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2011.2.15
昨年4月時点で、中小企業の振興を目的にした条例は15の都道県、41の区市町で制定されています。特に、2007年から09年にかけて10の道県、19区市町で制定されています。千葉県は、2007年3月16日に千葉県中小企業の振興に関する条例を制定しています。最近では、2月7日に埼玉県・戸田市議会が中小企業振興条例を全会一致で可決しています。 いま日本は長引く不況により経済は低迷しています。昨年6月18日、政府は「中小企業憲章」を閣議決定しました。 中小企業は「経済を牽引する力であり、社会の主役である」「国の総力をあげて、中小企業の持つ個性や可能性を存分に伸ばし、どんな問題も中小企業の立場で考えていく。中小企業が光り輝き、もって、安定的で活力のある経済と豊かな国民生活が実現されるよう、中小企業憲章を定める」としました。いまこそ家計をあたため、内需拡大にむけた取り組みを進めていくことが必要です。先日、市内で開催された千葉県中小企業家同友会主催の中小企業元気戦略セミナーに参加をし、「中小企業を元気にするためにはどうすべきか」と、経営者の方々と討論を行ないました。同友会の方のまとめでは、「中小企業は地域の雇用を守り、地域を支えている」とのことでした。政策や立場の違いをこえて、中小企業振興にむけ、共通の認識となりました。千葉市の経済や中小企業の状況など、産業構造の分析が欠かせません。行政と企業、関係機関、農業関係者、市民で知恵を出し合い、千葉市の経済の方向性の議論が求められています。こうした分析と議論が千葉市の地域づくり、地域内循環型経済につながるものと考えます。 この条例に関する重要な点について述べさせていただきます。 第1の点は、条例の制定または経済振興策・計画をつくるうえでも、その過程が重要であるということです。大阪府吹田市では住民参加型の条例づくりを進め、業者団体や消費者団体などによる協議で進められ、当初は「吹田市商工業振興対策協議会」のメンバーではなかった中小企業家同友会の方々が委員として参加されるなど、条例の議論を重視していました。千葉市においても大事なことは、中小企業の育成や地域経済振興、地域づくりのために、千葉市、中小企業、大企業、大学、団体、市民の役割を明確にすることです。 北海道十勝の中心都市である帯広市では、帯広商工会議所と中小企業家同友会、そして帯広市の3者による協働で条例の内容の検討を始めて、条例制定後には、中小企業振興協議会が発足し、「創業・モノづくり部会」「経営基盤・人材部会」「交流部会」「産業基盤部会」の4つの部会をつくり、各部会や委員会でまとめられたもの提言書にし、提言内容は「帯広市産業振興ビジョン」に活かされる形となりました。 第2の点は、千葉県の中小企業振興に関する条例とあわせ、千葉市経済の実情にあわせて自治体と企業、住民が協力をして、地域内再投資力をつくることであります。これまでの地域経済活性化対策として、高速道路などの大型道路・空港・港湾などへの投資を行ない、企業誘致を進めることによって「地域の活性化」を図るというものでした。一時的な投資であっても、地域経済の持続的な発展にはつながりません。地域に根ざして再投資を繰り返し、地域に雇用と所得、税収を生み出す中小企業や農家、協同組合、NPО、そして地方自治体が量でも質でも地域内で投資をする力量をつけて、地域における連携を強化することが必要です。 こうしたことから条例制定検討委員会のあり方は、単に補助金や融資などをおこなうための根拠条例を検討するためのものではなく、また条例の内容について協議するだけでなく、千葉市と中小業者、住民の共同を積み重ね、制定検討委員会や必要に応じて設置する部会において、あらゆる意見を出し合い、議論を通じて、千葉市にあった自主的な振興策を打ち出していくことに中心を置きます。この条例検討委員会で出された要望・提案、議論された内容をもとに、政策立案をおこなう千葉市の職員が具体的に練り上げ、振興条例に結び付けていくことが目的です。 地域経済の活性化が必要であることは、みなさんも共通の思いではないでしょうか。先輩・同僚議員の賛同をお願いいたしまして提案理由の説明を終わります。 |