日本共産党が提出した意見書

平成24年第3回定例会
No.1

 (提出年月日)平成24年8月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

オスプレイの沖縄配備と日本各地での飛行訓練に反対する意見書(案)

 野田佳彦政権が、米海兵隊の新型輸送機オスプレイの沖縄・普天間基地への配備を受け入れ、経由地である山口県岩国基地への陸揚げを認めたことに、強い批判の声が上がっている。
 新型輸送機オスプレイは、これまでも墜落事故を繰り返しており、米国防総省内の研究者からも構造的欠陥が指摘されている、極めて危険な輸送機である。ヘリモードでの飛行中にエンジンが停止した場合、機体の降下による空気の流れでプロペラを回し、浮力を得て着陸する「オートローテーション(自動回転)機能」がなく、トラブルでエンジンが停止した際は、コントロールできずにそのまま墜落することになるのである。また、米国でも日本でも、「オートローテーション機能」がないヘリコプターは、航空法で国内の飛行が禁じられている。
 そのオスプレイを日本に持ち込み、配備しようとする普天間基地は、周囲に学校や住宅等が密集する「世界一危険な基地」であり、二重三重に沖縄県民と日本国民を危険にさらすものである。
 特に重大なのは、計画変更を求める国民の声に対し、森本防衛相は「日本政府に条約上の権限はない」とか、野田総理の「米国政府の基本的な方針で、それをどうこうしろとは言えない」などの発言は、独立国政府の言葉なのかと耳を疑うものである。
 沖縄県や山口県を初め全国各地の住民の安全を守るため、危険なオスプレイ配備や飛行訓練を断念させる必要がある。
 よって、本市議会は国に対し、米国政府のオスプレイ沖縄配備と日本各地での飛行訓練に、毅然とした反対の意思を示すよう求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第3回定例会
No.2

 (提出年月日)平成24年8月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

共通番号制度(マイナンバー)法案の撤回を求める意見書(案)

 日本国民全員に番号をつけ、医療・年金・介護など社会保障の給付、税金・社会保険料の支払いや所得情報などを一元管理する共通番号制度(マイナンバー)法案は、消費税と社会保障の「一体改革」関連法案の1つとして出され、切り離して審議する予定だったものを、密室談合による「社会保障制度改革推進法案」の中に盛り込み、強引に成立させようとしている。
 マイナンバー法の推進者は、社会保障の「受益と負担の均衡」、給付の「適正化」、運営の「効率化」により、社会保障費を削減・抑制するねらいを前面に打ち出しており、「社会保障制度改悪」のための国民掌握にほかならない。
 また、自営業や農家の所得を「正確に捕捉」し「税逃れ」の防止や「生活保護の不正受給を防止するために」必要不可欠、「税の執行を強化していくために重要な法案」などの説明から、税・保険料の強制的、効率的な取り立てに利用されるのは明らかである。
 個人情報の保護については、「徹底したセキュリティーが必要だ」などと言うだけで、効果的な方策がないのが現実である。総務省や財務省を初めとする国の機関から、民間のNTTドコモやソニー、三菱UFJ証券など個人情報の漏えいは後を絶たたないのである。韓国の同制度では、最近の4年間で延べ1億2千万人分が漏えいしたと言われ、完全に個人情報を守るシステムはないのである。
 さらに、導入のための費用を約6,100億円と試算しているが、運用経費など不明なものもあり、先の「住民基本台帳ネットワーク」と同様、巨額の税金投入となるのは明らかである。
 よって、本市議会は国に対し、共通番号制度(マイナンバー)法案の撤回を強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第3回定例会
No.3

 (提出年月日)平成24年8月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

憲法第25条に基づいた生活保護制度の充実を求める意見書(案)

 生活保護は憲法第25条に規定されている生存権を保障する制度である。我が国の生活保護利用者は210万人を超え、過去最多となっている。しかし、所得が生活保護基準を下回るとされる705万世帯のうち、生活保護受給世帯の割合は、わずか15%にすぎない。
 ところが、「不正受給」や「生活保護に対する不公平感」など、マスコミ報道も利用しながら、厚生労働省は「生活支援戦略」の「中間まとめ」を国家戦略会議に提出し、生活保護制度の本格的改定を図ろうとしている。
 驚くべきその内容は、親族の扶養義務を強化し、扶養可能な親族には「保護費の返還を求める」仕組みをねらっていることである。その根底には、米倉弘昌経団連会長が強調してきた「自助・自立を基本とする生活保護の適正化」があり、親族だけに扶養の義務を押しつける前近代的な生活保護制度に変質させるものである。現在の生活保護法は
1950年に、「親族の扶養を強調することは封建的な時代錯誤である」との認識から、それまでの扶養義務を保護の要件から除外した法改正を行ったものであり、60年も前に引き戻そうとする暴論である。また、「就労自立」のため「正当な理由なく就労しない場合に厳格に対処する」として保護の打ち切りを主張し、たとえ短期派遣で将来の見通しのない仕事でも就労させようとするもので、徹底的な生活保護費の削減が図られようとしているのである。生活保護利用者が、かつてないほどに増大した最大の原因は、財界主導の「構造改革」路線によるリストラと非正規雇用への移行、賃金引き下げが大規模に行われた結果である。国家財政の莫大な借金は、無謀な公共事業を続け財界・大企業の利益を優先した結果である。
 国と財界が、国の財政を危機に陥れ、人々を貧困に突き落としながら、セーフティーネットとしての生活保護制度を、さらに改悪することは断じて許されるものではない。
 よって、本市議会は国に対し、憲法第25条に基づいた生活保護制度を守り、さらに充実させるよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第3回定例会
No.4

 (提出年月日)平成24年8月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

「原発ゼロ」の政治的決断を求める意見書(案)

 政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故の収束も原因究明もされないまま、「電力不足」、「経済が混乱」などを理由に、関西電力大飯原子力発電所の再稼働に踏み出した。
 しかし、この夏の猛暑の中でも、「原発ゼロ」の東京電力を初めとして「電力不足」などは生じておらず、国の原発再稼働の口実は事実をもって否定されたことになる。
 政府は、国のエネルギー政策に対する意見公募を実施し、その結果を公表した。寄せられた意見のうち89.1%が「原発は不要」としており、原発依存度でも81%が「即ゼロ」を求めるものとなっている。毎週金曜日に行われている首相官邸前の抗議集会は、全国各地での「原発いらない」集会へと広がりを見せている。
 野田首相は、官邸前集会に対する認識が「音」から「声」に変わり、集会の代表者と会談するまでになったものの、「原発からの撤退」を拒否する態度である。しかし、国民の圧倒的な声は「原発ゼロ」であり、「原発からの撤退」を政府は決断すべきである。そうしてこそ、自然エネルギーの開発・普及にも、低エネルギー社会への転換にも本格的に取り組むことができるのである。
 よって、本市議会は国に対し、速やかな「原発ゼロ」の政治的決断を求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第3回定例会
No.5

 (提出年月日)平成24年8月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

尖閣諸島や竹島の領土問題は、冷静な外交努力によって
解決を図るよう求める意見書(案)

 尖閣諸島や竹島の領土問題をめぐり、日中、日韓の間で激しい言動が続いているが、関係を悪化させる対応は、いずれの国の政府も厳しく慎まなければ、問題を解決することにはならない。
 尖閣諸島も竹島も日本の領有には歴史的な根拠があり、その正当性を日中、日韓の間の冷静な話し合いの中で、日本政府は理を尽くし、堂々と主張すべきである。尖閣諸島と竹島をめぐる問題は、それぞれ性格が異なり解決方法も異なるが、領土問題はいかなる場合でも、歴史的事実と国際法上の道理に基づき、冷静に議論することで解決することが求められている。
 よって、本市議会は国に対し、尖閣諸島や竹島の領土問題は、冷静な外交努力によって解決を図るよう強く求めるものである。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第3回定例会
No.6

 (提出年月日)平成24年8月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

介護保険制度の改善を求める意見書(案)

 2011年の介護保険法の改正では、「地域包括ケアの実現」を前面に掲げ、「給付の重点化・効率化」による「持続可能な制度の実現」を打ち出した。
 実施が市町村にゆだねられた「介護予防・日常生活支援総合事業」は、非専門職による対応を可能とする新たな枠組みで、予防給付費の抑制を図ろうとするものであり、軽度者への介護サービスの質の低下を招くものと懸念されている。
 また、今年4月からの介護報酬改定によって、とりわけ、生活に大きな影響を与える「ホームヘルパーの時間短縮問題」で、利用者・事業者・介護労働者に大きな不安が広がっている。
 介護の「社会化」の名のもとに、介護保険制度がスタートして12年、この間、介護保険料は値上げされ、給付サービスは抑制されてきた。一方、家族の介護・看護のために離職や転職を余儀なくされる人は後を絶たず、「介護殺人・介護心中」、「高齢者虐待」など深刻な事態が広がっているのである。
 憲法第25条に裏打ちされた、生存権・生活権を保障した制度にするには、介護保険料を引き下げ、給付サービスを充実して、必要な人がだれでも安心して利用できる制度にする必要がある。
 よって、本市議会は国に対し、介護保険制度を改善するため、下記の事項について強く求めるものである。


1 介護保険財政への国の負担割合を引き上げること。
2 軽度者についても制度発足時のように介護保険給付対象者とすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会


平成24年第3回定例会
No.7

 (提出年月日)平成24年8月22日
 (提出会派名)日本共産党千葉市議会議員団

社会保障としての国民健康保険制度を守り、改善を求める意見書(案)

 千葉県内では、2011年6月現在、国民健康保険加入世帯の23%にあたる241,201世帯が保険料(税)を滞納しており、そのうち、病院の窓口で一たん医療費を全額支払わなくてはならない「資格証明書」交付世帯が19,878世帯、有効期限の短い「短期保険証」交付世帯は87,743世帯となっている。社会保障推進千葉県協議会が行った県内各自治体へのアンケート調査によると、滞納世帯の約8割、資格証明書交付世帯の8割以上が年間所得200万円以下の世帯である。滞納世帯が増加する背景には、高過ぎる保険料、非正規雇用者の増大などの新たな貧困層の拡大がある。皆保険制度達成時には1割にも満たなかった「無職者」が今では5割を超え、その多くは失業者や高齢者であり、国保制度の構造的な問題の原因ともなっている。
 国は2015年度に、県内全市町村が共同ですべての医療費を負担する仕組み、国保の広域化を創設する方向だが、抜本的な財源問題の解決なしには国保問題の解決はないのである。
 国保制度は、憲法第25条に基づく「社会保障と国民の健康の向上に寄与する」国の制度である。支払能力を超える保険料の負担、取り上げられる保険証、そのことによる手遅れ死亡事件の発生などは、国民すべてが安心して医療が受けられる国保の目的とは逆行するものである。
 よって、本市議会は国に対し、安心して医療が受けられる社会保障としての国民健康保険制度を守り、改善するため、下記の事項について実施するよう強く求めるものである。


1 資格証明書発行の義務づけをやめること。
2 国保への国庫負担率を大幅に引き上げること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年  月  日

千 葉 市 議 会