日本共産党千葉市議団のH24年度予算組替動議

2011.12.2

 「議案第1号平成23年度千葉市一般会計補正予算(第4号)」、「議案第6号平成23年度千葉市市街地再開発事業特別会計補正予算(第1号)」、「議案第9号平成24年度千葉市一般会計予算」、「議案第10号平成24年度千葉市国民健康保険事業特別会計予算」、「議案第11号平成24年度千葉市介護保険事業特別会計予算」、「議案第12号平成24年度千葉市後期高齢者医療事業特別会計予算」、「議案第19号平成24年度千葉市市街地再開発事業特別会計予算」、「議案第23号平成24年度千葉市公債管理特別会計予算」、「議案第25号平成24年度千葉市下水道事業会計予算」、「議案第26号平成24年度千葉市水道事業会計予算」について、市長は、下記により速やかに組み替えを行い、再提出することを要求する。

1 組み替えを求める理由

 第一に、民主党・野田政権の「社会保障・税の一体改革」と称する「消費税増税」、「社会保障改悪」の推進は、日本経済をどん底に突き落とし、財政破綻を一層進めるものである。市民・勤労者所得が年々低下するもとで、消費税を2014年に8%、2015年に10%へ増税した上、年金支給額削減や年金・医療など保険料を値上げし、さらに負担増を押しつければ、貧困と格差はさらに広がり、多くの中小企業が経営危機に陥り、市民の暮らしも地域経済も本市財政も深刻な困難に直面することは明らかである。
 第二に、東日本大震災・福島第一原発事故からの復興が求められ、国の消費税大増税、社会保障削減の「一体改革」が押しつけられようとするとき、地方自治体は国の政治の防波堤となって、安全で安心して暮らせる環境づくり、市民負担の軽減、地域経済活性化へ市民生活に密着した公共事業の発注などに力を注ぐことが求められている。
  しかし、熊谷市長の提案した新年度予算は、2010年度、2011年度に引き続き、財政健全化を最優先して、徹底した事務事業の見直しと公共料金値上げにより、市民生活予算を大幅に削り、一方で大型開発は続行している。これでは市民生活と地域経済はますます落ち込んでしまうばかりである。
  よって、日本共産党千葉市議会議員団は、深刻な財政危機のもとでも、市民の暮らし・福祉を優先する予算に転換することを求め、次の組み替えの基本方針及び内容により予算の再提出を要求する。

2 組み替えの基本方針
(1) 「住民の福祉の増進を図る」ことを基本とする地方自治法の本旨に沿って、市民生活を向上させる。財政危機のもとであるが、福祉サービスは維持し充実させる。熊谷市政3年間を検証して、過去に切り下げた市民サービスのうち一部を復活させる。
(2) 新年度予算が、一般会計で前年度比76億4,000万円増や、地方交付税増額分のうち高齢者人口が増えたことにより見込まれる13億円の増額と、防災・減災事業に係る地方債が充当率100%で交付税措置が補助事業80%、単独事業70%、などの条件を生かして市民の願いを予算化する。
(3) 国道直轄事業負担金及び県事業負担金の早期解消を図る。本市が不公平な扱いを受けている県単独補助金が本市に公平に支出されるまでの間、県事業負担金の支出を中止する。
(4) 大型開発公共事業見直し委員会を設置し、当面10億円以上の事業について見直しを行う。その中で不要不急の事業は中止、凍結、規模の見直しを図る。
(5) 予算の重点を市民生活の安定のため、次の項目に置く。
ア 福祉の維持向上
イ 防災・減災対策、放射能被害対策を強化する等、安全安心のまちづくり
ウ 行き届いた教育
エ 地域密着・循環型公共事業の促進、雇用の増大
オ 情報公開・説明責任・市民参加を徹底
(6) 市政運営に当たっては、情報公開・説明責任・市民参加を徹底し、結論を押しつける姿勢を改める。

3 組み替えの内容
(1) 急がなくてよい事業などへの歳出を削減するとともに、自主財源の確保を図る。
 ア  大型開発公共事業及び10億円以上の公共事業を見直して財源を確保する。
(ア) 千葉駅西口地区市街地再開発 (28億5,177万円)
(イ) 千葉港黒砂台線整備 ( 3億3,435万円)
(ウ) 蘇我特定地区整備 ( 7億5,220万円)
(エ) 新港横戸町線整備 ( 3億8,100万円)
(オ) 水道事業
 霞ヶ浦開発事業負担金 (15億3,785万円)
 房総導水路建設事業負担金 ( 9億9,541万円)
 イ  国や県からの事業負担を見直し、財源を確保する。
(ア) 国道直轄事業負担金 ( 7億円)
(イ) 県事業負担金
 幕張メッセ建設事業負担金 ( 2億2,000万円)
 千葉港整備事業負担金 ( 1億7,015万円)
(ウ) 本市が不公平な扱いを受けている県単独補助金を速やかに支給させる。
(14億5,778万円)
 ウ  中止か凍結する事業
(ア) 国民保護協議会開催 (   17万円)
(イ) 住民基本台帳ネットワークシステム維持管理 ( 8,055万円)
(ウ) ヒューストン市、ケソン市公式訪問団受入 (  240万円)
 エ  地方交付税、地方債を活用する。
(ア) 地方交付税増額見込分(高齢者増加要因)13億円を全額高齢者事業に振り向ける。
(イ) 防災・減災事業に係る地方債(交付税措置、補助事業80%・単独事業70%)の発行を増やし、防災対策事業を促進する。
 オ 自主財源を確保する。
(ア) 資本金10億円以上の法人に、市民税均等割制限税率を適用する。 (2億7,800万円)
(イ) 東日本高速道路株式会社、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対する固定資産税又は都市計画税の応分の負担を求める。
 カ 基金からの繰入を10億円増やす。
ただし、アからオまでの財源が確保された場合は繰入額を減額する。
 以上、総額約120億円中、補助金等を差し引いた約66億円を以下の施策に組み替える。
(2) 市民の暮らし・福祉を応援するとともに、地域経済活性化と雇用機会を増やす。
 ア  平成24年度見直し事業14事業中6事業を現行どおり継続する。
(ア) 高齢者予防接種(インフルエンザ)
(イ) 歯周疾患検診
(ウ) グループホーム等世話人代替費補助
(エ) 民間社会福祉施設職員設置補助
(オ) 福祉タクシー
(カ) 音楽鑑賞
 イ  平成22年度・23年度見直した78事業中20事業を復活させる。
(ア) 難病疾患見舞金支給
(イ) 白内障補助眼鏡等費用助成
(ウ) シルバー健康入浴
(エ) はり・きゅう・マッサージ施設利用助成
(オ) がん検診(精密検査)
(カ) 看護師等修学資金貸与
(キ) ひとり親家庭等高校就学扶助
(ク) 母子家庭等児童入学及び就職祝金支給
(ケ) 高齢者住宅改修費支援サービス
(コ) 障害者住宅改造費助成
(サ) 敬老会等経費の一部助成 70歳以上一人830円の復活
(シ) 老人つどいの家運営
(ス) 老人福祉バス運営
(セ) 古紙・布類の資源化(資源回収促進奨励補助金)
(ソ) 千葉市民産業まつり
(タ) 民間保育園協議会補助金
(チ) 私立高等学校等教育設備整備補助
(ツ) 被保護児童生徒修学旅行支度費支給
(テ) 東京フィル提携事業
(ト) 舞台芸術鑑賞事業補助金
 ウ  公共料金改定中止
(ア) 国民健康保険料の値上げ中止
(イ) 介護保険料の値上げ中止
(ウ) 子どもルーム利用料の値上げ中止
 エ  福祉の維持向上
(ア) 敬老乗車券の復活
(イ) 国民健康保険料 一世帯5,000円引き下げ
(ウ) 子ども医療費助成における保護者負担を廃止するとともに、通院医療費助成の対象については、当面小学6年生まで、さらには中学3年生までを目指して準備
(エ) 高齢者医療費助成は75歳以上無料化を目指して準備
 オ  防災・減災対策の充実、放射能対策の強化
(ア) 防災無線を充実し、戸別受信機を設置する。
(イ) 液状化対策を強化し、個人補償を行う。
(ウ) 津波への備えを強化する。
(エ) 学校・屋内運動場の耐震化を2カ年で実施する。
(オ) 一般住宅・マンションへの耐震診断・改修事業を充実する。
(カ) JFEの安全対策を抜本的に改善させ、隣接する危険な公園建設は中止する。
(キ) 放射線量測定値を毎時0.23マイクロシーベルトに定めて対策を実施する。子供の生活の高さで放射線量測定を実施し、各区役所に食品の測定器を設置する。
 カ  地域密着・循環型公共事業を促進し、雇用の増大
(ア) 住宅リフォーム助成制度の創設
(イ) 特別養護老人ホームの増設
(ウ) 学校校舎、屋内運動場耐震工事の前倒し
(エ) 子どもルームの増設
(オ) 保育所を増設し老朽化した木造保育所の建て替えをリース方式で推進
(カ) 1,000人の雇用の創出に向けた取り組み
 キ  安全安心のまちづくり、行き届いた教育
(ア) 生活道路の整備
(イ) 危険な交差点の改良
(ウ) 農産物の価格保障充実、後継者対策の重視
(エ) 少人数学級の推進
(オ) 就学援助制度を改善して利用の拡大
(3) 不要不急の大型公共事業で、当初予算に計上した以下の事業に係る市債・債務負担行為を抑制する。
 ア  千葉駅西口地区市街地再開発事業
 イ  千葉港黒砂台線整備事業
 ウ  蘇我特定地区整備事業
 エ  新港横戸町線整備事業
 オ  水道事業
 カ  下水道事業

以 上