佐々木ゆうき議員の一般質問及び答弁(要旨)

2011.12.9

写真<佐々木ゆうき議員の質問>

1.災害対策について

 液状化対策についてです。

 第3次補正予算で「液状化対策推進事業」が予算化されました。再発防止に向けた、住民本位の対策が求められています。震災から9ヵ月が経過していますが、住民の中では、独自に住宅の内部を平面に改修したり、多額の費用を投じて建て替えなどがされているところもあります。

 「宅地と道路等の一体的な液状化対策」については、今議会に、液状化対策推進委員会の設置が提案され、今後、取り組むとされています。

 熊谷市長は、ブログで「国の事業を活用して最速で制度化できるよう取り組みます。」と述べています。

 はじめに、液状化対策に関する国の補正予算について伺います。

 国交省から示された事業内容は、「都市防災推進事業」と「都市再生区画整理事業」の拡充をするというもので、1つに、液状化対策に必要な調査、事業計画案作成、コーディネートに対する支援。2つに、敷地境界、基準点等の混乱が著しい地域では、地籍整備と液状化対策をあわせて行なう土地区画整理事業を支援。3つに、土地区画整理事業を活用しない場合にも3,000平方メートル以上かつ家屋10戸以上で、官民一体の取り組みに対して支援をするとしています。そこで、伺います。

 国交省からは「事業主体は市町村であり、計画が決まったところはどんどんやっていただく。」「国は情報提供や相談に応じるが、具体的な工法は市町村が決める」「平成27年度までの着手を対象としている」と、先月レクチャーを受けました。市は、対象の地域の住民とよく話し合って、事業計画を早急に立案すべきではないですか。

<都市局次長答弁>

 本市は、道路・下水道等の公共施設と隣接宅地の一体的な液状化対策を庁内のプロジェクトチーム中心に、国制度や市が提案中の「対策推進委員会」による指導・助言等を踏まえ、検討することにしている。被災地域への液状化対策に関する技術的情報や国の支援制度に関する情報提供を行い。宅地部分の負担や一定のブロック単位での対策になることから、十分な説明と合意形成を図りながら事業計画を策定する。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 答弁されたように、具体的な事業計画を策定するには、被災された住民の意向が前提でなければなりません。液状化対策推進事業について、市としてその手法や計画策定の手順の「素案」をいつまでに公表し、どのように住民意見を集約する予定なのか。また、直接、被災された住民の意向や要望を現地に行って聞くべきではないですか。

<都市局次長答弁>

 国の支援制度の詳細や本市の進め方について住民に説明し、意見を聞きながら、「対策推進委員会」では具体的工法の検討をすすめ、工法が絞り込めたら、想定経費などの情報も整理し、年度内には液状化対策の概要を取りまとめたい。その後、改めて地元説明会を開催して、計画策定の手順を説明し意見を集約しながら、合意形成の得られた地域から事業に取り組みたい。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 千葉市の実態を踏まえた再発防止策が求められますが、習志野市では、「被災住宅地公民協働型復興検討会議」を今年7月に発足させて、戸建て住宅の集約化による集合住宅化や、住居を撤去・移転して道路を含む地区全体の対策など、復興策の4つの案を明らかにしています。市長への中間報告をして、復興検討会議の最終回には報告書が取りまとめられる予定となっています。

 浦安市でも同様に、技術検討調査委員会が7月に発足され、地下水の水位を下げる工法の検討を行ない、新たに復興計画検討会議が発足し、年度内に計画がまとめられる予定です。課題はありますが、市民に案を示すまでに至っています。他市の、これらの手法等の検討ができたのではないですか。

<都市局次長答弁>

 市が液状化対策に取り組むには、国の支援制度が不可欠であり、道路・下水道等の公共施設と隣接宅地の一体的対策を国へ要望してきが、国は一体的な地盤の液状化対策に関する新制度を設ける第3次補正を可決した。国の動きが明らかになった際、すぐ対応できるよう庁内にはプロジェクトチームを設置している。国支援の枠組みでの工法などを検討していく。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 国の支援の枠組みを踏まえた工法を検討していくとのことです。今後、工法について、住民のみなさんにお知らせするなどの具体化は、新年度になると思われます。液状化対策を施工するための「住民の合意」の条件は、土地区画整理事業と同様に3分の2以上の地権者の同意が必要となります。この適用条件で、同意を得て事業実施の要望が提出された場合は、直ちに事業計画の策定に着手するのでしょうか。

 その際に、公共施設とされる道路や公園等の再発防止対策に同意があれば、「住民合意」とすると国交省からも説明を受けてきましたが、この場合でも可能なら、千葉市も国交省の説明と同様に積極的に住民に働きかけるべきと考えますが、見解を伺います。

<都市局次長答弁>

 事業実施の要望が出された場合は、地域住民と協議し、事業計画の策定作業を進めていく。工法によっては、公共施設対象の液状化対策の実施で効果が生じると聞いているが、施工時のデメリットなども地域住民が十分理解した上での合意が必要だ。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 地域における具体的な対策についてお聞きしますが、国は「敷地境界、基準点などの混乱が著しい地域では、地籍整備と液状化対策を合せて行なう土地区画整理事業を支援する」としていますが、磯辺8丁目の道路が陥没した地域が該当すると考えますが、市の見解を伺うことと合わせ、その際の個人負担はどうなるのか伺います。

<都市局次長答弁>

 国は、敷地境界などの混乱が著しい地域では、地籍整備と液状化対策を合わせて行う土地区画整理事業への支援制度の1つとして創設するとしているが、本市の場合は都市基盤が計画的に整備された地区で、原則として地籍等の混乱はないものの、震災の影響も含め調査しながら本制度の活用も検討していく。本制度の活用の場合でも宅地部分の液状化対策費は所有者の負担となる。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 市の積極的な姿勢を市民に示して、「液状化対策推進事業」の活用に向けた様々な取り組みを早急に行なうことを強く求めておきます。

 次に、液状化に係る千葉県と千葉市の取り組みについてです。

 私は、液状化被害の大きい磯辺地域をまわり、住民の声を聞いてきしたが、いまででも「日常生活を早く取り戻したい」「液状化では浦安市や習志野市などが新聞などで取り上げられ、この磯辺地域は出てこない。見捨てられた感じがする」などの声が寄せられます。そこで、伺います。

 9月10日付の毎日新聞によれば、風岡修・千葉県環境研究センター主席研究員は、美浜区などの埋立地造成のためにおこなわれた工法「サンドポンプ工法」に液状化の原因があるとしています。

 千葉県に提出した2,500箇所のボーリングデータは活かされたのか。その確認を市として県に明らかにさせるべきではないですか。

<総務局長答弁>

 過去のボーリングデータは、大震災での液状化の原因やメカニズム等を調査研究するために提供したものだ。調査研究の結果は、今後本市が作成するハザードマップの基礎データとして提供を受けることになっている。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 データの活用については、県の調査検討専門委員会で調査研究するために提供し、その結果についてはハザードマップの基礎データとするとのことです。地域によって様々ですが数メートルずれるだけでも被害の大きさや地層の状態は違うはずであり、面的な調査を実施してこそ対策が取れるはずです。千葉県に対してボーリング調査拡大を求め、具体的な調査をおこなわせるべきではないですか。

<総務局長答弁>

 県の「震災調査検討専門委員会」では、本市の提供したデータに加え、液状化後の地質変化を確認するため、新たに9本のボーリング調査を実施し、分析するとしているので改めてのボーリング調査の拡大は求めない。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 9カ所のボーリング調査だけで十分と考えるのでしょうか。市の姿勢が問われます。

 次に、県企業庁の責任についてですが、先程お示しした9月10日付の毎日新聞によれば、県の防災危機管理課の担当者は、「分譲後の土地は個人や企業が管理。個人が責任を持つしかない。リスクを知っている人は個人できちんと対策している。個人が危機感を持つかどうかだ」との認識です。

 住民がいなくなり、また、その地域に住むことが出来なくなれば、その地域は衰弱していくことは明らかです。県企業庁に埋立地造成の責任を求めていくべきと考えますが、お答え下さい。

<総合政策局長答弁>

 県企業庁の埋立地造成は、当時の法令に基づき認可を受け施行されたものであり、造成の責任を求めるのは難しい。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 千葉県が造成した埋立地でも、市が造成したところでも、液状化被害が出ていることは明らかです。造成・分譲した責任があると考えます。住民の負担軽減の措置が行なわれるよう対応を求めておきます。

 次に、防潮堤・防潮堤の被害についてです。

 稲毛海浜公園とヨットハーバーの護岸が震災による液状化と台風15号の影響で被害を受けましたが、清掃工場や民間工場がある新港地区の護岸についても、アスファルトなどへ同様の被害が出ています。(写真を示す)

 第3回定例会では、「防波堤・防潮堤の強度と構造は、県に聞いたところ標準断面は1個の大きさが200キロから1トンの石積みで基礎を固めており、問題ないとしている」と、私の代表質疑で答弁されています。

 稲毛海浜公園から新港地区にかけての護岸の復旧はどのように進む予定なのか、伺います。

<総務局長答弁>

 稲毛海浜公園から新港地区の護岸を管理する千葉県は、災害復旧事業費の国庫負担申請を行っている。国の災害査定を受けた後、工事の発注を予定している。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 津波対策について検討がされている中で、防波堤や防潮堤が老朽化で崩壊すれば、意味がありません。護岸等の老朽化について、千葉県に調査などの対策を講じさせるべきではないですか。

<総務局長答弁>

 台風15号で防波堤や防潮堤が被害を受け、護岸の劣化も考えられるので、老朽化の調査を県に要請している。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 早急に県に調査をおこなわせるために、市が働きかけを強めるよう求めておきます。

 次に、放射能汚染対策について、横須賀に寄港する原子力空母についてです。

 福島第一原発事故により、原子炉内の放射性物質が大気や海水に放出され、チェルノブイリ原発事故と同様に深刻な事故となりました。

 首都圏の近くにある原発は福島や東海村だけではありません。東京湾にも原子炉が2つ存在しているのをご存知でしょうか。

 2008年9月に、神奈川県横須賀に配備された原子力空母「ジョージ・ワシントン」には2つの原子炉が積み込まれています。そこで伺います。

 千葉市は横須賀から60キロの範囲となります。(写真を示す)NPО法人原子力資料情報室が予測した2006年の資料によると、仮に、ニミッツ級の原子力空母が原子炉事故を起こし、放射性物質を放出し、年間通じて最も多いとされる南南西の風・風速4メートルと想定した場合には、100キロ圏内の約3,000万人への健康被害や、農畜産物などへの甚大な被害を及ぼすことになるとされています。過酷事故が起きれば、被害は深刻であり、千葉県の東京湾岸は甚大な汚染地域となることを認識されていますか。

<総務局長答弁>

 原子力空母が仮に原子炉事故を起こしたら、東京湾が汚染地域になると考えるが、安全対策は国と米軍間で協議しており、外務省の資料では軍艦のための原子炉は、電力に頼らずに炉心を冷却する能力がある。防護壁は四重構造で、商業用原子炉と比べはるかに耐性があり、燃料は商業用のセラミック製核燃料と違い個体金属製で、燃料中で生成する核分裂生成物を放出せず、重力の50倍以上の戦闘衝撃負荷に耐えられる。これは合衆国の商業用原子炉の設計での地震衝撃負荷の10倍以上だ。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 いまの答弁では、「原子力発電所は安全だ」としてきた電力会社や政府と同じではないですか。防護壁が4重構造だとか、戦闘に耐えられる構造であっても、絶対に安全とは言えません。横須賀港のある三浦半島では直下型地震の可能性があるとされています。三浦半島北部活断層は、マグニチュード6.7以上の規模の地震が予想され、30年以内の発生確率が最大で6〜11%となっていることへの認識はありますか。また、過酷事故を想定した風向きや時間などの被害想定を直ちに立てる必要性があるのではないですか。見解を伺います。

<総務局長答弁>

 文科省が公表した三浦半島横断群の長期評価では、北部断層群を断層帯ごとに評価し、衣笠・北武断層帯では今後30年以内にマグニチュード6.7以上の地震は0〜3%の確率で、武山断層帯は6.5以上が6〜11%の確率と予測されている。過酷事故の被害想定は原子力空母の安全性を評価する情報や知見がなく、想定するのは困難だ。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 空母の安全性について評価すべき情報や知見がないと言われればそうかもしれません。アメリカ海軍は原子力空母の母港化のため、2006年に「合衆国原子力軍艦の安全性に関するファクト・シート」を発表し、「炉心から出る放射能が周辺の環境に放出されるというような可能性は極めて低い」と宣伝し、日本政府も「炉心の損傷、艦外への放射性物質漏出は極めて想定し難い」としているからです。

 原子力空母の事故は隠され続けてきました。直近では2008年に、原子力空母ジョージ・ワシントンは、船内80区画に及ぶ火災を起こしています。安全ではないことは明らかであり、国に対して、米国側に安全対策を講じるよう求めるべきではないですか。

<総務局長答弁>

 空母の停泊地の横須賀市からは、空母の安全性確保について要請がされ、国は「安全性は国の関係省庁が検討した上で、政府として確信する。市民の安全安心へあらゆる事態に備える観点から適切に対処する。今後の運用は安全性に万全を期すよう米側に求める」としているので、本市として改めて国に要望はしない。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 「国に要望することは困難」との答弁ですが、今回の東日本大震災では、3月11日付の米軍準機関紙によれば、定期修理を行っていたジョージ・ワシントンは、地震発生直後に海面が約1.8メートルも下がり、揺れが激しく、引き波により船体が岸壁から引き離され、係留している鎖が引きちぎれんばかりの状態だったといいます。

 原子力空母は停泊後、原子炉の運転は止めますが、核燃料は崩壊熱を出し続けるので、原子炉の冷却が必要になります。冷却システムを稼働するための電力供給施設・外部電源は陸上につくられています。この施設が巨大地震によって破壊されれば、福島原発事故と同様の事故になりかねません。

 市は、関係する自治体と連携して、原子力空母および外部電源などの施設の安全対策向上を強く求める必要があると考えますが、見解を伺います。

<総務局長答弁>

 国は「運用は安全性に万全を期すよう米側に求める」としているので、本市として改めて国に要望はしない。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 再度伺っても「困難」であるということですが、これは横須賀に限ったことではありません。対岸の火事にせず、しっかりと認識し、対策を考えることを改めて求めておきたいと思います。

2.雇用対策について

 いま、「1%の大金持ちが支配する社会でいいのか」「私たちは99%」の声が、ニューヨークのウォール街で始まった貧困と格差に反対する運動が全世界に広がっています。

 一昨日、衆議院の厚生労働委員会で、民主・自民・公明の3党で、労働者派遣法の「修正案」を、わずか3時間の審議で強行採決しました。「日雇い派遣」の規制に新たに抜け穴をつくり、製造業「原則禁止」を削除。登録型派遣も「原則禁止」を削除するなど、骨抜きとなっています。

 賃下げやリストラをおしつけるような企業に未来はありません。大企業の巨額の内部留保を、雇用と震災の復興のために使わせることが求められます。

 自治体としては、ふるさとハローワークなどで、就職相談やカウンセリングとともに、求人開拓などの充実をすすめて、こうした自治体の取り組みに国が財政支援をすることがさらに求められています。そして、新たな貧困層を生み出さない取り組みが必要です。

 まず、震災被災者への雇用対策についてです。

 震災の影響で倒産した企業数と従業員数を明らかにしてください。

<経済農政局長答弁>

 東京商工リサーチの発表では、11月末現在、震災関連の倒産件数は全国で470件、千葉県内は15件、市内では1件だ。従業員数は不明だ。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 全国では470件、県内は15件、市内は1件ということでした。震災を理由にして解雇をされれば、生活設計も成り立ちません。震災の影響で解雇された方の労働相談・職業紹介・就職面接会の開催をふるさとハローワークで積極的に回数を増やし対応をすべきではないですか。

<経済農政局長答弁>

 ハローワーク千葉に設置された震災関連の特別窓口への求職者は、月に数名程度であり、ふるさとハローワークでの職業紹介や労働相談などの活用・周知を図り支援したい。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 ふるさとハローワークが、こうした方々のセーフティネットとなるよう、今後も事業の充実・PRを求めておきます。

 次に、若年層の雇用対策についてです。

 非正規社員や非労働力人口の増加や低賃金、雇い止めなど、若年層の雇用をめぐる状況の厳しさは改善をされていないのが現状です。

 若年層の雇用の状況についてと、その原因をどうとらえていますか。これまで、私は、青年の雇用の位置づけを議会で質問してきましたが、若年層の雇用・労働対策について、その位置づけを高めるべきと考えますが、見解を伺います。

<経済農政局長答弁>

 H17年の労働経済白書での推計で、市内の15歳〜34歳の若者で、仕事に就かず求職活動もしていない、家事も通学もしていない非労働力人口は約3千人いる。若者の雇用は経済・社会状況に影響を受けやすく、無業状態を防ぐ継続的支援が重要だ。本市は、「雇用創出マスタープラン」で若者への雇用対策を重点に位置づけ、ふるさとハローワークでの職業紹介、キャリアカウンセリングを通じたミスマッチ解消を図り、身近な場所の相談業務、就職支援セミナー・面接会の開催、中小企業への就職促進など、若者への就職活動援助や雇用機会拡大を図っている。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 いまの答弁では、市内における15歳から34歳までの非労働人口が3,000人と推計されているとのことです。千葉市も若者の雇用は継続的な支援が重要との認識です。その中で、身近な場所での相談業務の実施とありますが、私は、ふるさとハローワークを若い世代の労働相談のよりどころにすべきと考えます。東京都足立区では、産業経済部就労支援課が、若者を中心とする就労支援を担当し、「あだち若者サポートセンター」を設置しています。現在のふるさとハローワークでは仕事探しやセミナーが中心でありますが、若者が相談できる場所をハローワークと同じ場所におき、連携を強めてはどうか。見解を伺います。

<経済農政局長答弁>

 若者への就労支援は、単に就職紹介ではなく、同じ年代間の情報交換の場づくりも有効な支援ではあるが、ふるさとハローワークの活用・連携は今後検討していく。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 今後、検討されるということで、具体化されることを要望します。

 次に、これから社会に第一歩を踏み出そうとしている新卒者の就職難打開にむけた取り組みについてです。千葉市雇用状況実態調査報告書の若者の雇用の項目では、2011年3月末卒の新卒者の雇い入れについては約74%が「しない」と回答しています。2012年については約71%が同様の回答をしています。千葉市雇用状況実態調査報告書をどのように生かそうとお考えなのか。お答え下さい。

<経済農政局長答弁>

 実態調査は、市独自の雇用施策を検討する上での基礎資料にする目的で、市内の事業者・求職者・教育機関を対象に、雇用の現状や行政・事業者に望む就労支援など様々な観点から調査し、浮き彫りとなった課題・対応策をマスタープランに反映させたい。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 調査と実際に上がってきた声をもとに具体化していただきたいと思います。新卒者の就職難の打開のためにも、国において、非正規雇用を拡大した労働法制の規制緩和の抜本的な見直しが求められます。非正規雇用から正規雇用へと、雇用のあり方を転換することがどうしても必要であるということを述べておきます。

 千葉市においては、市内企業や経済団体に雇用を呼びかけて、新卒者採用を積極的に行なうよう、市としての企業説明会などの対策を充実させるべきと考えますが、お答えください。

<経済農政局長答弁>

 策定中のマスタープランでは、若者に対する雇用対策の重点として、市内中小企業との面接会などの実施を予定している。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 教育機関、千葉市、ハローワーク、経済関係団体が連携し、産業振興に取り組むとともに、積極的な求人開拓をおこなうよう求めておきます。

 次に、こうした就職難、または失業が深刻になる一方で、現在、正社員として働く人たちのサービス残業の根絶、異常な長時間・過密労働の実態を是正させなければなりません。働く若者の実態をみなさんにお伝えしたいと思います。すべて千葉市に住み、正社員として働く20代の若者です。

 2010年の秋頃に正社員になった男性Aさんは、市内のコンビニでアルバイトとして働いていましたが、「共同オーナーとして働いてほしい」と言われ、必要な研修も受けていました。夜22時から朝8時までの勤務、休憩時間は120分とされていました。しかし実態は、1日の労働時間が平均13時間、休日は4日以内だがそれも取れずに、連日勤務。社会保険も雇用保険も入っておらず、最低限のこともやられていない状態だったそうです。さらに、バイトの時よりも給与が下がっていたなど、いわゆる「名ばかり正社員」でした。

 大型家具店で正社員として働く男性Bさん、契約では、遅番の12時から20時までの勤務でしたが、「おまえは朝6時に来い」と言われ、契約の20時には帰れず、夜22時や23時に帰るという状況で、休憩もろくに取れず、もちろん有給休暇も取れません。公共交通機関では帰宅できなくなるので、毎日、車で出勤し、家や職場で食事を取るのが困難で、帰ったら疲れてしまい、寝るだけの生活。1日の食事がおにぎり1個です。メンタルで休職となってしまいました。

 市内のある宿泊施設で働いていた女性Cさんは、入社1ヵ月で、精神的にも肉体的にもボロボロになり、辞めざるをえなくなりました。朝から深夜1時まで勤務の時もあったが、勤務時間簿は手書きで、働いても書きかえられ、終業時間は深夜1時よりも前に終業したという時間にされるなど、これが常態化となっており、労働条件は無視されていました。

 これまで非正規で働く若者の実態も伝えてきましたが、これがいまの正社員として働く若者の実態です。「社会の役に立つ仕事や働き方をしたい」「自分の能力をいかしたい」と考える若者の意欲とは逆に、雇用者側や担当者は労働関係法令を守らず、「使い捨て」するような働かせ方をさせている企業もあることを知っていただきたいと思います。

 千葉市は、機会を捉えて、市内企業に労働基本法の遵守を求めるなど積極的な対応を求めるべきと考えますが、お答えください。

<経済農政局長答弁>

 労使間の問題は、労基署で指導を行っているが、市としても機会を捉え法令遵守を啓発していく。

<佐々木ゆうき議員の質問>

 安心して子どもを生み、育てるためには、ゆとりある働き方と、安定した経済的土台が不可欠です。労働時間や賃金、休日などで人間らしい働き方を確立することが、どうしても必要です。千葉市がこうした分野で積極的な役割を果たすよう求めまして、私の一般質問を終わります。