あぐい武夫議員の一般質問

2011.6.16

写真 日本共産党千葉市議団の安喰武夫でございます。通告に従い、初めての質問をさせていただきます。よろしくお願い致します。

1、住民こそ主人公の市政運営について

 まず初めに、住民こそ主人公の市政運営についてです。

 この機会に、日本共産党市議団の一員として市政にどういう立場で取り組むのか、表明しておきたいと思います。同時に、市長にお聞きいたします。

 さて、みなさん。日本共産党は来月7月15日、党創立89周年を迎えます。1922年の党創立以来、主権在民と戦争反対を掲げ、国民の苦難の軽減のために力を尽くしてきました。その理想は、今日の日本国憲法の「国民主権と国家主権」「恒久平和主義」「基本的人権」「議会制民主主義」「地方自治」として結実しました。私は、日本共産党市議団の一員として、「日本国憲法を市民の暮らしに生かす」との立場に立って取り組むことを表明いたします。また、日本国憲法92条では、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを定める」としています。ここで示されている「地方自治の本旨」とは、「住民自治」と「団体自治」を内容とするものと解されています。その基本は、住民が主人公となって、自治体がその地域における諸問題を自主的に判断し、その責任において行動することができるというものです。地方自治法は、こうした観点から制定されており、その第1条の2では、地方自治体の基本は、「住民福祉の増進を図る」としています。つまり、自治体の第一の仕事は、住民の命とくらしを守り、発展させることです。今日、景気が低迷していた中で、東日本大震災と原発事故が起こり、国難ともいわれる重大事態となっています。そうした中で、国と地方自治体、そして議員の役割が鋭く問われています。私も地方議員の一員として、住民のみなさんから問われています。このような状況を踏まえ、私は「住民こそ主人公」をモットーに、住民のみなさんの命と暮らしを守り、医療や介護など福祉の充実をめざして力を尽くす決意です。そこで、市長にお聞きします。

 憲法と地方自治法にのっとれば、「住民こそ主人公」の立場に立ち、たとえ財政危機の中であっても、ムダ遣いを徹底してなくし、急ぐ必要のないものは先送りにするなどして、住民の命と暮らしを守ることを最優先にすべきと思いますが、どうでしょうか。お答え下さい。

2、東日本大震災への対応と災害に強いまちづくりについて

 次に、東日本大震災への対応と災害に強いまちづくりについてです。

 東日本大震災は甚大な被害をもたらし、警察庁の発表によると6月16日現在、死者15,441人、行方不明7,718人、避難者は14日現在で83,951人となっています。千葉市にも被災された方々が避難してきました。亡くなられたみなさんへ哀悼の意を表するとともに、被災されたみなさんにお見舞いを申し上げます。私は、日本共産党の救援ボランティアとして、6月2日から4日まで宮城県石巻市で、救援ボランティア活動をおこなってきました。

 これがその時の写真です。これは、日和山公園から見下ろした海沿いの被災地です。まちには風向きによっては魚の腐敗臭がただよっていました。下に降りると、「がんばろう!石巻」の大きな看板が設置され、一面、見渡す限り瓦礫と化していました。木材を再利用したいとのことで、住宅の解体作業をしました。側溝の土砂撤去もやりました。土砂の中から、中学生の写真入りの学生証が出てきたときには、「この子は助かったのだろうか」と、複雑な気持ちになりました。復旧していない駅前で救援物資の無料配布をはじめると、約600人の被災者のみなさんが集まってきました。今も物資が不足していることを実感しました。日本共産党の石巻救援対策センターには、土砂の撤去を求める要請などが次々と入り、改めてボランティアの必要性を実感しました。この活動は党派を超えて、みんなで取り組んでいきたいと思います。また、今回の大震災は千葉市でも大きな揺れを観測し、美浜区を中心に被害がもたらされました。そこで、質問いたします。

 1つは、東日本大震災の被災地への千葉市としての救援・復興活動の内容を明らかにして下さい。

 2つは、東日本大震災による千葉市の震度、津波の状況、液状化が発生した地域、その主な被害状況を明らかにして下さい。

 3つは、地震に強いまちづくりにとって重要な保育所・保育園・小中学校の耐震化についてです。現在の耐震化の状況と今後の計画を示して下さい。また、今回の地震による各施設への被害の内容について明らかにして下さい。

 4つは、災害に強いまちづくりという観点から、水害対策についてもお聞きします。今年は5月に統計史上初めて、2つの台風が本州に接近しました。「今年も豪雨が多いのではないか」と、不安の声が上がっています。さらに、大震災の後でもあり、道路・宅地の地盤沈下や、雨水管の亀裂などで、あらたな水害が起こる可能性があります。道路、雨水管などの総点検と、被害箇所の修繕は完了したのでしょうか。

 5つは、草野水路の水害対策についてです。わが党の小関寿幸議員が昨年の第4回定例会で質問したことを踏まえてお伺いします。

 まず、第19地区町内自治会連絡協議会が提案した「草野水路氾濫対策要望書」について、その後どんな対策がおこなわれたのでしょうか。また、草野水路を「水防計画の巡視箇所に盛り込むことを研究する」とのことでしたが、巡視箇所に盛り込まれたのでしょうか。お答え下さい。

3、原発事故への対策について

 次に、原発事故への対策についてです。

 福島第一原発事故は、核燃料棒の溶融など深刻な事態が次々と明らかになり、収束の見通しも見えないままです。県内でも野菜などへの放射能汚染が報告され、市民の不安は大きくなるとともに、東電、政府への不信も広がっています。この打開に向けて、日本共産党は、東電・政府が正確な情報をすべて公開し、国内外の研究者・技術者を総結集して、英知を発揮し、収束の展望を切り開くことを求めています。原発の「安全神話」が崩壊する中で、その危険性も知られるようになりました。とくに、使用済み核燃料は、大量の放射線を出し続けるもので、現在の技術では後始末ができません。原発は「未完成の技術」といわれるゆえんです。

 日本共産党は35年も前から国会で、その危険性を指摘し、「安全神話」からの脱却と、原発から自然エネルギーへの転換を求めてきました。また、日本共産党市議団は5月20日、「市民の安全を守るための放射能対策を求める要望書」を熊谷市長に提出しています。そこで、質問します。

 1つは、原発事故によって、千葉市の大気、土壌、水道水、下水の汚泥、焼却灰、農産物などに、どのような影響があらわれているでしょうか。数値も示し、明らかにして下さい。

 2つは、保育所・保育園、幼稚園、小学校の放射線量の測定についてです。小さなお子さんをもつ保護者のみなさんから、「放射能のことが頭から離れない」「子どもにかかわる施設の放射線量を測定してほしい」などの切実な声が、私のところにも寄せられています。千葉市は、こうした声におされて、6月6日と7日の二日間、保育所・幼稚園・小学校について各区1か所ずつ、計18か所を測定しました。その結果、放射線の専門家から、「この結果を見る限り、子どもたちの外遊びを心配するほどではない」とのコメントが寄せられています。しかし、原発事故は収束しておらず、今後の子どもたちの健康を考えれば、少なくとも、すべての保育所・保育園・幼稚園・小中学校を対象に、土壌も含めて定期的に放射線量を測定し、公表することが必要です。是非、千葉市が実施することを求めます。お答え下さい。

4、子ども医療費助成の拡充について

 次に、子ども医療費助成の拡充についてです。

 千葉市はやっと今年8月から、通院について小学校3年生までの医療費助成を実施することになりました。このことは、保護者のみなさんに喜ばれています。しかし、窓口負担を200円から300円にしたことは問題です。乳幼児をもつ保護者のみなさんにとっては値上げです。しかも、乳幼児は、小学生よりも病気にかかる頻度が高く、たとえ100円の値上げでも負担は大きくなります。これでは、子育て支援とはいえません。県内では、すでに小学校6年生や中学校3年生まで助成し、しかも所得制限なしで自己負担もゼロの自治体があります。そこで、質問します。県内市で通院医療費の助成対象を小学校6年生まで助成している自治体、また、それ以上の助成を実施している自治体は、それぞれ何市あるのでしょうか。さらに、その中で所得制限なしで窓口負担ゼロの自治体は、それぞれ何市あるのでしょうか。お答え下さい。

5、コミュニティバスの運行について

 最後に、コミュニティバスの運行についてです。

 昨年の9月議会でわが党の小関寿幸議員が、交通不便地域へのコミュニティバスの運行を求め質問しました。「総合交通政策会議」で議論し、施策の助言・提言を受けるとのことでした。また、必要に応じて住民のアンケートを実施するとの答弁もありました。今、地域では高齢化がすすみ、車の運転免許証を返上する人が増え、同時に、バス路線も減ってきています。稲毛区では、千草台団地や轟、作草部、黒砂地域などのみなさんから、「区役所などに行くバスがない」などの声が寄せられています。区役所や図書館、JR稲毛駅などを回るコミュニティバスの運行が、引き続き切実に求められています。そこで、質問します。

 総合交通政策会議の議論では、コミュニティバスの意義や必要性などについて、どのような内容で話し合われたのでしょうか。お答えください。

 以上で1回目の質問を終わります。

【一問一答】

1、住民が主人公の市政運営について

<総合政策局長の答弁>

 人的・財政的な制約が大きくなる中で、既存の事務事業は市民生活に配慮しつつ徹底的に見直すなど、行財政改革の取り組みを強化し、市民生活最優先の考えで市民福祉向上に資する事業へ人的・財政的資源を重点的に配分していく。

2、東日本大震災への対応と災害に強いまちづくりについて

<市民局長の答弁>

 人的応援で、消防職員・医師・看護師・保育士等、延べ481人(6/14現在)の職員を福島県、岩手県、宮城県、市原市、旭市の被災地へ派遣している。社会福祉協議会も避難者の生活支援に、のべ26名の職員を会津若松市へ派遣している。支援品は市からアルファ米等の備蓄食料3万5000食、市民からも防寒具等の救援物資を3・4月に第1次・2次2回に分けて募集し、岩手県・宮城県・旭市へ送った。

 市内の震度は、5強が中央区・花見川区・若葉区・美浜区、5弱が稲毛区・緑区だった。津波は地震発生日の11日15時30分に津波警報が発令され、第1派が16時34分に78センチ、18時18分に最大波93センチの津波が到達した。液状化は、美浜区が最も多く、主な被害は道路約44キロ、橋梁7橋、下水道は管路約7キロと処理施設1か所、公園75か所、学校150校の小中学校などで被害があった。住宅等は5月27日現在、全壊232件、一部破損730件発生した。

<こども未来局長の答弁>

 耐震性が問題だった公立保育所は、H21年度までにリース方式で全て建て替えた。民間保育園は、計画的に改築等を実施しており、残る1か所も早期改築に運営する法人と協議しているところだ。

 今回の地震で、市内60の公立保育所と45の民間保育園のうち、修繕が必要な被害があったのは公立保育所が15か所、民間保育園で8か所あった。美浜区の公立保育所8か所と民間保育園6か所は、液状化等で比較的大きな被害が生じた。内容は、外壁・ベランダ・所庭・園庭・非常階段が破損し、給排水・ガス・電気などの設備関係にも被害が出た。今後早期に工事を完了させ保育環境の回復に努める。

<教育次長の答弁>

 H22年度までに校舎125棟、屋内運動場43棟の耐震化が完成した。今年度は、校舎13棟、屋内運動場14棟の耐震補強工事を実施した。これで小・中学校の耐震化率はH23年度末で73.8%になる。今後は、H27年度までに校舎138棟、屋内運動場66棟の補強工事を実施する予定だ。

 主な被害は、地震などの振動で構造物に応力が生れないよう取り付けている「エキスパンションジョイントカバー」の破損が多くの学校で発生した。美浜区を中心に液状化現象で屋内運動場の床のゆがみ、校舎周りの通路やU字溝の沈下、校庭の亀裂・陥没等の被害が大きかったが、学校施設の構造部分に被害はなかった。

<建設局次長の答弁>

 地震発生直後から、職員が被災地区を緊急点検し、被害状況を確認した。道路は、通行機能と安全性確保へ、早急に修繕が必要な約300か所の応急復旧工事を行った。雨水管は、流下機能の確保へ土砂閉塞が確認された区間の管渠内土砂撤去を行い、汚水管も含め26か所で応急復旧工事を実施した。

 「草野水路氾濫対策要望書」での浚渫は、必要に応じ実施する。警報システムは、設置位置等を町内自治会と協議している。気象情報の配信システムは、安全・安心メールで情報提供し、「ちば減災プロジェクト」を活用していく。水防計画への巡視か所はまだ実施していないが、計画見直しと併せ研究していく。

3、原発事故への対策について

<環境局長の答弁>

 6月6日から8日、市内の保育所・幼稚園・小学校・公園、計20か所で空間放射線量率の測定を実施した。1時間当り0.09から0.24マイクロシーベルトだった。これらは文科省の示す、校舎・校庭等の利用判断とする暫定目安の1時間当り3.8マイクロシーベルトと土壌の入れ替えなど放射線量最低減策を実施する指標の1時間当り1マイクロシーベルトを下回っている。測定結果から子どもの外遊びを心配する値ではないと専門家のコメントもある。

 今後、定期的に測定は実施するが、測定地点、測定頻度など具体的な実施方法は県や県内自治体と協議・連携していく。土壌は国の指標を下回っており、今は土壌調査の必要はない。

<水道局長の答弁>

 市内の水道は、市域の大部分が県水道局の給水で、緑区・若葉区の一部を市水道局が、若葉区御成台を四街道市建設水道部が給水している。各水道事業者とも浄水場で放射線量を測定し、その結果をホームページで公開しているが、どこからも放射性物質は不検出だ。

<建設局次長の答弁>

 下水汚泥の放射性物質の測定結果は、1キロクラム当り、脱水汚泥で放射性ヨウ素16ベクレル、放射性セシウム366ベクレル検出され、焼却灰ではヨウ素の検出はなく、セシウムが5,420ベクレル検出された。

<経済農政局長の答弁>

 市内農産物への影響は、安全性の確認のため国の指示で千葉県が放射性物質のモニタリング検査を実施している。野菜は、3月24日にキャベツ、5月19日にホウレンソウを検査、ヨウ素・セシウムとも検出されなかった。原乳は4月18日の検査で、ヨウ素1.27ベクレル、セシウム0.7ベクレルといずれも暫定規制値以下だった。生茶葉は、5月24日に検査し、セシウムが427ベクレルで暫定規制値以下だった。

<保健福祉局次長の答弁>

 スーパーなど市内流通の農産物は、国の通知で、5月16日からホウレンソウや小松菜など放射線の影響を受けやすい葉物野菜等を中心に、毎週3検体ずつ検査しているが、今のところヨウ素・セシウムは検出されていない。

4、子どもの医療費について

<こども未来局長の答弁>

 県内市では、4月1日現在、通院医療費助成対象が小学6年までの自治体は6市、それ以上を対象にする自治体は10市だ。小学6年までが対象で所得制限がなく、かつ窓口負担がない自治体は2市、それ以上が対象の自治体は3市だ。

5、コミュニティバスの運行について

<都市局次長の答弁>

 総合交通政策会議では、コミュニティバスの意義、必要性を含め議論している。この中で、コミュニティバスの運行は、地域住民・行政・バス事業者の連携・協働が重要であり、市と地域住民の費用負担についての検討も必要などの意見が出ている。

(2回目)

<あぐい武夫議員>

1、住民こそ主人公の市政運営について

 先ほどの答弁では、「行政改革を一層強化しながら、市民生活優先の考えのもとで、福祉の向上に、人的・財政的資源を重点的に配分するよう努める」とのことでした。熊谷市長は初当選した直後の2009年6月の第2回定例会で、財政難を打開するために、「不要不急の公共投資を勇気を持って見直していかなければなりません。財政難を理由に拡充できなかった、もしくはカットされてきた、子育てや教育や医療や介護に、予算を重点的に配分するお金の使い方に変えてまいります」と所信を表明しました。その時、私は一市民として、この議場で傍聴しておりました。

 この時の所信は今も、変わらないのでしょうか。市長にお尋ねいたします。

<熊谷市長の答弁>

 H21年第2回定例会での表明したことの考え方は、今も変わっていない。その後の予算編成でも市民生活優先の考えのもとで、緊急性や必要性を勘案し、将来への投資として医療・子育て・教育・介護・絆社会の再生などに重点的に予算配分している。

<あぐい武夫議員>

 私は、市長の発言と実際の市政運営には乖離があると思っています。「住民こそ主人公」の立場に立って、たとえ財政が厳しい中でも、住民の福祉、暮らしを最優先にして、市政運営をしていただきたいことを重ねて強調します。子ども医療費や国保、千葉駅西口再開発など、今議会や今後の議会でただしていきたいと思います。いま、大震災によって被害を受けた市民のみなさんは、経済的にも精神的にもたいへんな苦労を強いられています。今こそ、こうした市民のみなさんに心を寄せ、支援することが求められています。このことを強く要望いたしまして、次に移ります。

2、東日本大震災への対応と災害に強いまちづくりについて

 千葉市としては、被災地に義援金と救援物資を送り、6月14日現在で、のべ481人の職員のみなさんを派遣したとのことです。ご協力いただいた市民のみなさんに、感謝申し上げます。また、被災地で救援活動に当たった職員のみなさんと職場から送り出していただいた職員のみなさんに敬意を表します。市のホームページに活動レポートが掲載されています。生存者の捜索とともに、32名のご遺体をご家族に届けられた活動や、避難所でいつでも相談できる雰囲気をつくって、悲しみと不安を抱える被災者に耳を傾ける活動など、すばらしい取り組みが報告されています。ぜひ、読んでいただきたいと思います。私も、救援ボランティアに参加することで、災害の恐ろしさを肌身で感じると同時に、災害に強い街づくりをすすめていく決意も新たにしました。私は、千葉市民のみなさんが救援ボランティアに一人でも多く参加することは、被災者の支援とともに、市民の防災意識を高め、災害に強い千葉市をつくる上でも重要なことだと確信しています。千葉市社会福祉協議会でも、職員のみなさんを被災地へ派遣し、がんばっています。千葉市ボランティアセンターのホームページでは、「災害情報ページ」も開設しており、敬意を表したいと思います。ただ残念なことに、そのトップページには「被災地へのボランティアについては、詳報をおまちください」とのメッセージが出ています。そこで、質問いたします。

 全国社会福祉協議会は、ホームページで「被災地の災害ボランティアセンターの設置がすすんできており、多くの方がたにご参加いただける状況になってきました」と呼びかけています。千葉市でも社会福祉協議会と連携して、積極的に市民ボランティアを募集してはどうでしょうか。

<保健福祉局次長の答弁>

 本市はボランティア募集や情報提供を社会福祉協議会が行っており、3月15日から災害ボランティア募集に関する情報提供をホームページ上で行っている。今後も被災地での活動を希望するボランティアに役立つ情報が入手できるよう内容の充実に努める。

<あぐい武夫議員>

 ぜひ、「ボランティアに行きたい」という人が、役立つ情報を速やかに得られるように改善して、ボランティア募集をどんどん発信していただきたいと思います。

 次は、救援ボランティアについての提案です。

 横浜市やさいたま市などでは、社会福祉協議会と連携し、ボランティアバスを運行し、市民ボランティアを募集しています。千葉市でもボランティアバスを運行することを提案します。お答えください。

<保健福祉局次長の答弁>

 ボランティアバスは、交通手段や宿泊先の確保、集団ボランティアとしての活動、現地のコーディネーターとの調整などで利便性が高く、ボランティアの参加促進などにも有効な手段であり、現地のニーズに応じて実施したい。

<あぐい武夫議員>

 「実施する方向で、協議する」とのことでした。ぜひ、実現していただきたいと思います。

 次に、津波問題についてです。

 1703年の元禄大地震では、横浜に3から4メートルほどの津波が、船橋でも2メートルほどの津波が到達したといわれています。横浜市は5月、国に東京湾内における津波対策の早急な見直しを要望し、自らも5月に「総合的な地震対策の考え方」を策定し、津波対策を位置づけています。東京湾内でも大津波の可能性があるとの認識に立つ必要があります。そこで、質問いたします。

 今回の大震災で稲毛海岸には、93cmの津波が到達したとのことでした。ところが、千葉市のホームページでも見られる「わが家の危機管理マニュアル」では、あえて「東京湾内で津波が発生する可能性は低いと思われます」とのべています。これは6月上旬にホームページで見た「マニュアル」です。12ページと16ページの2か所に書いてあります。これが12ページの拡大部分です。こちらが16ページの拡大部分です。現時点でも、「東京湾内で津波が発生する可能性は低い」との認識なのでしょうか。それとも「マニュアル」の記述を見直すことを考えているのでしょうか。お答え下さい。

<市民局長の答弁>

 今回の地震で津波が発生したので、マニュアルにある該当部分は削除した。

<あぐい武夫議員>

 「削除した」ということで、まずは安心しました。間違った情報が放置されれば、重大事態もおこります。市民のみなさんに発信している情報は、内容が変更になったり、認識が変われば、いち早く見直すことが必要です。そのことが「住民こそ主人公」の立場だと思います。

 次に、津波の遡上について質問いたします。昨日も報告がありましたが、今回の津波で浜野川があふれ出し、道路の冠水や床下浸水が起きました。津波が都川や草野水路などでも遡上した場合、被害をもたらす可能性があります。ところが、葭川(よしかわ)や草野水路などの水門は、高潮対策が目的です。これらの水門は、どのくらいの津波に耐えられるのでしょうか。3から4メートルの津波に耐えられない場合には、水門の改善・強化が必要と思います。お答え下さい。

<建設局次長の答弁>

 千葉県に確認したら、高潮は5メートルまで耐えられる構造だが、津波に対しては検討されていないとのことだった。

<あぐい武夫議員>

 「津波に対する検討はしていない」とのことですが、それでは、住民のみなさんは不安です。同じ高さでも、高波と津波では破壊力がまったくちがいます。今後、国や県など関係機関とも協議し、津波対策をとることを求めておきます。

 次は、小中学校の耐震化についてです。昨日も取り上げられました。保育所は完了し、民間保育園はあと1か所との答弁でした。ところが、小中学校の耐震化率は今年度で73.8%、まだ校舎と体育館を合わせると、204棟も残っています。今年のペースで行くと、4年で終わらず、7年半もかかります。そこで、質問いたします。

 南関東直下地震は今後30年間に、70%の確率で発生すると報告されています。この地震は明日、起こるかもしれません。子どもたちの命を守るためには、計画を前倒しでおこない、できるだけ早く完了させるべきではないでしょうか。お答え下さい。

<教育次長の答弁>

 学校施設は、児童・生徒が一日の大半を過ごす場であり、災害時には地域住民の非難場所の役割を果たすので、安全性の確保は重要だ。国の交付金等を最大限活用し、事業の前倒しに努める。

 大地震で被災した校舎周りの舗装等は、その後の余震等で陥没が更に拡大した学校もあるので、今回の補正予算で対応する。

<あぐい武夫議員>

 「可能な限り前倒しに努める」ということですが、子どもたちの命がかかっていることですから、努力目標にせず、真剣に取り組むよう重ねて求めておきます。

 次に、大震災で被害を受けた学校の修繕についてです。

 学校も美浜区を中心に大きな被害を受けているとのことでした。私は5月19日、稲毛区の小中台南小学校、千草台東小学校、都賀中学校を視察しました。耐震補強した校舎や体育館には、ほとんど被害はありませんでした。しかし、いずれも、田んぼの埋立地だったために、建物の周りの通路や階段が被害を受けていました。また、地震から1か月以上経ってから、アスファルトが陥没したり、天井板が落下するなどの被害が起こっています。これがその時の写真です。

 これは、校舎のまわりの地盤が沈下した小中台南小学校です。こちらは、渡り廊下が破損した同じく小中台南小学校です。これは、千草台東小学校プール脇のアスファルトの陥没です。これは、同じく千草台小学校プールの建物の庇の天井板が落下した部分です。最後は、都賀中学校の校舎から体育館に通じる階段の亀裂です。そこで、質問いたします。

 こうした、大震災後に起こった被害も大震災での被害箇所の中にカウントされているのでしょうか。今回の修繕のための補正予算に含まれるのでしょうか。修繕の時期についても伺います。被害箇所を一日でも放置すれば、子どもたちがケガをする可能性も増えます、また、子どもたちは、引き続き不便を強いられることになります。急いで修繕する必要があります。お答え下さい。

<教育次長の答弁>

 液状化現象で大きな被害を受けた学校施設は、H22年度3月補正予算とH23年度予備費で先行して修繕を進めている。夏休み中に完了見込みだ。被害の規模や範囲が限定的な学校施設は、今回の補正予算で復旧を図り、予算成立後速やかに着工し、9月末までには全ての修繕が完了見込みだ。復旧までの間、危険か所は一時立ち入り制限などの安全確保を図る。

<あぐい武夫議員>

 「今回の補正予算で対応する」とのことなので、了解いたしました。液状化などの大きな被害は夏休み中に、規模や範囲が限定的なものは9月末までにということで、確実に実施していただきたいと思います。

 次は、草野水路の水害問題についてです。

 写真が稲毛区の草野水路です。美浜区と比べると非常に狭くなっています。まず、町内自治会連絡協議会の要望書についてですが、浚渫は必要に応じて実施するとのことですが、「必要に応じて」とはどういう状況のときなのか、また、警報システムの設置について町内自治会と協議しているとのことですが、この夏の時期に間に合うように話し合われているのでしょうか。お伺いいたします。

<建設局次長の答弁>

 草野水路の浚渫は、水路の流下能力を阻害する土砂等の堆積を確認し、実施したい。警報システムの設置時期は8月末で、町内自治会と協議している。

<あぐい武夫議員>

 町内自治会のみなさんの意見をよく聞いて、警報システムの設置を急いでいただきたいと思います。浚渫は、「土砂などの堆積を確認した時に」と言うことであれば、水路の監視は、なおさら重要となります。そこで、草野水路を巡視箇所に盛り込むことについてです。「地域防災計画」の見直しに合わせて、研究するとのことですが、すでに大雨警報が発令される時期に突入しています。「地域防災計画」の見直しとは区別して、独自に巡視すべきではないでしょうか。お答え下さい。

<建設局次長の答弁>

 大雨警報が発令された時は巡視している。

<あぐい武夫議員>

 巡視を確実に実施していただきたいと思います。私もこの間、大雨洪水警報が発令された時には、現場に行っています。警報システムや巡視は重要ですが、水害を防ぐことはできません。そこで、質問いたします。

 水路が溢れないようにするためには、町内自治会連絡協議会の要望書にもありますが、調整池をどうしてもつくることが必要です。条件のあるところに調整池をつくることを提案します。お答え下さい。

<建設局次長の答弁>

 調整池の設置は、市街地での用地確保や工事などで、相当な期間と費用が必要で、実施は難しい。様々な被害軽減策を検討し、その中から経済的で早期の実施可能対策を講じていきたい。

<あぐい武夫議員>

 「難しい」とのことですが、今年は、すでに大雨警報が何度も発令されており、水害対策は緊急の課題です。「被害軽減策の検討を行い、実施可能な対策を早期に講じたい」とのことなので、住民のみなさんの意見も聞いて取り組んでいただきたいことを強調して、次にすすみます。

3、原発事故への対策について

 次は、原発事故への対策についてです。

 今のところ、基準値を上回るものはなかったとのことです。しかし、原発事故は収束の見通しがなく、放射線量を一度測ればすむものではありません。また、長雨で土壌の放射性物質が流れ、水溜りに集まるなど、同じ地域でも放射線量が変わる可能性があります。そこで伺います。

 すべての保育所や幼稚園、小中学校などの放射線測定についてです。「定期的な測定はするが、測定地点と測定頻度など具体的な実施方法は、県と県内自治体と協議、連携していく」ということでした。保護者のみなさんは日々、不安を募らせています。この不安の解消と子どもたちの安全・健康のためには、数値データを明らかにし、それに基づく対策以外にありません。市の責任で取り組むべきです。再度、お答え下さい。

<環境局長の答弁>

 今回の調査は、市内の空間放射線量率のバラツキ具合を見るために実施したが、測定値にバラツキが少なかったので、全保育所や幼稚園、小中学校での測定は考えていない。

<あぐい武夫議員>

 「測定は考えていない」とのことですが、保護者のみなさんは、「子どもが通う保育所、学校は大丈夫なのだろうか」と不安を抱えています。こうした住民のみなさんの不安に応えるのが行政の役割です。実施している他都市の経験も学び、再検討することを求めておきます。

 土壌については、「現段階では調査は必要ない」とのことですが、放射性物質が含まれているのは土壌です。梅雨時は雨といっしょに流れ、真夏の時期には、砂埃となって飛び散り、プールにも入ります。さらに、子どもの口に入れば、体内被曝にもなります。品川区などは、学校などの土壌やプールの測定をはじめています。県は県立高校のプールを測定しています。千葉市でも土壌、及びプールの測定を提案します。お答え下さい。

<環境局長の答弁>

 土壌は、空間放射線量率が国の指標を下回っているので測定の予定はない。プールの水も放射線が検出されていない水道水の使用と、例年以上にオーバーフローや水の入れ替えで対応できるので、測定の予定はない。

<あぐい武夫議員>

 不安を抱える保護者のみなさんの思いに応えることは、本当に重要なことです。安全というなら、それをアピールする上でも、測定することが必要です。この点でも再検討を求めておきます。

 次に、下水の汚泥についてです。

 放射性セシウムが1キログラム当り、脱水汚泥で366ベクレル、焼却灰で5,420ベクレルとのことです。この値は問題ないのでしょうか。現在は、どのように処理しているのでしょうか。

<環境局長の答弁>

 昨日の国土交通省通知で、セシウム134と137の合計濃度が1キログラム当り8,000ベクレル以下の脱水汚泥や焼却灰は、脱水対策等の適切な対策がある処分場に埋め立てるとされているので、全量を焼却し管理型最終処分場に埋め立て処分している。

<あぐい武夫議員>

 基準値を下回っているとはいえ、「塵も積もれば山となる」で、心配もあります。今後、周辺の放射線量を測定することを要望しておきます。

 学校等の放射線量が基準値を越えた場合、すみやかに対応することが必要です。そのための対応マニュアルはあるのでしょうか。なければ早急に策定し、放射線の基本知識と合わせて、市民に徹底することを求めます。

<環境局長の答弁>

 文科省が示す指針は、福島県への対応マニュアルであり、その他の地域にはまだ示されていない。9都県市として国に放射線の統一的な安全基準を早く定めるよう要望している。市民には、千葉大や放医研などと連携し、市内が安全であることをアピールするとともに、これら機関や日本保健物理学会などのホームページを活用し、分かりやすい情報提供に努めている。

<あぐい武夫議員>

 国の基準が示されれば、速やかに対応マニュアルを作成していただきたいと思います。

 次に、原発から自然エネルギーへの転換について、1点だけお聞きします。

 原発事故の影響が広がる中で、原発の縮減・廃止の世論は広がりつつあります。6月10日から12日に実施されたNHK世論調査では65%、11日と12日実施の朝日世論調査では74%となっています。こうした状況を踏まえ、市長は、政府に対して、原発から自然エネルギーへの転換を求める考えはないのでしょうか。見解を求めます。

<環境局長の答弁>

 今年6月15日、9都県市で、太陽光発電等再生可能エネルギーの本格的な普及拡大を国に要望している。国は、昨年6月に策定したエネルギー基本計画で定めた再生可能エネルギーの目標発電量を前倒しする方向で見直しが進めているとのことなので、動向を注視したい。

<あぐい武夫議員>

 「再生可能エネルギーの本格的な普及拡大」という点では当然だと思います。問題は、将来的に原発をゼロにするかどうかの問題です。日本は地震・津波の多発地帯であり、ここに「未完成の技術」である原発が集中立地していることが大問題です。

 日本共産党は、5から10年以内を目標に原発から撤退するプログラムを政府が策定することを提案しています。国民的、市民的議論が広がることを呼びかけまして、次に移ります。

4、子ども医療費助成の拡充について

 通院費を小学校6年生まで助成する県内市は6市、それ以上は10市にもなっています。また、所得制限なしで、窓口負担がゼロの市は、小学6年生までが2市、それ以上は3市との答弁でした。千葉市よりすすんでいる市が県内各地に広がっています。

 そこで、お聞きしますが、中学1年生以上の助成をしている県内市は、どこの自治体で、何年生までの助成になっているのでしょうか。すべてお答え下さい。そのうち、所得制限なしで、窓口負担がゼロの市は、どこでしょうか。

<こども未来局長の答弁>

 市川、木更津、成田、君津、浦安、袖ケ浦、八街、匝瑳の9市が中学校終了まで、いすみ市が高校1年生までを助成対象としている。そのうち、君津、匝瑳、いすみの3市が所得制限なしで、かつ窓口負担なしで実施している。

<あぐい武夫議員>

 これらの自治体と比べると、千葉市は残念ながら遅れているといわなければなりません。千葉市も、遅れを取り戻し、他都市をリードする立場に立って、来年度からは中学校3年生までの医療費助成と窓口負担は少なくとも200円以下にすることを求めます。お答え下さい。

<こども未来局長の答弁>

 通院医療費助成対象を今年8月診療分から、小学校3年生まで拡大する。更に拡大するには、膨大な財源確保が必要であり難しいが、県の動向を注視し検討していく。自己所負担の増額は、市町村への県の補助基準に合わせたもので、制度の運営上必要だ。

<あぐい武夫議員>

 もちろん財源が必要です。しかし、財源はこういうところに重点的につかうべきです。そのためにも、千葉駅西口再開発などの大型開発を抜本的に見直すことが必要です。このことを強調して、一般質問を終わります。