2011.9.26
日本共産党千葉市議団の安喰武夫です。質問いたします。
放射能汚染対策について
その第1は、原発事故への認識と放射能汚染の実態調査についてです。
今回の議会には、放射能汚染に関する請願・陳情が7本も提出され、うち陳情3本が採択され、1本は全会一致となっています。市民の放射能汚染への不安の広がりを示しています。
この間、後援会のみなさんと「放射能測定中」の看板を掲げて、地域で測定していると、「数値はどうですか」「測ってくれて、ありがとう」など、道行く人たちから次々と声をかけられました。公園で子どもさんを遊ばせているお母さんたちからも話を聞きました。2歳児のお母さんは「雨が降ると外出しないようにしています。子どもは放射能が溜まっていそうなところに行きたがるので心配です」。0歳児のお母さんは「側溝などの土砂のそうじが大切だと思います。国の指示待ちでなくやってほしい」など、不安の声や要望が寄せられました。
今回の原発事故で、大気中に放出された放射性セシウム137の量は、政府の試算によると広島原爆の168.5個分です。その一部が千葉市の全域に降り注ぎ、土壌などを汚染しました。千葉市にとっても、かつて経験したことのない環境汚染です。しかも、セシウム137の半減期は約30年であり、低い線量でも長期間、被ばくすれば、発ガンなど健康被害が起きる危険性があるといわれています。そこで伺います。
千葉市の全域を汚染させた原発事故と、とくに小さなお子さんをもつ保護者のみなさんの不安について、千葉市はどのように認識し、受けとめているのでしょうか。
第2に、地域におけるホットスポット対策についてお聞きします。
私はこの間、公園などの放射能測定をしました。例えば、稲毛区役所裏手にある穴川中央公園では、広場の真ん中50センチメートルの高さでは、毎時0.15マイクロシーベルトでしたが、広場の端のくぼ地は0.30となり、2倍の数値を示しました。地面では広場の真ん中が0.20、くぼ地が0.69で、3倍以上となりました。実は、このくぼ地は、雨水桝の上に落ち葉などが堆積していた場所です。今では清掃されています。このように、同じ地域でも、他の地点より放射線量が高い、いわゆる「ホットスポット」があることを確認しました。千葉市も8月29日に、「側溝や雨どいなど局所的に高線量を示す箇所の存在が考えられる」として、モデル的に花見川第3保育所、花園小学校、幸町公園の3か所で、測定器をころがしながら地上50センチメートル地点の詳細調査を実施しました。そこで伺います。
各施設の調査結果をお示し下さい。また、この中で、線量が一番高かった地点の数値を明らかにして下さい。
第3に、放射能の知識を知らせる取り組みについてです。
放医研の先生を講師に招き、敬愛大学で開かれた講演会に参加したお母さんは、「放射能の正確な知識がないと、不安につながるので参加しました」と話していました。参加しての感想は、「注意する点などがわかり、以前より不安がなくなりました」ということでした。
市は9月18日に講演会を開きました。地域でも気軽に参加できる多様な形態での講演会や学習会を開くよう提案します。また、講演会などに、参加できない人もいます。わかりやすいリーフレットなどをつくり、学校、保育所、保育園、幼稚園などを通じて配布してはどうでしょうか。お答えください。
学校の教育環境の整備について
第1は、緑のカーテンについてです。
ここ数年、地球温暖化対策の一環として、エアコンの設定温度を下げ、節電につなげるために、緑のカーテンが普及しています。千葉市でも、本庁舎で大きな緑のカーテンがつくられました。
千葉市は、エアコンのない小中学校にも、教室の温度を下げる効果を見込んで、緑のカーテンづくりを呼びかけています。
今年の第1回定例会で、わが党のもりた真弓議員のエアコン設置に関する質問の中で、教育委員会は、「緑のカーテンなどの工夫をして、暑さ対策をしている」「今年度も、学校と連携して普及させる」と答弁しています。
ところが、いくつかの小学校を回っても、本庁舎のような緑のカーテンを見ることができません。市から種をもらい、挑戦はするものの効果を期待できるものをつくれないのが現状です。2階以上については、取り組みもできない状況です。
そこで伺います。教育委員会は、具体的にどのような援助をしているのでしょうか。
第2に、教室へのエアコン設置についてです。
千葉市の小中学校の普通教室にはエアコンが設置されていません。稲毛区にある改築中の緑町小学校でも普通教室にエアコンは設置されません。美浜区では、真砂1中、2中の統合校となる真砂中学校の大規模改修でもエアコンをつける計画はありません。子どもたちは、「新しい学校ができる」と喜んでいますが、エアコンがないと聞けば、がっかりします。今年も猛暑のために教室の温度が上がり、子どもたちの勉学環境は悪化しています。熱中症など健康被害も心配されています。そこで伺います。
各学校の教室の温度を測定し、データとして把握しているのでしょうか。把握していれば、今年の夏休み前日の7月15日の教室の最高気温をお示し下さい。
稲毛区の諸問題について
第1に、稲毛駅東口駅前広場の修繕については、すでに対応していただいておりますので、今回は、質問いたしません。
第2は、京葉道路の騒音対策についてです。
稲毛区では、天台5丁目と同6丁目の間を京葉道路と国道16号が並行して走っています。ところが、京葉道路下り線の6丁目国保会館側には防音壁がありますが、上り線の5丁目千草台小学校側には防音壁がありません。そのために、5丁目の沿線の住民のみなさんは、安眠を妨害されるなど騒音被害を訴え、千葉国道事務所に対して騒音対策を求めています。そこで伺います。
千葉市は、天台5丁目の京葉道路上り線・千草台小学校側だけに、防音壁がないことを把握しているのでしょうか。お答えください。
第3に、アルコール工場跡地へのマンション建設計画についてです。
稲毛東4丁目にあるアルコール工場跡地は現在、更地となっています。敷地面積は約3.8ヘクタールです。ここに、高さ約49メートル、15階建て、計6棟、合わせて991戸のマンションが計画されています。建築主は、NTT都市開発、三信住建、大成建設、新日本建設の4社です。土地の55%はNTT都市開発が所有しています。現在、建築主と千葉市の間で事前協議が行われています。
地元町内自治会との間では、説明会が何度か開かれています。私も説明会に参加しています。住民のみなさんは、道路も狭い地域に、いっきょに991戸もの巨大マンションが建てば、住環境の悪化が予想されるとして、不安の声が多数あがっています。
現在の住環境が悪化することは、これからマンションに住む住民にとっても、住みづらい環境になります。そこで、伺います。
千葉市は、以前から住んでいる人たちの住環境を悪化させない立場で、事前協議をおこなっているのでしょうか。お答え下さい。
以上で1回目の質問を終ります。
<環境局長答弁>
○ 放射能汚染対策について
広域で甚大な影響を及ぼす事故が起きており、被災施設が大地震などの自然災害や不測の事故に、どのような対策で臨んでいたのか検証し、今後に生かすとともに、関係者の意識改革、既成概念にとらわれない安全対策の積み上げが必要だと考える。
市内の放射線量率は問題ないレベルだと専門家が評価しているが、幼児の保護者の不安も理解できるので、継続的調査を実施しながら放射能への正しい理解を広め、不安解消に努める。8/29に放射線医学総合研究所の協力で空間放射線量率調査を実施した。花見川第三保育所は平均0.12μSv/h、花園小学校は平均0.10μSv/h、幸町公園は平均0.08μSv/hだった。小学校体育館の雨どい直下では平均0.28μSv/hの最大値を示した。
放射能への正しい理解を広めることは重要だ。今後も専門家による講演会開催や各種の場面を活用し理解を深めるよう努める。リーフレットも放医研と協議し作成を検討したい。
○ 京葉道路の騒音対策について
京葉道路の一部区間の防音壁は、H7年に道路公団が実施した騒音調査結果で、騒音規制法に基づく自動車騒音の限度を超えた部分に防音壁を設置したが、下回った部分の天台5丁目側には設置されなかったものだ。京葉道路に並行する国道16号線を管理する千葉国道事務所には、地元自治会から防音壁の設置要望が出されており、対応を検討していると聞いている。
<都市局長答弁>
○ アルコール工場跡地へのマンション建設について
現在の事前協議は、市の宅地開発指導要綱に基づくものだ。この要綱は、快適な生活環境と良好な都市環境確保を図るもので、法律では規制できない事案でも行政指導を行う根拠となっており、周辺住民に配慮するよう事業者に協力を求めるため定めている。
<教育次長答弁>
○ 学校の教育環境整備について
学校での草花栽培の環境整備は配布予算の中で対応している。都市局と連携し、暑さ対策や地球温暖化抑制の一環として、希望する小・中学校にゴーヤやアサガオなどの種子と育て方のパンフレットを配布している。H22年度は107校で緑のカーテン作りに取り組み、約7割がうまく育ったとしている。教育委は、環境教育の一環で植物栽培や緑のカーテン作りの指導・支援を続ける。
学校では教員が教室等に設置してある温度計で室温を把握し、児童の健康管理に注意しているが、数値をデータ化はしていない。
(2回目からは1問1答)
<あぐい武夫議員>
◇ 原発事故への認識と放射能汚染の実態調査について
「問題となるレベルではないが、不安をもたれている」との認識から、その不安の解消のために、「継続的調査」と「放射能の理解を広める」ということでした。保護者のみなさんが一番不安なことは、公園や学校などの放射線量がわからないことです。千葉市の継続調査は、各区の1施設、1地点だけを3回測定しました。その結果で「低減傾向が確認された」「問題はない」といわれても、不安は解消されません。市はこの間の継続調査で、市内の放射性物質が減少し、放射線量が一路低減に向かっていると考えているのでしょうか。お答えください。
<環境局長答弁>
地表に付着した放射性物質は時間の経過により、雨などで土砂と流れるので一般的には減少すると言われている。6月の空間放射線量率の測定で、最も高かった花見川第三保育所の0.24μSv/hが、8月には0.14μSv/h、9月で0.13μSv/hと低減している。
<あぐい武夫議員>
放射性物質が「雨などで流されて、一般的に減少する」とのことでした。花見川第3保育所での低減は、まさにそう考えるべきです。流された放射性物質は、側溝などに溜まっています。この測定結果で、千葉市全体の放射線量が低減しているとの結論は出せません。正確な実態を把握するためには、各地で放射線量を測定するしかありません。そこで、伺います。
保護者のみなさんの不安を解消する第一歩は、すべての学校、保育所、保育園、幼稚園、公園、通学路などの放射線量を測定し、公表することです。その実施を求めます。お答えください。
<環境局長答弁>
市内の放射線量率状況を調査するため、6月に18ポイント、8月と9月に6ポイント抽出して測定し、その結果をホームページ等で公開している。今後も継続調査し公開していく。
<あぐい武夫議員>
結局、今の調査を続けるということです。これでは、いくら「問題ない」と言っても、市民のみなさんの不安は解消されません。小さなお子さんを持つ保護者のみなさんの思いに心を寄せ、すべての学校、保育所、幼稚園、公園などの測定をすることを重ねて求めておきます。
次に、地域におけるホットスポット対策についてお聞きします。
花園小学校の詳細調査では、平均値が毎時0.10マイクロシーベルトに対して、最大値となった体育館の雨どい直下は毎時0.28マイクロシーベルトでした。
このように、市の調査でもホットスポットが確認できました。程度の差はありますが、こうしたホットスポットは、どこの施設でも地域でもあります。
千葉市の放射線量を下げるために、ホットスポットを見つけ出し、除染することを提案します。お答えください。
<環境局長答弁>
これまでの測定結果では低減傾向だ。8月の調査では一部で雨どい直下など若干高い値が確認されたので、これらの箇所では学校・保育所の環境整備の一環として対応済みだ。公園では、通常の清掃の一環として対応する。
<あぐい武夫議員>
「放射線量が高そうな箇所については、環境整備の一環として対応する」とのことでした。これでは、明確な目標なしに活動するようなものです。積極的にホットスポットを見つけ出してこそ意欲も生まれ、本気の取り組みとなります。放射線量を減らす効果もあがります。もちろん、高そうなところを意識して清掃することを否定するものではありません。それはただちに、実施していただきたいと思います。
同時に、再度、強調しますが、ホットスポットを減らせば、市内の放射線量を効果的に減らすことができます。そこで、伺います。
放射能被ばくは、「少なければ、少ないほどよい」というのが、放射線防護学の原則です。同時に、国際放射線防護委員会は、「合理的に達成可能な限り、低く抑えるべき」として、平常時には、年間1ミリシーベルト以下にすることを求めています。文部科学省も、学校において年間1ミリシーベルト以下をめざすとしています。千葉市でも、ホットスポットなどの対策のために、年間1ミリシーベルト以下、毎時では0.19マイクロシーベルト以下を目安としてはどうでしょうか。お答えください。
<環境局長答弁>
原子力災害対策本部が8/26に示した、除染に関する緊急実施基本方針は、追加被ばく量が1oシーベルト以上の地域の対応であり、千葉市の放射線量は下回っているので、具体的な目安は考えていない。
<あぐい武夫議員>
「年間1ミリシーベルトを下回っているので、目安は考えていない」とのことでした。しかし、一部の測定結果だけで、「下回っている」といわれても、疑問が残ります。また、実際に毎時0.19マイクロシーベルト以上のホットスポットがあるのですから、目安として位置づけ、より少ない放射線量をめざすべきです。
これまでの答弁を踏まえると、これからの対応はあまり変わらないということになります。そこであらためて、今後の市の対応について伺います。
今議会では、放射能汚染関連の陳情が3本も採択されました。このことも踏まえ、わが会派を含む代表質疑の中で、「今後の対応を検討したい」との答弁がありました。どんな課題について、検討するのか明らかにして下さい。
<環境局長答弁>
採択された陳情は、空間放射線量率の測定場所を増やし、土壌調査や除染の実施し、食品の検査や給食食材の安全管理などが要望されているので、測定場所の増加、給食食材の安全管理体制の充実について検討している。
<あぐい武夫議員>
測定場所の増加や給食食材の安全管理体制の充実などについて検討しているとのことでした。ぜひ、ホットスポット対策も含め、市民のみなさんの思いに応える取り組みになるよう、重ねて求めておきます。
次に、放射能の知識を知らせる取り組みについてです。
専門家の協力のもとに講演会などの開催とともに、リーフレットの作成を検討するということでした。ぜひ、作成していただきたいと思います。同時に、リーフレットができた場合、学校、保育所、保育園、幼稚園などを通じて配布するのでしょうか、お答えください。
<環境局長答弁>
放射能汚染に特に不安を抱える幼児の保護者には、学校・保育所など幅広く市民に行きわたる配布方法を検討する。
<あぐい武夫議員>
放射能の正しい知識がないと、必要のない不安を抱いたり、過小評価したりします。できるだけ早く作成し、配布していただきたいと思います。
◇ 学校の教育環境整備について
緑のカーテンづくりでは、「7割の学校が上手く育った」とのことですが、ゴーヤなどが実ったということだと思います。温度を下げる効果のある緑のカーテンにまで育ったということではありません。効果のある緑のカーテンをつくるには、実施計画から種子の選定、園芸資材の調達、栽培方法、栽培管理など、様々な援助が必要です。学校まかせではできません。本格的に実施するのであれば、環境教育の一環として位置づけ、予算も人も配置することが求められます。地域の協力も必要でしょう。そこで伺います。
学校が自主的な取り組みとして、規模も大きい緑のカーテンづくりを位置づけ、本格的に取り組もうという場合には、教育委員会として予算を含め、具体的な援助をするのでしょうか。お答えください。
<教育次長答弁>
緑のカーテンづくりを通じて植物の働きを考え、快適な環境をつくる取り組みが行われている。今後は、教科等の指導に加え、地域の専門性ある人材を活用するよう働きかける。経費は、学校配布予算を活用することになる。
<あぐい武夫議員>
この間、学校での緑のカーテンづくりが、エアコンのない教室の暑さ対策として議論されてきました。エアコンが設置されている東京の学校の中には、3階まで届く緑のカーテンを作っているところがあります。緑のカーテン作りは、あくまでも環境教育の一環として位置づけ、推進するべきです。また、現在の「学校配布予算」には余裕はありません。位置づけにふさわしい予算措置をすべきことを指摘しておきます。
次に、エアコンの設置についてです。
「データとしての記録はない」ということでした。私は7月15日の午前10時半ごろから12時30頃まで、柏台小学校、宮野木小学校、千草台小学校の教室の温度を測定しました。12時30分頃の千草台小学校では1階が32.7℃、3階は33.7℃もありました。この教室の温度で、勉強に集中できるでしょうか。健康に影響が出ないといえるでしょうか。お答え下さい。
<教育次長答弁>
夏休み前の時期は、教室の温度が30℃を超え、学習への集中や健康への影響も考えられるので、教員は子どもたちの様子を観察し、窓の開閉や扇風機の活用で風通りを良くするなど配慮している。また、水分の補給など熱中症予防も含め適切に対応している。
<あぐい武夫議員>
学習や健康への影響は明らかです。わが党市議団が取り組んだ市民アンケートには、「教室内は30℃以上になり、授業に集中できません」との声が寄せられています。
この議場は、現在 ℃で快適です。しかし、33℃前後の教室では、いくら扇風機を回しても快適とはなりません。
また、先生方が熱中症予防に注意を払っているように、エアコンは、生存権にかかわる問題になっています。そこで、伺います。
エアコンは多くの家庭に普及しています。現在では、憲法25条で保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」を営むうえで必要な家電となっています。そのような認識をお持ちでしょうか。
<教育次長答弁>
エアコンは近年、家庭に普及している家電だが、最も暑い時期の7月下旬から8月は夏休み期間であり、健康管理への対応となっている。
<あぐい武夫議員>
「家庭に普及している家電の一つ」というだけの認識でした。この間、一人暮らしの高齢者世帯で、エアコンを使わなかったために、熱中症で亡くなったという痛ましい事件が起こっています。現在、エアコンが生存権の問題になっていることをしっかりと認識すべきです。そこで伺います。
学校で、健康で文化的な最低限度の生活がおくれないような事態があってはなりません。県内では、浦安市や市川市などで設置しています。船橋市でも設置を始めています。千葉市でもエアコンを設置すべきです。設置の計画をお示しください。
<教育次長答弁>
市内の全学校の図書室・保健室・コンピューター室の特別教室にはエアコンが設置され、教育環境整備に努めている。校舎の耐震化を最優先しているので、普通教室への設置の予定はない。
<あぐい武夫議員>
「予定がない」ということは、いつまで待たされるか、わからないということです。子どもたちは本当にかわいそうです。学校の耐震化も生存権の問題ですが、エアコン設置と対立させるべきではありません。千葉市は市政運営の方針として「選択と集中」を掲げています。子どもたちの安全と健康を守るためには、エアコン設置もしっかりと選択すべきです。重ねて強く求めておきます。
◇ 稲毛区の諸問題について
京葉道路の騒音問題は実態を把握していただいているので、ここでは要望とします。
平成7年当時と違い、今では民家が密集し、高層マンションも建っています。それでも防音壁がないままです。穴川インター近くで、京葉道路上り線側に隣接する園生貝塚は山林で民家はほとんどありません。しかし、ここにも防音壁は設置されています。千葉市として住民の立場に立ち、他の地域と同じように、天台5丁目側にも防音壁を設置するよう、国に要請することを、強く要望しておきます。
次は、マンション建設についてです。
事前協議は、宅地開発指導要綱に基づくもので、市民の快適な生活環境や都市環境をつくるために、法律で規制できない事案でも行政指導ができる根拠になっているとのことでした。住民のみなさんの不安や要望を踏まえて、粘り強い行政指導をしていただくために、さらに伺います。
マンション予定地の隣接道路は一本しかありません。しかも狭く、JR高架下から小中台坂通りへは抜けられますが、その逆は一方通行のために抜けられません。ここに約1,000戸のマンションが建てば、交通渋滞や交通事故などが予想されます。千葉市として、このような交通問題が発生しないように、対応を考えているのでしょうか。また、工事期間中の交通安全対策はどのようにするのでしょうか。
<都市局長答弁>
交通問題の対応は、隣接道路を宅地開発指導要綱で定めている6m幅員に拡幅するよう求めている。工事期間中の交通安全対策では、工事関係車両の搬入に必要な警察など関係機関の承認を得るよう指導し、交通整理員配置や搬入時間帯の配慮など指導する。
<あぐい武夫議員>
マンション予定地の隣接道路を宅地開発指導要綱に定める6メートルに拡幅させることは当然のことです。しかし、6メートルにすれば、交通問題などが解決するわけではありません。マンション予定地への唯一の進入道路も6メートルをやっと超えた程度で、歩道はありません。現在でも、とくに下り坂との交差点は、通行するのに注意が必要です。いきいきプラザが近くにあり、高齢者も通行しています。
ここに、法律に適合しているからといって、約1,000戸もの大型マンションをつくれば、交通問題をはじめ、住環境は悪化します。また、工事期間は3年間もあります。こうした事態を踏まえて、行政指導するよう重ねて求めておきます。
次に、日照についてです。
地上から約49mの建物が6棟も建つために、住民のみなさんは日照ついても、不安を抱えています。とくに、稲毛東5丁目、6丁目は、マンション計画地よりも低いところにあり、しかも西側に面しています。また、マンション予定地の真下には、高齢者のための稲毛いきいきプラザがあり、その隣には稲毛東公園があります。千葉市も、マンションの影響を受ける直接の当事者といえます。
千葉市は、日照への影響について、把握しているのでしょうか。また、対策を考えているのでしょうか。
<都市局長答弁>
中高層建築物の建設に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づき、日影図で日照の影響を確認しており、住民の要望は建築主に伝え、必要に応じて指導していく。
<あぐい武夫議員>
「必要に応じて指導する」とのことですが、稲毛東6丁目、5丁目のみなさんにとっては、12メートルも高い高台に建つわけですから、日照への影響はさらに大きくなります。この点でも実態を踏まえて、しっかりと指導していただきたいと思います。
次に、ビル風についてです。
マンション建設予定地とJR総武線を挟んで、高層マンションがあります。計画通りにマンションができれば、JR線沿いを中心にビル風が吹き荒れる可能性があります。千葉市は、ビル風の影響がどのようになるのか、予想しているのでしょうか。周辺住民への影響はないのでしょうか。見解を伺います。
<都市局長答弁>
風の影響を調査する予定はないが、要望を受けて建築主はコンピューターシュミレーションを行う予定だ。その結果で、周辺住民に説明と話し合いを行うよう指導していく。
<あぐい武夫議員>
ビル風は非常に複雑な動きをします。住民のみなさんは、まったく予想がつきません。コンピューターシュミレーションによる検討と住民のみなさんへの説明、話し合いが確実に行われるように、指導することを重ねて求めておきます。
次に、マンションの雨水についてです。
マンション建設予定地の下に広がる稲毛東5丁目の隣に稲毛3丁目があります。ここは稲毛区で一番海抜が低いところです。ここを流れる草野水路は、昨年9月8日の豪雨によって溢れだし、周辺地域に床上浸水が発生しました。そのために、草野水路周辺の住民のみなさんは、マンションが建設された場合、そこの雨水はどこに流れるのか強い関心をもっています。もし、草野水路に流れ込めば、水害の一因になるのではないかと心配しています。千葉市として、マンションの雨水をどう処理しようとしているのでしょうか。お答え下さい。
<都市局長答弁>
事業者の計画を精査し、宅地開発指導要綱で雨水流出抑制を指導する。
<あぐい武夫議員>
昨年の草野水路が氾濫したときには、1時間の雨量は70mmでした。こうした豪雨があったことや、昨年の水害の実態も詳しく伝え、指導するよう要望しておきます。
次に、計画の見直しについてです。現在の様々な地域の状況から検討すると、この地域の住環境を悪化させずに、約1,000戸の大型マンションを建設することは、かなり難しい問題だと思います。千葉市は、戸数を減らすなど、建築主に対して、計画の見直しを求める考えはないのでしょうか。お答えください。
<都市局長答弁>
法に適合する計画に行政として見直しを求めることはできない。周辺住民の要望は市の条例で、話し合いでの解決を図るよう建築主側へ要請していく。
<あぐい武夫議員>
「見直しを求めることはできない」とのことでした。しかし、千葉市には、現在の住民にも、将来の住民にも、良好な住環境を保障する責任があります。今のままでは、どちらの住民にも、住環境の悪化が押し付けられます。
すでに、地元説明会を通して、住民のみなさんと建築主側との話し合いが始まっています。建築主が法律に適合しているからといって、計画を強行しないように、市は、話し合いによる解決を粘り強く働きかけるよう求めておきます。
最後に、お聞きします。住民と建築主との間で、話し合っても問題が解決しない場合には、「千葉市中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」、いわゆる中高層条例に基づいて、あっせんや調停をおこなうことができます。この手続の方法、あっせんや調停の内容についてお示し下さい。
<都市局長答弁>
話し合いがつかない場合は、工事着工前までに条例に基づき、所定の申出書を提出のうえで、あっせんを行うことになる。あっせんは、職員の仲介で申し出者と建築主側で話し合いが行われ、不調となったら再度申出書を提出し、調停を行うことになる。調停には調停員も同席して、あくまで話し合いでの解決を図る。あっせんと調停は一物件につき一案件として扱うので、申し出書の提出には、要望内容を周辺住民が十分話し合いの上で取りまとめることが大切だ。
<あぐい武夫議員>
中高層条例の目的は「良好な近隣関係を保持するとともに、安全で快適な住環境の保全及び形成に資する」こととなっています。もし、あっせんや調停になった場合には、千葉市として、この目的を踏まえ、あっせん、調停が公平公正に行われるように、力をつくすことを要望しておきます。
今回の質問では、放射能問題でも、エアコン問題でも、マンション問題でも、住民のみなさんや、子どもたちが切実に求めていることをとりあげました。市政の基本は、住民に心を寄せ、その願いの実現に力をつくすことです。市民のみなさんが困ったときに頼れるのは行政です。その重要な役割を発揮することを求めまして、私の一般質問を終わります。
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