具の数は幾つで、代金はだれが負担するのか。出張料、取付料は市が援助するのか。仮に65歳以上の一人暮らし高齢世帯の26,000世帯と、身体障害者手帳1〜2級所持者で一人暮らし障害者の世帯数1,900世帯のうち、1,000世帯分を対象とした場合、その経費は幾らになるか。新年度はぜひ実施するよう求めますがどうか。

 2に、併せて市民全体に家具転倒防止金具取り付けを奨励することです。必要な金具の紹介と、取り付けが困難な市民には専門家を紹介できるように、建設業界や土建組合などと相談して派遣できるシステムを作ることを提案しますがどうか。

 (3)墓地の造成について

 1に、若葉区大草町墓地建設反対の請願を議会が全会一致で採決しているのに、市はお寺の建設を認めた。市長は議会の意思決定を尊重していないのか。

 2に、宗教法人は「墓地を建設しない」といっているが、檀信徒墓地建設をしない、ということなのか。それをどんな場所で、宗教法人のどんな責任のある人物が言明したのか。

 3に、市長が、墓地建設反対の請願採択をした議会の意思決定を尊重するなら、宗教法人真宗高田派専修寺関東別院の代表から「墓地を建設しない」との確約を取るよう求めるが。

子ども未来局

 (1)保育所、待機児、建て替えについて

 1に、「子ども・子育て新システム」は、幼稚園と保育所を廃止し「こども園」に一本化を軸として、営利企業が参入する。利用者の入所申込は、事業所との直接契約になります。

 現行制度では、市町村が保育を保障する責任を負っている。事業所と直接契約は、この公的責任を解体し、親の自己責任に変えるものですが、市長は容認できるのか。

 2に、また、保育所の利用料は社会保障として所得に応じた「応能負担」になっていますが、「こども園」の利用料は、受けたサービスへの支払いという「応益負担」となり、「公定価格」しか払えない人は必要な保育が受けられなくなる危険がある。市長は、社会保障としての公的保育を解体し、親の経済力で保育に格差が生まれてしまう「こども園」について中止を求めるべきではないか。

 3に、千葉市の待機児童解消のため、老朽化した保育所の建替を求めます。築40年からのぼろぼろになっている木造保育所6箇所を、リース方式で新年度一変に建て替えしても10年償還1億円ぐらいでできます。リース代金は実質交債費比率に影響しません。定員も増やせば待機児童解消にもつながる。実施を求めるが。

経済農政局

 (1)千葉市農業の発展について

 日本がTPP参加することは、日本農業に破滅的な打撃を与え、農水省の試算によれば日本の食糧自給率が13%にまで落ち込み、国民の食の安全と安定的な食糧供給を根底から破壊します。農林漁業は地域経済と関連産業を支え、雇用を支え、国土と環境を守る多面的な役割を果たしています。この役割を否定することは、地域経済を破壊し、日本経済を壊し、国土と環境を破壊するものです。

 1に、TPP参加が千葉市農業と地域経済に与える影響についてどうか。

 2に、農業・食料などは、市場任せにしない公正なルールが必要であり、食料主権を政府に求めること。

 3に、日本と千葉市農業と、食の安全を守るため、TPP参加中止を政府に求めるべきではないか。

 4に、農業後継者育成のため、新規農業参入者に1か月15万円の支援費支給を求めます。

建設局

 (1)集中豪雨・ゲリラ豪雨などによる浸水被害対策について

 1に、最近数年間の風水害の災害記録に、「床上、床下浸水や道路冠水は、発生する地域がある程度集中する傾向が見られる」とあるが、主にどのような地域なのか。

 2に、事前の対策が被害を防ぐ要で、例えば若葉区殿台町の被害地は過去は水害が出なかったのに、隣りの空き地は開発で2メートルからの直壁ができたことが原因であると住民の証言がある。事実だとすれば原因者による改善が必要ではないか。

 (2)下水道本管の汚水管マンホールの雨水噴き出しについて

 1に、大雨が降った時に、下水道本管の汚水マンホールから雨水がふき出る場所がありますが、本来あってはならないことと思うが、下水道管理部が把握している場所はどこか。原因は何か。

 2に、私の承知している場所で、若葉区千城台西小学校近くの対策と改善の見通しは。また、同じく都賀の台地域については、今まで改善を図ってきた対策と改善の見通しはどうか。

 (3)桜木霊園前の国道51号について

ここは、幅員が狭く大型車が交差するとギリギリで危険な状態で、早期改善が望まれている。市は、この対策として国道51号(北千葉バイパス)が京葉道路の側道を左折して、木更津方面へ車両が通過できるアクセス道路整備に向けた調査・促進を要望している。国道51号の現状を踏まえ、早期実現を求めるべきと思うが、現在の取り組み状況はどうか。

教育委員会

 (1)学校適正配置を30人学級で整理したデータに基づき再検討することについて

 1に、文部科学省は、2011年度から6年間で小中学校を35人学級に移行し、2017年度からの2年間で、小学校1・2年生をさらに30人学級にすすめる計画を決定しました。これに伴い、概算要求で教員を8,300人増員、2,247億円の予算要求をしました。来年度から1クラスの人数が見直される可能性が一段と強まってきたことは歓迎すべきことです。

 千葉市の学校適正配置計画は40人学級を前提としているが、仮に小中学校全部を35人学級及び30人学級で試算した場合の普通学級数と教員の増減について答弁を求めます。

 2に、35人学級及び30人学級で試算した場合の学級数と教員の増減について、千城台地区と花見川地区の学校毎の数値を明らかにしてください。

 3に、試算した学校ごとの数値を、地元代表協議会および地元住民に対して周知することを求めますがどうか。

 4に、新しい試算に基づく千葉市の適正配置対象校の見直し時期について、先の答弁で教育委員会は、「国の動向や県の学級編制基準改定を見て対応する」と答えています。国の来年度予算が来春に決まれば、一気に動き出すこの時期に、40人学級を前提とした基準のままで地元代表協議会を続行するのは適正を欠くことになります。来年度予算決定と千葉県の対応があるまでの間、地元代表協議会の議論を中断することが賢明ではないのか。

 5に、学級数の適正規模の下限を12学級としてるが、高州・高浜地区では地元代表協議会の意を受けて、8学級を認め前例となりました。場合によって地元代表協議会の意向があれば8学級以下でも認めることはあるのか。

 6に、地元代表協議会を私も傍聴しましたが、熱心に審議されていて敬意を表します。ただ各学校の生徒の父母や、各学区の住民の声を反映するシステムが不十分だと思います。これは、地元説明会を最初に1回しか開かなかった教育委員会の責任だと思います。私どもも地域で生徒の父母や住民からいろんな意見をお聞きしますが、この声が地元代表協議会に反映されるよう次の提案をします。

 地元説明会をもう一度開催して地元代表協議会の中間報告を行い、住民の意見を出してもらうこと。また、父母および住民の声を自由に書き込める用紙を作り、学校や自治会から配布して地元代表協議会に届くようにすること。

 以上お答えください。

<2回目>

 地域主権改革に対する答弁は、住民の自己責任を求め行政の責任を曖昧にするなど到底認められないことを明らかにしておきます。

1、収支不足への対応、大型開発の抜本的見直し

 蘇我臨海開発や千葉駅西口再開発を聖域にしないことを要求して質問しました。答弁は「最大限の見直しを行った」と言い、「今後も社会経済状況を勘案し、必要に応じて見直す」とあります。

 しかし、千葉駅西口再開発は、H21年度末の残事業費172億円で、見直しはされていません。

蘇我特定地区では、蘇我スポーツ公園事業は一部見直しで、事業費23億円削減しましたが、残事業費は140億円です。蘇我駅周辺の整備は151億円そっくり残っています。以上3事業の合計は463億円であります。

 1に、なぜ千葉駅西口再開発、蘇我スポーツ公園事業、蘇我駅周辺の整備事業を推進し、多額の予算を投入するのか。

 その理由は、先に答弁した「将来の活力のため優先的に取り組む分野や都市の魅力を高める施策に重点的に予算配分」という方針に沿って進めているのですか。

 だとすれば、大型開発は「街の活性化・雇用確保と税の涵養」といって進め、結果全国ワースト1の財政危機を招いた今までの市政と、熊谷市政は同じではないのか。

 2に、来年度135億円の収支不足で、またまた市民福祉・サービスを削ろうとしていますが、そうではなくて、千葉駅西口再開発、蘇我スポーツ公園事業、蘇我駅周辺の整備事業を「聖域なく、既成概念にとらわれず大胆で徹底した見直し」することを重ねて求めます。

 3に、不公平な扱いを受けている県単事業の是正について、副知事と副市長の窓口は大切にしながら、市長が強い決意で望むべきですがどうか。

2、熊谷市長の1年6月について

 熊谷市長の1年6月について、冷静に事実に基づいて指摘し、財政健全化のために市民サービス・福祉切り下げが、市民生活に深刻な影響を与えていることを指摘し、転換を求めました。

 市長は、「自分の市政運営は間違っていない」と、マニフェストを引用して説明する答弁だったと思います。

 1に、マニフェストで「財政危機を理由に福祉カットはしない」と公約した市長が、それを反古にする理由として、同じマニフェストの中の「未来への投資で全国に誇れる県都千葉市の実現」「未来への希望、将来に向けた活力を確保するため、財政健全化が最優先課題と考えていることから、市民福祉・サービスを選択と集中のもと実施していく」として、数々の市民福祉・サービス削減を正当化する答弁をしています。

 「財政危機を理由に福祉カットはしない」との公約を信じて、熊谷市長に投票した市民への背信行為ではないのか。マニフェストを都合よく使い分けて、市民を惑わすようなことは止めるべきですがどうか。

 2に、市長は、「未来への投資」や「将来に向けた活力を確保」するために、現在千葉市で生活している多くの市民に我慢することを求めています。これは大変飛躍した考え方であり、多くの市民は納得できないのではないでしょうか。

 未来も現在も差別しないで、いま千葉市に住んでいる市民全体の幸せのために、事業展開と予算配分を求めますがどうか。

 1つは、具体的には今年度市長が大幅カットした事業のうち、市民生活にとって切実な事業は元に戻すことを提案します。難病見舞金支給事業、敬老会等助成事業、シルバー健康入浴券支給事業、幼稚園就園奨励費、CCセンター利用料有料化、いきいきプラザ入浴料有料化などであります。

 2つは、子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種については、接種を希望するすべての対象者が受けられるようPRすべきですがどうか。

 3つは、国民健康保険料の一般会計からの繰入を08年度水準に戻し、高すぎる保険料を一世帯1万円引き下げること。

 4つは、子どもの医療費が千葉県内で千葉市だけ置いてきぼり、最下位は許されません。速やかに小学校3年生まで無料にして、小学校6年生までを急ぐよう重ねて求めます。

 5つは、国と協力して、75歳以上の医療費本人負担の無料化を目指すこと。

 以上、答弁を求めます。

3、循環型公共事業について

 財政危機で市民生活が厳しく地域経済が落ち込んでいる時に、地域経済が活性化して市民が元気になる税金の使い道を提案しました。

 1は、住宅リフォーム助成についてです。

 秋田県は人口108万人、千葉市は97万人で人口的にも近く、予算額は21億6,000万円で、経済波及効果は512億円です。

 千葉市が秋田県の10%、2億円を投資した場合、経済波及効果51億円が期待されます。「社会資本整備総合交付金」が活用でき、2億円の45%、9千万円が国から交付されます。

 2は、家具転倒防止金具の取り付けです。

 地震の時の市民の命と安全を守ることになります。一世帯の取り付け料金は7,500円で、金具代金は2,000円です。

 10万世帯として、7億5,000万円の仕事と金具販売で2億円になります。

 3は、特養ホームの設置です。

 5か所の設置で、400人が入所でき、450人の雇用が創出します。

 4は、保育所建て替え・リース方式や生活道路についてです。

 仕事が増え雇用が発生します。福祉が向上し、安全が前進します。税収が増えます。

 地域経済が疲弊している時こそ、地域密着・循環型公共事業・循環型経済対策の促進を重ねて求めます。

4、学校適正化について

 1に、35人学級、30人学級編制の場合の学級数と教員数を試算に基づいた、新たな学級数の推計で、適正配置対象校を見直すとともに、広く周知していくとの答弁でした。

 国は、6年間で35人学級に、7年後には低学年から30人学級編制の方針で進めているわけですから、千葉市の学校適正化は今後、30人学級編制の試算に基づく適正規模で協議していくべきですがどうか。

 2に、現在協議中の千城台地区地元代表協議会及び、これから協議する花見川地区については、30人学級編制の試算に基づく、各学校の適正規模を速やかに示し、それに基づいて協議してもらうことを提案するがどうか。

 3に、中間報告の地元説明会は、大規模でなくてもよいと思います。小学校区ごとなど、できるだけ集まりやすい単位で開き、多くの関係者が意見を述べられようにすべきです。また、意見を書き込む用紙の配布を重ねて要求するがどうか。

<3回目>

 市長は大型開発の抜本的見直しをなぜできないのか。千葉駅西口再開発、蘇我スポーツ公園事業、蘇我駅周辺の整備事業が10年・15年先延ばしになっても、市民生活にはほとんど影響はありません。しかし、三つの事業に450億円注ぎ込んで、その分、福祉・サービスを削られることは、市民生活をますます厳しい事態に追い込むことを認識し、聖域なく大型開発の見直しを行なうよう強く求めます。

 循環方公共事業について「できる限り予算を確保する」との答弁であり、強力に進めて頂きたい。そして、私どもの提案した「住宅リフォーム助成制度」の早期実現を重ねて求めておきます。

1、子ども医療費について

 子どもの医療費無料化は、小学校6年生までは厳しいとの答弁ですが、森田知事は意欲的です。全県の自治体が足並みを揃えることを望んでいるようです。千葉市の対応が遅れて、全県の6年生までの無料化が遅れるようなことがあってはなりません。県の動向に合わせて実施することを求めますがどうか。

 そして、引き続き中学校3年生までの実施を求めておきます。

2、不公平な扱いを受けている県単事業補助金について

 最後にもう一度、不公平な扱いを受けている県単事業補助金16億5,685万円を確保するため、市長自ら思い切って対応することを求めます。

 1に、千葉市議会はH22年3月19日、「千葉市への県支出金を他自治体と同じ補助率にするよう求める」意見書を採択しています。市議会の力強い後押しを市長は正面から受け止めているのですか。

 2に、日本共産党市議団は11月22日、知事へ要望して交渉しました。12月1日には、県議会で日本共産党・小松実県議会議員が本会議で知事に是正を要求しました。日本共産党市議団は、12月20日に再び千葉県総務部と交渉を予定しています。

 私どもも賢明に頑張っていることを承知しているのか。

 3に、市長は本気で断固とした決意で望むべきです。千葉市は県事業負担金、幕張メッセ負担金、港湾整備負担金他、合計26億6,464万円負担しています。

 森田知事が千葉市への県単補助金の是正を拒んだら、県事業負担金26億6,464万円から16億5,685万円を差し引いて納入する姿勢で望むことを求めます。