佐々木ゆうき議員の一般質問と答弁

2012.9.28

写真1.子どもルームについて

 はじめに子どもルームについてです。子どもルームは、「千葉市放課後児童健全育成事業」として、保護者が就労等により、昼間家庭にいない、原則として小学校1年生から3年生の児童を対象に、授業が終わった後の遊び及び生活の場を提供する施設とされています。
 まず、全小学校区への子どもルームの設置の進捗状況と2014年度末までに全て設置が可能なのか、見通しを伺います。あわせて、現在の子どもルーム設置は、116小学校区中107小学校区121カ所となっていますが待機児童解消の状況についても伺います。

【こども未来局長答弁】
 子どもルームの平成26年度末までの整備見直しについて、第一次実施計画では、新設備は26年度末までの3か年で、3か所となっております。
 このうち2か所を本年度整備し、残りの一か所を26年度末までに整備する予定です。なお、小学校の統合が計画どおり進んだ場合、26年度末での未設置小学校区は、4か所となりますが、全小学校区への設置を目指し、引き続き整備をすすめて参ります。次に、待機児童の解消の状況ですが、24年4月1日現在、96人の待機児童がおります。なお、本年度より、新2・3年生の継続利用の見直しを行なった結果、課題となっていました、新1年生の待機児童数が昨年の54人から26人と大幅に減少しております。

【佐々木ゆうき議員】
 ぜひ、早期に全小学校区に設置していただきたいと思いますが、今年度から継続利用の見直しが行なわれたことは問題であり、施設整備の拡充でこそ対応すべきであることを指摘しておきます。一方で、空き店舗利用をしている宮崎子どもルームなどの学校敷地内での活用ができない子どもルームの施設改善をどのように図ろうとしているのか伺います。

【こども未来局長答弁】
 子どもルームは、原則として、空き教室や学校敷地内への整備を基本方針としておりますが、当面、学校敷地内等に整備できないルームの施設改善については、子どもの安全を最優先に、学校への距離や待機児童の状況などを勘案しながら、公共施設や市所有の未利用地などへの移転を検討して参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 次に、子どもルームで働く指導員の処遇改善について、これまで、中村きみえ議員が、指導員全体の処遇改善を求めてきましたが、市は、「指導員は非常勤嘱託職員であり、その経験により待遇に差を設けることは難しい」としています。
 今年度からリーダー手当月額3,300円上乗せされますが、指導員への説明が不十分です。指導員の生活が保障できる賃金・経験給としての増額が必要ではないですか。

【こども未来局長答弁】
 指導員は、社会福祉協議会から雇用期間が1年以内の非常勤嘱託職員として採用され、基本的には、本市の非常勤嘱託職員に準じていることから、経験給の導入は難しいものであると考えております。
 なお、現行の報酬額については、他の政令市と比較しても遜色ないものであります。
 また、本年度より、職能給としてリーダー手当を導入し、小学校等関係機関との連絡調整、災害時の指導員に対する指揮など、リーダーの役割を担い、子どもルームの運営が円滑に実施できるよう月額3,300円を報酬額に加算しております。

【佐々木ゆうき議員】
 関係者からは、「1年働いても何年働き続けても同じ給与。障がいのある児童への対応を一生懸命取り組んでいる。そのために経験のある指導員の配置がどうしても欠かせない。経験給を検討してほしい」との要望が寄せられます。長く働き続けられるよう、その経験が生かされるよう給与の改善が必要ではないですか。お答えください。

【こども未来局長答弁】
 指導員の給与は、本市の非常勤嘱託職員に準じ、基本的には業務委託先である社会福祉協議会において決定しております。
 また、現在の給与は、勤務時間や賞与の有無など単純な比較はできませんが、政令市の中でも上位の水準にあり、現時点での引き上げは難しいものと考えております。
 なお、先般成立しました「子ども・子育て支援法」の附則において、政府は、放課後児童クラブ指導員の処遇改善について検討するとされていることから、今後も国の動向を注視し、適切に対応して参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 社会福祉協議会において決定しているとのことですが、市としても指導員の声などを受け止めるべきです。保育士や教員経験者など専門性のある指導員さんが中心となって子どもたちの生活の場を保障しています。改善が図られるよう求めておきます。
 次に、施設改善について、あるルームは、学校の空き教室を活用してルームが設置されています。オストメイトの児童への対応で、学校の多目的トイレを使用されています。ルーム施設の中でも可能なように今後のトイレのあり方について、障がいのある児童への対応として多目的トイレの設置の考えはないのか、伺います。

【こども未来局長答弁】
 空き教室を利用したルームについては、市の資産を有効活用する観点から、平成22年3月に教育委員会との「空き教室等を活用した子どもルームの整備に係る協定書」を締結しました。これにより、既にある学校のトイレを利用することとなっており、多目的トイレについても同様に供用することといたします。一方、平成19年度以降、学校敷地内の校舎外に整備したルームについては、車椅子利用者への対応として多目的トイレを設置しております。また、多目的トイレやオストメイト対応トイレの無い施設については、障がいのある児童の入所に合わせ整備を進めて参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 また、あるルームは静養室が施設の構造上、荷物置場となっている状況で静養できるスペースがありません。障がいのある児童がトイレでクールダウンをしている状況があります。落ち着く部屋・静養室の確保が求められ改善が必要と考えますが、お答え下さい。

【こども未来局長答弁】
 子どもルームの静養室は、体調不良の児童が静養するスペースであり、平成22年3月に策定した「子どもルームの整備・運営に関する方針」に基づき整備した施設については、静養スペースを確保しております。なお、それ以前に整備した未設置の施設についても、増設や校内移転等の際に順次設置して参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 障がいのある児童への対応で、あるルームでは3名の正規指導員では対応できず、補助指導員を確保して対応している状況です。夏休みは3名のアルバイトで保育をしている状況です。障がいのある児童に対しては専門性を持つ指導員の配置が欠かせません。また申し送りができ、継続して保育ができるよう正規指導員を増やすべきではないですか。お答え下さい。

【こども未来局長答弁】
 本市では、障がい児を受け入れる際には、本人・保護者と指導員を含む関係職員等で面談を行ない、子どもの状態などに応じて指導員を加配し、障がい児が安心して生活できるよう配慮しております。なお、障がいのある児童の入所に際し、個々の児童の状態に応じて適切な対応を図るとともに、指導員に対する研修を充実させるなど、指導員の資質の向上に努めて参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 障がいのある児童には継続した保育が必要であることを改めて求めておきます。
 次に、幕張西小子どもルームは、児童数の増加もあり、現在100名定員で、先日伺った時点では93名の児童が必ず来る状況にあるとのことです。教育委員会に伺いますが、幕張西小学校における今後の入学児童数の推移についてお答え下さい。

【教育次長】
 平成24年度の児童数の将来推計で見ますと、平成25年度205人、平成26年度205人、平成27年度182人となっています。

【佐々木ゆうき議員】
 いま、答弁にあった幕張西とともに、美浜区内では、稲毛海岸地区や打瀬地区内の開発による児童数の増加が見込まれる地域がありますが、その対応をどのように考えているのか伺います。

【こども未来局長答弁】
 幕張西小子どもルームをはじめ、児童数の増加が見込まれる地域については、今後の需要調査等を踏まえ、必要性や緊急性を考慮し、検討して参ります。今後も、子どもたちの放課後の遊びや生活の場として、安心して過ごせるよう子どもルームの環境整備に努めて参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 冒頭述べた子どもルーム設置目的に立ち返り、未整備の学校区や施設改善、増設が必要なところには予算配分を求めておきます。

2.災害対策について

 これまで災害対策というと、応急・復旧対策に力点が置かれていました。災害対策基本法の第1条には、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びそのたの公共機関を通じて必要な体制の確立や、責任の所在を明確化、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置の基本を定めるとされています。この中でも災害予防をしっかりやらない限り、市民の生命や財産は守れません。
 そこでまず、千葉市の「地域防災計画」の見直しの進捗状況と、「計画」の目的・目標について伺います。

【藤代副市長】
 現在、市防災会議の関係機関から意見等を徴収し、8月に公表された県の計画との整合を含めて、庁舎内検討を進めており、9月上旬に決定した委託業者の専門的な知見やノウハウを活かしながら、計画の素案作りを進めている状況であります。

 また、東日本大震災を踏まえ、(1)より実効性の計画とする。(2)あらゆる可能性を考慮した計画とする。(3)「減災」の考え方を取り入れる。(4)自助・共助・公助の視点から役割分担を明確にする。(5)10年・20年後を見据えた、「災害に強いまちづくり」を推進した計画とする。(6)国・県の基本方針や関係法令の改正との整合性を図る。
 以上、6項目の見直し基本方針を計画の目標・目的としております。

【佐々木ゆうき議員】
 6項目の基本方針が示されましたが、何より重要なことが災害の未然防止対策です。発災現場は、市民の日常生活の場であります。今後、市の「計画」の見直しにあたっては、「人命被害ゼロ」を目標とすること。市民生活の場で有効かつ役立ものにするため、小学校区規模での計画の策定、行政の責任での全市民対象の防災意識の啓発・訓練の実施を「計画」に位置付けることについての見解を伺います。

【藤代副市長】
 地域防災計画では、「市民の生命、身体及び財産を災害から守るとともに、災害による被害を軽減することをもって、社会秩序の維持と公共の福祉の確保を図る」ことを目的とし、人命被害を発生させないことや発生した場合の被害を最小限にすることを基本目標としております。また、小学校区規模での計画の策定については、区毎のハザードマップや我が家の危機管理マニュアル等を活用し、地域の実情に沿った防災意識の啓発を図っており訓練についても、行政と市民が一体となって取り組むこととしていることから、見直し中の計画にも踏襲して参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 災害発生時、応急対策の実効性を担保することと、予防対策を確実に前進させるために、全庁的に施策に取り組み、それぞれの施策の根底に防災の視点を据えることが必要と考えます。そして、命を守るために、市民への「防災意識」の啓発・徹底が決定的に重要です。その際にも、行政の責任である「公助」を後退させず、啓発や訓練を「計画」の中に高く位置づけて、行政がやりぬくことを求めておきます。
 次に、津波対策と液状化対策について伺います。
 まず、南海トラフ巨大地震への対応についてです。この新たな地震の被害想定では、最悪で約32万人、その約7割は津波で犠牲になるとしました。千葉県でもこの地震で1,600人が犠牲になるとされています。この南海トラフ地震への千葉市への影響と対策について伺います。

【藤代副市長】
 南海トラフ地震による本市への到達津波高は、県が本年4月に公表したものを上回るものではないことから、現在、津波避難ビルの指定や海抜表示の設置、また、津波ハザードマップの作成など津波対策を進めております。

【佐々木ゆうき議員】
 「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が公表した、美浜区に襲来する最大津波高「東京湾平均海面」T.P.プラス3.0メートルの津波が黒砂水路を、仮に遡上した場合に、幸町・稲毛海岸の両岸付近の宅地の標高は2.9メートルの箇所があり、護岸が液状化等で損壊した場合には浸水する可能性があります。また一方、8月28日付「朝日新聞」によれば、市の調査では、東日本大震災の影響で地盤沈下が起きたとされています。この地盤沈下による水準点の変化の状況はどうだったのか伺います。あわせて、護岸や埋立地の東日本大震災での被災状況の把握と、県と市で防潮堤・護岸などの海岸保全施設の液状化対策や耐震化対策を協議していくべきではないですか。

【環境局長】
 平成23年11月から24年3月にかけて、市内164か所の水準点で観測した結果、前年度と比べ4.2センチメートルから20.6センチメートル、平均で、約5.3センチメートルの沈下が確認されました。特に、美浜区稲毛海岸3丁目、磯辺4丁目、真砂4丁目、中央区新浜町の埋立地で10センチメートルを超える沈下が確認され、その原因については、液状化の影響であること、また、影響を受けた地点、受けなかった地点が混在していることから、面的な評価は行わない旨、千葉県より公表されております。

【藤代副市長】
 県との会議等の様々な機会を通して、防潮堤等の海岸保全施設の改修や補強について、要望してまいりたいと考えております。

【佐々木ゆうき議員】
 県は、「防潮堤等の海岸保全施設は高潮を対象としたものであって、津波を想定しておらず、液状化対策についても当時の知見では考慮されていない」としています。また、施設の老朽化等が指摘されているにもかかわらず、その対策は、県防災計画では「点検および耐震診断」に限定されています。美浜区の護岸・防潮堤は崩壊箇所だけの原状復旧にとどまっています。「随時、必要な改修・補強を行なう」と改めるよう県に求めるべきではないですか。

【藤代副市長】
 県の地域防災計画では「東京湾沿岸などの海岸保全施設については、今後、計画の変更も含めて十分検討を行う」とされており、県主催の津波に関する浸水予測の説明会等でも、千葉市域の計画変更や対策について、市としても意見を述べております。今後も、引き続き、県との様々な場を通じて、海岸保全施設の対策について、要望していきたいと考えております。

【佐々木ゆうき議員】
 県の「津波浸水予測図」では、湾口10mの津波でも、千葉市内での浸水はごく一部となり、これを前提にすると、対策はハード面もソフト面とも不要とされてしまいます。先月末、県は東京湾沿岸海岸保全計画内湾検討委員会を立ち上げ、初会合を開かれました。浦安市から袖ヶ浦市までの東京湾内湾10市長や学識経験者等17名で構成されています。この内湾検討委員会での協議概要と今後のスケジュールについて伺います。あわせて、千葉市はこの検討委員会にはどのようなスタンスで臨もうとしているのか、伺います。

【都市局次長】
 東京湾沿岸における海岸の計画は、平成16年8月に定めた『東京湾岸保全基本計画』に基づき、高潮に対する施設整備を進めているところであります。しかしながら、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、想定を超える津波が観測されたことから、県では今年度から基本計画の見直しを行なうため、「東京湾沿岸海岸保全基本計画内湾検討委員会』を設置し、津波を考慮した海岸保全施設の検討を行なっていくことにしたものであります。第1回委員会では、見直しにあたってのシミュレーションの条件について議論しております。今後、シミュレーション結果を踏まえた津波防護高などの対策について議論し計画案を取りまとめ、パブリックコメントを実施したうえで、今年度末を目途に委員会の結論を出す予定となっております。
 また、本市としては、市民の安全安心が最大限守られる計画となるよう、検討委員会において議論してまいります。

【佐々木ゆうき議員】
 それでは、津波ハザードマップ作成の進捗状況と、市の被害想定について伺います。

【藤代副市長】
 津波ハザードマップについては、現在、津波浸水地域の特定とあわせ、津波避難ビルの収容人員や津波浸水地域の戸建住宅等に居住する人口の算出等を行なっております。今後、それらの基礎資料を整理した段階で、外部委託によりハザードマップ作製を行なってまいります。また、市の被害想定については、本市では、防潮堤等の海岸保全施設等が整備されていることから、津波による被害を非常に少ないものと考えております。

【佐々木ゆうき議員】
 あらためて触れますが、2009年に国交省港湾局が中央防災会議に報告した「東京湾の最大規模高潮浸水想定の結果」で、「伊勢湾台風級の高潮で海岸保全施設等の機能は正常の場合でも、美浜区・中央区の大半の地域が浸水」するとしています。
 高潮よりもエネルギーの強い津波でも浸水しないのでしょうか。市は「被害は非常に少ない」ということですが、国交省の「最大規模高潮浸水の想定結果」や、現在の知見に基づき、市独自に津波想定を調査・研究すべきではないですか。

【藤代副市長】
 県の津波の浸水予測図と国の南海トラフ巨大地震の結果から判断すると、市域は、防潮堤等の海岸保全施設等が整備されていることから、津波による浸水は非常に少ないものと考えております。また、市独自の津波想定の調査・研究については、国の南海トラフの巨大地震モデル検討会や県の東日本大地震千葉県調査検討専門委員会での大学教授をはじめとした学識経験者等での調査・研究 結果であり、千葉県内の統一的な結果が公表されていることから、独自で調査・研究は考えておりません。

【佐々木ゆうき議員】
 地震被害想定はその被害の大きさだけではなく、手だてを尽くせば被害を少なくできることも明確にしています。常に「最悪」を想定し、「命を守ることを最優先」にすることを防災の鉄則です。住民の意識や地域の取り組み任せにせず、市民、災害弱者などをどのように早く避難できるようにするのかなど、「公助」としての責任ある対策が求められることを述べておきたいと思います。
 そして、液状化対策についてですが、住宅の建て替えや傾きの直し、地盤改良など、多額の費用が必要とされます。道路と宅地の一体的な対策の費用が未だ明らかにされていません。そのため費用が明らかになっても、特に高齢者世帯は年金生活で払えるかどうかわかりません。被災住民に費用負担について展望を示すことが必要と考えますが、見解を伺います。

【都市局次長】
 被災住民の費用負担について、展望を示すことが必要と考えるがどうか、について出すが、液状化対策に効果のある工法や費用算定の基礎となる地層等を確認するため、今月の20日より、現地において、ボーリング調査に着手したところであります。このボーリングデータを基に、液状化対策の広報及び概算工事費を算出することとしております。被災住民の方の目安となる負担額につきましては、国に対しても、民間宅地等の負担軽減策の拡充について要望しておりますが、工法により事業費が異なることから、現時点でお示しすることは難しいものと考えております。
 しかし、年末までに工法等の検討を行ない、年度内に想定される負担額を示したいと考えております。また、被災住民の方の負担軽減のため、市の支援策についても検討を進めて参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 液状化被災自治体の住民への支援が待たれています。実際には何年も待たなければならない住民の思いを受け止めて、支援策を講じるよう強く求めます。
 次に、学校における避難所機能の充実についてです。
 学校施設は、児童生徒などの学習・生活の場であるとともに、非常災害時には地域住民の応急避難所としての役割を果たします。
 今年初めに、2004年の中越地震の経験を生かして学校施設の防災機能を充実させた長岡市を視察しました。市立東中学校は、災害時の「避難エリア」と教室など「教育エリア」を分けた構造にしています。今年1月6日付「新潟日報」で「住民が安心して避難できる上に、学校も速やかに再開できる」とし、文部科学省の検討会が先進例として評価しています。この長岡市の取り組みへの教育委員会の評価を伺います。

【教育次長】
 早朝の教育活動の再開については、重要なことと認識しており、学校施設を「避難エリア」と「学習エリア」に区分する長岡市の取り組みは、有効な手法の一つであると考えられます。しかしながら、この手法は、校舎の建替時での対応が必要であり、本市においては、改築・新築の計画はすべて完了していることから、対応は難しいものと考えております。

【佐々木ゆうき議員】
 それでは、現在の小学校・中学校の耐震化率の状況について伺います。

【教育次長】
 平成24年4月1現在、小中学校の耐震化率は74.1%となっております。

【佐々木ゆうき議員】
 耐震化率に見られるように、学校施設の耐震化の推進は喫緊の課題です。子どもの命と安全を最優先にして、耐震化の前倒しと設計などに必要な職員の配置をすべきではないですか。

【都市次長】
 学校施設の耐震化については、平成26年度までの前倒しにより、設計などの業務を計画的に執行しているところであり、これらに伴う業務増に対しては、適正な職員配置に配慮してまいります。

【佐々木ゆうき議員】
 子どもの命に関わることですから、早期に耐震化されることを求めておきます。
 こうした屋内運動場など学校施設は、仮設住宅移行までの避難所となります。市と教育委員会、地域住民など交えて学校の構造・設備の確認は定期的に行なわれているのか、伺います。

【教育次長】
 市職員や学校の教職員、地域住民などによる、学校の構造・設備の定期的な確認は行なっておりませんが、避難所運営を担当する市職員の参集訓練において、非常用井戸や、地域防災無線、備蓄倉庫などの設備の確認をおこなっております。なお、現在、市職員や学校の教職員、地域住民などがメンバーとなる「避難所運営委員会」の設立を進めており、その中で、平常時から学校の構造・設備などについても確認することとしております。

【佐々木ゆうき議員】
 その避難所の環境整備についてどのように考えていますか。

【藤代副市長】
 市地域防災計画では、避難所指定の目安として、(1)被災者の一時的宿泊滞在が可能なような設備、施設を有すること。(2)情報伝達上の利便性が得やすいこと。(3)なるべく公共施設であること。(4)耐災害性に比較的優れていること。などとしており、住宅に危険が予想される場合や住宅の損壊により生活の場が失われた場合に、一時的な生活の本拠地となる環境が整備されていることが重要であると考えております。

【佐々木ゆうき議員】
 長岡市の避難所環境整備では、市立小・中学校に3ヵ年計画で、屋内運動場にケーブルテレビ配線、非常用の電話、LANの端末設置、受水槽に蛇口を設置、プロパンガスにも対応できるようにプロパンガスの接続口を設置、トイレの洋式化を実施したということです。それほどお金もかからず、効果がある施策ということでした。
 こうした点を長岡市の取り組みを千葉市でも活かすことが必要ではないでしょうか。
(1)屋内運動場に非常用のTV配線及び電話配線、LAN端末設置の設置をすること。(2)既存受水槽に蛇口を設置し、停電・断水時への対応をすること。(3)都市ガスは復旧に時間がかかるため、災害時にプロパンガスも使用可能なガス変換機の接続口の設置をすること。(4)緊急電源装置の設置をすること。以上の4点について、教育委員会の見解を伺います。

【教育次長】
 まず、屋内運動場の非常用テレビ配線及び電話配線については、耐震改修工事に併せて設置しております。また、LAN端末については、既存の校内LAN端末の利用が可能となっております。次に、既存受水槽の蛇口については、受水槽の改修時に設置しております。次に、災害時にプロパンガスも使用可能なガス変換機の接続口については、必要性などについて検討してまいります。最後に、緊急電源装置の設置についてですが、千葉電設協会との「災害時における応急設備工事等の協力に関する協定」に基づき、工事会社所有の発電機を供給してもらう体制となっております。
 このことから、停電時に可搬型の発電機を接続して、屋内運動場の照明やコンセントの一部を使用することができる発電機接続盤を改築及び耐震改修工事に併せて設置しております。

【佐々木ゆうき議員】
 この長岡市のような避難所の環境整備を設置することについて伺います。
 05年に長岡市災害対策本部から発行された「中越大震災〜自治体の危機管理は機能したか〜」では、トイレ対策に触れています。「水と食料の手配の重要性には気づくものの、トイレ対策の重要性は見落としがち…、大都市では問題となるだろう」と指摘されています。長岡市では、流せなくなった排せつ物を処理するのに職員・教員が奔走して対応したケースもあったようです。

【藤代副市長】
 本市の避難所については、学校の屋内運動場やコミュニティセンター、公民館等の公共施設を指定しており、施設ごとに設置の目的、機能が異なることから同様の環境整備を一律に行なうことは難しいものと考えております。しかしながら、今後は、避難所の機能を活かしつつ、他都市の状況を研究しながら、必要に応じて検討してまいります。

【佐々木ゆうき議員】
 避難所となる学校への仮設トイレの緊急配備を計画することやマンホールトイレの整備、携帯トイレの備蓄は不可欠です。今後の対策への見解を伺います。

【教育次長】
 仮設トイレの配置については、現在、簡易組立トイレやワンタッチトイレなど、市全体で318台備蓄しておりますが、仮設トイレが不足する場合には、千葉市震災廃棄物処理計画に基づき、追加調達するとともに、設置のための応援など協力業者等へ要請することとしております。また、避難所となる学校には、現在、マンホールトイレ7箇所、延べ35台分を整備しており、今年度から平成28年度までに、合計47箇所、延べ235台分を整備する予定でおりますが、トイレ対策全般について、地域防災計画の見直しの中で検討してまいります。

【佐々木ゆうき議員】
 トイレは水の確保とともに重要なものです。地震発生の時間帯にもよりますが、夜間では被災状況の把握などが困難になります。東日本大震災では、液状化で下水道に被害がありました。万全の体制が取れるよう求めておきます。

3.学校統廃合に係る学校跡施設・跡地の活用について

 次に、学校統廃合に係る学校跡施設・跡地の活用についてです。磯辺地域での統廃合の関係で、磯辺1小と2小は跡施設となる予定で、「企業庁用地であり契約上は原状復帰のうえ返却」とされています。8月9日に地域の方々と私で学校跡施設の活用についての要望書の提出を市に対して行ない、引き続き、地域のコミュニティ施設や老人福祉施設、防災拠点など、公共施設としての活用を求めてきました。
 その後に、県から跡地活用についてレクチャーを受けました。9月6日に、磯辺地区学校跡地活用検討会から、「磯辺地区の小・中学校の統合による跡施設活用に関する要望書」が提出されています。そのことを踏まえて質問します。
 3月に地元代表協議会から千葉市長と県企業庁長に提出された要望書について、「地域コミュニティ」関連での活用から「子育て」関連での活用についての市の検討状況とともに、今回提出された要望書の取り扱いについてどうなるのか、伺います。

【財政局長】
 学校統廃合に係る学校跡施設・跡地の活用についてですが、現在、跡施設となる5つの小中学校を対象に庁内の利活用ニーズについて、調査を実施しているところであり、その中で、提出された要望書の内容についても検討しております。その後、調査結果を踏まえるとともに、市政運営の基本方針である新基本計画との整合を図りながら、人口・世代構成や周辺施設の状況などを総合的に勘案し、跡地の有効活用について検討して参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 市と県企業庁が2005年に交わした文書では、「学校用地」として使用しない場合は原状復帰してから返還するとなっていますが、新たに市が活用する場合には、県からの購入となります。企業庁から、「公共利用するにしても分譲する。利用しない場合は処分する」との説明を受け、その中で「公共施設として使うなら譲渡の条件の検討の余地はある」と答えました。県から提示されている譲渡の条件はあるのか、伺います。

【総合政策局長】
 企業庁から、あらかじめ示されている譲渡条件はありません。市の利用方針がある程度、固まった段階で、企業庁との協議の中で条件が決まっていくものと考えております。

【佐々木ゆうき議員】
 当初の「学校用地」という公共目的が、高齢化など住民構成の変化からその公共目的が変化してきています。磯辺地区の検討会の要望書で、地区センターとして、防災拠点や公民館・図書室機能の移転などの10項目と、保健・医療・福祉の複合サービス施設整備の要望が出されていることからみれば明らかです。
 県企業庁は、「時価処分が原則ではあるが、千葉市の要望があれば規定上減額処分は可能」と回答しています。特に、地域の避難所や防災の拠点となる施設であり、市への低廉価格での貸付、または無償貸与を継続するよう県に要求するよう求めますが、お答えください。

【総合政策局長】
 市として両校の跡施設を利活用する場合には、利用目的を勘案し譲渡条件等について企業庁と協議して参ります。

【佐々木ゆうき議員】
 現在においても地域の拠点・コミュニティ、スポーツの場となっています。地元から出された要望書を重く受け止めて、対応されるよう強く求めて、私の一般質問を終わります。