小関としゆき議員の一般質問

2010.12.13

写真1、水害対策について

 9月8日の台風9号の影響で千葉市内に記録的集中豪雨が発生し、各区に大きな被害をもたらしました。

 とくに、稲毛区では草野水路が氾濫し、稲毛3丁目周辺に大きな被害をもたらしました。

 私も現地調査を数回行い、被害を受けた方々から、お話しを伺いました。「後片付けには、3〜4日もかかった」「もう、ここには住めないと言って、引越しした方もいる」「これは天災ではなく、人災だ」などの声が聞かれました。

 その後、11月28日に稲毛小学校体育館で「住民説明会」が開かれました。それも踏まえ、改めて質問します。

 1つは、千葉市内ではここ数年、1時間の雨量が50mmを超える集中豪雨が記録されていますが、この数値を踏まえて、今年3月に水防計画を改定したのか。また、その計画は、今年9月8日の集中豪雨では、どのような対応をしたのか。

 2つは、被害総額についてです。前回の福永議員の質問に、「被害総額は把握していない」とのことでした。その後、調査はされたのでしょうか。被害調査は、報告を聞くだけでなく、地域を訪問調査するべきです。お答え下さい。

 3つは、大雨に対する情報の収集についてです。千葉市域は、銚子地方気象台が情報を発表し、水防警報の場合は、総合防災課が市長、副市長はじめ関係部局長に連絡するとともに、関係各課長及び区長に伝達し、それを受けた関係各課長及び区長は速やかに適切な措置を講じ、関係出先機関等に伝達することになっています。9月8日の気象情報は把握されていたのか。それに対する各関係部局への連絡と、それに対する対策をどのように行なったのか。

 4つは、今回の大雨により雨水が汚水管にまで流れ込み、汚水があふれ出したところがあります。今後、どのような防止策を考えているのでしょうか。

 5つは、雨水管や水路などに対する対策についてです。千葉市の雨水管や水路は、1時間50mmまでの雨量に耐えられるようになっています。9月8日の集中豪雨は、1時間70〜80mmの雨量を記録しました。今後も、こうした大雨は予測されますが、その対策をどのように考えているのでしょうか。

 6つは、被害を受けた方々への支援についてです。床上浸水には、罹災者に3万円の見舞金が支給されます。罹災した方々の被害は、大小さまざまです。その中には、車の浸水で100万円以上の被害をこうむった方もいます。全額補償とはいかなくとも、被害状況に応じた見舞金を支給すべきです。

 7つは、草野水路の氾濫に対する今後の対策についてです。11月28日の説明会では、二度とこのような事が起きないように、早急の対策を求める声が続出しました。同時に、問題を解決する構えと、当面の具体策が示されなかったことに、不満や不安の声も聞かれました。そこで、伺います。

 第1に、昨年8月9日の集中豪雨時の問題についてです。この日の豪雨でも、稲毛3丁目の草野水路はあふれ、道路が冠水しました。その時に、近くの住民のみなさんは市に対策を求めましたが、市はどのような対策をおこなってきたのでしょうか。

 第2に、市の取り組む構えについてです。被害を受けた住民のみなさんは、経済的な打撃だけでなく、精神的にも大きな打撃を受けました。ゲリラ豪雨は年々増加傾向にあり、住民のみなさんは「また、起こるのでは」との不安を抱えながら暮らしています。もし、千葉市が予算上の問題などを出して、少しでも曖昧な態度をとるならば、市民の不安をあおることになります。

 市民の切実な思いに応えるためにも、予算上の優先順位を高めるとともに、解決のために全力で取り組む構えや決意をお聞かせ下さい。

 第3に、第19地区町内自治会連絡協議会から提案されている「草野水路氾濫対策要望書」についてです。同要望書は、短期、中期、長期の観点から、水路の浚渫や警報システムの充実、バイパスや調整池の設置など具体的な対策を要望しています。

 この要望書は、被害にあった住民のみなさんが、真剣に考えぬいて提案しているものです。これに対する千葉市の受け止めと、当面の具体的対策についてお答え下さい。

 第4に、排水機場についてです。市内には7つの排水機場がありますが、それぞれの役割と排水能力をお答えください。

 第5に、草野排水機場についてです。11月28日の説明会では、「草野排水機場は高潮対策のもので、排水能力はそれほどない」との説明でした。ところが、草野排水機場の上流で氾濫しているのですから、県とも協議をして草野排水機場の改善強化を検討すべきではないでしょうか。

 第6に、千葉市水防計画の河川等の巡視箇所について、基準があるのでしょうか。そこに草野水路が入っていないのはなぜか、伺います。

2、独居高齢者の安否確認について

 何らかの理由で独り暮らしをしなければならない高齢者が年々増加しており、千葉市内で26,347人にもなっています。

 そのもとで、過去3年間に千葉市内の公的住宅だけで140人が孤独死しています。一般住宅については「わからない」とのことですが、一般住宅も加えるとその何倍にもなると思われます。

 さる9月3日、稲毛区の市営住宅に住んでいた方は、死後5日から6日経っていて腐敗した状態で発見されました。また、つい先日、同じ市営住宅で、80才の女性の姿が見えないと心配した近所の方が、ドアポストから中をのぞいて見ると廊下で倒れている女性を発見、救急車を呼んで病院に搬送し一命を取り留めたとのことでした。もし発見が遅れていたら命を失うところでした。

 9月3日に死亡し発見された方は、以前に老人福祉電話を設置していましたが、有料になったので返上したそうです。

千葉市ではいくつかの孤独死対策を実施していますが、十分とは思えません。そこで伺います。

 1つは、千葉市内の26,347人の独り暮らしの高齢者のうち、老人福祉電話や緊急通報装置を設置している方は1,768人、約6.7%しかいません。その原因はどこにあると考えますか。

 2つは、老人福祉電話や緊急通報装置の設置されている数があまりにも少ない状況ですが、周知徹底はどのようにされているのでしょうか。

 3つは、民生委員の方も一人暮らし高齢者の安否確認に頑張っていただいていますが、担当する高齢者の方が多く十分に訪問することができないのが実態ではないですか。その対策として、2006年の第2回定例会で当局は、「地域の協力体制づくりが必要と考え、今後十分協議する」とのことでした。その後、どのように地域で協力体制が進んでいるのでしょうか。

 4つは、安否確認の取り組みについて、大宮台団地で新聞配達員が行っているようですが、その効果はどうか。また、美浜区幸町でのモデル事業「千葉市みまも〜れ幸町」を国の補助を受けて実施していますが、この取り組み状況はどうか。

 5つは、孤独死の実態は、公的住宅しか把握されていませんが、独り暮らしの世帯は把握しているのですから調査し、実態を把握すべきです。

3、公共交通のあり方について

 路線バスの運行は、利用者の声も聞かずに採算が取れない路線は、バス会社の都合で切り捨てられています。

 交通不便地域において、高齢者の外出支援や交通不便地域の解消など、多くの市民から路線バスやコミュニティバスの運行が求められています。前回の議会でも質問しましたが、どのように進められているのか方向性が見えてきません。伺います。

 1つは、総合交通政策会議が8月に発足しましたが、この会議では、交通不便地域の解消については、どんな議論がされたのでしょうか。

 2つは、現在運行しているコミュニティバスの利用状況と採算はどうか。

 3つは、コミュニティバスの運行を求める声は、どの地域から出されていますか。それに対する計画はどうなっていますか。

 4つは、総合交通政策会議メンバーに、交通弱者である市民代表の参加を求めましたが、必要に応じてアンケートを実施するとのことでした。アンケートは実施されたのか。アンケートに寄せられた要望や意見などについて伺います。

 5つは、稲毛区千草台団地から稲毛区役所経由、JR稲毛駅までと、緑町黒砂方面からJR稲毛駅や稲毛区役所へのコミュニティバスの運行を総合交通政策会議で議論し対応を考えているとのことでしたが、その議論と計画状況について伺います。

4、市営住宅について

 市営住宅への22年度入居応募数は、4月が47戸に対して1,130人で24倍、8月は40戸に対して988人で24.7倍、10月は42戸に対し960人で22.9倍であり、平均しますと24倍の倍率です。早急な改善を求め質問します。

 1つは、千葉市市営住宅の21年度末までの落選回数につて伺います。

 2つは、2001年に作成した千葉市住宅マスタープランでは2015年までに9,000戸にする計画ですが、その計画に変更はないのか、また9,000戸にするには、あと約1,800戸必要になります。その計画は。

 3つは、現在の千葉市市営住宅入居倍率について、どのように認識していますか。

 4つは、2010年度までの2次5か年計画の市営住宅の整備計画では、仁戸名町117戸と宮野木町第1団地の1期工事で114戸完了しましたが、残りの111戸の完了予定はいつになるのか。また、その他の建替えとなっている桜木町・轟第3・第4団地の計画を示して下さい。

 5つは、用途廃止計画で園生第1、宮野木町第2、居待谷、大宮町第1、南町の合計空家戸数97戸が廃止される予定です。用途廃止計画の理由と跡地活用の計画を伺います。

 6つは、耐震性能が劣る空家住宅が73戸ありますが、耐震改修を行ない入居できるようにするのか。

 7つは、住戸の改善についての2011年度案を策定中のようですが、どこの団地を対象にしているのか。また、2013年度以降の改善計画はどこの団地なのか。

5、道路の整備について

 1つは、稲毛町4丁目から5丁目に抜ける京成電鉄千葉線交差部が高架になっていますが、道路も狭く高さは2.5mと低くて救急車や消防車は通ることができません。この地域で災害が発生した場合、遠回りして対応しなければなりません。緊急時に対応するために、緊急車両が通れるように改善を求めてきましたが、どのような対応がされてきたのか。

 2つは、稲毛町5丁目・稲毛126号線、稲毛自動車教習所から、その先の550番地先までの道路は、稲毛小学校や稲毛中学校の通学路になっていますが、道路幅が狭くカーブで見通しが悪いうえ、歩道も一部しかないので、子どもたちも「ここを通るのは怖い」と言っていました。子どもたちが安心して通学できるよう道路の拡幅と歩道の整備を求めます。

 3つは、主要地方道・穴川天戸線の園生町835−1、ファミレス「とんでん」前から園生大橋を越えた道路ですが、ここは以前沼地で地盤が軟弱のため市立高校建替えの時には、大型車が通ると地震と間違えるほどの揺れがあり、周辺住民から大型車両の通行を止めて欲しいとの要望が出され、一定の改修が行われたところです。しかし最近、また震動がひどくなり住民からは、「応急的な改修ではなく、抜本的に直してほしい」との声があがっています。抜本的な改修を求めます。

(2回目)

1.水害対策について

 今年3月に改定した水防計画は、1時間50mmを越える集中豪雨を反映しての改定ではないとの答弁でした。近年は、50mmを越える集中豪雨が何度も記録され、9月8日の集中豪雨では、大変な被害が出ているわけですから、こうした実態を踏まえ、改めて改定すべきです。お答え下さい。

 個人の家屋被害について調査していないということですが、なぜ調査しなかったのか。被害額を調査して実態を把握してこそ、今後の対策を考えることができるのではないでしょうか。伺います。

 11月28日の説明会でも、住民のみなさんは、二度とこのようなことがないように、早急の対策を求めていましたが、具体的な対策は明らかにされませんでした。水路の浚渫や警戒態勢の強化などは、すぐにできることです。早急の実施を求めます。

 昨年8月9日に、草野水路があふれ出した時の雨量は1時間66.5mmでした。当時、4人の住民のみなさんが、下水道維持課に対して対策を申し入れましたが、その時の対応が土のう積みや土砂の堆積状況の確認だったとの答弁でした。今回の水害では、その時の教訓が生かされていません。

 昨年の住民のみなさんの対策要望をどのように受け止めたのでしょうか。

 これだけ大きな被害が出ているのに、わずかな見舞金では、冷たい対応ではないでしょうか。見舞金は、被害に応じて支給することを求めます。

 排水機場のあり方についてです。大規模な貯留管や水路のバイパス、調整池の建設は、長期間かかります。今ある排水機場を、高潮のときだけに稼動するのではなく、今回のような満潮時と集中豪雨が重なる時にも対応できるように改修すべきです。

 草野水路が水防計画の巡視箇所に入っていないのは、草野水路が河川法で定める河川ではないからだということでした。しかし、今回、氾濫しているわけですから、千葉市が独自に巡視箇所にすべきです。

2.独居高齢者の安否確認について

 緊急通報装置を設置するのに、基準額で66,000円もかかります。わずかな年金で暮らしている高齢者にとっては、負担が重いのではないでしょうか。緊急通報装置の設置に伴う経過負担について、さらなる補助をすべきではないか。

 安心電話は、シルバー人材活用センターに664世帯しか登録されていません。これでは、あまりにも少ないのではないのか。登録数を増やすべきです。

 26,347人の一人暮らしの高齢者に安心電話や緊急通報装置の制度について、個別にパンフレット等で知らせることが必要です。見解を伺います。

 大宮台団地での新聞配達員の安否確認や幸町団地で行なっている、み・まもーれ事業では、成果もあり、高齢者に喜ばれています。この両事業をさらに広め、高齢者が安心して暮らせるように、取り組むことを求めます。

3.公共交通について

 総合交通政策会議で交通不便地域の解消について、19政令指定都市の公共交通を調査し、その中で交通不便地域の考え方をまとめたとのことでした。どのようにまとめたのでしょうか。

 本市の交通不便地域の定義の見直しや、その対策について、議論するということですが、その予定について伺います。

 コミュニティバスの利用状況は、あまり良くないということでした。これは当然だと思います。バス会社が採算面を見て運行しないから、コミュニティバスを運行しているわけです。採算面だけで考慮するのではなく、交通不便地域をどう支援するのかが課題だと思います。改めてコミュニティバスの認識について伺います。

 路線バスの対応をバス業者に要請しているが、採算性の問題から運行に至っていないとのことでした。バス業者が赤字を見込んで運行することは、ありえないと思います。運行するためには、バス業者への市からの支援が必要ではないでしょうか。その考えについて伺います。

 コミュニティバスに対する市民の要望は切実です。コミュニティバスの導入を拡大するよう求めます。

4.市営住宅について

 国土交通省の08年度の統計では、公営住宅の応募倍率は全国平均で8.6倍、千葉県では13.7倍です。それから見ますと、千葉市の市営住宅の入居倍率は約24倍ですから、いかに千葉市の市営住宅が不足しているかがわかります。この実態をどのように受け止めているのでしょうか。

 応募に対して落選した中には、連続して10回以上が133人、5回以上が181人、最高は54回も落選した方がいるのです。この問題は、絶対数で市営住宅が不足しているからです。その対策を具体的にどのように計画していくのか。

 市営住宅に入居したい市民のみなさんの願いに応えるためには、建て替えを計画している宮野木町第1団地2期工事、桜木団地、轟第3、同第4団地の工事を早急に行なうことを求めます。

 ストック戸数が不足しているわけですから、用途廃止を中止して、建替えることです。また、老朽化している市営住宅の改修については、予算を増やして2012年度以降の計画を前倒しして、実施することを求めます。