もりた真弓議員の反対討論

2011.5.17

写真 日本共産党のもりた真弓です。会派を代表して議案第108号専決処分について(千葉市高州市民プール他34施設の指定管理者の指定について)反対の立場から討論を行います。

 第一の理由は、総務省自治行政局長通知に反すると思われる指定についてです。局長通知は、「指定管理者制度は公共サービスの水準確保という要請を受け果たす最も適切なサービスの提供者を議会の議決を経て指定するものであり、単なる価格競争による入札とは異なるものである。」とあります。

 千葉市高州市民プール他34施設の指定管理者の選定には、千葉市スポーツ振興財団とテルウェル東日本・スポーツクラブNASグループの競争となりました。評価項目6点のうち、市民の平等な利用の確保など5項目の採点は、合計でスポーツ振興財団が上回っていました。しかし管理経費の一項目だけはテルウェル東日本が上回り、総合得点でテルウェル東日本に決まりました。

 このことについての答弁は「管理経費の配点割合を全体の1/3としていて、経費縮減よりも市民サービス向上などが重視されている」「だから総務省通知の単なる価格競争にしないに合致している」とのことでした。

 質疑を通じて明らかになったことは、

(1) 市民の平等な利用の確保など5項目の採点、全体の2/3を上回った点数を確保したスポーツ振興財団は、1から5までの合計で、施設管理に優れていることを、市当局は認めました。

(2) テルウェル東日本・スポーツクラブNASグループが、1から5までの合計で、施設管理についてスポーツ振興財団より劣っていることについても認めました。

 以上のことは施設管理についてスポーツ振興財団が優れているとの結果が出ているわけです。にもかかわらず、テルウェル東日本・スポーツクラブNASグループが、管理経費の配点が上回ったため総合点で指定されたことは、人件費が安い、すなわち単なる価格競争による入札となっていることは明白であり、認めることができません。

 第2の理由は、千葉市体育施設設置管理条例第14条で、「議会の議決を経て指定管理者として指定するものとする。」としている規定を尊重せず、議会が慎重審査する機会を保証しなかったことです。

 指定管理者再指定の議案を第一回定例会に提出したことに無理があったことを市長も肯定するような立場であり、次回からは第4回定例会に提出したい旨の答弁がありましたが、その配慮が足りなかったことを指摘しておきます。

 また、外郭団体が指定されている施設ついては、指定管理者の指定を非公募にするよう日本共産党市議団は提案しましたが、これを無視したことも、議決を経ない専决処分に至った原因です。

 第3に、スポーツ振興財団の管理実績の評価が、4年間毎年一言一句も変わらない評価であったことへの批判と指摘について、当局は、今後是正することを約束しました。

 当局も認めた、極めてずさんで、市民や議会を愚弄するような参考資料を基に、選定評価委員会が指定管理者を指定したことは、有効性が問われます。

 最後に、4月1日から急に、継続性のない職員が配置されたことで、少なくない現場で混乱をきたしたと聞いています。このことは、結局「市民サービスの低下」につながったと指摘します。

 以上、議案第108号専決処分は承認できないことを申し上げ、反対討論を終わります。