野本信正議員の一般質問および答弁(要旨)

2012.6.15

写真1.航空機の騒音対策について

【野本信正議員】

 羽田空港D滑走路供用に伴う飛行ルートにより、騒音被害が深刻になっている。 私が最近行ったアンケートが短期間で100通を超す回答があり、その内の約87%が騒音被害を感じている。生の声を少し紹介する。「環境を壊された。老境に入り穏やかな日々を送りたいのに腹が立つ」「とにかくうるさい。家内は頭痛に悩まされ大変。飛行航路地域住民への説明又は、承諾を要するのではないのか」「あこがれのマイームを若葉区に建てたのにまさか騒音に悩まされるとは本当に残念」「これから夏に向かい電力不足というのに、雨戸も開けられないと思うと腹が立つ」「物凄い轟音で通過し大変な騒音公害、地獄のような毎日。改善をお願いしたい」
 この深刻な声をどう受け止めているのか。飛行コースの下の住民は堪え難い騒音地域になっていると思うがどうか。

【環境局長答弁】

 羽田空港D滑走路の供用開始後、南風好天時に市内上空を1時間に最大40便飛行する。市民からはテレビの音が聞こえない。夜まで音が響き寝られないなど深刻な苦情が来ている事を重く受け止めている。

【野本信正議員】

 市民から寄せられた苦情は今年になってから何件か。今年の件数をもとに秋まで推計すると年間何件になり、昨年との比較はどうか。また、環境規制課に寄せられる電話での苦情は一日最大何件で、その結果、データ分析などの事務に支障を来しているようだがその実態は。

【環境局長答弁】

 寄せられた苦情件数は4・5月で106件あった。年間の苦情件数は、飛行コースが天候で左右されるので予測は困難だが、2か月間で昨年度の全受付件数224件の約半数になっており、上回ることになる。1日で最大だったのは、5月29日に10件、その対応に1件平均30分程度かかり、騒音のデータ分析等の業務に支障が生じた。

【野本信正議員】

 若葉区では大宮台、若松町、千城台、大草などで苦情が多い。過日、市が行った北大宮台での測定を視察したが飛行機が来る度に高い数値が出た。住民の声を再び紹介する。「あまりにもひどい、本当にうるさ過ぎる。中央区の問題エリアが大宮台にそのまま移っただけ」「騒音に対して『非情な怒りだ』中央区の対策改善は、大宮台・千城台など若葉区住宅街にたらい回しとなり、今年から騒音がさらに激しくなった」「毎日家の真上で、低空でしかも交差しているので、人間が耐えられるレベルではない」「真夜中0時半まで飛行し酷い時は午前2時30分まで飛んでいる。6時から23時の約束は無視されている」この凄まじい怒りの声をどう受け止めるのか。市長が変更を求めた結果、新たに住宅地上空でクロスする危険な地域を作ってしまったことは遺憾であるがどうか。住宅地上空でのクロスは、中止するよう国に求めるべきではないか。

【環境局長答弁】

 今年2月の飛行ルート変更で、飛行交差部が若葉区の東金有料大宮インター付近に移ったため、大宮台や千城台などの住民から多く苦情が来ている。住宅上空での交差は例がなく、騒音低減を国土交通省に求めていく。
 航空保安業務処理規程で、水平飛行は高度差300m以上で交差するとされ、運行上の安全は確保されていると国交省に確認している。

【野本信正議員】

 昼時間6時から23時の約束が無視されているとの訴えに、直ちに対処すべきだがどうか。

【環境局長答弁】

 深夜・早朝時間帯の飛行は、H22年3月19日に国交省と千葉県・市町村連絡協議会との確認書で、飛行高度6,000フィート未満では県陸域を通過しないことになっているが、悪天候など飛行の安全確保の緊急時は、本市上空を飛行する場合があると聞いており、理解してほしい。

【野本信正議員】

 航空機の昼時間を、6時から23時に決めていること事体、異常であると思わないか。普通20時は夜と言うし、23時は深夜である。国交省には一般常識が通用しないのか。この際、8時から21時ぐらいまでの変更を求めるべきと提案するがどうか。

【環境局長答弁】

 早朝から深夜まで飛行しており、市民生活に影響を及ぼしているので、飛行時間の短縮を国交省に求めていく。

【野本信正議員】

 続いて住民の声だが、「クロスポイントの移動で騒音がさらに大きくなった」「しわ寄せを弱い者の所へ集中させ『一歩前進』という市長などの良識を疑いたくなる」「もっと市内全体などの現地調査、意見聴取をして、そのデータに基づき普遍的、抜本的な対策を講じるべきだ」この声に、市長の見解をうかがう。

【環境局長答弁】

 6月4日の県・市町村連絡協議会で国交省から高度引き上げ検討中と説明されたので「一歩前進」とコメントしたが、検討範囲が限定的なため国交省に、全ルートの高度引き上げや分散化など抜本的対策を求めている。現地調査は、飛行ルート下の緑区土木事務所、若葉区千城台西小学校、中央区松ヶ丘公民館の3か所で常時測定し、苦情が多い地域では短期調査を実施するなど実態把握に努めている。

【野本信正議員】

 クロスする地点が3キロバックして、被害地域が広がっているもとで、市長の現地調査を宮崎町地域だけでなく、緑区、若葉区、中央区などの騒音のひどい地域の現地調査を求めるがどうか。市長は、昨年現地に2回行って騒音を体感し、地元の声も聞いている。昨年より騒音被害が広がっている実態を直接調査することを重ねて求める。「カジノ視察の時間はあって市民の中に行く時間ないのか」

【熊谷市長答弁】

 市民の声は、市長への手紙やメール等で把握している。現地調査は、私が直接確認する必要がある場合は検討したい。

【野本信正議員】

 直近の測定データで、65デシベル・70デシベルを超えた実態について、測定箇所ごとの最大値、出現割合、65デシベル以上、70デシベル以上をそれぞれ示されたい。

【環境局長答弁】

 5月の騒音測定結果では、松ヶ丘公民館70.6デシベル、緑土木事務所74.2デシベル、千城台西小学校74.2デシベルの最大値を測定した。
 65デシベル以上の回数と割合は、松ヶ丘公民館185回・全測定回数の3.8%、緑土木事務所301回・7.2%、千城台西小学校191回・12.9%だ。70デシベル以上は、松ヶ丘公民館2回・0.04%、
 緑土木事務所8回・0.2%、千城台西小学校12回・0.8%だ。

【野本信正議員】

 住民への被害は騒音の平均値ではなく、一機一機の騒音値によることは市も認めている。WHO(世界保健機関)環境騒音ガイドライン値は、50デシベルを超えると強い不快感、60デシベルを超えると睡眠妨害、70デシベルを超えると聴力損失としている。直近の測定値は、環境騒音ガイドライン値を超えていることは重大であり、昨年の質問でも指摘したが、国に対してWHO(世界保健機関)環境騒音ガイドライン指針値を超える被害の解消を迫るべきであるがどうか。

【環境局長答弁】

 市の5月の測定では、市上空を飛行する南風好天時に、松ヶ丘公民館・緑土木事務所・千城台西小学校の全地点で、70デシベル超の数値が確認されており、WHO環境騒音ガイドライン指針値の考え方で被害解消を国に強く求めていく。

【野本信正議員】

 航空機の測定値をW値やLden値のいわゆる平均値ではなく、最大騒音レベルや単発騒音暴露レベルを併用した、新たな環境基準の設定を国に要求することを改めて提案する。この問題で、昨年の環境局長答弁は間違っているので、訂正した上での答弁をもとめる。
 その際に、WHOは環境騒音のガイドラインとして「間欠騒音の評価には最高騒音が適している」として、総合評価には最高音規制を併用するよう強く奨励していることをもとに、国に要求することを求めるがどうか。

【環境局長答弁】

 昨年第3回定例会の答弁は、現在の評価方法も騒音の大きさや発生回数を反映したものであり、説明が不十分だった。新たな基準のエルデン(Lden)は、現在のように騒音のピーク値を平均化するものではなく、単発騒音暴露レベルを時間帯補正し、1日分合算し算出するものだ。航空機騒音の評価は、新たな環境基準がH25年度から施行されるので、市としてもLdenでの評価の検証を行う。単発騒音暴露レベルに最大騒音レベルを併用した評価での対応と飛行コース下の騒音レベルで高音機の規制も、具体的な制度がないので新たな課題として国に検討を求めていく。

【野本信正議員】

 6月4日、国交省と県・関係市町村の連絡会議後市長は、「高度の引上げは一歩前進だ。飛行ルートの分散化を求めていく」など発言したと報道されている。飛行高度は、どのくらい引き上げることが可能で、どの程度騒音が下げられるのか。分散化の具体的可能性、今後の増便計画の概要はどうか。

【環境局長答弁】

 6月4日の連絡協議会の席上、国交省から高度5000フィート引き上げを検討中と説明された。着陸技術や安全面の配慮が必要なので、具体的な実施時期、引き上げ高度、軽減効果等は明らかになっていない。分散化の可能性は、連絡協議会の確認書で検討すると説明されており、引き続き求めていく。羽田空港の増便計画は、現在の年間約40万便をH25年度末には国内線2万便、国際線3万便増やし、発着枠を44万7千便にする計画だと国交省に確認した。

【野本信正議員】

 増便計画は、H25年度までに国内線2万便との答弁。千葉市上空への影響は、現在の一日最大520便から640便になる。現状の凄まじい騒音被害のもとで、一日120便も増えることは許されないと思うがどうか。市民のために拒否すべきであるがどうか。

【環境局長答弁】

 騒音対策が進展しない下で増便計画だけが先行するのは、千葉市としても容認できない。増便に先立ち騒音低減対策を進めるよう国交省に申し入れている。

【野本信正議員】

 市民と共に、市民の声を背景に交渉をすることが改善につながる。飛行コースは国交省が決めたが、事前に県内関係自治体に知らせた。その時、市は市民に説明会も開かずに了承している責任は重い。市長は「国交省に説明会をさせたい」と述べている。きちんと実行すべきだがどうか。
 事業者が説明会出席を拒否することは無責任であり、「そうですか」と引っ込んでしまう千葉市は、あまりにも弱腰である。
 市長は、市民に説明会も開かずに千葉市への飛行コースを了承した責任を取って、千葉市独自の説明会を開き、住民の声を聞くことを要求するが明確な答弁を求める。なお、市の説明会に国交省の出席を求めるべきだがどうか。

【環境局長答弁】

 国交省には説明会開催を要請しているが、環境影響評価など制度にない住民説明会を実施したことはなく、説明会開催や説明員の派遣は難しいと回答が来ている。今後も開催を求めていくが、市としてはホームページや広報紙等を活用し、市民への情報提供に努める。

【野本信正議員】

 千葉市上空に航空機が集中する原因は、東京にあるアメリカ軍横田基地が、中部日本の空を事実上独占しているからであり、画面でわかるように三浦半島から新潟そして静岡を四角にした、この中には日本の航空機は入れない。そのため南ルートから羽田にくる飛行機は、横田基地の空域に阻まれて、4000メートル以下に高度を下げられない。しかし、東京湾上空で一気に4000メートルから羽田へ急降下することは危険なため出来ないので、房総半島を一回りし、向かい風をブレーキにして北東から着陸している。
 本年2月の住民説明会で市長は、成田空港と横田基地の空域に挟まれているので、「米国との話し合いもあきらめずにやっていく」と発言したとの報道がされたが、どのように要求し、改善の見通しは。

【環境局長答弁】

 2月の蘇我地区コミュニティ懇談会で、羽田空港が厳しい空域制限の中にある実態の説明で、解決の1つの選択肢としての発言であり、今は国交省と連絡協議会との確認書で対策を求めている。千葉市の重点要望として、国に高度引き上げ、飛行コース分散化など首都圏全体で共有化、航空各社への騒音軽減対策の実施を求めていく。

【野本信正議員】

 市長は、横田基地、安保条約、に対して改善を求める勇気があるのか。当面の最も効果ある対策として、海上ルートに変更するよう国交省に改めて要求すべきだがどうか。

【熊谷市長答弁】

 騒音軽減への選択肢として横田空域の問題も含めて、あらゆる可能性を検討すべきだと考えている。海上ルートへの変更は、国交省と連絡協議会の確認書で管制技術の進展に合わせた検討事項なので、実現を求めていく。

【野本信正議員】

 戦後67年も経っているのに、アメリカ軍によって日本の空が占有されているため、航空機が危険な飛行を余儀なくされている。千葉市民も甚大な騒音被害にさらされている。日本の安全と平和のために安保条約の廃棄が必要であることを述べておきたい。

2.商店街の活性化について

【野本信正議員】

 市内各地にシャター通りが増え続けていることは深刻な問題である。しかし、商店街は市民生活になくてはならない存在である。商店街の果たす役割は単に買い物の場だけでなく、住民が交流し、超高齢化が進む中で歩いてしか買い物ができない高齢者の生活には、なくてはならない場所でもあり、「住民生活に必要な社会的存在」ではないのか。商店街の概念について示されたい。

【経済農政局長答弁】

 商店街は、商業機能の他に夏祭りなど地域文化の継承や防災機能など地域コミュニティの中核的役割を担っているが、大型店の進出や少子高齢化社会の進展で経営環境が変化している。商店会長から、徒歩で買い物に来た客を車で自宅へ送っている例や商品配達時に体調確認をするなどの事例を聞いている。商店街とは、人と人のふれあいを通じて、地域コミュニティを支えている。

【野本信正議員】

 商店街が元気なことは地域経済が元気になることであり、商店街は地域経済活性化の中心、重要な位置にあり、そのために商工振興行政がしっかりとした役割を果たすべきではないか。

【経済農政局長答弁】

 商店街の多様な機能の強化へ、活性化事例の収集や賑わいある商店会・個々の商店から、成功のポイントを聞くなどし、商店会や地域全体で活性化策を共有できるよう進めている。個別商店の課題も、産業振興財団のアドバイザー派遣事業などの活用や市の補助事業が使い安くなるよう工夫していく。

【野本信正議員】

 商店街街路灯が街を明るくして、防犯に役立っていることを認識しているか。

【経済農政局長答弁】

 店舗の営業時間終了後も街路灯を点け、商店街周辺で商店のないエリアにも安全・安心の観点から街路灯を設置する事例もあり、地域の防災機能を高めている。塾に通う子どもの親など周辺住民からは、夜間に外出する際の不安が軽減していると評価されている。

【野本信正議員】

 これまで、商店会が設置している街路灯へ市の支援を増すよう何度も要求してきた。市内のある商店会の決算書を拝見したところ、街路灯電気代の支払いと、街路灯の保険料、ポールなど修繕のための積立金の合計が、商店会費収入の76.72%を占めている。また、若葉区小倉台商店会は、商店会費収入936,000円に対して、電気代約70万円、保険料24万円の合計94万円で赤字決算になり、他の事業に予算を回せないという。
 街路灯電気代などの経費で、商店会活動に重大な支障がでていることを承知しているか。

【経済農政局長答弁】

 支出内容を聞いたことはないが、商店会からは街路灯についての意見は聞いている。その内容は、街路灯の補助金があってよかった。地域の安全・安心に貢献できる。街路灯維持の負担は軽くない。などを聞いている。

【野本信正議員】

 街路灯を設置している商店会にアンケート調査した結果、景気が悪く閉店が続き、街路灯を設置した当時にくらべ会員が大幅に減少していることが、電気代などの負担増になっている。小倉台商店街は、街路灯を設置当時会員が129店舗あり、合計179基を設置した。現在の会員数は39店舗しかない。しかし、街を明るくするため39店舗で、179基の街路灯を点灯している。千城台まごころ商店会の34基の街路灯は、当初20店近い会員で維持していたが、現在7店の会員と5店の協力者で維持しているため2倍近い負担をしている。 アンケートへの回答で、商店会の多くは会員の減少に伴い、街路灯の維持に不安を抱いている。市は、商店会が街を明るくし防犯に貢献するため、閉店・退会した会員の街路灯分を必死に維持していることを当然と思っているのか。何らかの支援を考えるべきではないのか。

【経済農政局長答弁】

 商店街で会員数が減少する中、街路灯設置数は減っておらず、管理負担が増大している状況は認識している。維持経費が商店街の運営を圧迫している状況も考えられるので、負担軽減策を他市の状況なども調査し研究していきたい。

【野本信正議員】

 売り上げが減り経営も厳しくなっているもとで、閉店した商店の街路灯も点灯して、その電気代を払って地域の防犯に役立っている商店会に支援をするのは当然であり、商店街の果たしている社会的役割も考慮して、電気代補助金の防犯街灯並みの90%への引き上げを速やかに行うことを求めるがどうか。併せて修繕費や保険料への補助を提案する。

【経済農政局長答弁】

 街路灯が防犯灯と同様の効果があるものだ。しかし、設置目的や設置者の財政基盤の相違、商店街の取組姿勢の違い、高効率のLED街路灯には他政令市では90%補助する例などもあり、市民が公平感を持てる支援制度を検討したい。

【野本信正議員】

 街路灯電気料補助金の5年前との比較について。また、エコ型電球の導入により、支出額がどのくらい節約できているのか。

【経済農政局長答弁】

 H19年度と今年度の補助金予算額を比べると、19年度約3,000基で1,134万円、24年度は約3,200基で671万8千円だ。削減額の約460万円は、H21年度導入のエコ型電球の省エネ効果だと考える。

【野本信正議員】

 エコ電球導入により節約できた予算は、街路灯の電気代・維持・管理に回すことを提案するがどうか。

【経済農政局長答弁】

 商店街の取り組みは、地域商業のみならず地域の活性化、安全・安心に貢献しており、限られた財源・予算の有効活用へ商店街や商業者の意見を聴き、利便性を高めるよう検討していく。

【野本信正議員】

 商店街街路灯が商店のイメージアップだけでなく、市民の防犯に多大な貢献をしていることを考える時、私は先の議会で経済部だけでなく、市民部も含めた市全体の課題として対応することを提案してきた。改めて提案し答弁を求める。
 会員数減少で街路灯の維持・管理が困難になった場合や間引きで消えた街路灯、さらに商店会が解散して維持・管理できなくなった場合については、防犯街灯の一部として位置付け、維持管理していく方向性を見出すべきであるがどうか。

【経済農政局長答弁】

 商店会が解散し維持・管理できなくなった街路灯を他の防犯灯と同様に扱うには課題はあるが、安心・安全の観点から町内自治会と商店会の共通理解が図られるよう誘導する。商店街街路灯の補助率の引き上げも検討していく。

3.花の名所を整備し増やすことについて

【野本信正議員】

 千葉市が集客観光課を設置して集客効果を高めるとしているが、集客数の現状と集客増の数値目標を示されたい。また、花の名所である昭和の森や花の美術館などへの集客増の計画はあるのか。そして今後、花の名所を整備する計画はあるのか。

【経済農政局長答弁】

 集客数は、H23年1月から12月の1年間で、約1,975万4千人だが、集客目標は設定していない。花の美術館等の花の名所への集客増計画は現在ないが、市を代表する観光資源であり、旅行社などの企画ツアーのコースに組み込まれるようPRしていきたい。

【野本信正議員】

 私は、H17年の6月議会の質問で、秩父市羊山公園の芝桜の名所を、当時はパワーポイントがなかったのでパネルで示し、千葉市昭和の森での実現を提案した。その時、市は「提案された芝桜の植栽も花の名所作りの有力な候補の一つとして検討する」と答弁された。あれから7年になるがどうなっているのか。

【経済農政局長答弁】

 シバザクラの花畑をつくるには、昭和の森の魅力である「自由に走り回れる芝生広場」の場所に植栽する必要がある。広大な面積のシバザクラを長年維持するには、植替え・除草など多大な労力を要すなど課題が多く、引き続き検討していく。

【野本信正議員】

 高崎市みさと芝桜公園は、4.1ヘクタールの敷地に26万株の芝桜があり、緩やかな傾斜地の頂上の先に榛名山が見える絶景であり、入園者数はH21年度107万人、H22年度93万人と聞いている。羊山公園は、1万7千平方メートルの羊山丘陵の斜面地に40万株の芝桜が植栽されて、入園者数はH21年度81万人、H22年度77万人と聞いている。
 春先の一カ月の期間に、これだけたくさんの入園者が市外、県外からも訪れ、地元の物産が販売され、経済効果もあり、街のイメージアップにつながる取り組みについて、千葉市も参考にすべきではないか。

【経済農政局長答弁】

 2つの公園では、観光振興の観点からシバザクラの名所をつくり、シバザクラを最大限活かすため、地形を生かして大規模に色合いを考え植栽していて、PR活動や観光ツアーの呼び込みなど広域的に集客を図っている。千葉市でも公園の魅力づくりやPR活動の参考にしたい。

【野本信正議員】

 千葉市が「富田町管理運営組合」や市民ボランティアと協力した芝桜も人気があり、評価している。平面のため「観賞用の橋」の製作費用を負担された管理運営組合に敬意を表し、今後の発展を望む。改めて提案するが、羊山・みさと公園ともに芝桜が斜面に咲いているため、下から見上げ、上から全体を見ることによりパノラマが広がる。また、大勢の集客には交通アクセスや駐車場の整備も必要なため、その準備がすでにある既設の公園などでの実施が適切である。昭和の森は傾斜地もあり、有力な候補地の一つと思うがどうか。

【経済農政局長答弁】

 昭和の森も1つの候補地だが、植える場所や維持管理の課題などがあり、他の場所での名所づくりの可能性を検討したい。

【野本信正議員】

 一大観光スポットめざし、資金一株オーナー制度などで、旅客桟橋や箱物よりも自然を生かした観光スポットにすべきだ。

【経済農政局長答弁】

 市では、稲毛海浜公園をスカシユリの名所にするため寄付金を募っている。名所づくりには資金面でも市民の協力が大切だ。まず、この事業が成立するよう取り組んでいく。

【野本信正議員】

 つぎに桜の名所保存についてだが、千城台西2丁目の緑地8,800平方メートルは、一部市営住宅の駐車場使っているが、この周囲には樹齢50年の桜85本があり、春には見事な花が咲き地元住民の心を和ませる桜の名所になっている。地域自治会が桜祭りも開いている。市は、この素晴らしい桜の名所の存在を承知しているか。

【経済農政局長答弁】

 桜の木は、千城台第2団地及び向いの県営住宅入居者が共同で植えたと聞いている。春には見事な花が咲いている。

【野本信正議員】

 最近、市営住宅の駐車場を市が直接管理することになり、「過去に住民が植えた桜が今後も咲き続けられるのか」と心配の声が広まった。桜並木の今後の管理について質問するとともに、こんな見事な桜の名所を残すよう提案するがどうか。

【経済農政局長答弁】

 駐車場の有料化で得られる財源を活用し、地域住民との協力で管理することで、今後も桜を楽しめるよう残すことにしている。