中村きみえ議員の一般質問と答弁

2012.10.1

写真 日本共産党千葉市議団の中村きみえです。通告に従い、一般質問を行います。

1.外郭団体について

 はじめに外郭団体について伺います。
 千葉市は、行政改革推進プランで、簡素で効率的・効果的な行財政運営に「外郭団体改革の推進」を掲げ、人的・財政関与の見直し、統廃合などが示されました。平成23年度の外郭団体の事務事業の見直しでは、外郭団体が指定管理者となっている施設の多くは、次回の公募をせず、次期指定期間の平成28年度からは、民間事業者から募集する方針を打ち出しました。そこで伺いますが、そもそも千葉市が外郭団体を作ってきた主旨とは何か。この間果たしてきた役割を、どう認識していますか。

【総合政策局長答弁】
 外郭団体についてお答えします。
 外郭団体の設立趣旨、役割についてですが、本市の外郭団体は、多様化、複雑化する市民ニーズに迅速、柔軟、効率的に対応するために設立され、行政を補完、代替、支援する組織として重要な役割を果たしてきたものと認識しております。

【中村きみえ議員】
 外郭団体は、公共性、公正性、規範性、安定性、専門性などを発揮し公的役割を担ってきました。今回打ち出した方針は、プロパー職員の雇用も含めた人事にかかわる重大な問題です。市はこうした外郭団体に対し、どのような話し合いや説明する場を設けましたか。関係者の声や要望を聞く機会を持ちましたか。

【総合政策局長答弁】
 平成23年度に実施した「外郭団体の事務事業の見直し」においては、あらかじめ外郭団体の事務局長等に対し、市の考え方を説明したほか、逐次、所管局を通じて見直し内容に対する団体の意見を徴収する機会などを設けながら、実施したところであります。

【中村きみえ議員】
 代表者だけでなく現場で働く人たちの声を聞き、話し合う場の確保を求めますが、お答えください。

【総合政策局長答弁】
 外郭団体のあり方を見直すことについては、設置者の立場から、市が主体的に行なうべきものと認識しておりますが、見直しに際しては、今後とも、各団体に対し、本市の考え方について丁寧な説明を行なうとともに、必要な意見を求めて参ります。

【中村きみえ議員】
 財政的関与の見直しでは、平成21から25年度までに補助金額4億円以上の削減を掲げています。これは、何を意味し、どこを削減するのですか。

【総合政策局長答弁】
 外郭団体に派遣していた市職員の引揚げを通じた人件費の縮減や、団体の経営改善によって経費の縮減を図ることにより、補助金を削減しようとするものです。

【中村きみえ議員】
 補助金の削減は、人件費削減を強要することになりませんか。外郭団体の中で給与は自主的に決められているとしながらも、人件費の1割カットと言われていますが、地域経済の面でも、職員のモチベーションも下がり悪影響を及ぼしませんか。

【総合政策局長答弁】
 「外郭団体経営見直し指針」においては、補助金は、委託料との区分を明確にした上で、対象となる事業等の公益性等から補助の必要性を精査するとともに、その効果や達成度を費用対効果等の観点から評価し、財政健全化プランに定めるところに従い、削減することとしております。なお、外郭団体が担うものとした公共サービスの実施に必要な経費については、適切に対応して参ります。

【中村きみえ議員】
 公募しないことで、人員削減を狙っていますが、今いる職員配置はどうなりますか。

【総合政策局長答弁】
 この見直しにおいては、新たに外郭団体に担わせることとする事務事業についても整理したところであり、民間事業者に委ねるものとした事務事業に従事してきた職員の知識、経験等を新たな事務事業で生かしていただく必要があると考えております。

【中村きみえ議員】
 外郭団体経営見直し指針に基づき、財政健全化プランには「市から派遣している職員の原則引揚げをし、その存在意義や役割を再確認し、公共性や効率性の観点から引き続きあり方を見直す」と述べています。これは、補助金削減ありきで、人件費削減が狙いなのですか。職員派遣は、市とのパイプ役として、円滑な運営に貢献してきたのではないですか。

【総合政策局長答弁】
 本市では外郭団体が行政を補完、代替、支援する組織であることなどを各団体からの要請により、「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」に基づき、行政経験豊かな職員を派遣して参りました。一方、外郭団体がその特性に応じた自主性・自立性を発揮できるよう、必要最小限の関与とするように改めてきたところです。
 そして、神戸市における派遣職員の人件費の支給に関する平成21年の住民訴訟の判決等を踏まえ、平成22年3月に策定した千葉市外郭団体経営見直し指針において、派遣職員を原則として引き揚げることとしたところです。

【中村きみえ議員】
 行政が、関与しなくなり、公共性を保てるのでしょうか。そもそも公の施設を管理するには、施設の貸し出しや維持管理業務かどうかという視点ではなく、地方自治法244条1項では「住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供するための施設」と規定された理念をよくつかみ対応することが求められると思いますが、どうですか。

【総合政策局長答弁】
 指定管理者制度は、住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設である公の施設について、民間事業者等が有するノウハウを活用することにより、住民サービスの質の向上を図っていくことで、施設の設置の目的を効果的に達成するために設けられた制度と理解しており、外郭団体の事務事業の見直しについても、この趣旨を念頭において、行ったところです。

【中村きみえ議員】
 外郭団体で働く職員の生活と権利を守る義務が市にはあると思います。職員が納得できるような対応をすべきですがお答えください。

【総合政策局長答弁】
 このたびの見直しにあたっては、団体の設置者の立場から、最大限、職員の安定した雇用等に努めて参ります。

【中村きみえ議員】
 つぎに、各団体についての対応を伺います。
 1つは、国際交流協会についてです。
 国際社会の中で、外国人の方が、千葉市で住み続けられるよう情報交換や国際化の対応をはかり、設立当初約1万人が、現在約2万1千人と倍増し、ますますその役割を発揮することが、求められています。職員は7名と小規模ですが、外国人を相手に事務の効率性を高めるとは、何を指しますか。

【藤代副市長答弁】
 国際交流協会についてお答えします。
 外国人を相手に事務の効率性を高めるとは何かとのことですが、国際交流協会は、職員数及び組織体制が小規模であることから、団体運営や事務事業の執行体制に関して効率性を高める必要があるという意味であります。

【中村きみえ議員】
 語学を学びたい、通訳を希望する生活相談業務など、通常より対人サービスで丁寧な対応が求められ、長時間話すことでコミュニケーションが図れる事業に効率性を求めるのは、なじみません。むしろ、人員を増やし、体制強化が必要ではありませんか。

【藤代副市長答弁】
 在住外国人からの日本語学習や生活相談における要望に対しては、国際交流ボランティアや国際交流団体などと連携を図り、言語や習慣の違いから生じる日常生活の問題を解決できるよう、支援に努めているところであります。

【中村きみえ議員】
 つぎに、千葉市文化振興財団についてです。
 現在、文化センターに事務所を置き、36人の常勤者が拠点として活動しています。これも統合対象で次期公募ができません。ここで働く職員は、現場で文化活動を実践し企画、運営のノウハウを蓄積しています。36人の職員の処遇をどう考えていますか。文化センターの事務所がなくなったら、どうやって活動できますか

【市民局長答弁】
 本年4月、文化振興財団は、公益財団法人へ移行したことに伴い、市民文化の向上や地域文化の振興に資する事業の充実など、本市の芸術文化振興での果たす役割もこれまで以上に期待されています。これらの事業を推進するためには、必要な人材が確保されるべきと考えます。同財団の事業所については、市の設立した団体であることを踏まえ、必要な検討をして参ります。

【中村きみえ議員】
 他の政令市では、こうした文化施設は、どこが運営しているか伺います。

【市民局長答弁】
 昨年度調査によると、政令市18市の154施設のうち外郭団体または外郭団体と民間事業者との共同体が管理運営をする施設は120施設、民間事業者による管理運営施設は34施設となっています。

【中村きみえ議員】
 政令市のほとんどは、外郭団体または、外郭団体と民間事業者による共同体が、運営しています。その理由も、「施設との一体管理が必要だ」とそのノウハウの必要性を認めた上で、指定しています。千葉市のように、補助金削減ありきで、事業と切り離し、職員が路頭に迷うことがあってはならないと思いますがどうですか。

【市民局長答弁】
 文化振興財団が、これまで培ってきた、知識や経験を充分に発揮するとともに、本市にふさわしい文化振興事業を実施するためには、そのために必要な職員の確保が重要であると認識しております。

【中村きみえ議員】
 文化芸術振興基本法には、「文化芸術を創造し,享受し,文化的な環境の中で生きる喜びを見出すことは,人々の変わらない願い。」とあり、第4条に「地方自治体は、基本理念にのっとり,文化芸術の振興に関し,国との連携を図りつつ,自主的かつ主体的に,その地域の特性に応じた施策を策定し,及び実施する責務を有する。」と記されています。文化振興を進める財団をコスト優先で、施設運営を公募させず、切り捨てることは法の理念に反するのではないですか。

【市民局長答弁】
 文化芸術振興基本法を踏まえて策定した、本市の文化芸術振興計画を確実に推進していくためには、文化振興財団の果たす役割は重要であり、今後も連携し、芸術文化の振興に努めて参ります。

【中村きみえ議員】
 つぎに、スポーツ振興財団についてです。
 スポーツ振興財団は、市民のスポーツ振興のために大きく貢献してきました。しかし、文化振興財団と同じく施設の管理運営の拠点であるポートアリーナを、手放すよう市が方針を出しました。市民がスポーツに親しめるよう技術的な応援に留まらず、施設利用をし、事業展開することが望ましいと考えます。そうした職員はどこに事務所を構えて業務を行なえるのですか。

【市民局長答弁】
 スポーツ振興財団は、本年4月に公益財団法人に移行したところであり、その公益性や市が設立した団体であることを踏まえ、活動の拠点となる事業所については、市としても必要な検討をして参ります。また、同財団の業務につきましては、スポーツ教室の充実やスポーツ行事の企画など、ソフト面を充実させるとともに、市や各種スポーツ団体、さらには市内スポーツ施設との十分な連携を図ることで、財団の目的であるスポーツ・レクリエーション活動の普及振興に資する事業を展開することができると考えています。

【中村きみえ議員】
 スポーツ振興は、拠点施設がなければ事業を行うにも、会場確保から検討しなければならず、公的役割を果たせません。市民が気軽にスポーツに取り組み、楽しめるよう、職員を削減すべきではありません。お答え下さい。

【市民局長答弁】
 スポーツ振興財団は、これまで本市と連携し、スポーツ振興の一翼を担ってきたところであり、公益財団法人移行を契機に、今後、その果たす役割と期待は大きいものと考えております。このため、ソフト事業の充実やスポーツ団体の育成など、スポーツ施策の推進に対応する人員を確保することは必要なことと認識しております。

【中村きみえ議員】
 コストや効率を最優先し、人件費をカットし、公募すら認めないのは、あまりにも乱暴な議論です。公共性、公正性など市が行なう必要性を認め、外郭団体の統合を見直すべきだと強く求めておきます。

2.介護保険について

 次に介護保険についてうかがいます。
 介護保険法が施行され12年。介護保険法第1条では、「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる」と掲げていますが、4月の法改正で暮らしと命を脅かす事態となっています。
 1つは、ヘルパー支援についてです。
 生活援助の見直しは、これまで30分以上60分未満、60分以上だった区分けが20分から45分未満と45分以上に再編され、介護報酬が2割近く引き下げられました。現場では、介護報酬の減額で、45分未満の利用が増えているようです。千葉市では、この見直しで現場がどうなったのか、認識を伺います。

【保健福祉局長答弁】
 介護保険についてお答えします。まず生活援助の見直しについてですが、サービスの提供時間の区分が60分未満・以上から、45分未満・以上に変わったことで、「あわただしく買い物や掃除をしなければならない」などのヘルパーの声も聞いておりますが、大多数は、利用者の意向を踏まえ、作成されたケアプランに基づいて従前通りのサービスが提供されていると認識しております。

【中村きみえ議員】
 報酬が下がり、45分以上となり自費負担が生じるケースもあり、多くの生活援助が45分未満で実施しているようです。厚労省は、「利用者の意向を踏まえない時間短縮は不適切だ」と「これまでどおりの時間提供は可能」だとする見解が示されています。川崎市、広島市では、事業者に対して指導通知を出しています。大阪市でも行き過ぎた時間短縮に歯止めをかける通知を出しています。千葉市ではどんな対応をしたのか、利用者の立場にたった支援を求めるべきではないですか。

【保健福祉局長答弁】
 本年3月に開催した事業者向け説明会で、生活援助の時間区分の変更を理由にサービス提供時間を一律に短縮することなく、利用者の意向を踏まえ、アセスメントやケアマネジメントに基づき、適切なサービスを提供でするよう、指導しております。

【中村きみえ議員】
 千葉県社保協が県内500の訪問介護事業所にアンケート調査を行った結果、事業者の改定後の収入が減ったのが、全体の42%。サービス時間は45分未満が51%で、事業は厳しくなり、利用者からの苦情も4割が来ていると回答しています。ヘルパーは、食事の支度や掃除をしながら利用者の体調変化を見て、話し相手になり、生活はもちろん、利用者の在宅支援をしています。時間短縮されてもケースの対応は同じで、交通費は同額、介護報酬は下がります。ヘルパーはモチベーションが下がり、やりがいを喪失していると言われています。利用者は、ヘルパーに気兼ねし、話も十分できない状況のようです。このように利用者にも、介護事業者にとっても悪影響を及ぼす改悪は、見直すべきではないですか。国に、元に戻すよう求めるべきですが、見解を伺います。

【保健福祉局長答弁】
 今回の生活援助の時間区分の見直しは、「掃除」や「調理」の平均所要時間が30分から40分程度となっているサービスの提供実態を踏まえるとともに、限られた人材の効果的な活用を図り、より多くの利用者に対し、そのニーズに応じたサービスを効率的に提供する観点から、実施されたものと認識しております。なお、国においても、利用者の心身の状況などを踏まえ、適切なアセスメントとケアマネジメントに基づき、必要なサービスが提供されるよう配慮すべきとの考え方を示しております。

【中村きみえ議員】
 つぎに、保険料についてです。
 今年度、保険料の減免制度は、1人世帯の収入額が132万円から150万円以下、預貯金が350万円以下で基準額の半分減額の見直しがされました。これで実際に何人が制度を受け、対象者全てが利用しているのか伺います。

【保健福祉局長答弁】
 介護保険料減免制度の利用者数についてですが、対象者すべてを把握することはできませんが、本年8月末時点で、170人の方が減免を受けております。

【中村きみえ議員】
 90歳で無年金の母と娘の二人暮らしの方がいます。母は年金の受給資格期間が足りないために無年金。娘の年金年間170万円で二人の生計を立てています。デイサービスは週二回、ショートステイは2月に1度、二人分で保険料は58,644円、後期高齢者医療保険料、国保料、利用料を加えると年間総合計は30万円を超え、年金の2か月分を超えるほどの負担になります。こんな異常な事態を改善しなければなりません。無年金者からは、保険料を徴収すべきではありません。新たな保険料の減免制度の実施を求めます。お答えください。

【保健福祉局長答弁】
 第5期計画における介護保険料は、低所得者への負担軽減を図るため、保険料負担段階を9段階から13段階へ拡大し、きめ細かく設定するとともに、負担能力に応じて保険料率を設定するなどの見直しを行なったほか、市独自の保険料減免の収入要件や資産要件の緩和を行なったところです。

【中村きみえ議員】
 介護サービスが増加すれば、保険料で賄わなければならない介護保険制度は、矛盾しています。年金が減り、税負担が増せば、ますます生活を圧迫します。国に国庫負担金の増額を求め、介護保険特別会計への一般会計からの繰り入れをし、保険料を引き下げるべきです。見解を求めます。

【保健福祉局長答弁】
 国に対しては、国庫負担を増やすことや、財政調整交付金について、大都市では配分が少なくなる傾向があることから、保険料負担が課題とならないよう別枠で財政措置を講ずることなどについて、大都市民生主管局長会議等をつうじ要望しております。
 また、一般会計からの繰り入れについては、12.5%と定められておりますので、これ以上の繰り入れは困難であります。

【中村きみえ議員】
 大阪府では、自治体から保険料の抑制のために一般会計から繰り入れができないか相談され厚労省に確認し、禁ずる法令上の規定はないということが明らかになりました。要は自治体で保険料の引き下げのために努力することは、制限はかからないのです。そうであるならば、保険料引き下げのために、自治体として対応すべきだと指摘しておきます。
 つぎは、利用料についてです。
 利用料は、利用すべきサービスを使うというより「払えるだけ使う」実態があります。今回の改定で、介護職員処遇改善加算になり介護報酬と利用料とが連動する仕組みとなり、利用を手控えるケースも出てきていると伺っています。市はどう認識していますか。

【保健福祉局長答弁】
 介護報酬改定後の、サービスの利用状況についてですが、介護給付費請求状況やあんしんケアセンター、ケアマネ事業所への聞き取り等においても、特段、サービスを手控えている状況は確認できませんでした。

【中村きみえ議員】
 利用料の軽減は、介護保険制度が施行されて以降、実施を求めてきましたが、市独自ではしていません。例えば、特養ホームの入所ですが、保険料の段階別での入所はどうなっているのか、市は実態把握をしていますか。

【保健福祉局長答弁】
 本年7月の入所者数は、全体で2,267人で、保険料段階別の内訳は、生活保護受給者等の第一段階の方は、86人。市民税非課税世帯である、第2から第4段階の方は、1,572人。 本人は非課税で、世帯に課税者がいる第5、第6段階の方は、282人。 本人の所得が300万円未満の、第7から第9段階の方は、292人。
 本人の所得が300万円以上の、第10から第13段階の方が、35人となっております。

【中村きみえ議員】
 介護保険制度に移行後、施設入所はケアマネ任せで、低所得者が入所できない責任を市は、取らずに来ています。施設の待機者にカウントしていても利用料の低い多床室待ちだったり、自宅で老老介護せざるを得ない現実があります。現在、低所得者への利用にかかる軽減制度はありますが、保険料第5段階以降の方は、特養ホームの個室利用でのホテルコストの軽減はなく、月に10万円から17、18万円ほどの負担がかかります。これでは年金生活者は、入所できないとあきらめているようです。早急に利用料の軽減制度を充実し、特養ホームに入所可能とすべきではないですか。

【保健福祉局長答弁】
 市民課税世帯であっても、特養などの施設や短期入所サービスにおいて個室を利用した場合には、配偶者等在宅の家族の生活にも配慮し、食費や移住費を軽減する措置がありますので、引き続き市民への周知に努めて参ります。

【中村きみえ議員】
 社会福祉法人自身の軽減制度は、法人の持ち出しの努力で以前の質問で実績は、2人だけでした。生活保護受給者は、施設入所もできません。市が実態把握し、独自に利用料の軽減策を講じるべきです。お答えください。

【保健福祉局長答弁】
 社会福祉法人等利用者負担軽減の利用者は、8月末現在7人ですが、低所得者への軽減対策は、この他にも、利用者の負担に上限を設ける「高額介護サービス費」や、施設の利用した際の食費・移住費に上限を設定する「特定入所者介護サービス費」がありますので、引き続き、これら制度の周知を図ってまいります。

【中村きみえ議員】
 つぎは、特養ホームの入所についてです。
 花見川区での特養ホームは、「旧畑通勤寮跡地に特別養護老人ホームをつくる会」が3月に発足し、地元の自治会や老人会長さんなどの賛同も得ております。会では、特養ホームの市内の施設見学会を行いましたが、入所にあたり、利用料の高さに見学者一同、驚き、厳しい実態を目の当たりにしました。新しい施設はすべて個室完備のため、建設費によって利用料が影響するようです。財務省から土地を利用するにあたり、より低額で行え、高い利用料とならないよう国に求め、市も対策を講じるべきですが見解を求めます。

【保健福祉局長答弁】
 花見川区の「旧畑通勤寮跡地」への特養の整備についてですが、現在、国において、特養整備地としての活用について、審査が行われておりますが、活用できるようになった場合には、国と運営法人の間で50年間の定期借地権が設定されると聞いております。借地料については、多くの法人の参入を促すためにも、十分配慮されるよう国へ要請して参ります。

【中村きみえ議員】
 美浜区のある特養ホームでは、他の施設と比べ、居住費が月額41,000円も高くなっています。建設費が高いと、その分社会福祉法人は財力のある団体に限られ、質の面で選定が難しくなる懸念があります。高齢者の人権を尊重し、利用料金を軽減し、地域住民が入所できる施設となるよう市は、支援すべきではないですか。

【保健福祉局長答弁】
 国等の所有地を活用し、特養を整備する場合は、利用料への影響や安定した施設運営の確保などを考慮しますと、安価で取得または賃借できることが望ましいため、こうした点について、所有者に配慮を求めて参ります。

【中村きみえ議員】
 せっかく地域に施設を建設しても利用料が高く地元住民が入れないのでは、その期待に応えられません。入所できる軽減策を市が講じるよう求めておきます。
 社会保障・税の一体改革では、憲法25条を棚上げし、重点化・効率化で給付を切り下げ、いっそうの「保険主義」化を進めようとし認められません。
 今回の介護保険の改正は、「医療から介護」「入院から在宅」をめざすとしながら、介護労働者の賃金や労働条件を悪化させ、ヘルパーやデイサービス事業所等を疲弊させ「介護崩壊」に拍車をかけるものです。制度開始から12年経過し、制度的にも財源的にも限界です。負担能力に応じ、利用料の無料化、現行認定システムと支給限度額の廃止、給付体系の見直しと現物給付化・サービス提供に対する公的責任を行い、憲法25条を守る政策を求め、つぎの質問に移ります。

3.障害者施策について

 障害者施策の国の法制度について伺います。
 1つは、国の法制度についてです。
 障害の重い人ほど負担が多い応益負担では、憲法13条、14条、25条に違反していると集団訴訟が行われ、国は、障害者自立支援法を廃止し、障害者総合福祉法の制定を確約しましたが、これを反故にし、当事者の意見がほとんど反映されない障害者総合支援法が押し通されました。市の見解はどうですか。

【保健福祉局長答弁】
 障害者施策についてお答えします。まず、障害者総合支援法に対する見解についてですが、障害者の範囲を見直して、難病の方々が新たに障害福祉サービス等の対象になることや、重度訪問介護の対象が拡大されたことなど、より多くの方に必要な支援を提供できることになるものと考えております。

【中村きみえ議員】
 障害者が障害のない市民と平等に社会生活を送ることを保障するために、障害者を「保護の対象」から「権利の主体」に転換することを理念とする「骨格提言」に沿った新しい法律を実現すべきですが見解を求めます。

【保健福祉局長答弁】
 障害者総合支援法は、障がいの有無にかかわらず基本的人権を享有する個人としての尊厳を規定した改正障害者基本法を踏まえて目的の改正や基本理念の創設が行われており、意義あるものと考えております。

【中村きみえ議員】
 つぎは、障害者の高齢化についてです。千葉市内の身体、知的、精神の障害者の高齢化率の推移について伺います。

【保健福祉局長答弁】
 障害者の高齢化についてですが、65歳以上の方の割合を平成18年度末と23年度末の比較で申し上げますと、身体障害者が59.2%から65.3%と6.1ポイントの増、知的障害者が2.6%から2.5%と0.1ポイントの減、精神障害者が10.1%から12.0%と1.9ポイントの増となっております。
 以上でございます。

【中村きみえ議員】
 千葉市の身体障害者の7割弱が65歳以上を占めています。保険給付優先だからと障害福祉サービスよりも介護保険の給付が優先されます。そのため、非課税者は、障害の制度では無料であるのに、介護保険利用では、1割負担をしなければなりません。サービスも障害の特性に合ったものが受けられないのでは、問題であり、市として対策を講じるべきですがお答え下さい。

【保健福祉局長答弁】
 65歳以上の場合、原則、介護保険の給付が優先されますが、介護保険にないサービスについては障害福祉サービスを利用することが可能となっております。なお、利用者負担の問題など介護保険との適用関係については、他の政令市等とともに、財政措置も含めて国に要望しております。

【中村きみえ議員】
 身体障害者の施設整備は、平成24から26年度までの第3期千葉市障害福祉計画では、ケアホームで58名、グループホームで23名の増ですが、そのほかの施設は増やしません。これでは、障害者がいざという時、入所できないではありませんか。

【保健福祉局長答弁】
 第3期障害者福祉計画は、国の基本指針に基づき策定しておりますが、この指針の中では入所施設の定員について、入所者の地域移行を促進する観点から、削減することが基本とされております。しかしながら、本市では、入所待機者がいることから、定員の削減は行わず、グループホーム等の整備を進め、施設からの地域移行を促進することにより、真に入所を必要とする方が利用できるように努めております。

【中村きみえ議員】
 市は障害者計画策定のための実態調査報告書で意向調査を行い、施設整備を求める声が、あがっていました。調査していながら対応しないことは問題です。第2次千葉市障害者計画の基本理念は、「すべての障害者が地域において自立した生活を営む主体であるとの認識に立ち、障害の有無にかかわらず、相互に個性を尊重し、人格を認めあい、そして支え合うことにより、安らぎのあるあたたかな共生社会をつくる」としています。そうした理念を実現するための施策を充実すべきだと指摘して、質問を終わります。