佐々木ゆうき議員の代表質疑

2011.9.15

写真1.市長の基本姿勢について

(1)国政と市政の関係について

 第1に、新政権発足、公約の投げ捨てと大連立についてです。

 国政において、民主党の野田佳彦氏が首相となり、新しい政権が発足しました。代表に就任してすぐに自民党総裁と公明党代表と会談をし、政権交代時の民主党の公約であった子ども手当てや高校授業料の無償化、農業所得補償の見直しという3党合意に基づいて、自民公明両党との政策協議を進める立場を明らかにしました。09年総選挙のマニフェストを公債特例法案の成立と引き換えに投げ捨てるものとなりました。公約とは、公衆に対して政策などの実行を約束することでありますが、国民との公約や国民の声よりも自民党公明党との合意を最優先にしてしまうものです。

 消費税については「4年間上げない」とした約束を投げ捨てようとしていること。原発については「安全性をチェックして再稼働」とし、不十分な安全基準のままで原発を推進する立場であること。外交では沖縄の辺野古への新基地建設を進める「日米合意」にしがみつく姿勢であることなど、「政治を変えてほしい」という国民の願いに真っ向から背くものになっています。そこで伺います。

 1つに、政治への不信感が高まっている中で、民主党政権の公約投げ捨てと民主・自民・公明3党の合意遵守を明確にした野田政権への市長の見解を伺います。

 2つに、民主党政権が掲げていた子ども手当てや高校授業料の無償化見直しなど被害を受けるのは国民・市民であり、地方自治体であることへの市長の見解を伺います。

 3つに、「原発の再稼働をすすめる」という首相の発言についての市長の見解を伺います。

 第2に、核兵器廃絶と原発、平和問題についてです。

 今年の広島市長と長崎市長がおこなった平和宣言では、「被爆者の体験や平和への思いを、この世界に生きる一人一人に伝え、人々が集まる世界の都市が2020年までの核兵器廃絶を目指すよう、長崎市とともに平和市長会議の輪を広げることに力を注ぐこと」と宣言され、福島第一原発事故については、「被災者をはじめ多くの人々を不安に陥れ、原子力発電に対する国民の信頼を根底から崩した。そして、「核と人類は共存できない」との思いから脱原発を主張する人々、あるいは、原子力管理の一層の厳格化とともに、再生可能エネルギーの活用を訴える人々がいる。日本政府は、このような現状を真摯に受け止め、国民の理解と信頼を得られるよう早急にエネルギー政策を見直し、具体的な対応策を講じていくべき」「長期間を要するとしても、より安全なエネルギーを基盤にする社会への転換を図るために、原子力にかわる再生可能エネルギーの開発を進めることが必要」という核兵器廃絶と被爆を繰りかえさないため、原発から自然・再生可能エネルギーへの転換と、平和市長会議をひろげていく宣言がされました。

 そこで、平和市長会議に加盟した熊谷市長は、平和宣言を受けて、その実践をしていくことが求められていますが、どのように考えているのか、伺います。

(2)決算の特徴について

 次に、決算の特徴についてです。

 決算については、3,681億円で前年度決算より4.6%増となっています。定額給付金事業の減の一方で、土地開発公社解散に伴う代位弁済と子ども手当てや扶助費の増に伴うものです。

 2010年度の健全化判断比率については、連結実質赤字比率は2.87%となっています。実質公債費比率は、21.4%と政令市の中でワースト1となっています。さらに、将来負担比率についても285.3%と、引き続き、政令市ではワースト1です。市民生活を削るのか、市民生活を応援するのかが、決算で問われるわけであります。2010年度予算は、熊谷市長が初めて提案した予算であり、予算編成に見込まれた約270億円の収支不足への対応や、経済情勢の悪化でさらに収支不足が拡大することになるため、これまでのように市債の発行や基金に依存した財政運営をすると、健全化判断比率で言う早期健全化団体になるため、「脱・財政危機宣言」を発表し、徹底した見直しによる歳出のカット、市税の徴収対策、事務事業の見直しを進めてきました。この財政危機を理由にし、福祉の削減が次々とされました。

 難病見舞金の縮減、シルバー入浴券の削減、敬老会等助成の減額、はり灸マッサージ券の削減など、10事業で約5億6千万円の福祉予算の削減が行なわれました。

 しかし、これまでわが党が指摘してきた大型開発は前市長からの継続と、道理のない国や県の負担金の見直しがされていません。その一方で、市民生活に関わる公共料金、4種類16億8千万円もの値上げとなりました。

 国民健康保険事業特別会計の赤字が膨らみ、一般会計からの国保会計への繰り入れをゼロにしたことで、繰上げ充用せざるをえない状況があります。伺いますが、

 1つに、市長は、福祉予算の削減など、市民生活を削ってきたことへの反省はないのでしょうか。

 2つに、多額の赤字を生み出し、今後も継続される千葉駅西口再開発や蘇我臨海開発などの大型開発を、なぜ抜本的に中止または凍結できないのか。

 3つに、社会保障の根幹である国民健康保険制度こそ、もっと工夫して財政措置しなければならないはずなのに、市長は前市長に引き続いて、国保会計への一般会計からの繰り入れを行なわなかったことについて問題があると考えないのか。

 4つに、熊谷市長は、これまでこの深刻な財政状況について、「政令指定都市移行後、再開発事業や大規模な道路整備などの都市基本整備を積極的に推進し、短期間で一気に整備を進めたことや少子・高齢化の展開を見据えたまちづくりへの転換がおくれたことで、歳出規模が拡大し、その財源として市債や債務負担行為、基金からの借り入れなどに依存してきたことが財政危機の要因となった」と、過去の大型開発が原因であるとしています。この原因の責任について、市民負担でやるべきではありません。日本共産党市議団が、これまで提案してきた「地域密着型循環型の公共事業」を促進し、市民生活の向上、仕事と雇用の創出、地域経済の活性化、そして税収を増やすことにつなげる「千葉市元気サイクル」で、千葉市を元気にさせる取り組みが必要です。これまで日本共産党市議団が条例提案してきた住宅リフォーム助成制度や中小企業振興条例、公契約条例を千葉市で制定させて、地元業者を応援するよう求めますが、見解を伺います。

(3)災害に強いまちづくりについて

・台風12号の被害について

 台風12号による豪雨によって四国や近畿を中心に大きな被害を受けました。亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。今後、千葉市においても災害対策に向けた教訓とすべきものです。伺います。

 1つに、被害に遭われた自治体に可能な限りの支援をすべきと考えますが、見解を伺います。

 2つに、台風12号の教訓は何であるのか。千葉市の対策に活かすべき教訓について伺います。

・原発事故、放射能汚染への対応について

(1)原発事故への認識について

 九州電力に始まった「やらせメール」問題は、北海道電力でも同じことが行なわれており、原発推進のための「やらせ」が電力会社の常とう手段だということが明らかになったわけです。「やらせ」が明らかになるまで隠し続けてきた、隠蔽体質そのものであります。中部電力や四国電力のように原子力安全・保安院からの「やらせ」の関与があり、原子力の規制機関とは程遠い実態が明らかになりました。

 また、原発産業にかかわる企業・団体でつくる「日本原子力産業協会」は、加盟企業へ行っているアンケートの中の「原子力関係売上高の概観」として、電力会社11社がどのような企業に原発関係として支出したのかを示す資料では、2009年度で2兆1,353億円にのぼり、原子炉メーカーや建設業、商社などへ巨額の支出をし、金融機関からも5兆円を超える融資を電力会社は受けています。政界へも献金として流れています。

 1つに、東日本大震災での福島原発事故についての認識と、原発をめぐって、政府や電力会社が「やらせ」と安全神話にしがみついてきたことへの市長の見解を伺います。

 2つに、原子力発電が未完成の技術であり、航空事故など他の事故とはちがって被害が時間・空間・社会的に限定できない「異質な危険」があり、福島の原発事故は安全神話に浸かってきた政治が引き起こした人災であります。原発からの撤退という姿勢を、千葉市として持つべきではないですか。

(2)放射線量測定について

 千葉市は、6月と8月に市内の空間放射線量率を測定しましたが、市民からは「本当にそれだけで安全と言えるのか」「子どもの将来のことが不安」という声が聞かれます。広島型原爆の20個分、168倍もの放射性物質が放出されたことへの不安が広がっています。放射能による健康被害は、急性障害だけでなく晩発性障害があります。放射線被曝は、たとえ少量であっても、将来、発ガンなどの健康被害が起きる危険性があることを認識しなければなりません。「これ以下なら安全である」という基準はなく、「少なければ少ないほど良い」というのが放射線防護の大原則となっています。伺います。

 1つに、千葉市ではなぜ独自に測定し、測定個所を増やさないのか、その理由をお聞きします。

 2つに、市として放射線量測定機器を確保して、保育所(園)・学校・公園など、市が責任をもって子どもの生活空間での測定を最優先におこなうべきではないですか。

 3つに、放射能汚染の実態とそのリスクについて市民に明らかにし、放射能についての正確な知識を教えるべきではないですか。

 4つに、放射線量の総合的な測定と、系統的な調査を行ない、たとえ微量であっても、放射線量等分布マップの作成を市が責任を持っておこなうべきではないか。

 5つに、千葉市としても、焼却灰や汚泥などから放射性物質が検出され、放射線量測定や今後の除染などにかかる費用については、汚染者負担が原則であり、千葉市として全額、東京電力に負担を求めるべきではないですか。

(3)自然エネルギー推進の取り組み

 自然エネルギーの先進事例では、高知県梼原(ゆすはら)町や岩手県葛巻町があります。私が視察した梼原町では、水力・風力・太陽光・地熱・バイオマスの自然エネルギーを活用し、町の電力の27%を供給しています。風力発電の売電収入の一部を間伐補助金に回し、端材を木質ペレットにして、ストーブやビニールハウスのボイラーの燃料にしているなど積極的な取り組みが行なわれています。また、町内の22の公共施設に太陽光発電設備が設置され、電力を賄っています。そこで伺います。

 1つに、既存の公共施設への太陽光発電設備の設置で、公共施設での発電量を大幅に増やしていき、電力自給率を高める取り組みをおこなうべきではないですか。

 2つに、千葉市が策定した「千葉市環境基本計画」では、「太陽熱利用設備、風力発電設備、小水力発電設備など住宅用太陽光発電設備以外の再生可能エネルギー利用設備の普及を具体的に進めるため、設置時の補助導入を含め効果的な普及方策について検討します」とありますが、自然・再生可能エネルギー導入の具体的な目標値を示すべきではないですか。

 3つに、商店街の街灯や防犯街灯への太陽光などの自然エネルギー街灯への切り替えへの考えはあるのか、伺います。

 4つに、千葉市にあった自然エネルギーの導入を進めるべきではないですか。

 国会において太陽光、風力などの自然エネルギーで起こした電気の買い取りを電力会社に義務付ける再生可能エネルギー買い取り法案が全会一致で可決しました。環境省は、風力、中小水力、地熱、住宅用以外の太陽光発電の潜在的導入可能量は、1年間の発電量で合計5兆キロワット時との試算を示しています。現在の総発電電力量の約9千億キロワット時の5倍以上であり、普及促進が求められています。

 そこで、伺います。

 国における再生可能エネルギー買い取り法案の成立をうけて、原子力エネルギーから自然・再生可能エネルギーへのシフトが進むものと思われますが、こうした取り組みについての強化を千葉市として、他の自治体に率先しておこなうべきではないですか。見解を伺います。

 原発事故問題によって、自然エネルギーの普及・拡大への議論が進みつつあります。

 全国では7月27日に、17の指定都市による「指定都市・自然エネルギー協議会」第1回総会がおこなわれました。協議会に参加していないのは、千葉市と新潟市のみです。企業としては、ソフトバンクグループが参加しています。活動内容は、「自然エネルギーの普及・拡大に向けた情報交換並びに情報共有」と「自然エネルギーの普及・拡大に向けた政策提言」となっています。

 熊谷市長は自身のブログで、「日本において原子力発電に頼るエネルギー政策を推進していくことは不可能だと考えていますし、自然エネルギーを推進していくべきとの立場です」との見解を示しています。そこで伺います。

 1つに、6月議会でわが党のふくなが洋市議の質問への答弁では、「原発問題は慎重な議論が必要なので国の動向を注視する」との見解でしたが、今回の見解は、原発ゼロへのスタンスと捉えてよいのでしょうか。

 2つに、市長は「自然エネルギー協議会」への参加をしないとしていますが、一企業が事務局でなければ、参加するのか。見解を伺います。

(4)新港清掃工場の溶融飛灰について

 新港清掃工場の溶融飛灰およびその固化物から8,000ベクレルを超える放射性セシウムが検出された問題と今後の対応についてです。

 私は、実際に暫定基準値を超える溶融飛灰と固化物が保管されている新港清掃工場へ行きました。日本共産党市議団が所有するガイガーカウンターでも1マイクロシーベルトを超える放射線量を計測しました。環境省は8月27日、福島原発事故で放射性物質に汚染されたごみの焼却灰などについて、一時保管するよう求めていましたが、10万ベクレル以下の場合は一般の最終処分場での埋め立てを容認する方針を決めました。具体的には、焼却灰をセメントで固め、屋根付きの処分場で水との接触を防ぎ、セシウムが流出しないようにし、埋め立て後は、処分場の排水や周辺の地下水の監視などを行うというものです。伺います。

 1つに、環境省が示した最終処分場での埋め立て方針について、千葉市としての対応はどのようにするのか。

 2つに、焼却後の屋外への空気の排出で、放射性物質は検出されなかったのか。

 3つに、新港清掃工場での溶融飛灰固化物の撤去・保管作業をおこなった労働者の健康被害はなかったのか。健康調査・管理を行なうべきではないですか。

 また、7月22日に基準値を超える放射性セシウムが検出されるまでの新内陸最終処分場への埋め立て作業に関わった労働者についても健康調査・管理をおこなうべきではないですか。

・災害への対策について

(1) 危機管理体制と地域防災計画の見直しについて

 1つに、東日本大震災から初動体制の不備ではなく、防災という点で総括的に何を教訓として受け止めているか。また、地域防災計画の見直しが進められていると思うが、どのような見直しを行うのか。

 2つに、地域防災計画では原発事故に対する計画が盛り込まれていません。今後の計画見直しでどのような位置づけがなされる見込みなのか。

 3つに、津波対策について、震災では船橋では2.4メートル、木更津では2.6メートルと観測されました。千葉県が管理する千葉港沿岸の防波堤・防潮堤について、強度や構造上に問題がないのか。千葉県との協議はおこなっているのか。

 4つに、津波対策として避難ビルの確保をただちにやるべきではないですか。

(2) 液状化対策について

 液状化問題については6月議会の一般質問をおこないましたが、国における技術検討会議での研究結果によって、今後の対策を進めるために、千葉市独自としてプロジェクトチームはつくらないという答弁でしたが、これは消極的な立場であるだと指摘しなければなりません。私は6月22日と8月11日に千葉市に対し、液状化の再発防止の宅地と市道等の耐震化事業推進と独自の支援策などについて要望書を提出しました。関連した要望署名についても提出しました。

 被災から6ヶ月経っており、私が伺った際にも、住民の方からは「子どもがいるので、まずは家を建て直したい。そのためにも道路の補修をすぐにでもやってもらいたい」という思いが強いことを感じました。支援策については、「浦安市では独自の支援対策をしているのに、千葉市は遅いのではないのか」という厳しいご意見を伺いました。政府は、道路等と宅地の一体的な液状化対策が必要との認識を示し、新制度の創設を進めています。そこで、伺います。

 1つに、国の被災者生活再建法に対する千葉市としての独自の付加給付を実施し、住宅再建に対する支援策を創設すべきではないですか。

 2つに、市が率先して、液状化の実態を調査し、専門家の協力も得て、対策の研究をすすめるとともに、まずは住民の意見や要望をよく聞き、被災地域の公共用地と宅地の地盤改良計画を検討すべきではないですか。

 3つに、避難場所ともなる学校・公園など公有地、公共施設については液状化対策のための地盤改良を実施すべきではないですか。

(3) 震災・原発事故により被災・避難された方への住宅支援について

 UR都市機構では、地震、津波等で住宅を失われた方、原発事故に伴い避難された方が緊急避難的に無償で住むことができる賃貸住宅を提供しています。2012年3月31日までの間、家賃や敷金等を無償とするというものです。現在、千葉市内のUR賃貸住宅に、震災直後、被災地などから避難されてきた方がUR賃貸住宅に入居されています。次の住宅の目途がたっていない避難者は、特に福島県の立ち入り禁止区域に自宅がある方は戻ることができません。

 同機構側として、「災害救助法に基づく応急仮設住宅として地方公共団体に借り上げていただくことにより、入居期間が最長2年間に延長されるよう、引き続き地方公共団体と協議していく」とされています。

 そこで、避難者が安心して生活できるように、千葉市はURとの間で入居期間を延長するための申し入れや協議をおこなうべきではないですか。

(4)災害に対応するための職員体制について

 東日本大震災では、これまでの「行革」路線で自治体の体力が奪われてきたところに震災が追い打ちをかけ、職員の人員不足が救援・復旧を遅らせていると指摘されています。いまも多くの公務員が自らも被災しながら住民の救援などにあたっています。

 千葉市は、今年度から4年間の「定員適正化」計画において、普通会計職員を全体の4%にあたる250人を純減するとしています。これまで職員が削減され、業務委託や非正規の職員が増える状況の下、今後、東京湾北部地震が高い確率で予想されています。被災した自治体の状況を見れば、平時から、市として安全・安心、防災に強い街づくりが求められています。職員数を削減する方向では、災害がおきた時、救援・復興に支障が出ると考えられます。そこで伺います。

 医療や福祉、土木など災害時に大きな力を発揮する分野での職員の確保と、千葉市の消防力を高めるためにも、7月現在で消防職員の充足率89.3を引き上げるためにも、消防職員の採用を積極的に行なうなど、千葉市民の命とくらし、福祉をまもるため職員の「定員適正化」計画の見直しを求めますが、見解を伺います。

2.総務行政について

 7月24日に地上波デジタル放送完全移行がされました。「テレビの買い替えが出来ずに、ラジオで生活をしている」という実態があるなど、「テレビ難民」が残されたまま地デジ移行となりました。そこで、伺います。

 1つに、まだ、地上デジタル化に対応できていない世帯がどれぐらいあるのか把握されているのか。また、地上デジタル化ができていない難視世帯や難視地域の課題は何でしょうか。

 2つに、生活保護世帯などの総務省の支援策を受けることができた世帯の現状はどうなっているのか。

 3つに、総務省テレビ受信者支援センター・デジサポ千葉の臨時相談コーナーが各区役所に設置されたが、その対応状況について伺います。

 4つに、地デジ完全移行後のアナログテレビの不法投棄の状況と対応についてはどうなっているのか。

3.保健福祉行政について

 ・介護保険制度について

 衆議院で10時間弱、参議院で8時間弱の審議で、6月15日に介護保険法が改悪されました。これは介護費用を抑制しようというのが狙いです。大きく分けて3点の問題があります。1点目は「要支援」への生活援助を市町村の判断で「介護予防、日常生活支援総合事業」に移し、自治体任せとすること。2点目は、介護職員が医療行為を行なうことを押しつけるものです。3点目は、介護療養病床について廃止の方針を継続することです。そこで、伺います。

 1つに、要支援などの「介護予防・日常生活支援総合事業」は、千葉市として今までと同様に取り組むのか伺います。

 2つに、介護職員が痰(たん)の吸引などを行なうことでは、安全性の確保ができるのか、むしろ介護現場で医療体制を充実することが求められていると思わないか伺います。

 3つに、千葉市は。介護療養病床を廃止せず、継続すべきと考えますが見解を伺います。

 ・特養ホームの増設について

 6月議会で私が美浜区での特養老人ホームの増設について、保健福祉局は、「美浜区での特養ホーム整備の必要性は、区内に2施設が整備されているが、区内の要介護者数や待機者の状況から、整備の必要性は認識している。校舎や跡地を特養ホームに活用した事例は他都市でも多くあり、整備用地確保が難しい地域では一つの手法。美浜区の学校統廃合で跡地活用が検討されるときは、可能性を関係部局と協議していく」と答弁されています。

 党市議団が取り組んだアンケートにも、「老後のことが心配です。学校の跡施設を特別養護老人ホームに」との要望が寄せられています。そこで、美浜区内の学校跡施設を活用した特養老人ホームの検討状況についてお聞きします。

4.こども未来行政について

・子どもの医療費助成制度の拡充について

 先月8月から、小学3年生まで通院医療費の無料化が実施をされました。それに伴い、窓口負担が200円から300円となりました。この100円の値上げであっても、子どもが医療にかかるごとに負担となります。そこで伺います。

 1つに、中学校卒業までの子どもの医療費無料化を実施すべきと考えますが、見解を伺います。
 2つに、窓口負担は撤廃し完全無料化とすべきと考えますが、見解を伺います。

 3つに、県の補助率が6分の1から4分の1となりましたがさらに、他の県内市と同様に2分の1に引き上げるよう県に求めるべきではありませんか。

・子ども子育て新システムについて

 政府が2013年度の実施に向けて検討中の「子ども子育て新システム」は、介護保険制度をモデルに、保育への国や市の責任を縮小するものです。保護者が自分で保育所を探し契約しなければなりません。また、保育料は収入に応じた額ではなくなります。長時間働いても給料が低い保護者には厳しい制度です。さらに保育所の運営は不安定となり、子どもと接する時間が減り、保育士の労働条件は悪化すること危惧されます。

 1つに、このような問題が多い「子ども子育て新システム」について、国に制度の導入をしないよう求めるべきではないですか。

 2つに、「子ども子育て新システム」の実施主体は市であります。市の責任で子どもの保育の基準を後退させないようにすべきではないですか。

5.環境行政について

・ごみの有料化について

 7月22日千葉市廃棄物等減量推進審議会が市長に対して「ゴミ減量の推進のために家庭ごみ有料化」の答申を行いました。わが党はごみの有料化はゴミの減量にはつながらないとして反対の立場を明らかにしています。そこで伺います。

 1つに、ごみの有料化で減量が進んだ自治体はあるのか。

 2つに、有料化しなくても、ごみをきめ細かく分別して資源化を促進することや市民のごみの発生抑制への意識を高めることでこそ、ゴミの減量化につながると考えないのでしょうか

 3つに、高知市のように市民・行政・再生資源協同組合が高知方式と言われるやり方で無料を維持しています。こうした先進例に学んで循環型社会の千葉市にするべきではないのか。

6.消防行政について

・病院受け入れ拒否・たらい回しについて

 7月の新聞報道で、千葉市の男性が病院受け入れを7回拒否され、救急車の車内で死亡するという悲しい事態が起こりました、

 全国で救急搬送照会回数4回以上の事案が、2009年度13,164件から、2010年度16,381件へと前年度より3,217件増加しています。2009年の消防法の一部改正に伴い、救急患者を医療機関への搬送をスムーズにするために都道府県に患者の搬送と受け入れに関する基準をつくるよう義務化されています。その基準が、この事案が起こった7月にちょうど本格的に運用され始めたばかりでした。

 そこで伺います。

 1つに、千葉市で取り扱った救急搬送照会4回以上の、いわゆる病院受け入れ拒否・救急たらい回しの状況とその内容はどうなっていますか。

 2つに、基準の運用について、問題点はなかったのでしょうか。また、課題は何であったのか明らかにしてください。

 3つに、今回のような事例に対して、今後の対策については、どのようにお考えなのか。示してください。

7.教育行政について

 学校における放射能対策についてです。日本共産党市議団が独自に学校の敷地内を測定しましたが、比較的高い数値の箇所が見つかるなど、子どもたちの命と健康への影響が危惧されます。

 8月26日付で教育委員会から全学校に対して、「児童生徒にとって安心な教育環境の整備」の通知を出されました。それによれば、「専門家からコメントを得て、児童生徒に対する教育活動が通常通り行える状況が確認されています。しかしながら、落ち葉や砂、泥などがたまりやすい雨どいや雨水桝、側溝、吹きだまりなどについては、放射線量が高くなる傾向があるとの報道がなされており、保護者の中には不安視する声も見受けられる」として、教育委員会として放射能対策に取り組んだことについては評価できるものです。そこで、伺います。

 1つに、教育委員会として、児童生徒の安心な教育環境を第一に考えて、今回の通知と対策を講じた背景に何があったのか。

 2つに、保護者からどのくらいの放射線量についての問い合わせがあり、どのような意見や要望が出されていたのか。

 次に、就学援助についてです。

 景気の低迷と東日本大震災以降、市民生活の全般にわたって厳しい状況が続いています。学校へ子どもを通わせる子育て世帯にとって切実な問題です。

 就学援助は、憲法や学校教育法にもとづく制度です。日本国憲法26条では「義務教育は無償」と定めています。学校で、子どもたちがお金のことを気にしないで安心して学び、過ごせることを当たり前にすることが教育委員会として果たすべき役割と考えます。

 1つに、経済的に困窮する世帯が増えています。就学援助の申請件数と支給された状況について伺います。この間の傾向はどうなのか。また、この震災による市内被災者からの就学援助の申請状況はどうか。

 2つに、わが党は、全世帯に就学援助のお知らせをしたり、申請窓口を学校以外でもできるようにするなど改善を求めていますが、そういった改善が図られていますか。

 3つに、義務教育にかかる私費負担軽減のため就学援助制度の充実について、国が責任を果たすよう財政措置を求め、子どもたちが安心して学校生活を送れるようにすべきと考えますが、見解を伺います

 最後に、教科書採択の問題についてです。

 自国の歴史の中で、特に近現代史の学習は、子どもたちが主権者として成長していく上で、大きな意味を持っています。侵略戦争を肯定する教科書を許してはなりません。日本がアジア諸国を侵略したという負の歴史について誠実に向き合うことこそ、国民の誇りは育まれます。教科書採択の目的は、子どもの学習にもっとも良いものを選ぶことです。そのためには、実際に教えている各専門の教員の意見が重視されなければなりません。

 教育委員会は、こうした視点に立って、今後も教科書採択に臨むことが求められると思いますが、見解を伺います。

 以上で、1回目を終わります。

(2回目)

1.決算の特徴について

 難病見舞金の縮減、シルバー入浴券の削減、敬老会等助成の減額、はり灸マッサージ券の削減など、10事業で約5億6千万円の福祉予算の削減。市民生活に関わる公共料金、4種類16億8千万円もの値上げとなった一方で、答弁では、「市民福祉に係る予算が累増する中で、選択と集中の観点のもと、すべての人に画一的なサービスをおこなうのではなく、真に支えを必要としている市民の皆様のために予算を配分する」「将来にわたって持続可能な福祉サービスを市民の皆様に提供することを念頭に市民福祉の向上に努める」としています。「選択と集中の観点」というなら、なぜ大型開発は小手先の事業の縮小だけにとどめて、淡々と事業を進めるのでしょうか。市民福祉を削ってまで進めなければならない事業ではないはずです。

 市長初提出の2010年度予算が反対多数で否決され、自治会への行政事務委託料や敬老会等経費の一部助成、はり・きゅう・マッサージ券市民生活・福祉予算の切り下げを進めようとしたことへ、千葉市町内自治会連絡協議会が全会派に削減の中止を要請したり、鍼灸マッサージ師や利用者が市に復活を要望したり、国保を考える会が国保料値上げ中止の緊急署名を3,300筆以上提出するなど、市長の予算編成に批判が集中したわけです。こうした声が修正案に一部反映したわけです。市長は、こうした事態になったことへの反省をしたのか。

 地方自治法第1条の地方自治体の役割・「住民の福祉の増進」に基づき、大型開発を見直せば、福祉くらしを守り、財政健全化にもつながると考えます。

 日本共産党市議団は、予算の組み替え動議を提出して、千葉駅西口再開発や蘇我臨海開発などの大型公共事業の見直し、国と県の事業負担金の見直し、不公平な県支出金の適正化、資本金10億円以上の法人への超過課税導入などで約65億円の財源を確保をし、難病見舞金の半減中止や敬老会等助成を830円に戻し、はり・きゅう・マッサージ券を元に戻すこと、国民健康保険料の値上げ中止など約25億円で福祉予算削減・公共料金値上げを中止することを求めた、わが党の提案通りにやれば対応できたはずではないのか。

 財政健全化を進めることを最優先にし、市民生活が犠牲になっています。当面、我慢をしてくれということは市民のみなさんは納得できないものです。市民生活を削ってきた方針を市民生活優先に切り替えるべきではないですか。そして、景気の低迷と震災以降のさらなる冷え込みに対して、県内で千葉市に次ぐ大都市の船橋市でも住宅リフォーム助成制度ができ、政令市でも相模原市が実施をしています。千葉市が率先して、市民と地元業者の景気を良くしていくためにも、地域経済活性化のための条例制定を行なうべきではないですか。再度、求めます。

2.災害に強いまちづくりについて

(1)原発事故への認識について

 原発の再稼働問題の答弁では、「市民生活や経済活動に密接に関係していることから、国民への説明を適切に行なった上で、安全性の確保された施設を再稼動していくというスタンスと理解している」とか、「市としては再生エネルギーの利用促進を通して、原発の依存度を下げることに貢献していく必要」とし、ブログの発言については「原子力に頼るエネルギー政策を転換し、再生可能エネルギーの比率を高めていく」と答弁されました。現在の原発以外の総発電量は、バブル経済だった1990年度の原発を含めた総発電量と同じ水準です。また、現時点で、日本にある54基の原発のうち稼働しているのは3分の1にすぎず、夏場の電力消費のピーク時への対応などが必要ですが、原発からの撤退は、無理な課題ではありません。

 また、立地条件などについては現在の原子炉の老朽化や、大地震が想定される地域や活断層の上に建設され、安全な原発は存在しません。

 以上、述べたような認識に立つべきではないですか。

(2)放射線量測定について

 教育委員会では、子どもたちの安心・安全、保護者の心配を第一に考え、除染とまではいきませんが、放射線量が高くなるような場所については、清掃などの対策に取り組みました。その一方で、放射線量測定については、市長は、「6月に18か所、8月と9月に6か所、8月29日にモデル的に選定した個所の測定を行ない、結果を公表している」との答弁です。子どもたちの健康といのちを守るという姿勢があるのであれば、市が自ら測定箇所を増やして、ホットスポットが見つかれば、除染を行なうなどの対応をすることこそ、自治体が取り組むべき姿勢ではないのですか。

 9月6日まで、毎日新聞に「『被爆』残された時間と若き語り部」という特集記事が組まれていました。千葉市花見川区の被爆者の方が、小学校3年生の時に被爆し、放射線の影響で、医者から「精子が動いていない」と告げられ、「愛する人と結婚しながら、どんな治療も及ばず、子どもができないと告げられた苦しみがわかりますか」と語られたその言葉に、私は、子どもたちに同じようなことがあってはならないと、胸が詰まる思いでした。

 福島第一原発の事故とすぐに結び付けることは無理がありますが、放射線による健康被害では共通します。原発は、ひとたび事故が起きれば、将来、発がんなどの健康被害が起きる可能性があり、子どもは大人よりも放射線の影響を受けやすい。

 子どもたち、「未来への投資」と掲げる市長であるのなら、市が独自に測定器を購入し、徹底的な調査をすることが市長の責任ではないですか。

 以上で2回目です。

(3回目)…意見

 市長は、「脱・財政危機宣言」を行い、市債償還のピークを迎える最も厳しい数年間を乗り超えて、財政危機を克服するために、「聖域なき見直し」によって、国保料の値上げや難病疾患見舞金の縮減などの事業が軒並み縮減・休止・廃止となりました。

 前市政では、大型公共事業を優先に予算を注ぎ込み、高齢者福祉の削減をはじめ、市民生活予算を削り続けてきました。それをさらに切り下げるものとなりました。これが市長の言う「選択と集中」なのでしょうか。市民生活が大変な時こそ、それを守るのが市長の責任ではないですか。「住民福祉の増進」という地方自治体の本旨こそ発揮すべき時です。

 液状化対策の問題では、千葉市として遅れてではありますが、学識経験者・地域住民・行政による検討会が準備されることとなりました。この中でも地域住民の意見、そして、いまも住宅再建が出来ずにいらっしゃる住民の思いを受け止めていただきたい。国や県の支援制度では、住宅を再建できる資金は確保できません。千葉市の独自支援を強く求めるものです。

 放射能対策では、今議会で、放射線に関する数多くの請願・陳情が出され議論されました。すべての請願・陳情について提出者から意見陳述が行なわれたことは、子どもの将来や健康への不安など、保護者のみなさんや地域のみなさんの声や思いの反映であり、提案であると思います。これらをしっかりと受け止めて、子どもたちや妊娠されている方の健康を最優先に、そして市民が安心して生活できるように対策が講じられるよう求めておきます。

 学校・保育所・幼稚園・公園などの測定が強く求められているのに、市長は、放射能汚染から子どもたちを守ろうとする本気の姿勢がありません。測定の実施を重ねて要求します。

 決算の詳細については、今後行なわれる決算分科会で質していくことを述べて、代表質疑を終わります。