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2011.2.21
【熊谷市長】 ○ 国政と市政の問題について 菅民主党政権への評価は、国民に示したマニフェストを政権獲得後、財源などの問題が噴出。再度政権の目標や順位を国民にわかりやすく示すべきだ。市長としては、国の制度変更で地方への影響が大きく、地方と十分対話し課題解決に臨んでほしい。国政の混乱は、国際的にも悪影響であり与野党の建設的議論を行うべきだ。 国の新年度予算は、基礎的財政収支対象経費と新規国債発行額を抑制したが、2年連続で新規国債発行額が税収を上回った。国債の格付け低下など今後の金利上昇が懸念される。一方、地方への財政対策は、地方税収の増収見込みの中、地方交付税の増額、臨時財政対策債の減額で地方財政に一定の配慮があり、地域主権改革で財源の充実が図らあれると評価している。 税制改革では、法人税減税は国際競争力の維持・強化、対日投資促進の観点からのものであり、消費税増税を含めた税制改正は「税と社会保障の一体改革」の中で検討されているので、市民生活や市政運営にも影響するので協議を注視したい。公約については、改正時期など方向性が示されていないので、現時点では判断できないが、消費税は地方に配分される交付税の重要な原資・財源になるので、国民の理解を得て適切な時期に見直すべきだ。消費税は、社会保障や国民負担のあり方、国と地方の税源配分のあり方など十分な議論が必要だ。安定した財源確保には所得税などの直接税から消費税などの間接税へシフトする直間比率見直しは、公平な税負担から必要だと考える。 TPPについては、日本経済が輸出依存度が高いため、輸出産業の競争力を高める必要があるが、農業への影響と対策、自由化の枠組みなど国での議論が必要だ。千葉市の農業生産への影響は、米・落花生など7品目で減少額は23億6千万円だ。農業以外への影響は試算していないが、輸出産業や原材料等を輸入する事業所ではメリットが大きい。 維持可能な街づくりには、行政に頼らない市民の自助・共助意識が必要だ。市の支出は、20年後30年後を想定したものに改めていく。人口減少社会でも他都市より減少が緩やかで年代構成のバランスがとれた活力ある街づくりが必要だ。市民・団体・企業・大学などと行政が連携し、「市民一人ひとりから始まるまちづくり」に転換する。これまでの量的拡大から市民生活の質的向上へ転換する「都市機能を集約化した都市づくり」。地方分権改革への対応や自立的経営への行財政改革の強化。産業振興や賑わいの創出をすすめ、千葉市に住んでもらえる街づくりに取り組む。こうした考えに基づき、新基本計画を策定している。 実質公債費比率はH21年度決算時の政令市平均12.7%、将来負担比率は168.1%で深刻な財政状況だが、政令市移行後、再開発事業や大規模な道路整備など都市基盤整備を短期間で一気に推進してきた。少子高齢化の進展を見据えた街づくりへの転換が遅れたため、歳出規模が拡大。その財源に市債や債務負担行為、基金からの借り入れに依存し、財政危機の要因となった。危機の克服には、市民生活に大きな影響を与えず、行政運営の効率化、将来負担の軽減など健全化プランに基づき健全化を図る。 地域主権改革の理念は、国民、市民が自らの地域で主体的に行動し、行動と選択に責任を負う住民主体の考え方だ。住民により身近な基礎自治体の自由度を高めて行くことが基本だ。基本的に異論はないが、行政サービスについては、全て地方が責任を持つのではなく、社会保障制度などは国が財源とサービスの質について責任を持つことが基本であり、地方側の立場から国に主張している。 政令指定都市制度は、制度発足当初から道府県との役割分担で議論があり、基礎自治体として住民ニーズの把握に優れ、地域の実情に合った施策を住民監視のもと、効率的に運営することで住民福祉の向上が図れる。 ○ 市民要望の反映について 子どもの医療費は、昨年12月の県制度改正で、県内では千葉市だけが小学入学前までの状況で、早期に解消するため、本年8月から助成対象を小学3年まで拡大することにした。さらなる拡大は厳しい財政状況でもあり、県の動向を注視し、県内自治体や他政令市の状況を見ながら検討する。自己負担増額は、県の補助基準と合せたもので、制度の安定的運営を図る上で必要だ。県の補助率は、この間、副市長・副知事による協議を行い、各会派からの要請もあって4分の1に改定された。他政令市では、一般市同様2分の1の都市もあるが、首都圏の中で最高基準の横浜市・川崎市・相模原市と同じになったが、更なる引き上げは難しい。 校舎や屋内運動場の耐震補強工事、エレベーター設置に係る建築工事は、市内業者で施工可能であり、入札の参加資格を市内業者とした。なお、エレベーターの機械設置工事は、安全性の配慮から製造業者の責任施工とし、準市内・市外業者とした。 国・県事業負担金は、道路法や地方財政法で負担しているが、国直轄事業負担金は指定市からの長年の要望が一部実現し、業務取扱費(事務費)がH21年度限りで、維持管理費はH22年度限りで廃止となった。一方、県事業負担金は協定での負担であり、受益範囲内で負担していく。 ○ 大型開発について 西口再開発事業は、用地買収が完了し、土地の活用やJR千葉駅と駅ビルの建替えと相まって、玄関口にふさわしく、地域経済や観光面の活用に寄与する事業だ。 蘇我特定地区整備は、臨海部と蘇我駅周辺を整備することで、スポーツ施設や商業施設が整備され賑わいを創出している。スポーツ公園は、市民提案を募集し事業費の縮減へ計画の見直し作業を行っている。今後の事業推進は、市民意見を聞き、社会経済状況や事業の緊急性等を勘案し、検討していく。 ○ 土地開発公社解散問題について 指定市移行で都市基盤整備の推進に、土地開発公社の用地先行取得で道路や公園、学校施設等に活用してきたが、保有土地の一部が経済情勢の変化で早期事業化ができなくなり、借入金利息の増加など、将来の財政負担に歯止めをかけ、財政を健全化するために公社を解散するものだ。結果的にこのような事態を招いた重大さを重く受け止め、今後このような事態を招かないよう対応していく。金融機関は、市の債務保証があり、公社の求めに応じ融資してきたものだ。 ○ 指定管理者制度について 総務省通知は、制度導入のH15年以来、全国的に制度が定着する中、運用上の留意点周知するためのものだ。通知は、制度の趣旨を含め、これまでの千葉市の指定管理者制度の理解に沿った内容で、通知に違反する運用はないと考えている。公の施設の設置目標を達成するため有用な制度だと理解しており、今後も運用に努める。 スポーツ振興財団について、今回市民プールほか34施設の指定管理候補の選定で、審査基準「平等な利用確保」「施設の適正管理」「施設の効用の発揮」「施設管理能力」「その他市長が定める基準」「管理経費の縮減」の6項目で総合的に評価したものだ。配転割合は、「管理経費の縮減」が全体の3分の1、その他5項目で3分の2であり、経費節減より市民サービス向上を重視した内容で、総務省通知の「単なる価格競争にしない」にかなったものだ。プロパー職員の転籍は、「見直し指針」で外郭団体の統廃合に伴いプロパー職員の転籍調整を実施する予定だったが、今回の選定結果から余剰人員となったスポーツ振興財団のプロパー職員も転籍できるよう、プロパー職員の意向を確認し、再調整しているところだ。テルウェル東日本は、H13年4月2日設立、資本金30億円、従業員数は6,079人だ。事業内容は、食道・飲食店などの運営管理、体育施設等の運営管理・修繕など総合維持管理業務、公共施設の管理委託業務などで、日野市グラウンド、NTT千葉総合運動場、佐倉市志津コミュニティセンターの維持管理だ。私とテルウェル東日本との関係について、今回の選定は外部委員で構成する「評価委員会」の答申を踏まえたもので、恣意的な選定できない仕組みだ。 ○ 企業立地促進事業費について 補助金と企業立地・撤退の関連性は、グローバル化した経済社会で世界の経済情勢が日本経済に影響し、H20年のリーマンショック以降、日本は景気低迷が続いている。その下で企業や工場の撤退・閉鎖のリスクがあると認識する。本市では、立地企業の操業状況等の情報収集に努め、慎重な事務手続きを行っている。H12年度の補助開始以降、補助対象の工場で撤退・閉鎖した事例はない。企業立地の検討は、空港や高速道路等のインフラ、労働力確保、市場への接近性などを重要視しており、企業からも評価されている。補助制度は一定の有効性があり、引き続き雇用力の大きな製造業や成長が見込める先端技術産業などの誘致活動を進め、産業振興財団や千葉大亥鼻イノベーションプラザ等での産学連携の推進などに取り組み活性化を図る。 ○ 国民健康保険について 市町村が運営している国保の現状は財政不安定になりやすく、保険料が市町村ごとに異なるため不公平感があるなど構造的な要因がある。国保の運営に関し、都道府県単位の広域化の推進は必要なことだ。国保の再編・統合は国にも要望しているもの。広域化は事業運営や財政の安定化を目的にするもので、一般会計からの繰り入れをなくしたり、市町村人件費を削減するのが目的ではない。国保の財源は、保険料と公費で賄うのが原則で、給付と負担の公平性から保険料の値下げはできない。国庫支出金の増額など制度面の改善は、今後も国に働きかけていく。 健康づくりには、市民1人ひとりの正しい知識を持ち、自らの意思で個人が主体に行動すべきだ。各種検診事業の充実を図り、個人の健康づくり支援へ、行政と関係団体・一般企業などが一体で取り組んでいく。 ○ 障害者制度改革について 昨年6月の閣議決定された、改革のための「基本的な方向」で、障害者基本法の抜本改正など障害者に係る制度を集中的に改革するとしており、動向を注視したい。同法の施行でサービス利用の仕組み障害種別にかかわらず一元化され、地域生活や一般就労への移行促進が図られて、自立への支援体制が強化されたことは評価に値するものだ。 【藤代副市長】 ○ 予算への市民要望の反映について ワクチン接種は、国で新たに公的予防接種対象にすべき疾病・ワクチンはじめ、今後の予防接種全般の検討がされており、動向を注視しながら定期接種化を国に要望していく。副反応・健康被害救済は、国の法律や県市町村条例に基づく制度で、市民への周知を図り、接種の医療機関に副反応報告を徹底し、被害が生じた場合は救済に万全を期す。 家具転倒防止対策制度のついては、市政だよりやホームページへの掲載、地域の実情に明るい民生委員等を通じて対象世帯へ周知を図る。金具の取り付け業者は、工務店や個人事業主など対象を広げるよう検討しており、利用しやすい制度になるよう工夫する。 ○ 公契約条例の制定について 川崎市での条例制定は、全国2例目となるものだ。主な内容は、対象を予定価格6億円以上の工事と1千万円以上の業務委託契約のうち、規則で定めるもの等とし、賃金の下限額等を定めているが、詳細は規則への委任事項が多く、4月からの運用状況を見る必要がある。千葉市で制定にあたっては、労働条件等に関する法律に定めがあり、民間企業等への影響も懸念されるので、国や他市の状況の情報を収集して行きたい。 ○ 中小企業向け予算確保について 地元業者の育成など地域経済活性化に資する事業は可能な限り予算を確保し、新年度予算では道路の維持補修・改良や橋梁補修など土木事務所関連予算を増額し、家具転倒防止対策や防水板設置工事助成など新たな事業を実施する。 ○ はり・きゅう・マッサージについて はり・きゅう・マッサージ施設利用助成は、高齢者の健康保持増進を目的にしたものであり、鍼灸師・マッサージ師の生計維持のために実施しているのではない。千葉市は高齢者の対象が増加し事業費が増える中、手厚いサービスを一律に提供するのは困難であり、市民生活に配慮しながら見直した。 ○ 市職員の問題について 職員の人材育成の観点から能力・資質に応じた職員配置で多様な職務を経験するように努めている。女性の登用は、多様な市民ニーズに応えるため重要なことだと考えており、管理監督職に占める女性の割合は徐々に増加している。幹部職員に積極的に登用し、議場説明員などにも登用できるようにしたい。財政部門への女性職員の配置では、予算編成などを担当させてきたが、さらに男性職員の多かった部門へ女性職員を配置し女性ならではの観点で市民ニーズに応えていく。 職員の評価制度は、成積考課・意識考課・能力考課の3つの視点で評価しているが、公平・公正な評価へ全管理職対象に、考課者研修を毎年実施し、考課者と調整者の2段階評価を実施している。評価結果は、昇格・昇給に適切に反映されている。人事考課は単に職員を評価するだけでなく、人材育成の手段であり、上司との面接で職員育成・指導するなど能力開発や人材育成に努め、モチベーション向上や組織活性化につなげている。 ○ 高齢者施設整備について 特別養護老人ホームは、定員80人の施設を2か所、定員29人の施設2か所を整備している。新年度では、定員80人の施設1か所、定員30人の増床2か所の整備に着手する。今後も整備に取り組む。 ○ 旧市立病院跡地利用について 旧市立病院跡地は、一部を暫定的に職員駐車場や庁内各課の資材保管庫に活用しているが、建物の管理上からも利用法の早期決定が必要だ。敷地面積は1万uで、資産価値は4億9千万円程度だが、建物の解体費が約4億、解体後の土壌汚染調査費が約5千万、調査結果により、さらに多額の費用がかかることも見込まれ、さらに第1種低層住居専用地域で用途が制限されているなど、課題が多く全庁的な検討を続ける。 【徳永副市長】 ○ 毒ガス弾問題について 現在保管中の毒ガス弾を早期に無害化処理する必要があり、無害化処理の方法・安全性を市民に詳しい情報を早く提供し、事業への理解を得る必要がある。実施のスケジュールを考え、環境省が1月末に入札公告を行ったものだ。環境省は、「旧軍毒ガス弾等に関する全国調査結果」をまとめ、パンフやホームページで情報提供している。H22年12月19日の住民説明会で出た、安全性や処理経費に関する質問と環境省の処理を行う理由を、H23年3月13日の2回目の説明会で報告し、事業進捗に併せて住民説明会を開催するとされている。環境省のホームページでは今回の競争入札の開札は3月18日とされている。特定業者受注の噂や処理費用引き上げについては、承知していない。この毒ガス弾はびらん性の化学剤が充填されており、被災するとびらん、目の痛み、呼吸困難などの症状がある。無害化処理方法は、燃焼か制御爆破の2種類で、処理後の有害物質を含む残さ等は、産業廃棄物として適正処理される。受注実績は、(株)神戸製鋼だが、処理できる企業数を環境省で把握するのは困難だ。これまで、北海道屈斜路湖で回収された毒ガス弾は、弾殻から抽出した化学剤を化学処理で無害化したことがあり、現在は、福岡県苅田港で海中に投棄された毒ガス弾を制御爆破で無害化処理されている。国内の投棄された毒ガス弾の数は把握されていない。S37年に稲毛長沼原町の種苗農場から毒ガス弾を持ち帰り解体しようとして被災した例がある。中国での化学兵器廃棄の経緯と今回の毒ガス弾処理との関係は把握していない。 ○ 地域経済の活性化について 住宅リフォーム助成制度は、住宅の耐震改修、太陽光発電設備設置など、各目的に応じた助成を実施している。国・県・政令市の動向を見て、施策の優先度を検討したい。 小規模修繕等希望者登録制度の創設は、市内零細業者の保護育成で、学校や公民館、保育所など施設の小規模な修繕受注確保を目的に登録制度を創設する。本年10月頃予定している登録申請手続きを経て、H24年度からの運用を目指している。公共事業の分割受注は、国の「方針」で、規模や工種、工程面等から円滑・効率的な施工ができる工事は、できる限り分離・分割発注を行っている。 中小企業振興条例は、地域経済の発展を目指し産業ビジョン21に代わる新振興戦略の策定を進めている。その中で、中小企業を含め本市の方向や将来像、産業基盤強化への事業方針を盛り込む予定であり、中小企業を対象の条例制定は考えていない。中小企業の実態調査や分析は、産業振興戦略策定の一環で市内の約1000社対象に「意識調査」を実施し、まとめているところだ。 ○ 栄町の活性化について 賑わいの再生や安全・安心の環境づくりを基本方針に商店街の活性化を進めるため、商店街振興組合は、環境整備事業計画を策定し、関係者説明会の開催や振興組合の総会での承認を経て、アーケード撤去や街路灯・防犯カメラ設置など整備事業を実施している。市は、事業主体の商店街に対し、施工業者の選定は公募による入札を行う。入札結果や事業の進捗状況を広く組合員への周知を指導するなど、円滑な事業実施に向け助言してきた。今後、商店街が取り組むソフト事業に支援し、商店街との連携で地元合意に向け取り組んでいく。商店街が主体の環境整備事業や大学など多様な主体との連携でのソフト事業で、栄町地区の活性化が図られることは中心市街地の回遊性確保にとり重要だ。千葉駅西口地区など拠点形成を図るとともに、JR千葉駅再整備や商工会議所との連携で、まちなかプロムナード活性化事業、ミュージアムトライアングル連携事業など拠点をつなぐ施策を促進する。新基本計画にも中心市街地活性化を位置づけ、地元と賑わいの創出・回遊性向上に取り組む。 ○ 南部蘇我土地区画整理事業について この事業はH元年10月に組合事業としてすすめ、H16年3月に工事が概成、事業の最終段階の換地処分が残っているが、バブル崩壊後の地価下落で保留地処分金が減収し、銀行からの借入金18億1千万の返済が滞り、H20年10月に債権者の銀行3行による貸金請求訴訟が争われている。 南部蘇我土地区画整理組合は、蘇我町線導入や事業費見直しなど計画変更の都度、組合総会で地権者合意の上で進めてきた。市の指導は、法や規則に基づき適切に行ってきた。費用負担は、基本的に施行者の組合が負担すべきものだ。裁判所からは、解決策を見出すため、裁判所・原告・被告の話し合いに、市も参加するよう要請されている。この事業が換地処分できないと、換地・保留地を持つ市民は登記できず権利保全が図れないことになる。状況の打開へ、関係者の話し合いに市も参加し、関係者相互の理解を得て解決を図りたい。 【総務局長】 ○ 市職員の問題について 職員の病気・休養については、H23年2月1日現在で休職者数は全体で28名、うち消防局1名だ。10年前のH12年度の休職者は27名で、精神疾患13名、がん5人、脳血管疾患2名、その他7名で、H21年度は休職者数72名、内訳は精神疾患45名、がん14名、脳血管疾患4名、その他9名。休職者数、精神疾患ともに増加している。 職員の時間外勤務では、今年度、月1時間の時間外勤務縮減に取り組んでいる。その結果、12月までの月平均時間外勤務数は13.5時間で、昨年の同時期と比べ0.7時間減少し、効果が出ている。最高時間数は1か月に271時間で、業務内容は事務職で全国障害者スポーツ大会開催のため県へ派遣した職員だった。 臨時職員数は、H22年4月1日現在、臨時・非常勤職員2,782人で職員全体の27%を占めている。 ○ 地デジ問題について 東京スカイツリーはまだ供用されていないが、地デジ放送は行われている。東京タワーでも本市の大半で視聴可能となっている。一部地域で地形の影響等から電波が届かない地域はあるが、総務省の説明ではスカイツリーからの放送開始で解消するとしている。その間、暫定的に衛星放送での代替策を講じるとしている。スカイツリーは東京都心部の超高層ビルの電波障害を改善するもので、地デジ移行が目的ではない。アナログ放送停波は、H13年の電波法改正で決めたもので、スカイツリー未完成を理由にアナログ停波延期を国にお求めることは難しい。円滑に移行できるよう市民への周知には努めていく。東京タワーからの放送でも地デジアンテナへの交換で、市内では視聴可能な地域がほとんどだ。一部地域の難視聴もスカイツリーからの放送開始で解決すると聞いている。これまでの地デジ対策は無駄にはならない。経済的理由で地デジ移行が困難な世帯には、地デジチューナー支援実施センターで支援策の周知が実施されており、市でも区役所窓口にポスター掲示やパンフ配布を行っている。NHK受信料免除世帯には、NHKから直接知らせている。市としても周知に努めていく。 【環境局長】 ○ 大気汚染測定局の削減について 現在の監視体制は、市内大気汚染を測定する一般局が20局、道路沿いで自動車排出ガスを測定する自排局が7局の27局体制で、常時市内の大気汚染を監視している。一般局はS40年代に工場からの二酸化硫黄が問題になり、20局中18局がS50年代半ばまでに、中央区に9局設置された。一方、自排局はS40年代に市街地の幹線道路に、50年代に市内を通過する高速道路の排気ガスが 問題になり設置されたものだ。大気汚染状況は、当時と比べ改善されているが大気測定は、微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準が設定され、光化学スモッグの原因物質の1つの光化学オキシダントの監視強化など新たな課題に対応が必要だ。今回、環境審議会で現在の測定局を統廃合し新たな監視体制を、H24年度をめどに構築することにした。統廃合には地域ごとに説明会を実施する。これまでの測定局は、地域の環境保全や住民の健康維持に果たしてきた役割は大きく、得られたデータは貴重なものだ。大気汚染の現状は、かつての二酸化硫黄は工場の脱硫黄装置が整備され、当時の10分の1に、自動車排出ガスの一酸化炭素も技術革新で当時の5分の1になっている。企業や市民の環境に対する意識・関心が変化しており、大気汚染監視体制も時代に合った効率的・的確な把握が求められている。従来の監視機能を維持しつつ必要な見直しを行うものだ。 ○ 羽田空港の飛行騒音問題について 騒音などの苦情窓口は「国土交通省東京空港事務所」だが、市の環境規制課でも受けている。市への苦情等は国交省へ申し入れ改善を求めている。市への苦情件数は、H22年10月21日のD滑走路供用開始後、H23年1月31日までで71件あった。内容は、航空機騒音への苦情が圧倒的に多く60件、次いで騒音の調査・測定体制の充実や飛行ルートの分散化要望などだ。D滑走路使用前は、南風時には中央区・花見川区方面から磯辺付近を通過し、羽田空港に着陸していたが、D滑走路使用後は、南風の6時から23時までの昼間時間帯は、緑区方面から千葉港付近を通過する南ルートや若葉区方面から蘇我付近を通過する北ルートになった。この変更ルートで、陸上ルートに飛行経路が集中し、本来は海上ルートである時間帯でも、一部陸上ルートを通過する例が確認されている。国際線には、アジア諸国、アメリカ、ヨーロッパなど11か国が乗り入れているが、会社名・機種は把握していない。飛行高度は、南ルートは1500m、北ルートは1200mだ。騒音を軽減化するため、夜間は海上ルートとし、陸上ルートは飛行経路を分散すること。また、飛行高度はこれまでより300mから600m高度を上げることになっていた。一部、夜間に陸上ルートを通過した例では、所定の高度で飛行していた。飛行ルート下の3か所でH22年12月測定した結果では、W値55前後で、基準のW値70は超えていなかった。羽田空港の年間発着回数は、37万1千回で、H23年3月末からは39万回になり、H25年度中には44万7千回に増える。1時間当りの便数は、南風好天時で南ルートは23便から28便、北ルートは変わらず12便が市の上空を通過することになる。飛行回数増加での騒音は、冬場の南風時運用でも市民の苦情が多くあり、千葉県と関係25市町での連絡協議会で、飛行ルートの分散化と更に高度を上げるよう2月16日に国交省に申し入れた。今後も市内航空機の騒音状況に注視していく。 【市民局長】 ○ 自転車事故対策について 過去3年間の事故は、H20年1,188件、H21年1,205件、H22年1,234件で微増傾向にある。自転車に過失がある事故が増えているのは、歩道等を多数の自転車が走行することや携帯電話をしながらの運転が増えているからと考えられる。死亡事故では、自転車と自動車の衝突でH20年に3人、H21年に5人、H22年は3人亡くなっている。自転車と歩行者の衝突では、H20年からでは死亡事故はない。刑事・民事上の重い責任が問われたケースは、自転車にも運転ルールがあり、ルール無視して歩行者を死亡・障害を負わせた場合には、刑事で重過失致死罪、民事で賠償責任が発生する。自転車の事故防止のため、交通安全教室や安全キャンペーンを通じ、自転車マナー向上や交通ルール徹底な度啓発を図っている。市では交通安全計画で、自転車安全利用の促進について盛り込み強化していく。自転車が歩行者を死亡させた場合など不慮の事故に備え、有料の保険だが、自転車の整備点検時に加入できる賠償責任保険・障害保険の必要性を啓発していく。 【こども未来局長】 ○ 子ども・子育て新システムについて 国で、「基本制度」「幼保一体化」「こども指針」の3つのワーキングチームで検討されているが、未確定部分が多く、市民に不安を与えないよう国の動向を注視し、情報収集に努める。国には1月25日に制度設計はじめ国による財源確保、指定市の権限・業務・未就学児童の保育と教育の質の確保などを要請したが、今後も働きかけていく。千葉市の保育所整備は「待機児童解消、アクションプラン2010」を着実に進め、待機児童解消と保育の質の維持向上に努める。 ○ 児童虐待について 児童虐待の原因は、夫婦間暴力や生活困窮など家族環境の問題、児童能力、知識不足、精神疾患など保護者の状況、子どもが抱える障害などがあり、また社会的な孤立状況が複合的に関連している。改善には、主に児童相談所で保護者指導や子どもへのケア等を実施しているが、早期発見・早期対応の強化へ、今年度から各区のこども家庭課で軽微事例の安全確認、初期調査を行う。「要保護児童対策及びDV防止地域協議会」で、対象事例の進捗状況の確認、情報の共有、関係機関のネットワークで、生活全般の相談援助の充実を図っている。児童相談所では、各区の虐待対応強化のため実務者への研修・調査訪問等に同行など、専門的見地からの助言・指導を行っている。児童虐待相談等への対応強化へ、H17年度から21年度の5年間で、地区担当児童福祉司3人増員して14人にした。心理判定員は2人増やし6人に体制強化を図った。さらにH23年度には嘱託心理判定員1人増員、児童福祉司の増員も検討している。予算は、H23年度予算で嘱託職員の雇用、児童の直接処遇に係る一時保護所管理運営費など、今年度比で523万円増額した。 【都市局長】 ○ 駅の可動式ホームドア設置について 国は、ホームドア設置目安を「列車が駅に進入する速度が時速60`以上、かつ時間当りの運行本数が概ね12本以上」と指導している。千葉都市モノレールの進入速度は時速30`以下で、ホームの階段部は有効幅員が狭く、モノレール会社でのホームドア設置の予定はない。ホーム柵やホーム縁端部の滑り止め設置など安全対策は検討していく。JRや民間鉄道には「県JR線複線化等促進期成同盟」を通じ、プラットホーム転落事故への安全対策実施をJRには要望している。京成電鉄には要望していないが、国の動向を踏まえ安全対策を要望していく。 ○ 京成ちはら線の運賃値下げについて 千葉線に比べ初乗り3`までの運賃130円に対し180円、5`までは150円に対し240円、10`までは180円に対し330円となっている。H10年4月に経営破たんした千葉急行電鉄を継続した京成が、千葉急行の債務と鉄道営業権を引き継いだもので、破綻当時の国の許可を受けた運賃体系だ。千葉線の津田沼駅と京成千葉中央駅間は1日当たり約4万人利用し、運行経費の採算はとれているが、ちはら線の京成千葉中央駅とちはら台駅間は約1万8千人で、採算が確保できていないようだ。千葉市・市原市・千葉県と京成電鉄による「千原線整備促進検討会議」で、運賃値下げも要望している。 ○ 駅の転倒防止対策について 鉄道やモノレール会社は、駅舎の階段部分で段差表示や滑り止め、手すりの設置、段差解消などに努めており、転倒の恐れがある場所には更なる改善を要請する。 【建設局長】 ○ エスカレーター・エレベーター等の事故対策について 道路管理者所管のエスカレーターの事故発生件数は3年間で4件、H20年度3件、H22年度1件だ。事故原因は、不注意による足の踏み外しや飲酒での転倒で、これらの事故への防止対策は難しいが、安全利用へ点検を強めていく。手摺の利用や乗車位置等の安全な利用方法をアナウンスで注意喚起している。運転速度は「ガイドライン」を準拠し、毎分30mに設定している。 道路管理者所管のエレベーター事故は3年間で13件、H20年度5件、H21年度4件、H22年度4件で、封じ込め事故だった。原因は、感知器の誤作動、装置の不具合等によるものだ。事故対策は、定期点検で機械の調整を実施し、必用に応じて部品交換を行っている。 道路上での転倒事故は把握していないが、歩行者の道路階段事故は、管理瑕疵を問われた事例はない。クリスタルドームの階段下には、エスカレーターやペリエ入口、京成千葉駅への通路があり、周辺の影響との関係で構造の変更・改善は難しい。歩行者の安全性向上へ滑り止めなどの対策を検討していく。 【消防局長】 ○ 消防司令業務の共同運用について 共同運用は、高機能化された指令システムを県域2ブロックに集約し、大規模広域災害時に隣接市町村との連携、119番通報の受信能力の向上、導入経費の節減や通信員の低減など効率化を図り、消防力強化を目的としている。H20年2月の「県消防広域化推進計画」での消防本部を統合する広域化とは別なものだ。国の「消防広域化」は、人口規模を30万人とし、消防体制の整備・確立を図るものだ。千葉市はそれには該当しない。単独での消防体制維持が基本であり、広域化の予定はない。本市は、119番通報の受信能力向上や導入経費節減など効率化が図られ、大規模広域災害時には応援体制がスムーズに実施できるので、デメリットはない。高機能システムの取り扱いに集中的な訓練が必要なため、関係消防本部から派遣される職員の研修体制の検討や現司令業務を生かしつつ119番回線切り替え作業など、新システム移行時の運用面では慎重な対応が必要となる。不具合が生じた場合は、基幹となる部分が二重化されており、現用システムが停止した場合、自動的に予備システムに切り替わる機能がある。定期的な点検時に機能確認を行っており、予備システムへの切り替えはスムーズに実施できる。万一、システムが長時間停止した場合の対策は、通信員が手作業で119番通報処理と出動指令を行う訓練を実施しているが、システムが自動処理する場合と比べ処理時間が長くなり、更に訓練を重ねて能力向上に努める。 【教育長】 ○ 日本語指導の必要な子どもについて 昨年10月に実施した調査で日本語指導の必要な児童生徒は389人、言語別割合は中国語64%、フィリピノ語19%、スペイン語7%、韓国語・朝鮮語3%、その他の言語7%となっている。現在、中国語、フィリピノ語、スペイン語、韓国語・朝鮮語の4か国語の児童生徒に、11人の外国人指導協力員を派遣し、学校生活への適応から日常的な会話、学習言語へと段階的指導を行っている。多様な言語の児童生徒の編入が増え、学習言語を身に付けるには相当な時間が必要で、学級担任や教科担任、国際交流課との連携を図り指導を充実させていく。日本語指導が必要な児童生徒には、児童生徒指導協力員が学校と連携して、日本語の授業に参加できるよう指導し、保護者面談での通訳や保護者の個別相談にもきめ細かく対応している。保護者の関心に応え上級学校への進路指導も状況に応じて選択できるよう情報提供や個別学習支援を行っている。 ○ 教育環境の整備について エアコン設置への国の助成制度は、大規模改造工事を実施する場合に規定の補助単価の3分の1の補助がある。県には補助制度はなく、国には補助制度の充実、県には補助制度の創設を要望している。暑さ対策は、全学校の普通教室に扇風機2台設置したので、エアコンの設置予定はない。市独自の対応として、つる草の緑のカーテンの普及等で推進していく。夏季教室の室温測定等を行い現状把握に努めながら、先進市を調査し検討していく。 校庭の芝生化は、屋外活動の活発化、風での砂塵飛散緩和、地域と学校の交流機会増加などの効果がある。一方で、設置費用、維持管理のための人的負担、養生期間の使用制限などの課題もある。課題の解消へ新たな手法で実施している先進市や芝生化サポート団体などもあり、情報収集に努める。 ○ 教職員の職場環境について 5年間の病気休職している教職員は、H17年度26人、うち精神疾患13人、18年度35人、うち精神疾患23人、19年度33人、うち精神疾患22人、20年度44人、うち精神疾患27人、21年度45人、うち精神疾患22人だ。昨年末の文科省の調査では、H21年度の精神疾患の休職者数は過去最多だとされているが、千葉市では過去5年間で病気休職は若干増えているが、精神疾患での休職者は20人台で増加傾向にはない。精神疾患の原因を特定するのは困難だが、学級経営や生徒指導上の悩み、人事異動等の職場環境の変化、保護者や地域の要望の多様化、様々なストレスが要因だと考える。H20年度に教職員ヘルシーシステム事業を立ち上げ、心の健康問題の情報交換や検討を行う「メンタルサポート委員会」の設置、教職員への「メンタルヘルス研修会」開催、学校医等の「学校への巡回訪問」を実施している。H20年11月に「医師による面接指導に関する取扱要領」を制定し、勤務時間の報告を基に、学校長の指導助言や医師の面接指導などを実施し、長時間労働での疾病防止に努め、教職員の多忙化を軽減する目的で「勤務負担軽減検討会」を設置、校務分掌の適正化や調査照会等の縮減など具体的な解決策の検討を進めている。H13年度からH22年までの10年間で、正規教職員数は3,535人から3985人と450人増加している。この間、定数内臨時教職員数は学級数や退職者数が変動するため、年度で大きく異なるが最大はH20年度の147人、最小はH16年度の49人だ。全教職員に占める割合は、1.2%から3.5%で推移している。 ○ 子どもの権利条約について 人間尊重の教育を教育施策の基調に、わかる授業、楽しい教室、夢広がる学校づくりに努めている。学力を育むための個に応じた学習指導や、人間性の育成めざす農山村留学など各種体験活動を行い、多様な教育的支援充実へ教育環境の整備・充実を図っている。子どもたち一人ひとりが人格を持つ人間として尊重され、調和のとれた発達が図れるよう「まごころの教育」をすすめる。 |