日本共産党が提出した意見書

平成24年第2回定例会
No.1

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

消費税増税法案の撤回を求める意見書(案)

 社会保障と税の一体改革として、政府が提出した消費税増税法案の審議が開始された。しかし、新聞社の世論調査でも国民の半数以上が反対しており、民主党が掲げた公約にも反する、全く道理のない法案提出と言わざるを得ない。
 消費税にはもともと逆進性があり、低所得者ほど負担が重くなる不公平税制で、「生活費には課税しない」との税制の原則をも否定するものである。
 また、中小商工業者は、今でさえ消費税を転嫁できず、みずから身銭を切って負担している現実があり、「増税されたら事業継続が困難」と訴えている。日本経済を支えている中小商工業者の経営を押しつぶし、国民の消費を一層落ち込ませるなら、経済は重大な危機に陥ることになり、税収も大きく落ち込むことは明らかである。
 政府は、「消費の落ち込みは一時的で、すぐ回復する」などと、現実を直視せず、根拠のない主張を続けているが許されるものではない。
 税の「応能負担」原則に立ち返るとともに、「コンクリートから人へ」との公約どおり、無駄な大型公共事業を見直すことで社会保障の財源は確保すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、社会保障と税の一体改革による消費税増税法案を撤回するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第2回定例会
No.2

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

原発の再稼働を認めないよう求める意見書(案)

 政府は先般、東京電力の経営改革策などをまとめた「総合特別事業計画」を認定した。その内容は、1兆円を超える公的資金(税金)の投入、家庭用電気料金の値上げ、柏崎刈羽原子力発電所の来年4月再稼働などの計画が盛り込まれたものである。
 これらは、国民世論とは大きく乖離したものであり、いずれも認めることはできない。とりわけ、東京電力福島第一原子力発電所事故後の電力使用に対する国民の意識変化や、節電意識の高まりには目を向けず、事故以前の10年間を勝手に試算し「電力不足」になると不安をあおりながら、危険な原発再稼働を押しつけるやり方は許しがたいものである。
 原発事故の原因究明は、いまだに尽くされていない。原因究明がなければ科学的な安全対策などあり得ないはずである。
 さらに、国民の信頼をなくした原子力安全委員会、原子力安全・保安院にかわる、国民が納得できる規制機関がない中での原発再稼働など、どこにも道理はない。
 よって、本市議会は国に対し、原発の再稼働を認めないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第2回定例会
No.3

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

原発からの撤退を決断するよう求める意見書(案)

 5月5日、北海道電力泊原子力発電所3号機が定期点検のため停止し、全国で50基ある原発のすべてが停止した。
 昨年3月の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の重大事故から1年以上経過しながら、原子炉内部の様子が今も不明であり、放射性物質で汚染された冷却水がたびたび漏れ出すなど、事故収束の見通しが立たない状況にある。
 福島県内では十数万人が避難生活を続け、原発周辺の避難住民はいつ戻れるかわからない事態である。一たび事故が起きれば取り返しがつかない原発の「異質」な危険性が浮き彫りとなったのである。
 今こそ政府は、当面、液化天然ガス(LNG)を確保し、電力の供給力を高めることや、国策として推進した原発予算を再生可能エネルギー開発支援や原発立地自治体での雇用・営業等への支援に抜本改革し、原発に頼らない再生可能エネルギー中心の低エネルギー社会へ大きく転換すべきである。
 よって、本市議会は国に対し、原発からの撤退を決断するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第2回定例会
No.4

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

電気料金の値上げを認可しないよう求める意見書(案)

 東京電力は5月11日、経済産業省に一般家庭向け電気料金の値上げを申請した。平均10.28%の値上げで、本年7月から実施したいとしている。
 政府は「厳しい視点、国民目線で」審査するとしているが、今回の電気料金値上げは、先に政府が認めた東京電力の経営再建に向けた「総合特別事業計画」に明記されていたものである。
 経営悪化は今回の原発事故によるものである。事故の責任は、危険性を指摘されながらも「安全神話」を振りまき、対策を怠ってきた東京電力と原発事業関係者にあるのであり、事故のツケを国民・消費者に転嫁することは筋違いである。原発で莫大な利益を得てきた東京電力の大株主や融資してきた大銀行にこそ負担を求めるべきである。
 よって、本市議会は国に対し、事故のツケを国民・消費者にしわ寄せする電気料金の値上げを認可しないよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第2回定例会
No.5

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

「子ども・子育て新システム」関連法案の撤回を求める意見書(案)

 公的保育制度を解体する「子ども・子育て新システム」関連法案が審議されているが、父母、保育関係者からは「保育と子育てが一層困難になる」として、新システムの導入より現行制度を拡充すべきだとの声が強まっている。
 「新システム」の最大の問題は、国と地方自治体の責任をなくすことである。市町村の保育実施義務はなくなり、「保育は保護者の自己責任」へと変わることになる。
 また、保育への株式会社の参入を促進し、保育料や補助金から利益を上げ、株主配当や保育以外の事業に回すなど保育が営利化されれば、保育士の人件費や施設経費の削減が追求されるなど、保育環境の悪化や格差拡大が起こるのは明らかである。
 国連の「子どもの権利条約」では、子どもが健やかに成長できる環境整備を国の責務としており、「新システム」は、父母と国民の願いにも世界の流れにも逆行するものである。
 よって、本市議会は国に対し、「子ども・子育て新システム」関連法案を撤回するよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第2回定例会
No.6

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

国民の目耳口を封じる秘密保全法案に反対する意見書(案)

 外交・防衛など国家機密を「特別秘密」と指定し、公務員等が漏らした場合の罰則強化を柱とする秘密保全法案の今国会への提出をめぐり、検討委員会や有識者会議での議論が行われている。
 政府は、秘密保全法の必要性について、2010年の中国漁船衝突事件の映像流出問題から情報保全の強化が必要と説明しているが、それより先の2007年に日米両政府間で締結した「秘密軍事情報保護協定」(GSOMIA)に基づいて、アメリカが提供している日米軍事同盟上の秘密情報を保全するための口実であることは、同法案提出を危険視する日本弁護士連合会も指摘している。
 この間、有識者会議での議論を政府が「密室運営」へと誘導し、官邸ホームページ用の資料を改ざんしたことが判明するなど、意思形成過程から既に国民を偽り、国民に隠さなければならない法案の姿が浮き彫りとなった。
 法案の内容も、「特別秘密」の範囲があいまいで、何を秘密にするかは政府や行政機関が決めることになり、政府に不都合な情報は隠されることになる。そればかりか、独立行政法人・地方自治体はもちろん、委託を受けた企業や大学が持つ情報も対象となる。そこで不正や法違反等があった場合の内部告発は「犯罪」とされる可能性がある。また、報道記者の取材や市民団体の真相を求める運動も取り締まりの対象にされることから、日本新聞協会も反対声明を発表するなど、極めて危険な内容が明らかになっている。
 よって、本市議会は国に対し、国民の知る権利を奪い、国民を監視し、報道や告発さえ規制する秘密保全法案に強く反対するものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第2回定例会
No.7

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

プライバシーを侵害する共通番号制法案の撤回を求める意見書(案)

 「社会保障と税の一体改革」関連法案として、今国会に提出されている共通番号制法案(マイナンバー法案)は、国民一人一人に番号をつけ管理する「国民総背番号制度」につながる危険なものである。
 共通番号制の導入は社会保障の充実のためではなく、「国民の給付と負担の公平性、明確性を確保する」として、給付の「効率化・重点化」による社会保障費削減が目的なのである。年金や医療など社会保障のさまざまな給付状況を個人の共通番号で一元化し、一人一人の生の生活実態ではなく、机上の数字で合理化・効率化を判断することになる。
 また、納税状況も共通番号で把握されることになり、多くの重要な個人情報が集約されるのである。法施行5年後の見直し条項によって民間での活用も検討されており、国民一人一人の全人格が政府や警察など権力者に共通番号で掌握され、利用される可能性も否定できないのである。
 よって、本市議会は国に対し、プライバシーを侵害する共通番号制法案の撤回を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第2回定例会
No.8

 (提出年月日)平成24年5月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

住民の安全・安心を支える公務・公共サービスの体制と機能充実を求める意見書(案)

 昨年、東日本大震災や台風等により、全国各地で大きな被害が発生したが、公務労働者は国・地方を分かたず、復旧・復興に全力で取り組んでいる。これらの活動では、すべての地方出先機関が本省と一体となり、その役割を発揮したのである。地方整備局は、自衛隊・消防隊・ボランティアの人々や支援物資がいち早く被災地に到着できるよう国道等を整備し、被災地への経路確保に尽力した。
 ハローワークでは、職を失った被災者がハローワークに押し寄せ、重要書類が津波で流出する中、一人一人聞き取り調査しながら、失業手当等の手続きを行っているが被災地の職員だけでは処理できず、全国のハローワーク職員が応援に駆けつけている。法務局でも、津波被害で不明となった筆界の復元作業の実施や滅失登記手続きも急激に膨らんだことから、全国の法務局職員が被災地職員とともに被災者を支えたのである。もし、国の出先機関の廃止や地方移譲が実施されていたら、迅速な復旧は極めて困難だったと考えられ、公務・公共サービスの重要性が再認識されることとなった。
 千葉県内では、地方整備局の河川事務所が、大震災による利根川の堤防損傷をいち早く発見し、補修することで昨年9月の台風15号による河川はんらんを食いとめることができた事例もある。
 しかし、政府は「地域主権改革」として、「アクション・プラン」に基づき国の出先機関を廃止し、地方に事務・権限を移譲するとしているが、「スリム化・効率化」がねらいであり、地方への十分な財源移譲がないばかりか、「建設国債」等の負の財源まで移譲されるとさえ言われているのである。
 今、国に求められているのは地方自治体と共同し、国民・住民の生命を守り安全・安心を確保する責任と役割を果たすことである。
 よって、本市議会は国に対し、公務・公共サービスについて、下記事項の実現を強く求めるものである。

  1. 憲法第25条の生存権を守るため、国と地方の共同を強めるとともに、公務・公共サービスの体制・機能の充実を図ること。
  2. 国の出先機関を原則廃止する「アクション・プラン」を見直し、住民の安全・安心を確保するために必要な、国の出先機関の体制・機能を充実すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会