もりた真弓議員の一般質問および答弁(要旨)

2012.9.27

写真【もりた真弓議員】

 日本共産党千葉市議団のもりた真弓です。通告に従い一般質問を行います。

1.いじめ問題について

 昨年10月、滋賀県大津市の中学生、男子生徒のいじめによる自殺問題があって以降、全国でいじめに関連した報道が連日のようにされています。
 残念ですが、千葉市でも昨年5月に若葉区の中学生による痛ましい事件が起きています。私の身近でも、中学校の体育祭の当日、校内で暴力を受けている生徒がいたのに、目の前にいた先生方はただ見ているだけで、暴力をふるう生徒を止めることができなかったということがありました。結局、警察の介入により加害者である生徒が処分を受けたとのことです。
 いじめは、こうした深刻なものから、している側にはそんなつもりはないという些細なものまで含めると、どこの学校にあってもおかしくないという認識で、対応することが求められています。
 特に、学校現場においては「いじめは人間の尊厳を傷つけるもので、絶対に許されない」という立場で、早期に発見し対応を図らなければなりません。しかし、実際にはいじめがあっても、当事者同士でいじめをしている側はもちろん、いじめを受けている側にも隠す傾向があることや、教員があまりに忙しすぎて、いじめの実態を把握できていないケースが少なくないと考えられます。
 また、大津市で起きたいじめでは、学校や教育委員会が事実を隠ぺいする姿勢が問題となっています。大津市だけの問題なのか、なぜそうなったのか、その背景も含めてきちんととらえる必要があります。そこでうかがいます。
 はじめに、いじめ問題についての教育委員会の考え方をおたずねします。

【教育次長答弁】

 個々の行為がいじめかどうかを表面的・形式的に判断せず、いじめられている児童生徒の立場で指導し、早期発・見早期解消に努めている。今後も道徳や人権教育、心の教育でいじめ防止に努めていく。

【もりた真弓議員】

 文部科学省は「いじめの有無や内容について調査する」ために、全国の公立小中学校を対象に、アンケートや個別面談の緊急実施を決め、8月中にも結果の報告を求めるとしました。文部科学省が実施したアンケートですが、千葉市での取り組み状況と、とりまとめについて、また、そのアンケートは今後どう活用するのかうかがいます。

【教育次長答弁】

 文科省による「いじめ問題に関する緊急調査」は、市内全小・中・高・特別支援学校で実施し、回答が寄せられているところで、その結果を取りまとめて国に報告する。教育委員会としては、その結果を各学校でいじめの早期発見・早期対応に活用するよう指導していく。

【もりた真弓議員】

 アンケート調査の結果をとりまとめて、国に報告するとのことですが、アンケートの結果は公表するのか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 調査結果は、今後、国が取りまとめて公表されると聞いている。

【もりた真弓議員】

 子どもたちの置かれている状況が、今どうなっているのか、家庭も地域もきちんと受け止めることが必要です。千葉市としても情報公開は必要と考えますが、いかがですか。

【教育次長答弁】

 国のアンケート調査が公表されたら、児童・生徒の状況なども各学校に情報提供していく。

【もりた真弓議員】

 各学校への情報提供は当然ですが、いじめを早期に発見し、迅速な対応をするために緊急に実施された調査であり、国のアンケート調査の公表を待たずに対策を考えるべきです。アンケート調査でいじめの可能性があると判断できるものがあったのか、また、その対応はしているのか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 各学校では、調査結果を受けて児童・生徒との個別面談などで事実確認し、早期発見・早期対応に努めている。

【もりた真弓議員】

 アンケート調査の結果は参考にはなりますが、実際のいじめの実態の把握はかなり難しいことだと思います。いじめが教師や学校側で見つけられない原因はなにか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 いじめは、いくつかの要因が複雑に関係し合い起こると考えられるが、日頃、学級担任の観察やアンケート調査、教育相談などで早期発見に取り組んでいる。今後一層、保護者との関係を築き、学校・家庭・地域が連携し早期発見に努める。

【もりた真弓議員】

 いじめがあったのか事実確認をする場合、いじめられている側には「先生に話したことでますますいじめがひどくなったらどうしよう。」とか「誰にも知られたくない。心配させたくない。」という気持ちが働き、なかなか本当のことを言えません。またいじめている側を「いじめをしてはいけない」と問い詰めても、まず「いじめなどしていない」というでしょう。簡単ではないし、最近はケータイやメールを使ってわからないようにいじめが進んでいることもあります。実際、いじめがあると分かった時にはどう対応しているのか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 いじめがわかった場合、校長のリーダーシップのもとに組織で対応している。具体的には、担任や学年主任などが当事者等から話を聞き、保護者の理解・協力を得ながら、いじめられている子どもの立場での指導を行い、学級活動や学年集会、児童・生徒会活動などで、児童・生徒のいじめを許さないとの意識を高め、思いやりや規範意識、社会性を育んでいる。

【もりた真弓議員】

 学校現場で、先生が子どもに寄り添い、じっくりと付き合える時間はどのぐらいあるのか、お答えください。

【教育次長答弁】

 小学校では、昼休みや放課後の時間を有効に使い、児童と担任が会話や遊びを通じて触れ合っている。中学では、小学校同様の取り組みと合せ、教育相談等で多くの教員がかかわれるようにしている。

【もりた真弓議員】

 学校の先生は、毎日の授業準備に加えて、「学級活動や学年集会、児童会・生徒会活動」部活動の指導、行事の準備などをしながら、遅くまで学校に残り報告文書等の作成に取り掛かっているという現実があります。
 ある中学校では「体育の教員が少なく、プール指導を3クラス一緒にして100人規模の生徒の指導をしている。」とのことでした。また、「認可外で十分な指導ができないのに全校生徒の家庭科を受け持っている。」という話も聞いています。
 先生方が過度な仕事をこなし、生徒への指導に不安や不十分さを感じながら、子どもと向き合わざるを得ない状況が見えてきます。先生が忙しすぎて、生徒一人一人の状況を把握できないことは、いじめの早期発見の妨げにならないのか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 各学校では、学級担任や教科担任の観察やアンケート調査、教育相談週間での個人面接や生活ノートの活用などで、一人ひとりの把握に努めている。

【もりた真弓議員】

 こんな話もあります。行事についてです。「夏休み明けにすぐ期末テストがあり、秋休みに入る日の前日に合唱コンクールが実施される。教員はテスト準備と採点と成績表作成に追われ、生徒の合唱練習にも関われない。」とのことです。行事に、教員が関われないような状況があるのか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 学校行事は、集団活動や感動体験を通じて自主的・実践的態度を育成するねらいで実施しており、教職員の指導で児童生徒が協力し取り組んでいる。

【もりた真弓議員】

 学級運営の点からも「行事に取り組む中で、仲間意識を培い、生徒間の関係を立て直すいいチャンスにもなる」と言われています。そうであれば、目的を達成できるようなスケジュールで行事を組み、効果的に取り組めるような配慮が必要です。うかがいますが、個々の教員の多忙化が指摘される中で、いじめの問題を学校全体の問題としてとらえ、サポートする体制があるのか、お尋ねします。

【教育次長答弁】

 学級担任が一人で抱え込まないよう、校長先頭に学校全体で共通理解を図り、組織で対応している。学校でも解決が困難な場合は、スクールカウンセラー・スーパーバイザー、青少年サポートセンターなどと連携し解決に当たるよう支援している。

【もりた真弓議員】

 いろんな組織や関係機関が連携して解決にあたることは、大事なことだと思います。ただし、子どもたちは大人の態度に敏感です。同じクラスに入って授業をしても、厳しい先生の場合は、普通に授業がおこなわれても、別の先生だと途端に態度が変わり、授業が進まないといったこともあります。教職員の中で「授業が成り立たないのはあなたの力不足だ」というような評価がされれば、問題は一教員の責任に転嫁されてしまい、教職員が一体となって解決するという立場にはなりえません。いじめ問題の解決も同じです。実際に悩みをかかえている教員が、率直に自分の困難さを出すことができれば、いじめ等の問題も早い段階で解決する可能性があります。
 教員評価制度が、いじめの問題を見えにくくしていると思わないか、お尋ねします。

【教育次長答弁】

 教職員の人事評価は、目標申告制度が核であり、教員自身が学習・生徒指導などの目標や達成方策を立て、指導に生かすものだ。年間3回程度、校長と面接し、達成状況を話し合い、一層の改善を図っている。この制度がいじめを見えにくくしているとは考えていない。

【もりた真弓議員】

 子どもの異変に気づき、いじめなどその解決に当たらなければならない教員自身が、子どもを守る立場になれない事情があるのか、それは何故か。

【教育次長答弁】

 いじめや暴力で弱者を従わせる行為は絶対に許されないとの認識で、校長先頭に問題行動に対応している。

【もりた真弓議員】

 冒頭紹介した体育祭の時に、被害を受けた生徒の、先生と学校への信頼はすっかり壊れてしまいました。なぜ、先生はこの時生徒を守ってあげられなかったのか、今でもその生徒は「信じられるのは警察だけ」と言っています。そう生徒に言わせてしまう状況になったことを、教育に携わる者は真摯に受け止め、失った信頼を取り戻さなければなりません。
 本当に、いじめの問題の解決に取り組もうとするなら、教員の多忙化を解消し、子どもの細かな変化をつかむとともに、教員個人の責任に任せることなく、学校全体で対応にあたることが欠かせません。教育関係者からは、「本来は教育の力で、日頃の学級運営や授業を組み立てる中で、いじめられている生徒に光を当て、その生徒のいいところを引き出し、クラスの生徒が『あいつ、すごいな!』と認めるような場をつくること。これで、いじめの構図はずいぶんと違ってくる。」との意見が寄せられています。
 いじめが学校全体の問題にならない要因に、教員評価制度や学校評価制度があり、また、教員の多忙化が、子どもたちと向き合う時間を奪い、いじめの発見を遅らせている現状があります。これらの改善を求めて、次の質問に移ります。

2.次に子どもの安全について

 防犯ブザーについてです。
 小学校の新入生全員に入学時に配布・貸与されている防犯ブザーは、事業の導入から10年になります。改めて防犯ブザーの使用状況について、うかがいます。
 地域でセイフティウォッチャーに協力していただいている方から、防犯ブザーの故障の多さと、電池交換などの取り扱いの難しさが指摘されています。防犯ブザーはいくつものメーカーが製造しており、安価で購入できるものもあります。
 年度初めに新1年生に配布・貸与している防犯ブザーは、どんな基準で選んだものか。どこのメーカーのもので、価格は一つ当たりいくらか、おたずねします。

【教育次長答弁】

 国の性能基準を満たした製品を選び、メーカーはアテック社製で価格は250円だ。

【もりた真弓議員】

 多くの子どもたちは、登下校時にランドセルにぶら下げて使用しています。雨などで防犯ブザー内に水が浸入し、故障することも多々あると聞いています。修理はどうしているのか、お答えください。

【教育次長答弁】

 軽微な故障は学校で対応し、それ以外は学校に保管しているものと交換している。

【もりた真弓議員】

 東京都八王子市では、2008年に国民生活センターの調査で、推奨防犯ブザーの故障がわかり回収しています。『「優良」マークでも故障多発』と報じられ、国民生活センターは「子どもが携帯している程度の衝撃で簡単に故障しない製品にしてほしい」と要望し、また消費者にも「投げたりぶつけたりせず大切に扱ってほしい。故障を発見するためにも家庭や学校で定期的に作動確認した方がいい」とアドバイスしています。うかがいますが、千葉市は配布・貸与した後の防犯ブザーの故障などの実態を把握しているのでしょうか。

【教育次長答弁】

 H18年度の防犯ブザー活用実態調査で、ストッパーが外れやすい問題があり、H20年度からはストッパー脱落防止付きの機種に変更した。その後は特に問題は起こっていない。

【もりた真弓議員】

 ストッパーが外れても無くならないように、チェーン付の機種に替えたとのことで、その点では改善されたと思います。しかし、いつの間にか鳴らなくなっていたり、電池交換などでケースを開けてしまうと防水のパッキンが外れ元に戻らない物もあるとのことです。
 公的に配られたものであり、点検やメンテナンスまで行政が責任を持って行うべきではないでしょうか。

【教育次長答弁】

 子どもや保護者から不具合の申し出があれば交換する。扱い方は児童生徒個々で違いがあり、必要に応じて点検やメンテナンスを保護者に依頼している。

【もりた真弓議員】

 必要に応じて保護者に依頼しているとのことですが、いざという時に作動しなければ、防犯ブザーの意味がありません。個々に確認するだけでなく、学校で児童と一緒に、きちんと鳴るのか、どんな時に必要かといった指導をする時間をつくってはどうでしょうか。「どのくらいの使用頻度で故障するのか」防犯ブザーの性能の確認と合わせ、子ども自身の安全の意識を高めるために、3か月とか半年に一度ぐらいは定期的な点検や修理などを実施してはどうか、お答えください。

【教育次長答弁】

 各学校に対し、定期的な動作確認や使用方法を確認するよう指導している。防犯ブザーの性能を子ども自身に確認させ、安全意識を高めることになるので、確実に点検するよう周知徹底する。

【もりた真弓議員】

 本当なら、防犯ブザーなどを必要としない、安全な地域であることが望ましいのですが、残念ですが子どもが巻き込まれる事件や事故なども、少なからず起こっています。いつでも使えるように点検・整備しておくことが、子どもたちを危険から守ることにつながります。ぜひ、実行していただくことを求めます。
 次の質問に移ります。

3.花見川区の諸問題について

 まず、学校適正配置についておたずねします。
 花見川地区の学校適正配置地元代表協議会は、昨年6月26日に設立会議と第1回協議会が行われスタートしました。花見川地区の小学校5校を2校へと統合し、中学校2校を1校へと統合することについて協議が行われてきました。
 2か月に一度のペースで開催されている協議会はこの8月22日に第7回を数え、来月10月10日には第8回が予定されています。第1回から第5回までは、協議の第一段階として、適正配置(統合等)の必要性・地域との関連・進め方等の協議が行われ、第6回からは協議の第2段階として、適正配置(統合等)の方向性の協議について進められています。これまでの経過と現在の協議内容、今後についてうかがいます。
 第5回の協議会で、小学校については、統合の対象校が花見川第一小学校、花見川第二小学校の2校になりました。5校から2校へと変更になった理由をうかがいます。

【教育次長答弁】

 避難所機能、すでに統合校である、通学路の安全・通学距離などの理由で、花見第三、花島、柏井の3校は協議の対象から当面外すことにした。

【もりた真弓議員】

 特に統合しても異論や支障がないと考えられる花見川第一小学校と第二小学校を小学校の統合対象校として残して、先行して協議することにしたとの理解でいいのでしょうか。

【教育次長答弁】

 花見第一と第二小の各PTAの協議で、早く統合をとの意見が多数あった。また、同一中学校区では、すでに行事を連携して実施しているので、地元代表協議会での話し合いで、先行実施することにした。

【もりた真弓議員】

 花見川第一小と第二小のPTAから「なるべく早く統合してほしい」と意見があったとのことです。これは校舎の耐震工事と無関係ではありません。千葉市は学校適正配置の対象になった学校耐震化を、計画の最終年度26年に先送りしました。「統合が決まった学校は前倒しで耐震工事をする」と言われれば、子どもの安全のために統合で早く耐震を終えて欲しいと考えるのは当然です。それでは、花見川地区の中学校については、どんな議論がされたのか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 小規模校のメリット・デメリットを子どもたちの人間関係育成、部活動などの教育指導、教科担任制や教職員の負担などが話し合われ、第5回地元代表者会議で統合の合意に至った。

【もりた真弓議員】

 中学校については、第5回の協議会で小学校の対象校が絞られたことで、まず、統合の時期を小学校と同時期にするのか、しないのかの協議が進められました。
 「統合の時期」の議論をする前に、中学校の統合は必要なのか、中学校を統合するかしないかの議論は行われたのでしょうか。

【教育次長答弁】

 中学校は、第1段階で「生徒数が増え切磋琢磨の機会が増える」「小規模だと部活数が少なく、やりたい部に入れない」「免許外教員や1年から3年まで全学年を担当する教員もいる」などの意見が出され、中学にも統合の必要性があると確認された。その上で、第2段階として統合の時期・場所の協議を進めている。

【もりた真弓議員】

 中学校統合の時期に中学生になるのは現在小学校4年生の子どもたちです。第7回協議会で、花見川第三小学校では「中学校統合について、まだ議論していない」と報告されています。また、協議会では「小学校の保護者に十分話し合ってほしい」という意見が何人もの委員からだされています。
 統合の当事者である子どもや保護者の話し合いが行われていないのに、統合の時期や場所に議論が進められていいのか、先を急ぐのでなく、議論を深めることが大事ではないのか、お答えいただきたい。

【教育次長答弁】

 地元代表者協議会は、およそ2か月毎に開催し、その間、PTA・保護者会、青少年育成委員会、町内自治会など各委員の団体で、充分な協議を依頼している。

【もりた真弓議員】

 統合するにあたっての疑問や不安は、協議会で出されています。しかし「制服」や「学区の変更」「人数が増えて一人ひとりの生徒に目が届きにくくなるのでは」とか「受験を前にした子どもたちにとっての統合の負担は」といった意見があっても、そこの議論はなく進められています。「統合したらどうなるのか」よくわからないまま、統合を決めて行っていいのでしょうか。
 協議会では「統合の時期」を優先して進められていますが、中学校の統合の必要性について、十分な議論をするよう提案するべきではないのか、うかがいます。

【教育次長答弁】

 統合の必要性を充分議論したうえで、統合の時期の協議に移ったものだ。

【もりた真弓議員】

 教育委員会は協議会に「十分な議論を」と言いながら、「最短2年後の4月に統合の場合」手続き上「今年の9月までに」と期限を区切り説明を行いました。これが協議会の運営を縛り、自由な意見交換や深い議論ができていないのではないでしょうか。
 すでに統合の時期を確認し、場所をどこにするかの議論に移ろうとしていますが、様々ある問題の解決に時間がかかる場合、統合時期の見直しは可能なのか、お尋ねします。

【教育次長答弁】

 今後の協議では、統合時期の見直しが必要な場合は、見直すことになる。

【もりた真弓議員】

 中学校は3年間と短いうえに、成長期の不安定さをはらんだ時期で、いじめの対応や受験など丁寧な指導が必要です。小学校の統合に合わせて、中学校を同時期に統合する方向性だけ検討し進めるのは拙速であり、慎重な議論が必要と考えます。また、影響を受けるのは学校だけではありません。協議会で「ある町内会では、学区を越えて児童生徒が通学することで、地域コミュニティが維持できず困っている」との声もありました。協議会で指摘された点や危惧される点を残したまま進めていて、十分な議論が行われているとは言えません。
 また、校舎の耐震化は一刻も早く完了させる問題で、慎重に考えるべき統合と一緒にはできません。統合する期限を決めそれを理由に、校舎の耐震工事をしないことは認められません。耐震補強工事の実施を強く求めておきます。

 最後に、旧花見川第五小学校跡地についてです。
 第1次学校適正配置で廃校となった、旧花見川第五小学校跡施設の活用方針が変更された経過とその理由について改めてうかがいます。
 旧校舎を解体撤去し、跡地を売却することになった経過を、地元自治会等はどう受け止めているのか、うかがいます。

【市民局長答弁】

 昨年12月、地元自治会等で構成する施設運営委員会へ、旧校舎の耐震補強工事は大きな財政負担となり、これまでのような校舎の活用はできないので、利用方針を変えて、旧校舎を解体し、その跡地を売却して、新たな地域開放施設を整備することを通知した。今年2月、同委員会から、一方的な見直しを取り消し、関係住民と話し合い、民間への売却をやめてほしい。解体撤去には同意するが、跡地は高齢者等の健康づくりの場に活用してほしいとの要望書が出されている。

【もりた真弓議員】

 住民は旧五小校舎の撤去については、耐震不足で倒壊の危険があるならば解体撤去もやむを得ないとの認識だと思いますが、売却についてはその後、跡地が何に使われるのか不安に思っています。売却後の土地利用については、千葉市が責任を持てるのか、お答えください。

【市民局長答弁】

 この土地は、第1種高層住宅専用地域であり、戸建住宅、マンション、病院、福祉施設、小規模店舗など生活に密着した施設建設が可能だ。パチンコ店等の遊技場、工場、大型店舗等の建設はできない。売却後の土地は、都市計画による規制に沿った土地利用が図られると思うが、売却に当っては地元の懸念内容を落札者に伝える。

【もりた真弓議員】

 旧花見川第四小学校と第五小学校の統合時に「跡施設は地元に開放する」と、住民との合意があって、統合された経緯をどうとらえているのか、うかがいます。

【市民局長答弁】

 花見第四、第五小の統合準備会では、統合後の跡地活用に多様な要望が予想されるので、検討組織を別途設置して有効活用を検討する提案をした。統合後、地元との協議では、地域で活用する施設について一度は理解してもらったが、体育館の耐震補強、施設使用開始時期、グラウンド整備、開放教室数・場所で異論があり、市の責任で開放することになり、体育館の耐震補強工事を実施した後、グラウンドと一緒に開放している。

【もりた真弓議員】

 もし、その時点で校舎解体撤去、跡地売却の話が出ていたら、第一次の学校統廃合は実施されなかったかもしれません。その後、花見川団地自治会や周辺住民との話し合いは行われているのでしょうか。

【市民局長答弁】

 今年4月以降、施設運営委員会の代表と3回話し合った。そこで、旧校舎は耐震補強をしての使用はできないこと、校舎跡地を売却し、別途地域開放施設を整備する方針を説明した。また、グラウンド内の未利用部分の扱いを意見交換した。

【もりた真弓議員】

 千葉市は、今後の街づくりの観点からも、住民との合意を守る責任があります。統合を決める際は、教育委員会が窓口でした。教育委員会が住民の信頼を裏切っていいのでしょうか。少なくとも、売却により跡地を手放すことは避けるべきではないのか、お答えください。

【市民局長答弁】

 市では、公有財産の活用は市全体の費用対効果、人口動態など多面的に必要性・有効性を精査し、効率的な運用と資産総量の削減を図っている。当該地は、地域の要望でH22年度から体育館とグラウンドを開放し、昨年2月には屋内多目的トイレを設置したが、校舎部分は、耐震改修費用や必要性を再検討した結果、地域コミュニティ活動の場をとの要望に応えるため、跡地は売却し、新たな施設を整備することにした。この方針を地域の理解が得られるよう説明していく。

【もりた真弓議員】

 今回の跡地問題をあいまいにし、住民との合意を反故にするなら、現在検討されている学校統廃合によってできた美浜区の跡施設の活用方針もあてにできないことになります。学校と地域は、信頼関係で成り立っています。千葉市は、地元自治会等との対応を行うよう求めて一般質問を終わります。