ふくなが洋議員の一般質問および答弁(要旨)

2012.3.9

1、南部蘇我土地区画整理組合問題について

【ふくなが洋議員】

写真 日本共産党千葉市議団のふくなが洋です。一般質問を行ないます。

 最初に、先の12月議会で大きな問題となった3億5,000万円の公金支出について、その後の経過はどのようになっているのか説明をいただきたい。

【都市局長答弁】

 12月27日、千葉地裁で組合・3銀行・保証人・千葉市が出席し和解条項を確認、和解が成立した。組合は、組合員に和解に関する報告と賦課金徴収など「区画整理だより」を発行し、周知している。賦課金の分割納付など納付方法を確認し、徴収方法に合せた納付書や賦課金調書を作成して、4月以降に納付書を送付する予定だ。和解条項を踏まえ、資金計画の変更やH28年度までの施行期間の延長など、変更図書を縦覧し、年度内には変更手続きを完了する。H24年度以降は、賦課金の徴収や保留地の処分状況を把握し、和解条項の確実な履行の確認しながら、H27年度には3億5千万円を支出する予定だ。

【ふくなが洋議員】

 問題の解決に新たな課題はないのか。全国からも注目されている南部蘇我土地区画整理組合問題の解決への今後の方向についてうかがう。

【都市局長答弁】

 現時点では新たな問題はない。市としては本事業を収束させるため、毎月組合の業務内容を確認し、3か月毎に賦課金や保留地処分等の収支報告を義務付け、組合の解散まで指導・監督していく。

【ふくなが洋議員】

 蘇我町線問題について、あらためて伺います。ここに4軒蘇我町線に囲まれた家があります。なぜこのようなことが起きたのか伺います。

【建設局長答弁】

 蘇我町線整備にあわせ、国道16号から生実学校下交差点までの区間を「蘇我町98号線」とし、整備に必要な道路予定地と公園の代替用地を取得しているが、当該の4軒は事業用地の対象外なため、現在のような状況となっている。

【ふくなが洋議員】

 千葉市は、この4軒の人たちに他の場所への移転を匂わしたのではないか。公的施設の建設などの話をしたのではないか。

【建設局長答弁】

 移転の可能性を検討するとの話しをした。4軒は事業用地対象外だが、移転の要望を受けていたので用地活用の可能性を調査したが、計画を見いだせなかったものだ。

【ふくなが洋議員】

 この4軒には、蘇我橋の撤去や公園の管理などの約束はどうなっているのか。

【建設局長答弁】

 蘇我橋は、自治会に説明したが、撤去すれば不便になり、広域避難所への避難路として必要なものだとの意見を受けて存続したものだ。公園の管理が適正に行われていなかったことはお詫びする。今後は、定期的な維持管理を行っていく。

【ふくなが洋議員】

 蘇我町98号線脇にある、蘇我町線の整備イメージ看板の言葉はどういう意味か。

【建設局長答弁】

 この4軒には、住環境が変わり不便になったが、事業への理解と協力で完成したものであり感謝している。この看板は工事中に設置した完成予想図であり、工事が完成しているので早急に撤去する。

【ふくなが洋議員】

 買収の可能性などの期待を持たせた4軒には、あらためて謝罪すべきではないのか。

【建設局長答弁】

 お会いし、緑化実施等の環境改善への意見をうかがう。

2、化学弾の無害化処理について

【ふくなが洋議員】

 次に、千葉市内で発見された化学弾の無害化処理について伺います。先の2月25日、蘇我勤労市民プラザで第7回目の現地説明会が開催され、3月2日に千葉市環境保全部長より、毒ガス弾178発すべての処理が完了したとのお知らせがありました。

 そこで伺います。

 昨年の12月17日午後、毒ガス弾の処理施設の見学会が開催されたことは一応評価できるものですが、ここで参加者に配布した整理券についてお話しさせていただきます。これは環境省・千葉県・千葉市・四街道市の名前で出されています。

 この整理券の1の所の部分です。ここには、「隣接事業場構内の運行中の当該事業場内の撮影、処理地から当該事業場内に向けての撮影はご遠慮ください」とありますが、実にわかりにくい文章です。千葉市もかかわったものですから、わかりやすく説明をお願します。

【環境局長答弁】

 無害化処理施設が中央区川崎町の西端の県有地にあり、公道がないので見学会は許可を得て民間事業所の敷地内を通過することになるので、民間事業所内の機密漏洩を防ぐためのものだ。また、無害化処理施設内の化学弾保管庫の保安システムの漏えい防止の必要性から記載したものだ。

【ふくなが洋議員】

 この毒ガス弾処理の費用の額、その負担はどこがしたのか改めて伺います。

【環境局長答弁】

 化学弾の無害化処理費用は施設設置や処理業務など14億円で、その費用は事業主体の環境省が全額国費で負担する。

【ふくなが洋議員】

 回収されたヒ素の量は何キロだったのか。その無毒化処理について伺います。

【環境局長答弁】

 今回処理した砲弾を旧軍の資料で試算すると、22kg程度だ。ヒ素を含む廃棄物は、廃棄物処理法で適正に処理することにしているが、施設撤去の際は適切な方法で住民に事業が終了した旨を周知することになる。その際、処分方法やモニタリング結果なども併せて知らせるよう環境省に求めている。

【ふくなが洋議員】

 2月25日の説明会でも、参加者から心配をされていたことですが、市内で新たな毒ガス弾が発見される可能性とその処理について伺います。

【環境局長答弁】

 新たに化学弾が見つかる可能性は低いが、稲毛区では旧軍・下志津演習場があったことから、新たな発見の可能性は否定できない。また、他の地域で発見されることもあるので、環境省には恒久的な化学弾処理施設を国内に整備するよう要望している。

【ふくなが洋議員】

 稲毛区の毒ガス弾処理は完了したとのことですが、周辺の再調査はなぜ行わないのか伺います。

【環境局長答弁】

 環境省は、戦後から今日まで土地改変されていない土地の掘削には、不安のある市民からの相談に応じるとしており、調査の必要性を判断することになる。

3、教育問題について

【ふくなが洋議員】

 次に、教育問題について伺います。

 学校教育の中で用務員の果たす役割は大変重要です。しかし、学校用務員の実態がなかなか知られていないのが現状です。そこで、専門職として学校用務員の職務が確立し、素晴らしい学校環境が実現することを願うものです。

 そこで最初に、学校用務員についてお尋ねします。

 まず職員数についてですが、身分、平均年齢、給与体系、再任用、職務内容、配置基準について伺います。

【教育次長答弁】

 4/1の職員数は再任用も含め247人、身分は技能労務職、平均年齢43.8歳、給与体系は技能労務職給料表適用だ。職務内容は、学校の環境整備、校舎・校地の管理、施設・設備の整備・営繕、校務連絡、来校者の対応、非常災害時等緊急事態対応などだ。配置基準は、小中学校は原則1校1人、高校は1校3人、特別支援校は1校2人の配置だ。

【ふくなが洋議員】

 千葉市の学校用務員に対する現状と評価を伺い、なにを期待するのか伺います。

【教育次長答弁】

 学校用務員は1校1人なので、若手用務員に技術指導や用務員同士の連携が図りにくく、学校により用務員の作業内容に差が生じる場合がある。用務員の高いレベルで平準化され、教育環境が良好に保たれること、連携が強化され高度な作業も用務員が対応できるようになることが望ましい。

【ふくなが洋議員】

 現在、学校用務員の業務拡大・改善運動が愛知県豊橋市で進められ、全国的な注目を浴びていますが、豊橋市の学校用務員のこの活動についての評価を伺います。

【教育次長答弁】

 市内の学校をブロック化し、業務長の配置でブロック単位に研修や共同作業を実施、用務員業務が効果的・効率的に行われていると思う。

【ふくなが洋議員】

 豊橋市では「共同事業」を通じて、コスト削減、地域の防犯パトロール、災害訓練の先頭にたつなど、教育委員会、市民、そして子どもから高い評価を得ています。

 千葉市教育委員会も豊橋市の用務員活動に学んで、用務員活動を実践すべきではないのか伺います。

【教育次長答弁】

 千葉市でも用務員全体のスキルアップや共同作業等で効果的な運用を目的に、全小中学校をグループ分けし、班長を配置して研修や共同作業を実施する体制を導入した。先進市の事例を参考に、制度を効果的なものにしていく。

【ふくなが洋議員】

 次に、学校事務職員について伺います。

 事務職員も学校現場で大きな役割をはたしています。子ども中心の学校づくりを進めて、権利の主体として子どもの最善の利益を保障するために欠くことのできない存在です。そのことに踏まえて以下伺います。

 学校事務職員の職員数、身分、平均年齢、給与体系、再任用、職務内容、配置基準についてお答えください。

【教育次長答弁】

 4/1の職員数は、再任用含め191人、身分は県費負担の市職員、平均年齢は38.7歳、給与体系は千葉県行政職給料表適用だ。職務内容は学校教育法に基づき、予算経理・就学援助・給与に関することだ。配置基準は、小中学校は原則1校1人、特別支援校小学部1人、中学部1人、高等部2人配置だ。標準学級で小学校28学級以上、中学校22学級以上が複数配置となっている。

【ふくなが洋議員】

 学校事務職員の現状と評価、何を期待しているのかを伺います。

【教育次長答弁】

 教育内容の多様化や新学習指導要領の教育予算計画策定など、各学校の特色ある教育活動の要の役割を果たしている。更に力量の向上を期待している。

【ふくなが洋議員】

 次に、防災教育について伺います。

 3月11日、東日本大震災も明後日で1年を迎えます。この震災の教訓を、次代を担う子どもたちに、教育の現場でどの様に活かししていくのかが問われます。

 そこで伺います。東日本大震災、福島原発事故について、教育委員会は教育の場でどのように教育していくのか。

【教育次長答弁】

 大震災の教訓を生かし、津波や液状化の想定や学校の実態に応じた避難訓練の実施、総合防災マニュアルを活用し自他の安全確保ができるよう育成に努める。放射能の影響は、理科学習で原子力や放射能に関する指導、文科省が配布予定の「放射線副読本」を活用し、正しい理解を指導していく。

【ふくなが洋議員】

 中学校の修学旅行が千葉市では例年行われています。その目的と修学旅行先について伺います。

【教育次長答弁】

 修学旅行は望ましい人間関係の形成、集団への所属感を深め、公共の精神を養い、自主的・実践的な態度を育てるのが目的だ。H24年度の中学校修学旅行先は、信州方面45校、関西方面9校、東北方面3校の計画だ。

【ふくなが洋議員】

 現在、それほど多くはありませんが、被災地に修学旅行に行く学校が増えています。被災現場の見学、現地の方々との交流などは、子どもたちにとり非常に有意義だと思います。被災地への修学旅行を考えないのか。

【教育次長答弁】

 修学旅行は、直接見聞し、肌身で感じ、現地の人たちと交流して、自らの生き方を見つめ、社会に参加する意欲や態度が養われるので有意義だ。被災地へは、生徒の安全確保や健康管理、保護者への説明と承諾などの配慮が必要になるので、生徒の意向、経済的負担などを勘案して中学校ごとに決定する。教育委員会は、学校からの届け出を確認し、旅行先・内容等を適宜指導していく。

4、生活保護行政について

【ふくなが洋議員】

 生活保護費は、非正規雇用労働者の解雇などで深刻な状況にあります。国の発表でも208万人を超えたとされます。そのなかで、有期保護制度や医療扶助への一部負担を国は導入しようとしています。これは許されることではないと思います。

 そこで伺います。千葉市での生活保護受給者の実態、増加原因はなにと考えるのか。

【保健福祉長答弁】

 4/1現在、被保護世帯数1万3,095世帯、人員1万7,352人、保護率18.0%、このうち高齢世帯が5,529世帯で42.6%と最も多く、稼働能力が有ると思われる「その他世帯」が4,271世帯で32.9%だ。増加の原因は、厳しい社会経済情勢が続き、高齢化の進展などが背景にある。保護開始理由は、就労収入の減少や世帯の預貯金の減少など、経済的要因が約70%を占めている。

【ふくなが洋議員】

 平成22年度の不正受給の件数と金額はいくらか。件数と金額の占める割合は何%か。また、どのような傾向にあるのか。

【保健福祉長答弁】

 H22年度の不正受給件数は248件で、生活保護受給者数1万6,097人の1.5%だ。金額では遡及分含めて約1億5,400万円、決算額約274億8,000万円の0.6%だ。不正受給の傾向は、全国的に見ても受給者が増えたことで、件数も増加しているが、1件当たりの金額は減少しているが、千葉市も同じ傾向だ。

【ふくなが洋議員】

 生活保護の問題の根本解決は、雇用と社会保障制度の改善が必要と考えないのか。

【保健福祉長答弁】

 生活保護制度は最後のセーフティネットであり、今は失業者も含めて対応している。今後も保護が真に必要な人に、適切に保護を実施していくが、失業者や就労阻害要因がない人には、まず雇用施策で対応すべきだ。国が社会保障・税一体改革大綱で、今秋を目途に制度の見直しに取り組むと聞いており、動向を注視したい。

【ふくなが洋議員】

 最近、職員の中で生活保護のケースワーカーは人気がないと聞いているが、ケースワーカーの経験がある局長としてどのように考えるか。

【保健福祉長答弁】

 私が経験し感じていることは、ケースの様々な人生と向き合い、ある意味人間に幅ができた。また、コミュニケーション能力や決断力が身についたなど、その後の人生に大いに役立ったと感じている。人のために尽くすことは大変やりがいのある仕事で、若いケースワーカーには、ケースとまずしっかり向き合うことで、自分自身も人間として成長できると伝えたい。昨今、人の権利意識が強くなり、ワーカーの仕事も難しいと聞く。生保の目的はその人の生活を保障しつつ自立を助長することだ。ワーカーは保護を受けている人の自助努力を支援するのが仕事だ。制度を持続可能にするため、受ける側も支援する側も法の精神をいつも意識してほしいと思っている。