もりた真弓議員の討論

　日本共産党千葉市議団を代表して、議案第１２１号補正予算と、議案第１２４号に反対し、発議第１５号が否決されたことと、請願第７号が不採択になったことに対する討論をおこないます。

　はじめに、議案第１２１号・一般会計補正予算についてです。

　議案第１２１号・一般会計補正予算の特徴は、太陽光発電設備設置など募集人数を前回から倍化し、省エネとエコで市民要望に応える案件もありますが、農業経営振興事業費では農業者の支援には利子補給のみで、今年度分の利子補給額は、県と市あわせても、１２万７,０００円にしかなりません。風評被害に苦しむ農家のみなさんに対してこれで十分といえるのか、大いに疑問です。

　一般会計で２億９,９８６万円、一般財源額５,５００万円とかなり規模が小さく、保育所や学校の放射線測定の機器などを購入する、必要な予算も組まれておらず、市民の要望に応えるものといえるでしょうか。

　今回、市営住宅の駐車場の有料化の提案がされていますが、これまで、無料や５００円程度、あるいは高くても１,６００円だった料金が、３,５００円から６,０００円と大幅な値上げとなります。そもそも、入居している方の収入内訳を見ましても、１０万４,０００円以下の最も低い方が、全体の７割、１２万３,０００円以下の方と合わせれば７４％を占めています。収入が低い方が圧倒的に多いことはあきらかです。駐車場料金を近傍同種で考えることには、無理があります。実態を直視して見直すべきではないでしょうか。

　また、身体障害者の方は、日常生活には「足」として車が欠かせません。車を利用しなければ通院にも買い物にも支障がでます。車がなければ普段の生活が成り立たないのですから、駐車場料金を徴収すべきではありません。身体障害者の方には、配慮するのが福祉の心ではないでしょうか。

　次に、議案第１２４号・千葉市霊園設置管理条例の一部改正についてです。

　この条例は、千葉市が管理する墓地３万９,８２１区画について、これまで無料であった管理料を、新たに１区画４,８００円徴収するものです。

　これまで、千葉市の墓地管理料は、昭和４０年から今日まで、４５年間無料を貫いてきました。また、戦前には、桜木霊園の墓地造成に当たって、住民は大変な労働力を提供し、協力をしてきたとのことです。

　こうした経緯をみても、管理料の徴収設定には住民の理解が欠かせません。

　また、現在約６,０００区画の墓地の使用者が、不明で連絡が取れない状況もあります。墓地の使用者に対して、十分な説明を行うことがもとめられています。

　さらに、受益者負担の観点から、共有部分の維持管理料の設定を行うとのことですが、墓地は人生最期の安らぎの地です。所得のちがい、あるいは宗教的または個人の生き方にかかわるものであり、受益者負担の考えは相容れないと思います。

　管理料の設定については、千葉市の墓地の歴史的な経過からしても、十分時間をかけて丁寧に行うべきものです。拙速に負担を求めることには賛成できません。

　次は、発議第１５号・千葉市国民健康保険条例の一部改正についてです。

　１８歳未満の所得のない子どもたちの保険料を一部減免することを提案する条例が、否決されたことは残念です。

　厚労省は「社会保障と税の一体改革」での国保制度の改革で、高校生以下の子どもの均等割り保険料を９割軽減することを打ち出していたのは、近年の社会情勢の深刻な悪化と、子育て支援の観点からです。

　国保財政が厳しい時ではありますが、厳しい中でも実施している自治体はあり、また、財政状況が厳しい時だからこそ、子どもの保険料は軽減をする、この立場が必要です。

　最後に、請願第７号・千葉市の放射能調査に関する請願についてです。

　今議会には、放射能測定と子どもの被曝を防ぐための対策を求める請願・陳情が合わせて７本も提出されました。いかに市民の関心が高く、不安を感じているかが良くわかります。切迫した思いの表れとして、非常に特徴的なことだといえます。

　千葉市が現在測定している放射線測定は、市内６ヶ所月一回のみです。千葉市独自で目安となる数値も示さず、学校や保育所など子どもの過ごす施設でさえ、放射線測定を行わないことに、多くの市民は憤りを通り越し、苛立たしく感じているのではないでしょうか。

　他の市町村では、国の判断を待たずに自主的に測定、除染作業に取り組んでいます。

　それぞれの請願・陳情については、常任委員会の中で、採択・不採択が分かれたようです。細かい点で、現実的ではないからと、反対をされた案件もあったようでしたが、全会一致で採択された陳情１３号の項目には、

　１、千葉市内の保育園、幼稚園の園庭、学校の校庭、公園等の除染を実施すること

　２、給食からの内部被曝ゼロを目指した安全管理の徹底を行うこと

　３、放射能問題に向き合って取り組み、子供たちを被曝から守る旨の通達及び情報発信に努めること

とあります。

　採択された陳情の重みを受け止め、今後の対応にあたることが求められます。

　熊谷市長は「未来への投資」を掲げ、千葉市を「訪れてみたい街・住んでみたい街」にしたいとのことですが、そうであれば、まずは放射能汚染から子どもと市民を守らなければなりません。今一度、市民の不安に応え、徹底した放射線測定と適切な除染を行うよう求め、討論を終わります。