中村きみえ議員の一般質問および答弁要旨

2011.9.29

障害児教育について

 障害のあるお子さんが、その発達、状況に合わせて教育を受ける環境を整えることが必要になります。千葉市では、子どもたちの学習環境が十分なのかどうかが、問われています。
 まず、特別支援学校での子どもたちの推移についてです。
 1つに、この間の特別支援学校での児童数の推移について伺います。
 2つに、そこで働く教職員の教員・講師の内訳と人数について伺います。
 つぎに、特別支援学級についてです。
 1つに、小学校での正規・講師は何人ですか。全体の教職員のうちの講師の占める割合は何%ですか。
 2つに、中学校の正規・講師は何人ですか。全体の教職員のうちの講師の占める割合は何%ですか。
 3つに、普通学級での小学校・中学校での正規・講師の人数は、何人で講師の占める割合は何%ですか。
 4つに、共産党千葉県議団からいただいた資料によれば、中学校の特別支援学級の担任の内、講師が占める割合は、東上総は0%、東葛飾は2.4%、北総は2.9%、南房総は4.6%、葛南が21.2%ですが、千葉市は36.4%と県内平均8.8%を大幅に上回り、突出しています。このような事態をどう受け止めているのですか。
 つぎに、養護教育センターなどでの障害のあるお子さんの相談の傾向と対策について伺います。

高齢者施設について

 その1は、特養ホームについてです。
 特別養護老人ホームの待機者は7月1日現在1,985人に上り、施設整備が待たれています。特別養護老人ホームは、1か月の利用料が個室の場合、ホテルコストがかかり14万円ほどかかります。軽減策などはあるものの年金生活者では、負担が重く、利用料が高いため、せっかく順番が来てもキャンセルする方も少なくありません。
 施設の整備を進めていくと同時に払える利用料にすることが求められます。
 そこで伺いますが、
 1つに、施設整備の計画を前倒しで進めていくことを求めますが、市としての見解を求めます。
 2つに、施設の偏在について、具体的にどこまで検討が進んだのかお示しください。
 3つに、利用料の減免制度を市独自に行い、施設入所できるようにすべきですがお答えください。

 その2は、高齢者むけ賃貸住宅についてです。
 特養ホームの待機者が多く、施設に入れずに困った場合、その受け皿に食事や介護サービスを提供する高齢者むけ賃貸住宅が増えています。
 1つに、市は、特養ホームに入れずに困った方がどうしているか、実態把握をしていますか?その傾向と推移、内訳を示してください。
 2つに、こうした住宅には無届の有料老人ホームが多いようですが、入所している方から苦情や要望などを把握していますか。
 3つに、今後の市としての対策を伺います。

花見川区の諸問題について

 その1は、幕張駅周辺の整備についてです。
 幕張駅の南口はかつて再開発事業が行なわれる予定でしたが、地権者の合意が得られず事業は解散、その後千葉市は、幕張駅南口の整備について、どうあるべきか模索し、千葉大の協力を得てまちづくりのあり方を検討しました。その際、「住みよい幕張を考える会」が発足し、幕張駅の南口の公共の土地を利用し広場の整備や駅前花壇の整備を行なってきました。
 しかし、その後、地域の町会長がこのままの町でという意向を示したため、今日の状況に至っております。駅前の花壇の整備を10年行なってきましたが、会員の高齢化によって、会として花壇の整備を行なう限界がきています。
 駅前花壇の場所については、整地をしてポケットパークにしてベンチや木を植え、駅利用者の憩いの場所としてはいかがでしょうか。見解を伺います。

 その2は、区画整理事業についてです。
 検見川稲毛土地区画整理事業と東幕張区画整理事業の事業費ベースでの金額の推移と移転戸数の進捗状況をお尋ねします。

 その3は、保育施設についてです。
 市内の保育所の待機児童数は、9月1日現在427名です。花見川区では65名の待機者となっています。
 まず、検見川地域についてです。
 検見川地域ではすでにマンション建設後、完売が続き子育て世代の入居が始まっています。区画整理事業地内でも戸建て整備も進んでいます。さらにNTT跡地のマンション建設もC棟以外にA,B棟も整備が始まっています。
 中央区や緑区、美浜区などのような急増ではありませんが、今後子育て世代が保育施設を必要とする時期がもうしばらく続くと思われます。
 検見川稲毛土地区画整理事業地区内での保育所は公的なものであれば、一時的な需要に応えて施設整備を行うこともできるかと思います。待機児解消策として、市の見解を求めます。

 つぎは、幕張本郷地域の保育所整備についてです。
 9月中に社会福祉法人等設立審査委員会で幕張本郷地域を含めた保育所の事業者募集をかけた審査が行なわれるようです。審査中でしょうが、申請中の事業者はおもにどこの地域から応募しているでしょうか。
 幕張本郷地域での整備は進むのか、見通しを伺います。

 その4は、放射線対策についてです。
 柏井の浄水場での汚泥から放射線物質が検出され、処理に困るなど千葉市でも放射能被害を改めて痛感します。
 まず、子どもたちの居場所での対策についてうかがいます。
 この間、花見川区内の公園などで放射線量の測定を行いました。幕張本郷にお住まいのお母さんや子どもたちと8月29日の午前中に実施しました。
 子どもは狭いところ、湿った場所など大人が思うよりもさまざまなところで出かけて遊びます。保護者から、砂場、芝生、湿った木陰、側溝、どんぐりを拾う場所、水のみ場、草むらなど、ここはどうかと不安に思う場所を測定して回りました。
 側溝では時間当たり0.51マイクロシーベルトが検出され、早速花見川公園緑地事務所に連絡をし、清掃をしていただきました。
 また、水のみ場では、排水が悪く、水がたまったままで子どもたちはそこに手を入れて遊んでいるではありませんか。ここも一時的な清掃だけでは改善しないため、設計しなおしていただくこととなりました。
 今回のように、保護者の方と測定をすることでデータを見ながら改善をして欲しい場所を具体的に要望し、実現したことは喜ばしいことだと思います。
 1つに、このように子どもたちが日頃から利用する場所の測定をして具体的に改善することが求められていると思いますが、市としての見解を伺います。
 そして、今回の調査で、子どもへの放射能汚染が怖いからと公園でお子さんを遊ばせていないお父さんがいると伺いました。
 2つに、夏の暑さで子ども達が公園で遊ぶ姿が減ったのではなく、こうした不安を抱えている保護者は少なくありません。この声に応える取り組みが早急に求められていると思いますが、どう取り組んできたのか伺います。

 つぎは、農業についてです。
 1つに、先日農家の方から風評被害で、にんじんが10キロ当たり200円から300円ほど下がり、年間にして2〜300万円もの被害になると伺いました。
 放射性物質が検出されなくてもこのような被害実態を市は、どう受け止めていますか。
 2つに、千葉市として、農家からの相談件数、実態把握と対策はどうしていますか。
 3つに東電の補償が始まっているから推移を見守るのではなく、東電にその責任を取るよう求めるべきではないですか。お答えください。

<教育次長答弁>

○ 障害児教育について

 H21年度から今年度までの3年間の児童数は、第二養護学校でH21年度70人、22年度67人、23年度63人だ。養護学校中等部は、H21年度49人、22年度51人、23年度44人、高等部は、H21年度133人、22年度146人、23年度136人が在籍している。正規教員・講師は、養護学校で管理職3人、教員63人、講師6人。第2養護学校は管理職2人、教員23人、講師2人だ。
 特別支援学級の小学校の正規教員は123人、講師は5人で、講師の占める割合は4.0%だ。中学校は正規教員38人、講師25人で講師の割合は39.8%だ。
 普通学級では、小学校の正規教員2,351人、講師は46人で割合は1.9%、中学校の正規教員1,277人、講師は96人で割合は7.0%だ。
 保護者・学校の要望を受け、H21年度は25校・53学級、22年度は27校・55学級、23年度は30校・63学級と、毎年、中学校特別支援学級を新設しているため、正規教員の不足と講師の割合が高くなっている。今後、教員採用選考で教員確保に努める。
 養護教育センターでの相談受理件数は増加傾向にあり、H20年度は830件、21年度846件、22年度936件だ。H8年度の開所当時は、指導主事2人と教育相談員3人で対応していたが、現在は6人の指導主事と8人の相談員で対応している。

<保健福祉局長答弁>

○ 特養ホームについて

 特養ホームは、H21年度から23年度を第4期介護保険事業計画として整備を進めてきた。計画では239人分の整備量を決めたが、待機者の増加から国の特別対策事業を活用し、109人分を上乗せして整備している。第5期計画では新規施設と増床で140人分をH24年度の開設をめざして整備を進めている。整備量が少ない区への対応は、国・県・URの所有地などへの協議を進めているが、URとは幸町団地の再整備区域への整備について具体的検討を行っている。
 介護保険ではサービスの利用は利用者が1割負担するが、一定額を超えた場合に超過分を還付する制度や、介護施設での居住費・食費の負担上限の設定など、低所得者に配慮した制度がある。また、生保受給者が特養ホームのユニット型個室を利用した場合の居住費を免除している。市独自の減免は、他都市の状況や財政状況も考え検討していく。
 7/1現在、特養ホームへの入所希望は1,985人いるが、その内の51%は、在宅で居宅サービスや家族介護を受けている。その他、病院18%、介護老人保健施設17%、その他14%で、単身世帯は57%、夫婦世帯18%、その他世帯が25%となっている。
 無届で把握している施設中、3分の2の人は生保受給者であり、担当ケースワーカーが定期的に訪問し、生活状況を確認しているが、苦情や要望は特にない。現在の指導権限は県にあり、市が事業者を指導するのは難しい。有料老人ホームの設置届け出の受理、立ち入り検査等が指定都市に事務移譲されることになるので、適切に対応していく。

<都市局長答弁>

○ 花見川区の諸問題について

 幕張駅周辺整備は、H15年度から地元市民団体が花壇を活用していたが、H22年度末で終了したので、用地の活用について検討中だ。地元の意見を聞きながら、幅広く検討していく。
 検見川稲毛区画整理事業は、H元年の仮換地からH22年度までの事業費は約3億円から7億7千万になり、ピークはH19年度になっている。全体の移転戸数370戸のうちH22年までに171戸が移転済みだ。
 東幕張土地区画整理は、H14年度の仮換地からH22年度までの事業費は約2億2千万から8億4千万になり、ピークはH19年度だった。全移転戸数456戸のうち、H22年度までに83戸が移転済みだ。

<こども未来局長答弁>

○ 保育施設について

 検見川地域での保育所整備は、施設整備の必要性は十分認識しており、整備事業者の公募でも、重点整備地域に指定し事業者の確保に努めたが、保育所の新設や既存施設の有効活用で、待機児童解消に努め、検見川稲毛土地区画整理地内への保育所設置の可能性も検討していく。
 今年度の重点地域のおゆみ野をはじめ、都賀、幕張町、稲毛海岸駅周辺、浜野駅周辺他、計9件の申請があったが、幕張本郷地域では事前相談はあったが申請に至らなかった。この地域は、保育需要や児童数が増加しており早期整備が必要だが、今年度の選考結果を踏まえ、募集方法などの工夫や既存保育園等への協力依頼、当地域の土地やテナントなど不動産物件情報を収集し、保育事業者へ提供するなどで保育所整備に努める。

<環境局長答弁>

○ 放射線対策について

 市内の放射線量率は、6月の調査結果から「心配ない」との専門家の評価があり、公表している。8月には、局所的に高い数値を示す箇所があることも考えられ、放医研の協力を得て、モデル的に選定した小学校、幼稚園、公園の3か所で詳細調査を実施したが、問題ない値であり、面的除染が必要な場所はないと確認した。一部、雨どい直下など若干高いところもあったので、学校、保育所では環境整備の一環として対応した。公園は、通常の清掃の一環で対応する。放射能調査に関する請願・陳情の審査結果を踏まえ、放射線量測定について検討している。

<経済農政局長答弁>

○ 放射線対策について

 農業への風評被害の実態は、人参のみならず、ねぎ・きゅうり・トマトなど野菜全般が価格下落しており、生産農家は大きな経済的損失を受けている。付表被害は千葉市だけでなく県全域に及び、知事あてに万全の補償を求め要望した。知事は農水大臣、文科、大臣に緊急要望を行っている。東京電力による原子力被害への本補償が始まったところであり、状況を見極めながら関係団体や県と連携して取り組んでいく。
 農家からの相談件数は、相談窓口設置以来25件の相談があり、内容は農畜産物の放射性物質検査の結果や安全性に関する相談だった。風評被害の実態把握はJAグループが東電に損害賠償請求しているが、千葉市分は3回の請求分で約8,700万円と聞いている。

(2回目以降は1問1答)

<中村きみえ議員>

障害児教育について

 障害のある子どもさんには障害の種類によって関わり方が違い、より高度な専門性が問われます。せっかくなれた先生に出会っても、講師であれば、そのまま同じ職場で、来年度以降も働き続けるのかわからず、生徒にとっても教師にとっても憂慮すべき事態ではないですか。
 子どもたちへの継続性、専門性が求められており、不安定な講師の採用ではなく、正規職員を計画的に採用すべきと考えますが見解を求めます。

<教育次長答弁>

 過去に特別支援学級で勤務した経験者、将来特別支援教育の教員を志望する人をできるだけ配置しており、生徒にとって満足できる指導ができている。今後は、特別支援学級新設の早期把握で特別支援教育免許を持つ教員の確保に努め、人事異動で配置を促進し、講師割合の減少・解消に努める。

<中村きみえ議員>

 障害児に関わる教育での専門性が問われていますが、そこで働く職員の講師が占める割合は、約4割の事態は異常です。政令市でも一番多い事態を、市として、早急に解消する計画を作るべきではないですか。

<教育次長答弁>

 保護者の意向を受けた学校からの要望で、特別支援学級を新設してきたことが正規職員の不足になっている。教員採用選考で、特別支援教育免許を持った教員の採用と増員を県に要望し、確保に努める。

<中村きみえ議員>

 養護教育センターについても相談が多く、現場の先生方は子どもたちへの対応へのアドバイスを求めながら日々の教育活動にあたっているようです。ぜひ、体制の充実を行うよう求めておきます。

高齢者施設について

 特養ホームの市全体での配置の偏在を、3月議会で指摘をしてきました。質の高い社会福祉法人が整備できる条件を整えることが必要です。
 花見川区の畑町通勤寮跡地については周辺住民の期待の声が高まっており、ぜひ設置してほしいとの切実な声が寄せられており、先日国から現地調査に来た方があったと周辺住民の方から伺いました。この間の話し合いはどこまで進んだのか伺います。

<保健福祉局長答弁>

 畑町通勤寮跡地は、東日本大震災での被災者支援に活用するため、用途活用協議が凍結されていたが、解除されたので協議を再開していく。

<中村きみえ議員>

 検見川稲毛土地区画整理事業地内での整備も、花見川区はもちろん、隣接する稲毛区でも設置場所として便利であり、整備を積極的に進めるべきですが見解を求めます。

<保健福祉局長答弁>

 土地区画整理事業地内の利活用は、地元要望なども勘案し調整を図るとされており、その中で整備の可能性を検討する。

<中村きみえ議員>

 施設入所をあきらめてしまう方に、減免制度の実施は、入所を促進する上で有効な手段だと考えます。本年度から生活保護の方の居住費が全額免除になり、どのくらい入所できましたか。

<保健福祉局長答弁>

 新たにユニット型個室に入所した人はいないが、制度ができる前に特養ホームに入所していた2人が、利用している。

<中村きみえ議員>

 こうした制度は当事者、関係者への広報、周知徹底を行い入居の促進を求めるべきですが、見解を伺います。

<保健福祉局長答弁>

 減免制度は、介護保険のパンフやホームページに掲載し、生保受給者には担当ケースワーカーを通じて周知している。また、特養ホーム施設長会議でも制度を周知した。

<中村きみえ議員>

 次に、高齢者むけ賃貸住宅についてですが、市内のある施設では、病院や行政側から他の施設に入れず、困った時に相談をして入所するケースが多いと伺っています。その多くは、生保の方だそうですが、ある施設では1ヵ月に本人が自由にできるお金は2,600円、冬季加算では多少増額されるとのことですが、1日に100円にも満たない金額で生活することを余儀なくされています。本人のこうした生活費を含めた実態について、市は把握していますか。それへの対応はありますか。

<保健福祉局長答弁>

 施設の月額利用料はパンフ等で把握している。入居に当たり、ケースワーカーが生活費等について、利用者本人に説明し納得を得たうえで入居している。

<中村きみえ議員>

 あるグループホームで同じ生活保護を受けている方は利用料以外で、本人が自由にできるお金が、1か月に13,600円で個別外出の外食代、歯磨き粉石鹸など理容代、で3千円かかったとしても、1万円は手元に残ります。
 1日3食以外に飲み物や食べ物が欲しいことや、日常生活で買い物したいものもあると思いますが、1か月2,600円では、最低限の生活を保障する権利も侵害されていると思いますがどうですか。

<保健福祉局長答弁>

 生保受給者で施設入所が必要になったら、特養ホーム等は待機者が多く、やむを得ず賃貸住宅を利用することになる。この場合、生保費の中で必要なサービス利用料を支払ってもらう。

<中村きみえ議員>

 有料老人ホームの定義には、(1)食事の提供(2)介護の提供(3)洗濯掃除等の家事(4)健康管理のサービス提供を自ら行う場合だけではなく委託で行なうか、将来行う場合も該当します。サービスは提供していないために該当しないとしていますが、実態はどうですか。

<保健福祉局長答弁>

 このような高齢者住宅でも、中には募集広告等で食事や介護サービスの提供も表示するものもあり、その場合は有料老人ホームに該当するため、指導権限がある県に情報を提供している。

<中村きみえ議員>

 本来、介護事業者は公正中立が求められています。高齢者向け賃貸住宅に入居した人は、任意で介護サービス事業者を選択できなければなりませんが、建物設置者と関連する特定の事業者のみ利用するような実態があるのかどうか伺います。

<保健福祉局長答弁>

 高齢者向け賃貸住宅入居者のサービス利用契約の相手先は、全ては調査していないが、生保受給者は特定の事業者と契約する事例が多い。

<中村きみえ議員>

 介護保険では、同一法人からのサービス提供が著しく偏る場合に、報酬が減算される特定事業所集中減算制度がありますが、千葉県では、生活保護の場合、これに該当しないこととされています。入居者が同じ事業者と契約する事態を、市はどう認識していますか。

<保健福祉局長答弁>

 ケースワーカーの定期訪問の際、適切なサービスを受けているか確認しており、保護課と介護保険課が連携し、立ち入り調査して個別指導している。

<中村きみえ議員>

 介護事業所から派遣されたヘルパーの入れ替わりも多く、「やりがいがない」と退職する方も多く、きめ細かなサービスが行き届いているのか不安な声などもあるように伺いましたが、市として入居者が安心して暮らせるように、対応を図ることが必要と思いますが、どうですか。

<保健福祉局長答弁>

 有料老人ホームへの指導権限が市にないことから指導は難しいが、来年度からは権限が指定都市に移譲される予定なので、適切に対応していく。

<中村きみえ議員>

 入所者は、認知症の方もいますし、他に行き場がなくて入所せざるを得ない方も少なくありません。そうした方が、施設側に不満を言うことができるでしょうか。施設から出たら他に受け入れ先がなければ、途方にくれてしまいます。そのため不満や要望を言いにくいきわめて弱い立場にあると言うことを踏まえて、対応していただくことを切に望みます。そして県にも貧困ビジネスが介護の分野まで起こっている事態を、改善するよう働きかけを求めておきます。こうした施設への対応を図ると同時に、質の高い特別養護老人ホームの整備が急務です。特養ホームは現在の制度下で、「看取り」までできる唯一の生活施設です。ぜひとも特養ホームの施設整備を進めていくことを求めておきます。

花見川区の諸問題について

 検見川稲毛の区画整理では、合計121億2,781万円の事業費で、171戸の移転で370戸中の半分にもなっていません。22年間で移転戸数も単年度が1ケタの予算では事業の長期化によって事業地内の住民は移転できずに建築制限がかかったままです。同様に東幕張も43億9,321万円で、456戸中83戸の移転にとどまり、単年度3から4戸の移転の予算では、事業終了するまで100年かかります。

 市は、こうした事業費が削減されたまま、計画がますます先送りとなることをどう思っていますか。

<都市局長答弁>

 近年の財政事情で事業費が縮減され事業進捗も低迷しているが、この状況はしばらく続くと考える。地区の整備効果を高める都市計画道路や駅前広場など重要な公共施設整備を優先しつつ、地区の実情を踏まえ効果的に事業を推進したい。

<中村きみえ議員>

 東京都施行の足立区の「六町」の区画整理事業では移転計画を向こう4年間示し、計画がない地域では建て替えが可能だと示し、新築を既に建設した場合も補償することが示されています。土地区画整理法第76条の建築制限についての運用のあり方が問われています。市も将来的な計画について示し、当面実施しない場合、足立区のように建築の許可をして補償についても行うべきだと考えますが見解を求めます。

<都市局長答弁>

 新築等の行為を行う場合は、「建築行為等の制限」で許可が必要であり、建替えについては控えてもらうが、事業の長期化で建物の老朽化が進み、日常生活に支障が出る建物は、一定の条件で許可している。移転補償は補償基準で移転時に正当な補償を行っている。

<中村きみえ議員>

 事業が長期化しているために、市有地の管理での雑草などの除去や道路の本舗装など現在住民の苦情、要望が出ている件は、早急に対応を図るべきですが見解を伺います。

<都市局長答弁>

 市管理地や未舗装道路の管理は、地域住民の生活に支障がないよう対応していく。

<中村きみえ議員>

 保育所については、来年1月出産予定の妊婦さんから「保育所に入れるでしょうか」と相談がありました。小学校単位で地域に保育所を作り、子どもたちが地域でつながることができる環境を求めておきます。

放射線対策について

 まず、農業についてです。
 市内だけで約8,700万円の損害とは大きな被害ではないですか。JAでは、東電に対して損害賠償請求を行なっていますが、その結果を待っていたらますます農家の担い手が減ってしまうのではないですか。市独自でも東電に申し入れをして被害を補償すべきだと農家の方に代わってなぜ主張しないのですか。

<経済農政局長答弁>

 県を通じて、東電が万全の保障を行うよう国に要望している。東電が本賠償へ請求書等の発送を開始しており、市はその動向を注視する。

<中村きみえ議員>

 市は、農家が安定した経営を担えるように率先して被害額を補償し、東電が補償するのを見守るような消極的な姿勢では農家の経営を守ることはできません。見解を求めます。

<経済農政局長答弁>

 経営上支障が出る農家には融資制度等で支援していく。

<中村きみえ議員>

 先ほど述べた一本松公園では、8月31日に清掃してもらった側溝で、9月13日に測定したところ0.51マイクロシーベルト/時間が、0.17マイクロシーベルト/時間へと約3分の1近く減っていました。この間、学校や公園などを中心に測定に同行する保護者は、データについて、冷静に受け止め高い数値箇所への対応を求めています。市は陳情の結果でも保育園、幼稚園の園庭、学校の校庭、公園などの除染の実施や放射線測定をするよう求めたものが採択されました。測定せずに除染をするのでなく、保護者の声に応えて、早急に測定をし、除染対策を講じるべきですが、見解を求めます。

<環境局長答弁>

 原子力災害対策本部の「除染に関する緊急実施基本方針」では、追加被ばく量が年間1oシーベルト以上の地域での対応であり、市が行った空間放射線量率測定結果からは、除染は必要ない。

<中村きみえ議員>

 学校と保育所では放射能がたまりやすい場所について除染を行なうよう求めていますが、実態はどうなっていますか。

<教育次長答弁>

 夏休み明けに児童生徒が安心できるよう、放射性物質が溜まりやすい場所のうち、児童生徒が近寄る可能性がある昇降口や体育館回りの雨どい・雨水桝、吹き溜まりの砂・泥・落葉等の除去、遊具の清掃を実施し、全学校で環境整備に取り組んだ。

<こども未来局長答弁>

 保育所では、施設内のゴミや滞留した落葉等の清掃、下草刈り、側溝の清掃などを日常的に実施している。線量低減に関する国の通知や8月の放射線量測定結果を踏まえ、溜まりやすい場所や環境整備方法などを、施設長に通知するなど保護者の不安解消へ取り組むよう指導している。

<中村きみえ議員>

 学校については、大変広い面積でこれをどう処理しようと考えていますか。現状の職員体制でなく、そのための対応を図るべきではないですか。

<教育次長答弁>

 学校によってはPTAや保護者会の協力、地域住民・学校ボランティアの協力で、環境整備活動を実施している。

<中村きみえ議員>

 8月夏休み明けの草むしりは、子どもたちにはさせられないと学校では技能員さんや管理職の方の負担が増えます。
 自分たちの学校の数値を把握し、具体的に除染すべき場所を限定し、対策を講じることが求められていると思います。現場の負担を軽減し、子どもたちが安心して過ごせることが必要ですが、見解を求めます。

<環境局長答弁>

 全ての学校での放射線量率測定は、関係部局で構成する連絡会で検討している。放射線量が若干高い場所などは、測定結果を踏まえ専門家の意見を聞きながら検討する。

<中村きみえ議員>

 わが党のあぐい武夫議員に陳情の結果を受けて「測定場所の増加を検討する」と答弁していますが、測定個所は1,300か所あるようですが、保護者は、私たちが行った市民アンケートでも「放射能汚染が心配で子どもを外で遊ばせることができない」と切実な声が寄せられています。すべての学校、保育所、幼稚園、公園などでただちに測定すべきです。
 本気で市が、市民の不安や要望に応える気があるなら、県から借りた、たった1台の測定器で間に合うと考えているのですか。東葛地域ではすべての学校で測定器を配布し、常時継続的に測定できる体制を整えているのに、政令市の千葉市が自らは、一台の測定器も用意しないで、それで市民の命と健康を守れると思っているのですか。
 1台60万円としても10台で600万円ではありませんか。本気で市民の命と健康を守る気があるなら、ただちに市として用意すべきです。
 答弁を聞いていると、残念ながら市民の不安や要望に真摯に応えようとする姿勢がみられません。議会が、全会一致で採択した陳情の趣旨もこれではまったく生かされていないと言わざるをえません。ということは、行政が議会の意思決定に応えていないことになります。議会軽視ではないですか。市民の不安や要望に応えて、真摯に対応するよう改めて、厳しく指摘しておきます。