佐々木ゆうき議員の条例提案説明

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写真 発議第24号・千葉市障害者スポーツ振興検討委員会設置条例の提案理由の説明を行ないます。この条例は、千葉市の障害者スポーツの振興を図り、障害者の福祉向上に資するため、千葉市障害者スポーツ振興検討委員会を設置するものです。

 市の現状は、2011年3月に策定された千葉市スポーツ振興計画『元気・ふれあい・夢 スポーツプランCHIBA』では、第4章・施策の展開−方向性Lに掲げられている「障害者の交流活動の促進」で、「障害者スポーツ・レクリエーション教室、スポーツ大会の開催等に取り組みます」とされ、達成目標として障害者スポーツ大会の開催数が書いてありますが、独自に障害者スポーツ振興についての方針を持つべきです。

 また、今年3月に策定された第3期千葉市障害福祉計画の第5章・地域生活支援事業の実施に関する事項、その他の事業の社会参加促進事業に、「スポーツ大会等、これまで行なってきた事業を引き続き実施するとともに、周知とニーズを踏まえた見直しを行ない、障害者の社会参加の更なる促進を図る」とされているだけで、具体的な事業は出されていません。

 千葉市では、障害者スポーツ振興に特化したものがなく、市民局と保健福祉局でスポーツと障害者の施策が分かれており、統一的にやるべきものと考えます。

 その点で、北九州市では市長が障害者スポーツの振興をかかげて取り組んでいます。民間のスポーツジムが撤退した跡施設を活用して「アレアス」というスポーツセンターを整備するにあたって、バリアフリー化が必要であったため、実施にあたっては、障害者団体連絡会と繰り返し話し合いました。

 その結果、このスポーツセンターは、障がい者だけでなく健常者も一緒に利用できることから、交流ができ、「新しい友達ができた」との声も寄せられています。エレベーターや多目的トイレの設置を進め、同伴者も一緒に宿泊できる施設を整備するなど、地域経済とまちづくりの視点も取り入れられています。

 今年はパラリンピックが注目されました。水泳男子100メートル平泳ぎで、千葉市在住の田中康大選手が世界新記録を出して優勝したことは記憶に新しいと思います。障害者スポーツに携わる選手の中には「生きがい」として、またスポーツを通じて困難に立ち向かう姿勢と「できる」という達成感を得て、生きる糧としています。だからこそ障害者スポーツの振興は重要な課題であると考えます。

 しかしながら、「日本の競技力は立ち遅れている要因の一つに行政上の問題がある」と、IOC名誉委員の岡野俊一郎氏は指摘しています。日本はパラリンピックが厚生労働省、オリンピックが文部科学省となっているように統一的に取り組まれていません。イギリスではトップスポーツとして位置付けられています。指導者の育成も含め、長期的な視野に立った障害者スポーツ振興・支援が国や自治体に求められています。

 今回提案した条例は、障害者スポーツの振興を、市のスポーツ振興の一部の事業にとどめず、経済的負担を無くし、バリアフリー化を進め、健常者と同じように障がい者も気軽にスポーツができる環境を整備することにつながります。誰でもスポーツができるという基本的人権を保障する重要な施策展開を検討できます。

 この条例に、ご賛同いただきますようお願いいたしまして、提案理由の説明とさせていただきます。