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2011.10.4
2010年度の決算は、熊谷市長が初めて予算を組みました。 予算を審議した3月18日は予算特別委員会で予算の組み替え動議をわが会派と自民党が提出し、修正案が公明党から提出されて、それぞれの提出議案は提出会派のみの賛成で否決をされました。 そして市長提案の予算案は民主党・市民ネットなどの賛成少数で否決となりました。3月19日に、わが会派が組み替え動議を提出、自民党が修正案を提出。賛成は自民・公明・新政で可決をされました。修正案を除く原案に反対わが会派などが反対して 自民・公明・民主・市民ネットなどの賛成で可決をされました。 こうした経過に踏まえて以下討論を行います。 質疑でも指摘をしましたが、千葉市の2010年度の健全化判断比率で、実質公債比率すなわち公債費等の標準財政規模に対する割合は21.4%、将来負担比率すなわち全会計と関係団体の将来負担債務の標準財政規模に対する割合は285.3%で政令市ワーストワンです。 連結実質赤字比率はすなわち全会計の実質赤字額の標準財政規模に対する割合は2.87%となり、これも政令市で京都市は0.16であり。連結赤字比率は全政令市では千葉市と京都市以外はありません。これは国民健康保険事業の赤字により連結赤字比率が増加したことから2.43ポイント増加して2.87になったと説明をしています。 実質公債費比率、将来負担比率、連結実施赤字比率のすべてにおいて、健全化判断比率ワースト1という状況で、さらに深刻な決算になっています。 財政危機の原因は、前市政時代に受け入れてきた国の「三位一体改革」に伴う国庫支出金や地方交付税の大幅削減による影響と、千葉市が政令市移行に伴う都市基盤整備と称して進めてきた大規模プロジェクト5事業、蘇我特定地区整備、千葉中央港地区土地区画整理、中央第六地区市街地再開発、千葉駅西口市街地再開発、新港横戸町線などをはじめとした「身の丈」以上の大型開発を進めてきたことによります。 加えて、今回の土地開発公社の解散に伴う代位弁済では、125億円の新たな市債を生じることになり、実質公債費比率に大きな影響を及ぼすこととなりました。 市民は新しく就任した熊谷市長に、無駄な大型開発推進をやめ市民優先の施策へと切りかえる市政運営を期待していました。しかし、残る大型開発の見直しでは、モノレール事業の凍結以外は基本的に維持したままで、財政危機を理由にした予算の削減と廃止は、残念ながら市民生活や高齢者サービスへと向けられました。 自公政権のもとで格差と貧困が広がり、民主党政権でも度重なる負担増で、家計に暗い影を落としてきました。その上、市民サービスと高齢者福祉のカットでは夢も希望も持てません。 内容について指摘をします。最初に健全化判断比率の実質公債比率の悪化の問題です。これが市民のためであったのなら理解もできますが、見通しのない大型開発を進めてきた結果の赤字であり、そのために責任のない市民に責任を負わせ、市民サービスを削ることは認められません。 こうした財政の危機を理由に2010年度は市民生活に関わる市民福祉サービスを大幅にカットしました。 難病見舞金の入院費月12,000円から6,000円に、通院費月5,000円から月2,500円への縮減は原因不明の病気に苦しむ人に対する支援をきりこむことであり、シルバー入浴券の48枚から24枚への削減は高齢者の生きがいや健康を奪うものです。 また、はり・きゅうマッサージ券の24枚から10枚への削減、所得制限の導入は地域で市民の健康を守ってきた視覚障害者の生活権を奪い自立の道を閉ざすことになりました。この中には修正により軽減されたものもありますが根本的な改善にはなっていません。敬老事業では対象年齢を70歳から75歳に引き上げ、敬老会実施経費を一人830円から650円に削減しました。 他にもつどいの家の運営費など10事業で5億6,120万円ものカットを行ったことは許せないものです。 こうした市民の福祉サービスの切り捨てと併せて、国民健康保険料の値上げ・保育料の値上げ・下水道使用料の値上げなど4種類16億8,000万円の公共料金の値上げ、そして職員給与の大幅カットの決算は認められません。 次に市長のマニフェストでは「財政難を理由にした福祉カットを止める」「障害者などの弱者の痛みに目を向けた市政へ」となっていますが、すでに申し上げたように福祉サービスの大幅カットや障害者に対する冷たい施策は公約違反と言わざるを得ないのです。また「金健千葉とは言わせない、いまこそガラス張りの市政を」とマニフェストに書いて「企業からの献金は貰わない」としています、そうならば団体・企業献金の禁止を宣言すべきですが、政治資金パーティを行うなど、きちんとした対応が取られないことなど公約違反の決算は認められないものです。 次に、地域経済の活性化です。わが会派は住宅リフォーム制度、中小企業振興条例、公契約条例など条例提案し、地域経済活性化千葉市の元気サイクルを提案してきました。そして、街で雇用を増やし消費を拡大して、元気な千葉市にすることを提案しましたが、これらの取り組みがなされていません。地域経済の活性化にもっと力を入れるべきではないでしょうか。さらに、10億円以上の大型公共事業の見直しを行い、不要不急の事業の廃止や凍結、また国直轄事業費の地元負担金廃止、県事業負担金も適正にするべきです。 次に、3月11日の東日本大震災への対応の問題です。美浜区をはじめ大きな液状化被害などがでました。その対応で熊谷市長は「自治体間の格差が出てはいけない、県庁所在地の千葉市が対応すれば他市にも相当な影響を与え適切ではない」と発言しています。 市民の命にかかわることは最優先すべきであり、こうした対応は理解できないものです。また福島原発の放射能汚染から子どもを守るべきですが放射線量測定箇所がわずか20か所では心配する市民の願いに背くものです。「まずは命が第一と」マニフェストにあります。ところが放射能汚染に対する対応は後手どころか市民の不安を増すだけで何もしないといわれても仕方ありません。 今回の福島原発問題は実に深刻な問題になっています。市長として取るべき態度は市民の放射の汚染に対して、具体的に市民に安全・安心対策を示していくべきです。そのために必要とされる市内の放射線量の測定、内部被ばくへの問題などやるべきことがやられてないことは重大な問題です。 決算では、市民の要望であった、子ども医療費の小学校3年生までの無料化、国民健康保健料の滞納世帯への高校生までの保険証の交付、保育所の民営化の中止、太陽光発電設置補助などは前進面です。 3月11日の東日本大震災により、千葉市も液状化など大きな被害に見舞われました。そうしたなか、ソフトバンクの孫社長が自然エネルギー協議会を設立しました。35の都道府県が参加し、政令市で千葉市と新潟市以外はこの協議会に参加しています。熊谷市長は「事務局が一企業にあるのは問題」として加入をしていません。この問題では、脱原発・自然エネルギーとして、孫社長がメガソーラーに進出すること自体に異議を唱えるものではありません。 しかし、メガソーラーの拠点開発方式は、結局は資本力のすぐれた大企業と銀行資本の主導となり、地域経済とのかかわりもきわめて薄いものならざるを得ず、その果実の多くは大手企業に吸収されて、地域住民はエネルギーの消費者として扱われることになります。 しかも、地域自治体への税収(固定資産税と法人住民税)は限定され、巨大施設誘致競争になりかねません。こうした点を踏まえて、自然エネルギーの開発は重要なことであり、メガソーラーの進出に反対はしないものです。そこでは、(1)土地の格安提供固定資産税の減免はしない、(2)進出・徹退の事前協議や環境保全の協定を結ぶ、(3)社会資本は進出企業の応分の負担を求める、(4)地域経済との関連、雇用の安定を図る、農地の規制緩和はしないなどのキチンとした地域振興が図られるように、合意形成を図るのが市長の取るべき姿勢ではないのか。科学都市を標榜する市長としては、あまりにも軽率な判断であると指摘をするものです。 福島第一原子力発電所の事故によって、大量の放射性物質が放出されました。千葉市においても放射能が降り注ぎ、吹きだまりや側溝など雨水などが集まる場所で、放射線量が高い場所が見つかっています。放射能による健康被害は、急性障害だけでなく晩発性障害があります。放射線被ばくは、少量であっても、将来、発ガンなどの健康被害が起きる危険性があることを認識しなければなりません。「これ以下なら安全である」という基準はなく、「少なければ少ないほど良い」というのが放射線防護の大原則です。 今議会でも、放射線に関する請願1件と陳情6件が出され、うち3件の陳情が採択され、1件が全会一致で採択されています。 議会での採択を重く受け止め、市内すべての学校、保育所・保育園、幼稚園、公園などの子どもの生活空間での放射線量測定を実施するよう強く求めるものです。 次は、各局の指摘事項についてです。 最初は、財政です。 市税事務所について当局は、徴収体制が整備され、償却資産は税務調査により1億500万円の調定額などの説明がありました。市民からは、納税相談で出張所になってしまった区役所では用事が足りず、市税事務所まで行く煩雑さの改善や、事業不振、収入減などで厳しい中、事業資金の差押えなど過重な徴税への批判が上がっています。市民の実態に沿った親切な税務行政を行うことと、担税力が乏しかったり、担税力がない納税者には適切な対応を強く求めます。 千葉県単独事業補助金は、県内自治体並みに支給されれば16億4千万円となりますが、実際には2億8,400万円しか交付されていません。この是正について当局に求めましたが、「子どもの医療費の補助金の改善はこれ以上困難」など、極めて消極的な姿勢であることは遺憾です。一方、県事業負担金は26億5,600万円を支出しています。この際、県事業負担金から差別を受けている補助金分を差し引いて収めることを要求します。 次に、総務行政です。 その1は、市職員の給与カットについてです。 財政危機の下で、職員もカットすることはそうなのかもしれませんが、やはり限度があります。2010年度、人事委員会勧告も含めての年収への影響額は、平均25万円。課長補佐級で38万円、局長で73万円の減収となりました。政令市では千葉市のみがカットしている退職手当との合計では、昨年度退職した職員の場合、平均44万円です。課長補佐級107万円、局長161万円減収となりました。市長は給与カットを延長したことで、平成22年度から24年度の3年間の退職手当を含めた影響額は、平均116万円です。人事委員会勧告分だけでは課長補佐級で36万円の減収で済みますが、熊谷市長が給与と退職金を削ってさらに149万円の減収となり、合計で185万円という大幅なカットとなります。この例を見ても、明らかに限度を超えています。市職員の生活設計を壊し、モチベーションを低下させます。 日本は10年間で労働所得が27兆円も減っています。公務員給与をどんどん引き下げれば民間給与も下げるという、賃下げの悪循環となります。 その2は、高洲市民プール他34施設の指定管理者の指定に関わる、財団法人千葉市スポーツ振興財団のプロパー職員についてです。 臨時議会で専決処分となりましたが、プロパー職員の希望を聞き、31名中5名が他の団体で働くこととなりました。これまでも指摘しましたが、高洲市民プールなど35施設の指定管理について、これまで管理運営を担ってきたスポーツ振興財団は、管理経費以外の評価項目で民間会社を上回っていながら、人件費を含む管理経費で劣っているとして、選定から外されました。総務省の「単に価格競争であってはならない」とする通知にも反するものであり、認めることはできません。市民や利用者へのサービスを優先し、向上させることこそ求められています。 その3は、防災対策についてです。 地域防災無線整備事業については、市民を災害から守るために整備されることは必要なことですが、この整備については国民保護計画に基づく整備については認めることはできません。 次に、総合政策行政です。 新基本計画策定がされましたが、3月11日の東日本大震災をうけての原発事故への対応や震災への対策が不十分なままでは、住んでみたい街・訪れてみたい街にはなりません。原発事故や震災に対する記述を明確にすべきです。さらに、業務核都市構想など、国の上位計画に沿って千葉都心開発を初めとした大型開発を優先したことによって、今日の財政危機の原因となりました。国の計画に振り回されない千葉市発展の計画とすべきです。 次に、市民行政です。 安全安心メールの2010年度の登録者数は34,849人です。防犯情報や災害情報を市民に知らせるうえで、重要な役割を果たしています。携帯電話の普及に比べれば、登録数はまだ少ない状況です。さらに登録を増やす対策が必要です。 消費生活センターでは、多重債務の相談件数は、減少傾向ですが、引き続き庁内の連携を強化し、自立できるような支援を求めます。 デートDVについては、性交渉の低年齢化により、中学生での教育を求めるものです。また、性的マイノリティーについては、相談しやすいように市のホームページでの発信などさらなる普及啓発を求めます。 次に、保健福祉行政です。 被保護世帯の就労支援相談と被保護者就労促進事業が取り組まれてきました。とくに正規の就職を見つけるのは大変です。就職先を一緒に探し、面接に断られるたびに何度も励まし、相談者に寄り添うことが求められます。そのためにも、人員を増やすなど体制を強化し、セミナーの内容も相談者の要望を踏まえたものに改善すべきです。 2010年度国民健康保険事業特別会計決算は、今回も繰上充用で対応し、4年連続となりました。しかも年々増え、今回の決算では119億7千万円となりました。 その原因は、低所得者の増加と収納率の低下、高齢化にともなう医療費の増大とともに、国庫負担の大幅な減額と、一般会計からの繰り入れをゼロにしたことです。 市民の健康と命を守るのが市政の最重要課題です。そのためにも、国民健康保険制度を守り、発展させなければなりません。国保財政は保険料と公費でまかなうのが原則です。保険料を支払う市民の所得が低下した場合、これを補うのは国、行政です。市民に対しては、保険料の減免が必要です。逆に、保険料の引き上げを行うことは、保険制度の破綻につながります。 現在の国保財政の厳しい状況を打開するためには、国庫負担の大幅な増額と、一般会計からの繰り入れを行われることが必要です。 介護保険については施設整備では大幅な増設と、地域間バランスに配慮した整備が必要です。今年度から生活保護者のホテルコスト分を免除できることを知らせ入居の促進をし、質の高い介護サービスの提供をしていくことが求められます。 自殺(自死)対策として計画と目標が示されていますが、その計画に見合うだけのマンパワーの確保が必要となります。庁内・民間団体との連携で自殺の未然防止に取り組むことを求めます。 次に病院行政です この間求めていたジェネリック薬品の利用率が、青葉病院では9.9%、海浜病院で15.8%に伸びたことは評価できます。自治体病院の原点に立って役割を果たし、市民に信頼されることが必要です。そして、国に対して適正な交付金を求め経営の安定化を図る時です。 次に、こども未来行政です。 保健福祉局から独立して、こどもの問題を系統的に取り扱う部局として、22年4月からこども未来局ができました。 子どもの医療費は、千葉県が小学校3年生までの助成へと広げる中、つぎつぎと助成対象が拡大する他市町村に遅れること数ヶ月。今年の8月にようやく県内の自治体に追いつき、千葉市でも小学校3年生までの助成制度の導入となりました。県都千葉市としては全くお粗末な経過です。千葉県の助成割合が4分の1と少ないことは今後も取り上げていく必要がありますが、それを理由に子どもの医療費助成を実施しないわけに行きません。 児童相談所については、分科会の申し合わせ事項にも掲げられたように、こどもと家庭を取り巻く状況が複雑さを増し、さらに親子関係を深刻にさせているなか、ますます重要な役割を果たすことが求められています。職員の増員や、各区役所での軽微な虐待対応業務を受け付けるなどの工夫もされてはいますが、市単独でも専門の職員を配置し、現場での対応の幅を厚くすることが必要です。 私立幼稚園就園奨励費については、幼稚園協会からも以前の33,000円に戻してほしいとの要求もされています。保育所・保育園に対して幼稚園に通うこどもたちの支援が薄いとの指摘が少なからずあります。かつて、就園奨励費が横浜についで第2位だったときもあるのですから、せめて、幼稚園の就園奨励費ぐらいは減らさずに、子育て支援として充実させるべきです。 公立保育所の老朽化対策については、耐震化対策でその効果を発揮させたリース方式での建て替えを求めます。10年間のリースですが、十分な耐震が保証され、千葉市の負担も押さえられるのであれば、木造の施設や老朽化の著しい施設について、計画的に実施することを求めます。 こども子育て新システムについては、利益優先の営利企業に子どもの成長発達の砦となる保育を任せるわけには行きません。 次に、環境行政です。 地球温暖化対策は、千葉市独自の目標を立てて環境モデル都市を目指すべきです。羽田空港の騒音問題は、本腰を入れて騒音解消に向けて具体的に行動をしなければなりません。大気汚染測定器の談合問題は、入札を性能評価に変更したとのことです。環境問題での談合は、観測データへの信頼にも関わるもので許せません、再発防止に向けて新たなシステムをつくるべきです。 路上喫煙等防止の指導件数は2010年度、8,866件です。うち指導に従わず警察がかかわった事例はありませんでした。ところが、今年7月1日から、違反者にただちに2,000円の過料を求めることになり、トラブルが発生しています。8月17日、JR稲毛駅前で、路上喫煙を注意した巡視員が暴行され、男が逮捕されるという事件が起きました。今後もこうしたケースが起こる可能性があります。 路上喫煙等防止条例は、過料の徴収が目的ではないはずです。巡視員の方からは、過料を求めるのが怖いとの声も出ています。ただちに過料を求めるやり方は見直すべきです。 次に、経済農政行政です 中央商店街活性化事業の休止、千葉市産業まつり休止など千葉市がこれまで行なってきた事業の休止となりました。決算審査では、休止前のそれぞれの事業の経済効果については、産業まつりでは人数のみの把握、「ルミラージュちば」のイルミネーションについては把握していないなど、不十分な答弁に終始しました。千葉市経済を担当する局として姿勢が問われます。 企業立地助成制度についてです。千葉市は企業立地助成を実施して12年間に15億3,100万円を立地する企業の固定資産税分を助成してきました。商店街が10年前は123商店街あったものが93商店街へと減っています。商店街活性化対策の予算は約7,376万円を4,852商店で割ると、1店舗あたり1万5,203円にしかなりません。 企業立地では4社中2社が辞退しましたが、継続が12社と合わせて3億416万円となっています。予算の配分を地元の商店街を中心にすべきです。 幕張メッセ建設事業負担金については、千葉県が施設建設時の公債費償還に充てるために、千葉市と覚書を交わして、それに基づいて市は負担金を払い続けています。財政が厳しいときに6億8千万円の県への支出は、市民の理解が得られません。 千葉市は県単独事業に関わる補助率が、県の他自治体よりも低く抑えられたままであり、その不公平がいつまでも放置されることは許されません。 労働対策については、経済農政局へ所管が戻ったことで、経済と労働が一体に取り組まれることになりました。不況のもと、若年層の雇用対策については、キャリアカウンセリング事業の充実や市内の大学等との連携が不可欠です。 千葉市にある3万事業所もの中小企業や中小業者の各団体との連携を密にし、市内での雇用を確保するなど企業に働きかけ、雇用拡大に向けた取り組みを抜本的に強化することを求めるものです。 農政については、耕作放棄地が年々増加し、農業を継続することができない事態が進んでいます。新規就農ではこれまで3か年で8人が就農していますが、収入が得られるほどの状況にまで困難を抱えながらと農業を行わなければなりません。3年ぐらいの所得保障を行って新規就農者を支援すべきです。農政センターも経営と農業振興に貢献できる体制への改善を求めます。 次に、都市行政です。 モノレール駅のエレベーターは昨年度、3駅に設置され、全駅への設置が完了しました。高齢者や障害者、ベビーカーの利用者にも便利になりました。しかし、利用者が増えているわけではありません。利便性の向上が図られたことは確実であり、大いにアピールするなど、利用者を増やす対策をすすめるべきです。 JRの駅もエレベーターの設置が完了し、残るは京成の3駅です。「移動等円滑化の促進に関する基本方針」が今年3月31日改定され、一日当たりの平均的な利用者数が3,000人以上である駅については、エレベーターとともにホームドア、可動式ホーム柵の設置を求めています。 全駅へのエレベーター設置を早期に完了させるとともに、今後は、「ホームドア」や可動式ホーム柵の設置を位置づけて計画的に取り組むべきです。 特優賃は34団地、1,127戸あります。2013年から19年にかけて特優賃制度は終わる予定です。オーナーや入居者は、「今後、どうなるのか」と不安や疑問をもっています。特優賃は、立地条件で入居率もかわります。国や市の政策で始まったものであり、制度終了後の方向を関係者と十分に話し合い、早めに方向をだすべきです。 千葉駅の西口再開発の事業は進捗率75%です。ビルやホテルの整備で、千葉駅周辺が活性化するのか疑問が残ります。駅前広場の整備は必要ですが、総額753億円の整備を見直すべきです。 次に、建設行政です。 国道357号改良事業の総事業費は約277億円で、その3分の1の約92億円は、千葉市が道路直轄事業負担金として国に支出しています。わが党は以前から、国道の整備、管理は国が責任をもつべきであり、道路直轄事業負担金はなくすべきだと訴えてきました。すでに、国道の維持費についてはなくなり、さらに2013年度までには廃止の方向となっています。確実に、廃止となるよう、引き続き訴えていくことが必要です。 新港横戸町線の本線が開通し、朝夕など穴川交差点一帯は大渋滞となっています。今年の予算議会の「指摘要望事項」では渋滞の解消を求めています。その後、穴川から長沼までの国道16号の信号機について、タイミング調整をおこなっています。しかし、あまり効果がなく、大渋滞は引き続き発生しています。広い地域の車の流れを踏まえ、渋滞解消を検討すべきです。 土木費は、一般会計の目的別歳出の構成比で、平成20年17.1%、平成21年14%、平成22年12.5%ですが、土木事務所の費用は増額しています。 かねてから、わが党は求めてきましたが、引き続き身近な生活道路の整備のために増額を求めるものです。 次に、水道行政です。 2010年度決算では霞ヶ浦開発事業は平成16年に取得、取得額87億3,300万円で決算での負担金が5億6,300万円、房総導水路事業は平成17年に取得、取得額100億400万円、決算での負担金が5億6,500万円で、合わせて11億2,800万円の償還になります。将来需要も含めて市民に水道行政の在り方を示さなければなりません。説明ができない負担金は認められません。 次に、消防行政です。 住宅用火災警報器の設置が義務付けられ、3年以上がたちました。住宅への設置率は85%になっています。高齢者や障害者の方は、設置が難しい状況にあります。 すべての市民の命を守るためには、100%設置が必要です。さらに、財政的な支援などを強めることを求めます。 2010年度は熱中症で搬送されるケースが380名で、70代、80代の熱中症患者の搬送者が多いようです。高齢者の個別対応のためにも緊急通報装置の設置を、保健福祉局と連携し、対応を図るよう求めます。 最後に、教育行政です。 初めに、学校適正配置についてです。国で進める少人数学級は来年4月から、小学校2年生までひろげて実施される方向です。千葉市がこの間取り組んできた「学校適正配置」の根拠となる40人学級から、大きな流れは少人数でどの子にも行き届いた教育をと徐々に30人学級へと近づきつつあります。 美浜区では中学校4校を2校へ、小学校11校を5校へと減らしますが、今後のこどもたちの教育環境にどのような影響があるのか、慎重に受け止め経過を見守る必要があると考えます。千城台地区・花見川地区においても、地元代表協議会へと協議の場が進められていますが、それぞれ地域ごとの事情が異なっていることから、十分な時間を取って地元意見が反映されるよう配慮されなければなりません。 就学援助についてです。千葉市の認定率は7.9%で、政令市19市中17位です。5年前から比べて400件以上も増加しているとのことですから、長引く不況と収入減による経済悪化で、千葉市民も少なからぬ影響を受けています。親の収入状況によって、こどもたちの学習環境が左右されてはなりません。きめ細かい配慮と、わかりやすく利用しやすい制度の周知に努めるべきです。 教科書採択についてです。22年度は小学校、23年度は中学校と2年にわたって教科書採択が行われました。子どもたちが学ぶ教科書ですから、うそ・偽りのないものを選ぶのはあたりまえのことです。これから国際人として生きていく子どもたちに、事実をゆがめ侵略戦争を大東亜戦争と呼び、「アジア開放のための自存自衛の戦争だった」と間違った歴史を教える教科書を手渡すことはできません。 加えて、3・11の福島第一原発事故を受けて、これまでの「安全神話」に基づく報道が誤りであったことが明らかになりました。原発の危険性も含めて、事実を正しく伝えるものでなければ信用できません。ましてや、他社の教科書を丸写しし、年表の盗作を載せている教科書など論外と言わざるを得ません。 以上で、討論を終わります。 |